TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025176030
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-03
出願番号
2025135680,2023536568
出願日
2025-08-18,2021-12-21
発明の名称
ウイルス起源の各感染症の治療のためのペプチド
出願人
セントロ デ インジエニエリア ジエネテイカ イ バイオテクノロジア
代理人
弁理士法人浅村特許事務所
主分類
C07K
7/08 20060101AFI20251126BHJP(有機化学)
要約
【課題】ウイルス起源の各感染症の治療のためのペプチドの提供。
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するペプチド、並びに当該ペプチドを含む医薬組成物。特定のアミノ酸配列を有するペプチドを含む、哺乳動物呼吸器系の上皮細胞に感染するウイルスによって引き起こされる感染症の治療又は予防のための医薬組成物。哺乳動物呼吸器系の上皮細胞に感染するウイルスによって引き起こされる感染症の治療又は予防のための医薬品を製造するための、特定のアミノ酸配列を有するペプチドの使用を含む。特定のアミノ酸配列の少なくとも1つのペプチドと、抗ウイルス医薬との組合せも開示される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号2~配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有することを特徴とする、ペプチド。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
配列番号2~配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのペプチドと、薬学的に許容され得る賦形剤とを含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項3】
配列番号1として特定されるアミノ酸配列を有するペプチドをさらに含む、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
非経口経路又は粘膜経路による投与のために製剤化される、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項5】
配列番号1として特定されるアミノ酸配列を有するペプチドと、薬学的に許容され得る賦形剤とを含む、哺乳動物呼吸器系の上皮細胞に感染するウイルスによって引き起こされる感染症を治療又は予防するための、医薬組成物。
【請求項6】
非経口経路又は粘膜経路による投与のために製剤化される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記感染症が、コロナウイルス科、オルトミクソウイルス科及びパラミクソウイルス科、ピコルナウイルス科、並びにアデノウイルス科のウイルスによって引き起こされる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記感染症が、コロナウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザ、呼吸器多核体ウイルス、アデノウイルス、デングウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、及び豚熱ウイルスからなる群からのウイルスによって引き起こされる、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項9】
哺乳動物呼吸器系の上皮細胞に感染するウイルスによって引き起こされる感染症を治療又は予防するための医薬品を製造するための、配列番号1~配列番号20からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するペプチドの使用。
【請求項10】
前記感染症が、コロナウイルス科、オルトミクソウイルス科及びパラミクソウイルス科、ピコルナウイルス科、並びにアデノウイルス科のウイルスによって引き起こされる、請求項9に記載の使用。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウイルス学及び製薬産業の分野に関する。特に、本発明は、呼吸器系の上皮細胞に感染する広範囲のウイルスの感染に対して抗ウイルス活性を有する相互に関連する配列を有する合成ペプチドの群、並びに当該ペプチドと他の抗ウイルス剤との相乗的組合せを開示する。
続きを表示(約 4,700 文字)
【背景技術】
【0002】
急性呼吸器疾患は、全ての年齢層において最も頻度の高い疾患である。これらの疾患の重要な部分は、ヒト及び動物の両方において、呼吸器系への初期又はその後のゲートウェイのいずれかとして、呼吸器系の上皮細胞に特異的に感染するウイルスによって引き起こされる。気道上皮は、それを上皮の残りの部分と区別する形態学的及び生理学的な特徴を有する。そもそも、ほとんどの気道の上皮は、単層の細胞で構成されているにもかかわらず、核が整列していないため、擬似層状化されていることによって区別される。一方、その他の上皮細胞とは異なり、大部分は線毛細胞からなる。粘液分泌杯細胞は、この上皮に存在し、他の上皮には存在しない別の細胞型である。気道の管腔に向かう繊毛の存在、並びに杯細胞の作用は、管の湿度を維持し、粒子が肺に入るのを防ぐ。呼吸器上皮細胞の別の特徴的な性質は、いわゆるPAMP(病原体関連分子パターン:Pathogen Associated Molecular Patterns)を認識することができる多数のパターン認識受容体(PRR:pattern recognition receptors)の存在であり、その機能は病原体の存在下で自然免疫応答を直ちに活性化することである。気道上皮には10種類のToll様受容体(TLR1~TLR10)が発現されている。特に、TLR3、TLR7、TLR8及びTLR9は、気道に感染するウイルスの検出に特化したTLRファミリーを構成する。防御機能に関連するこれらの細胞の別の特性は、とりわけ、インターフェロン、デフェンシン及び一酸化窒素(NO)等の抗ウイルス活性を有する分子を産生する能力である。さらに、それらは、サイトカイン及びケモカインを活性化する適応免疫応答を分泌することができる(Vareille M et al. 2011, Clin Microbiol Rev, Volume 24. No. 1, p. 210-229)。
【0003】
気道を通って侵入するウイルスの中には、インフルエンザウイルスを含むオルトミクソウイルス科のウイルス;パラインフルエンザ、呼吸器多核体ウイルス、及びヒトメタニューモウイルスを含むパラミクソウイルス科;ライノウイルス及びコクサッキーウイルスを含むピコルナウイルス科;アデノウイルスを含むアデノウイルス科;コロナウイルス(Nichols GW et al. 2008 Clin Microbiol Rev, Volume 21, No. 2. p. 274-290; De Clerk and Li. 2016, Clin Microbiol Rev, Volume 29, p. 695-747)によって代表される、コロナウイルス科のウイルスがある。
【0004】
言及された全てのウイルスは、ヒト及び動物において疾患を引き起こす。それらのいくつか、例えば季節性インフルエンザは、それらの高い罹患率のために毎年大きな経済的損失を引き起こすが、死亡率は低い。しかしながら、動物に感染するウイルスからの変化によって生成されたいくつかのインフルエンザ変異体は、1918年のスペインインフルエンザH1N1(死亡数4000万~1億人)、1957年のアジアインフルエンザH2N2(死亡数110万人)、又は1958年の香港H3N2インフルエンザ(死亡数500,000人)等、非常に致死的なアウトブレイクの原因となっている。近年では、1996年に中国で初めて検出されたH5N1鳥インフルエンザが、50%の死亡率でアジア及び北アフリカでのアウトブレイクを引き起こしている。呼吸器多核体ウイルスは、5歳未満の小児の間では毎年320万人が入院し、59,600人が死亡し、また118,200人が死亡すると推定されている(Shi T et al. 2017. Lancet, Volume 390, p. 946-58)。
【0005】
一方、他の経路を介して宿主に感染し、他の組織で最初に複製するウイルスがあるが、感染の過程で気道に感染して深刻な損傷を引き起こす可能性もある。この第2の群の中にはデングウイルスがあり、これは蚊の刺咬傷を介して血流に入るが、上皮肺細胞に感染することができ、疾患の悪化を引き起こす(Cheng NM et al. 2017. PLOS Neglected Tropical Diseases. doi.org/10.1371/journal.pntd.0005520; Lee YR et al. 2007, Virus Res, Volume 126, No. 1, p. 216-25)。
【0006】
デングウイルスは、世界中で毎年約3億9000万人に感染している。これらのうち、500,000人が重症疾患又は出血性デング熱を発症し、毎年25,000人が死亡している。実際、デングの重症の症例の多くは、これらの呼吸障害に関連している。これらの肺合併症のいくつかには、肺浸潤、胸水、非心原性肺水腫、及び呼吸不全が含まれる(Cheepsattayakorn A and Cheepsattayakorn R. 2014, Journal of Respiratory Medicine Research and Treatment doi: 10.5171/2014.162245; Marchiori E et al. 2009, Orphanet Journal of Rare Diseases, Volume 4, No. 8)。これらの特徴を示す他のウイルスは、ヘルペスウイルス科のウイルスである単純ヘルペスウイルス(HSV)及びサイトメガロウイルス(CMV)である。HSVは院内ウイルス性肺炎、気管支肺炎、及び急性呼吸器症候群を引き起こす(Luyt CE et al. 2011, Presse Med, Volume 40, p. E561-e568)。
【0007】
相対的な治療有効性を示すこれらのウイルスのいくつかについて抗ウイルス薬が開発されている。例えば、ヒトにおける使用が承認されている抗ウイルス薬の中には、ヘルペスウイルスに対するドクスウリジン、トリフルリジン及びブリブジン、インフルエンザに対するオセルタミビル、ザナミビル及びバロキサビルマルボキシル、並びに呼吸器多核体ウイルスに対するパリビズマブ及びトコザノールがある。それにもかかわらず、新たな作用機序、低コスト及び既存のものより少ない有害作用を有する新しくより効果的な抗ウイルス薬の継続的な開発が必要とされており、したがって、既存のものとは異なる機構を介して作用する新たな抗ウイルス剤の開発は、世界では健康上の優先事項である。
【0008】
デングウイルス及びコロナウイルス等の他のウイルスの場合、適切な有効な治療法はない(De Clerk and Li, 2016, Clin Microbiol Rev, Volume 29, p. 695-747)。特に、コロナウイルス科のメンバーは、動物及びヒトにおける広範囲の疾患の原因である。SARS-CoV、MERS-CoV及びSARS-CoV-2は、流行及び重篤な呼吸器感染症を引き起こす。2003年における人畜共通感染症ウイルスSARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)(Drosten C et al. 2003, New England Journal of Medicine, Volume 348, pp. 1967-1976)のアウトブレイク、及び10年後のMERS-CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)(Cui J et al. 2019, Nature Reviews, Volume 17. doi.org/10.1038/s41579-018-0118-9)の出現は、ヒトにおいてこのタイプのウイルスによって引き起こされる大きな損傷の最初の証拠となった。どちらのコロナウイルスも重度の呼吸器疾患を引き起こし、制御される前に10,000人近くに感染している。
【0009】
今年、新たなコロナウイルスが報告され、SARS-CoV-2がコロナウイルス疾患2019(COVID-19)のアウトブレイクを引き起こし(Zhou P et al. 2020, Nature, 579, 270-273, doi.org/10.1038/s41586-020-2012-7)、これは、後に世界保健機関によってCOVID-19のパンデミックと宣言された。COVID-19として知られるこのウイルスによって引き起こされる疾患は、患者の約3%において致死的であり得る急性呼吸器症候群を特徴とする。このパンデミックは世界中に急速に拡散しており、2020年11月現在、7000万人を超える症例が確認され、150万人を超える人が死亡している。
【0010】
SARS-CoV-2を含む、ヒトにおける任意のコロナウイルスに対する任意の薬物の安全性及び有効性を実証する臨床的証拠はほとんどない(Kalil AC et al. 2020, JAMA, Volume 323, No. 19, p. 1897-1898)。14日間を超えて持続する持続性SARS-CoV-2感染症を有する患者において抗ウイルス効果を示す薬物の臨床的実証もない。臨床試験においてある程度の治療効果を示している抗ウイルス化合物はレムデシビル(Wang Y et al. 2020, Lancet, Volume 395, No. 10236, doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31022-9)であるが、その範囲は狭いスペクトルの患者に限定され、その治療効果は必要とされるほど強力ではない。十分な科学的証拠によって支持される治療の欠如は、異なる治療レジメンの使用及びプロトコルの迅速な変更をもたらした。証明された治療法の欠如及び証拠に基づく治療ガイドラインを確立するための臨床試験の必要性が強調されている(Diaz E et al. 2020, Med Intensiva, doi.org/10.1016/j.medin.2020.06.017)。SARS-CoV-2感染症の治療には依然として満たされていない医学的必要性がある。コロナウイルス感染症、特にSARS-CoV-2のための新たな抗ウイルス治療選択肢の探索は、世界中でヒトの健康に対する緊急の必要性を構成している。コロナウイルス、インフルエンザ又は他の呼吸器ウイルスによって引き起こされる新たなパンデミックの脅威は、ウイルス感染症を制御することができる新規な抗ウイルス薬の必要性を強いる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
クミアイ化学工業株式会社
多形
1か月前
東ソー株式会社
タンパク質の発現方法
2か月前
東ソー株式会社
炭素-窒素結合形成方法
4か月前
株式会社トクヤマ
四塩化炭素の製造方法
4か月前
株式会社トクヤマ
シロキサン類の回収方法
4か月前
株式会社トクヤマ
ビオチン誘導体の製造方法
4か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物
3か月前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機化合物
1か月前
株式会社日本触媒
(メタ)アクリレート化合物
1日前
栗田工業株式会社
ギ酸の回収方法
1か月前
株式会社トクヤマ
ベンザゼピン化合物の製造方法
3か月前
株式会社トクヤマ
ホルムアミド化合物の製造方法
3か月前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
4か月前
東ソー株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
3か月前
株式会社コスモス
液状炭化水素の増産方法
3か月前
株式会社トクヤマ
チオラクトン誘導体の製造方法
2か月前
信越化学工業株式会社
新規化合物
4か月前
株式会社トクヤマ
チオファニウム塩誘導体の製造方法
1か月前
株式会社トクヤマ
チオファニウム塩臭化物の製造方法
14日前
日産化学株式会社
ピラゾール化合物及び有害生物防除剤
4か月前
国立大学法人東京農工大学
深共晶溶媒
3か月前
本田技研工業株式会社
CO2変換方法
2か月前
大阪瓦斯株式会社
メタン製造システム
2か月前
三菱ケミカル株式会社
アルコールの製造方法
2か月前
JNC株式会社
有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
3か月前
キヤノン株式会社
有機化合物及び有機発光素子
2か月前
株式会社トクヤマ
アシル化ベンゼン誘導体の酸塩の製造方法
3か月前
JNC株式会社
有機ケイ素化合物およびこれを用いた重合体
3か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
2か月前
ステラケミファ株式会社
リン化合物の製造方法
6日前
株式会社半導体エネルギー研究所
有機金属錯体、発光デバイス
3か月前
キヤノン株式会社
有機金属錯体及び有機発光素子
2か月前
個人
IL-17産生誘導能を有する化合物及びその用途
2か月前
日本特殊陶業株式会社
反応装置
1日前
上野製薬株式会社
高純度芳香族ジオールの製造方法
1日前
上野製薬株式会社
高純度芳香族ジオールの製造方法
1日前
続きを見る
他の特許を見る