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公開番号2025169556
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-14
出願番号2024074351
出願日2024-05-01
発明の名称高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22C 38/00 20060101AFI20251107BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れたNb、N含有高Ni合金を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.08%以下、Cr:18~30%、Ni:23~60%、Al:0.01~0.20%、B:0.0002~0.0050%,N:0.10~0.30%、Ca:0.0001~0.0050%、MoとWの1種類以上をMo+0.5×W:0.01~1.50%未満、Nb:0.10~0.65%、VとTaの1種類以上を合計で0.01~0.60%を含有し、下記<限定式A><限定式B><限定式C>を満足する、高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。
<限定式A>0.65 ≦ Nb%+2×V%+Ta% ≦ 1.50
<限定式B>(Nb%+0.15×V%+0.4×Ta%)×(C%+N%) ≦ 0.170
<限定式C>Ni%+2.7×Cr%≧100.0
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、C:0.08%以下、Si:0.05~1.0%、Mn:0.05~1.5%、P:0.030%以下、S:0.0015%以下、Cr:18~30%、Ni:23~60%、Al:0.01~0.20%、Ti:0.05%以下、B:0.0002~0.0050%,N:0.10~0.30%、O:0.006%以下、Ca:0.0001~0.0050%、MoとWのうちいずれか1種類以上をMo+0.5×W:0.01%以上1.50%未満、Nb:0.10~0.65%、VとTaのうちいずれか1種類以上を合計で0.01~0.60%含み、残部がFeおよび不純物よりなり、下記<限定式A><限定式B>および<限定式C>を満足することを特徴とする、高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。
<限定式A>
0.65 ≦ Nb%+2×V%+Ta% ≦ 1.50
<限定式B>
(Nb%+0.15×V%+0.4×Ta%)×(C%+N%) ≦ 0.170
<限定式C>
Ni%+2.7×Cr% ≧ 100.0
限定式A、限定式B、および限定式Cにおいて、%を付した元素記号は各元素の含有量(質量%)を意味する。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記Feの一部に替えて、さらに質量%で、Cu:0.01~0.50%、Co:0.01~1.0%、Sn:0.001~0.05%、Zn+Pb+Bi:0.0010%以下、Mg:0.0050%以下、Zr:0.001~0.10%、Hf:0.001~0.10%、La+Ce+Nd+Pr:0.001~0.050%のうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。
【請求項3】
JISZ2271に準拠したクリープ試験を、800℃、100MPaの条件で行ったとき、クリープ破断時間が800時間を超えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。
【請求項4】
600℃の90体積%HCl-10体積%N

雰囲気に48時間暴露し腐食スケールを除去した際の腐食減量が7.0mg/cm

以下であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。
【請求項5】
500℃以上でHClガスを含む雰囲気に晒される用途で用いられることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高温クリープ強度と耐HClガス腐食性が要求される高温用途で使用される、高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金に係わる。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
耐熱用途で用いられる高Ni合金としては、アロイ800H(ASTM N08810、N08811)が代表的な商用合金である。近年、発展途上国での需要の拡大が進み、安価で表面品質および使用特性が良好な商品を供給できるようにするための技術開発が求められている。このために、従来の鋼塊法から連続鋳造法への製造方法の転換が進められている。高Ni合金は鋳造時のスラブ内部割れ,熱間加工時の耳割れ,および製品の表面疵に対する感受性が高いことから、従来より連続鋳造法における製造性改善の観点から合金の化学組成の設計、精錬、鋳造、熱間加工技術の改善、開発が進められてきた。
【0003】
一方で、主な適用用途である化学プラントの高温反応容器では600℃もしくはそれ以上の高温で、さらには化学反応の効率化のため高圧下で用いられることが多い。これらの用途ではクリープ強度が高ければ高いほどより薄肉での使用が可能となる。
【0004】
加えて、例えばポリシリコン製造装置の反応容器のように高温反応の過程でHClガスが発生するような設備の炉壁ではHClガスによる高温腐食が生じるため、そのような環境への適用には高温のHClガスに対する耐食性も同時に要求される。耐HClガス腐食性に優れる金属としてはNiがよく知られているが、Niは高価であることと高温強度に乏しいために、高温強度を有する部材とNiとを貼り合わせたクラッド材を準備し、HClガスに接する部位にクラッド材のNi側の面を配置して用いられるのが一般的である。
【0005】
近年ASTM N08120のようなNb、Nを含有しNbの炭窒化物系析出物による析出強化を用いた材料を適用するケースが増加している。非特許文献1は、Ni-Fe-Cr合金に関するASTMの標準規格であり、ASTM N08120も対象として含まれる。同規格中で、最終熱処理温度を1177℃以上と記述している。
【0006】
Nb、N含有による析出強化を活用した高Ni合金(以下「Nb、N含有高Ni合金」ともいう。)としては、例えば特許文献1、2のような先行技術文献がある。これらはいずれも上述のとおりNb等の炭窒化物系析出物による析出強化とMo添加による固溶強化、B添加による粒界強化を複合的に活用した合金設計がなされている。Nbの析出強化によるクリープ強度を高めるために、熱間圧延後の最終熱処理温度を最大で1300℃とし、通常のFe基高合金よりも高温で熱処理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6675846号公報
特許第7174192号公報
【非特許文献】
【0008】
ASTM B409
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1、2はいずれも、Nbの炭窒化物の析出量を制御することでクリープ強度を高めている。ただし、特許文献1,2のいずれもNbとNの含有量の積で添加量の上限を設定していることからわかるとおり、NbはCおよびNとの固溶度積が小さい。そのため、熱間圧延後の最終熱処理(以下単に「最終熱処理」ともいう。)において、1300℃近傍まで熱処理温度を上げても未固溶の粗大な炭窒化物が残存し、特に特許文献1に記されているとおり、この未固溶炭窒化物が多すぎるとクリープ強度を逆に低下させてしまうという制約があった。そのため特許文献1、2の成分系では更なるクリープ強度の向上は困難と考えられていた。ASTM N08120は、特許文献1、2の一部がこの規格に該当するが、ASTM N08120で範囲を規定された成分のみで特許文献1、2の課題を解決しクリープ強度をさらに高めることは困難であった。加えて、これらの特許文献1,2はいずれも高温での耐HClガスに対する耐食性が考慮されておらず、耐HClガス腐食性とクリープ強度をともに高い水準で確保した鋼が要望されていた。
【0010】
本発明は、上記問題を解決し、高温クリープ強度と耐HClガス腐食性に優れた高Ni合金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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