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公開番号2025167981
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-07
出願番号2024073041
出願日2024-04-26
発明の名称電子源
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類H01J 1/304 20060101AFI20251030BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】複数の電界放出素子をアレイ状に配置した電子源であって、外周端に配置された電界放出素子から放出される電子の集束性の低下を、抑えることが可能な電子源を提供する。
【解決手段】本発明の電子源100は、基板101の一面101a側に、外部空間に電子を放出する電界放出素子102と、電界放出素子102の周りを囲むダミー素子103と、を備え、電界放出素子102およびダミー素子103は、それぞれ、一端104a側が尖ったエミッタ104と、エミッタの一端104a側の周りを囲むゲート電極105と、ゲート電極105の周りを囲む集束電極106と、を備え、ダミー素子103が備えるエミッタの一端104a側が、外部空間と電気的に絶縁されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基板の一面側に、外部空間に電子を放出する電界放出素子と、前記電界放出素子の周りを囲むダミー素子と、を備え、
前記電界放出素子および前記ダミー素子は、それぞれ、
一端側が尖ったエミッタと、
前記エミッタの一端側の周りを囲むゲート電極と、
前記ゲート電極の周りを囲む集束電極と、を備え、
前記ダミー素子が備える前記エミッタの前記一端側が、前記外部空間と電気的に絶縁されている、ことを特徴とする電子源。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記ダミー素子が備える前記エミッタが導電材料で構成され、その前記エミッタの一端側が第一絶縁膜で覆われる、ことを特徴とする請求項1に記載の電子源。
【請求項3】
前記第一絶縁膜が、1.0以上、10.0以下の比誘電率を有する材料で構成される、ことを特徴とする請求項2に記載の電子源。
【請求項4】
前記第一絶縁膜の厚みが、5nm以上、かつ第二絶縁膜と第三絶縁膜の厚みの合計以下であり、
前記第二絶縁膜は、前記エミッタと前記ゲート電極の間に形成される絶縁膜であり、
前記第三絶縁膜は、前記ゲート電極と前記集束電極の間に形成される絶縁膜である、ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の電子源。
【請求項5】
前記ダミー素子が備える前記ゲート電極が、前記第一絶縁膜で覆われる、ことを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の電子源。
【請求項6】
前記ダミー素子が備える前記エミッタが、絶縁材料で構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の電子源。
【請求項7】
前記一面において、前記ダミー素子が配置される第一領域の幅が、前記電界放出素子が配置される第二領域の幅の1/5以上である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電子源。
【請求項8】
前記一面に沿って、前記ダミー素子が配置される第一領域と前記電界放出素子が配置される第二領域との間に、前記電界放出素子および前記ダミー素子のいずれも配置されない第三領域を備え、
前記第三領域の幅が、前記電界放出素子一つ分の幅の300%以下である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の電子源。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出型の電子源であって、特に、電子を引き出すための引出ゲート電極と、電子ビームを集束させるための集束電極が集積された電子源の構造に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
薄型ディスプレイ、エックス線を発生するエックス線源のための電子源、GHzオーダーの高周波かつ高出力の信号増幅を行う進行波管(Traveling Wave Tube:TWT)等に、電界放出素子が用いられている。電界放出素子は、主に、鋭利な先端を有するエミッタと、エミッタを取り囲む引出用ゲート電極とで構成される。引出用ゲート電極は、エミッタから電子を放出させるための引出電圧を印加する電極である。電界放出素子において、ゲート電極に10V~60V程度の電圧を印加すると、エミッタ先端に非常に高い電界が発生し、そこから電子が放出される。放出される電子は、陽極(コレクタまたはアノードとも呼ぶ)を用いて捕獲あるいは加速することができる。
【0003】
一つの電界放出素子から放出できる電子は、電流に換算してたかだか数μA程度であるが、多数の電界放出素子を平面に沿ってアレイ状に並べることで、mAを越える大電流を得ることができる。例えば、16000個の電界放出素子を集積することで、10mAの電流に相当する電子放出が可能になることが、非特許文献1で開示されている。
【0004】
一方で、電界放出素子を様々なアプリケーションに使用するためには、エミッタの先端から放出される電子ビームを集束させる技術が重要である。本発明者らは、放出された電子ビームを集束させるために、電界放出素子に集束電極を一体化した構造を開示している。例えば、特許文献1では、引き出しゲート電極を火山の噴火口のような構造とし、尚且つ集束電極を多段に集積することで、電子ビームの集束を実現できることが開示されている。さらに、より簡便な構造として、非特許文献2では、引き出しゲート電極の開口部を、集束電極より外側に突出させるように配置する構造が、開示されている。この構造では、集束時の電流減少を、大幅に抑えることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5062761号公報
【非特許文献】
【0006】
T. Sato, S. Yamamoto, M. Nagao, T. Matsukawa, S. Kanemaru, J. Itoh, Journal of Vacuum Science & Technology B21(4), p.1589, (2003).
Y. Neo, T. Soda, M. Takeda, M. Nagao, T. Yoshida, C. Yasumuro,S. Kanemaru, T. Sakai, K. Hagiwara, N. Saito, T. Aoki, H. Mimura: Applied Physics Ex press, 1 (2008) 053001.
長尾昌善、J. Vac. Soc. Jpn, Vol. 59, No. 4 (2016) pp.36-39.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の電界放出素子のエミッタ304が、アレイ状に並んで配置される場合、中央付近に配置されるエミッタ304A(304)と、外周端に配置されるエミッタ304B(304)とでは、その近傍に生成される電位分布に違いが生まれる。図15は、電子源300を構成するエミッタアレイの外周端近傍の断面図である。電子源300の中央部では、電子放出素子302とともにエミッタ304が周期的に並んでいる。エミッタアレイの外周端302Eより外側(図では右側)には、集束電極306が広がっている。外周端302Eより内側では、ゲート電極305が作る高い電位Hと、集束電極306A(306)が作る低い電位Lとが交互に並んだ電位分布となるが、外周端302Eより外側では、集束電極306B(306)が作る低い電位Lの分布だけが存在する。
【0008】
このような電位分布において、外周端に配置されるエミッタ304Bから放出された電子は、外周端より外側の集束電極306Bが作る低電位Lに影響されて、中心付近のエミッタ304Aから放出される電子とは、異なる軌道を描くことになる。このような電子は、アノードに到達しない異常な軌道を描き、ゲート電極305に入射することがある。正常な動作においては、ほとんど電子がゲート電極305に入射しないが、このように異常な軌道を描いてゲート電極305に入射する電子が多くなると、ゲート電極305からガス放出が起こる。放出されたガスは、エミッタ304Aから放出された電子と衝突してイオン化し、そのイオンがエミッタ304に衝撃するようになり、エミッタ304の寿命が短くなる。また、ガス放出が多くなると、それが原因でアーク放電が起こり、電子源が破壊されることもしばしば起きる。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、複数の電界放出素子をアレイ状に配置した電子源であって、外周端に配置された電界放出素子から放出される、電子の集束性の低下を抑えることが可能な、電子源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
(【0011】以降は省略されています)

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