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公開番号2025166131
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-05
出願番号2025134121,2021077130
出願日2025-08-12,2020-11-05
発明の名称Kras阻害作用を有する環状ペプチド化合物
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 7/64 20060101AFI20251028BHJP(有機化学)
要約【課題】Ras変異がんに有効な化合物、およびその製造に有用な非天然アミノ酸を提供する。
【解決手段】Rasと相互作用する環状ペプチド化合物、および該環状ペプチド化合物の製造に有用な非天然アミノ酸を見出した。また、該環状ペプチド化合物がRasとSOSとの結合を阻害することを見出した。加えて、該環状ペプチド化合物に含まれる特定の非天然アミノ酸とその製造方法を見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(2)で表される、環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物:
JPEG
2025166131000967.jpg
57
149
式中、


は、C

-C

アルキル、C

-C

ハロアルキル、C

-C

ヒドロキシアルキル、C

-C

アルキルスルホニルC

-C

アルキル、C

-C

アルキニル、C

-C

アルコキシC

-C

アルキル(該C

-C

アルコキシC

-C

アルキルは、1つまたは複数のハロゲン、アミノカルボニル(該アミノは、-NH

、モノC

-C

アルキルアミノ、ジC

-C

アルキルアミノ、または4~8員環状アミノである)、またはヒドロキシによって置換されていてもよい)、C

-C

シクロアルキル、C

-C

シクロアルキルC

-C

アルキル、またはC

-C

シクロアルコキシC

-C

アルキルであり、あるいは


およびP

は、P

が結合している窒素原子およびR

が結合している炭素原子と一緒になって4~7員飽和複素環を形成し、あるいは


およびP

が4~7員飽和複素環を形成する場合を除き、P

は、水素またはC

-C

続きを表示(約 17,000 文字)【請求項2】

11
が-CONR
11A

11B
であり、

11A
およびR
11B
は、それぞれ独立して、水素またはC

-C

アルキルであるか、あるいはR
11A
およびR
11B
は、それらが結合している窒素原子と一緒になって4~8員飽和複素環を形成し、該4~8員飽和複素環は、ハロゲン、オキソ、C

-C

アルキル、および4~7員ヘテロシクリルからなる群より独立して選択される1つまたは複数の基によって置換されていてもよい、
請求項1に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】


が、ハロゲン、C

-C

アルキル、C

-C

アルキニル、C

-C

ハロアルキル、C

-C

ハロアルコキシ、C

-C

アルコキシ、-CN、C

-C

アルキルスルホニル、ヒドロキシ、およびSF

からなる群より独立して選択される1~5個の基によって置換されていてもよい、-(CH



-O

-(CH


z1
-C

-C
10
アリールまたは-(CH



-O

-(CH


z2
-5~10員ヘテロアリールであり、
ここで、xとyとz1またはz2との合計が1~4であることを条件として、
xは1、2、または3であり、
yは0または1であり、
z1は0、1、2、または3であり、
z2は1、2、または3である、請求項1または2に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】


およびP

は、P

が結合している窒素原子およびR

が結合している炭素原子と一緒になって4~7員飽和複素環を形成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項5】


およびP

は、P

が結合している窒素原子およびR

が結合している炭素原子と一緒になって4~7員飽和複素環を形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】


が、ハロゲン、C

-C

アルキル、C

-C

アルキニル、C

-C

ハロアルキル、C

-C

ハロアルコキシ、C

-C

アルコキシ、-CN、C

-C

アルキルスルホニル、ヒドロキシ、およびSF

からなる群より独立して選択される1~5個の基によって置換されていてもよい、-(CH



-O

-(CH


z1
-C

-C
10
アリールまたは-(CH



-O

-(CH


z2
-5~10員ヘテロアリールであり、
ここで、xとyとz1またはz2との合計が1~4であることを条件として、
xは1、2、または3であり、
yは0または1であり、
z1は0、1、2、または3であり、
z2は1、2、または3である、請求項1~5のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】


が、C

-C

アルキル、C

-C

アルケニル、もしくはC

-C
14
アラルキルであり、かつQ

が、C

-C

アルキルであるか、または


およびQ

は、これらが結合している炭素原子と一緒になって3~8員脂環式環または4~7員飽和複素環を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】


、P

~P

、およびP

~P
11
の少なくとも3つがアルキルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】


およびR

がC

-C

アルキルである、請求項1~8のいずれか一項に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
以下からなる群より選択される、請求項1に記載の環状ペプチド化合物、もしくはその塩またはそれらの溶媒和物:
(1) (3S,9S,18S,21S,25S,28S,34S)-3-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-28-シクロヘキシル-9,18-ビス(シクロヘキシルメチル)-21-イソブチル-7,10,13,16,22,26,29-ヘプタメチル-25-(ピペリジン-1-カルボニル)スピロ[1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-31,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(2) (8S,11S,17S,26S,29S,33R,36S)-17-(シクロヘキシルメチル)-11-[2-[3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-8,29,36-トリイソブチル-6,15,18,21,24,30,33,34-オクタメチル-26-[(1S)-1-メチルプロピル]-6,9,12,15,18,21,24,27,30,34,37-ウンデカザスピロ[4.33]オクタトリアコンタン-7,10,13,16,19,22,25,28,31,35,38-ウンデカオン、
(3) (8S,11S,17S,26S,29S,33S,36S)-11-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-17-(シクロヘキシルメチル)-8-[2-(4,4-ジフルオロ-1-ピペリジル)-2-オキソ-エチル]-29-イソブチル-36-イソプロピル-9,15,18,21,24,30,37-ヘプタメチル-26-[(1S)-1-メチルプロピル]-33-(ピペリジン-1-カルボニル)-6,9,12,15,18,21,24,27,30,34,37-ウンデカザスピロ[4.33]オクタトリアコンタン-7,10,13,16,19,22,25,28,31,35,38-ウンデカオン、
(4)(3S,6S,9S,13S,16S,19S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-9-イソブチル-19-イソプロピル-N,N,3,4,10,14,17,22,23,29,32-ウンデカメチル-6,16-ビス[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキソ-31-(p-トリルメチル)-1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-13-カルボキサミド、
(5)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-18-シクロペンチル-33-エチル-11-イソブチル-N,N,5,6,12,16,19,36-オクタメチル-35-(4-メチルベンジル)-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37-ウンデカオキソテトラトリアコンタヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-15-カルボキサミド、
(6)(6S,9S,13S,16S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-16-シクロヘキシル-31-(シクロヘキシルメチル)-9-イソブチル-4,10,14,17,23,29,32-ヘプタメチル-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-13-(ピペリジン-1-カルボニル)-22-[[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル]スピロ[1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-19,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオン、
(7)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-8-(メトキシメチル)-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(8) (5S,8S,11S,15R,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-(シクロペンチルメチル)-18-イソプロピル-5,6,12,15,19,33,36-ヘプタメチルドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(9)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロペンチル-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(モルホリン-4-カルボニル)-35-(プロポキシメチル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(10) (8S,11S,17S,26S,29S,33S,36S)-11-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-36-シクロヘキシル-17-(シクロヘキシルメチル)-29-イソブチル-9,15,18,21,24,30,34,37-オクタメチル-26-[(1S)-1-メチルプロピル]-33-(ピペリジン-1-カルボニル)-8-[[6-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]メチル]-6,9,12,15,18,21,24,27,30,34,37-ウンデカザスピロ[4.33]オクタトリアコンタン-7,10,13,16,19,22,25,28,31,35,38-ウンデカオン、
(11) (5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロペンチル-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(モルホリン-4-カルボニル)-35-(プロポキシメチル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(12) アリルN-[4-[(3S,9S,12S,18S,27S,30S,34R)-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-3,30-ジイソブチル-1,6,6,7,16,19,22,25,31,34-デカメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオキソ-12-[2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタ-9-イル]ブチル]カルバマート、
(13) (3S,9S,12S,18S,27S,30S,34S)-12-[(3-ヨードフェニル)メチル]-3,30-ジイソブチル-1,6,6,7,16,19,22,25,31-ノナメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-9-(2-フェニルエチル)-34-(ピペリジン-1-カルボニル)-18-(p-トリルメチル)-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(14) (3S,9S,18S,21S,25R,28S,34S)-3-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-9-(シクロヘキシルメチル)-28-シクロプロピル-21-イソブチル-7,10,13,16,22,25,29-ヘプタメチル-18-[(1S)-1-メチルプロピル]スピロ[1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-31,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(15)(8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(4-クロロベンジル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-6,12,16,19,33,36-ヘキサメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(16)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロペンチル-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-N,N,5,6,12,16,19,33,36-ノナメチル-35-(4-メチルベンジル)-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37-ウンデカオキソテトラトリアコンタヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-15-カルボキサミド、
(17)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-8-(2-メトキシエチル)-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(18) (3S,9S,18S,21S,25R,28S,31S,34S)-31-ベンジル-28-イソブチル-7,10,13,16,21,22,25,29,32-ノナメチル-9,18-ビス[(1S)-1-メチルプロピル]-3-[2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(19) (3S,9S,12S,18S,27S,30S,34R)-12-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-3,9-ジイソブチル-4,6,6,10,16,19,22,25,30,31,34-ウンデカメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(20)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロペンチル-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-35-(4-メチルベンジル)-15-(ピロリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(21) (3S,6S,9S,12S,18S,27S,30S,34S)-6,9-ジベンジル-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-12-[(3,5-ジフルオロフェニル)メチル]-3-イソプロピル-4,7,16,19,22,25,30,31-オクタメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-34-(ピロリジン-1-カルボニル)-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(22) (3S,9S,18S,21S,25R,28S,34S)-3-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-9-(シクロヘキシルメチル)-21-イソブチル-28-イソペンチル-7,10,13,16,22,25,26,29-オクタメチル-18-[(1S)-1-メチルプロピル]スピロ[1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-31,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(23)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-36-エチル-11-イソブチル-18-イソプロピル-5,6,12,16,19,33-ヘキサメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(24)(3S,6S,9S,13S,16S,19S,22R,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-31-(シクロヘキシルメチル)-16-シクロペンチル-9-イソブチル-19-イソプロピル-N,N,3,4,10,14,17,22,29,32-デカメチル-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキソ-1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-13-カルボキサミド、
(25)(6S,12S,21S,24S,26aR,29aR,32S,35S,37aS)-35-ベンジル-21-((S)-sec-ブチル)-12-(4-クロロベンジル)-32-イソブチル-10,13,16,19,24,25,33,36-オクタメチル-6-(4-(トリフルオロメチル)フェネチル)ヘキサコサヒドロ-1H-シクロペンタ[f1]ピロロ[1,2-v][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-5,8,11,14,17,20,23,26,31,34,37(37aH)-ウンデカオン、
(26)(3S,6S,9S,13S,16S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-31-(シクロヘキシルメチル)-16-シクロペンチル-22-[2-(4,4-ジフルオロ-1-ピペリジル)-2-オキソ-エチル]-9-イソブチル-3,4,10,14,17,23,29,32-オクタメチル-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-13-(ピロリジン-1-カルボニル)スピロ[1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-19,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオン、
(27)(3S,6S,9S,13S,16S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-9-イソブチル-22-(イソペンチルオキシメチル)-N,N,3,4,10,14,17,23,29,32-デカメチル-6,16-ビス[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキソ-31-(p-トリルメチル)スピロ[1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-19,1'-シクロペンタン]-13-カルボキサミド、
(28) (3S,9S,12S,18S,27S,30S,34R)-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-12-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-3,9-ジイソブチル-4,6,6,10,16,19,22,25,30,31,34-ウンデカメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(29) (3S,6S,9S,12S,18S,27S,30S,34S)-6,9-ジベンジル-12-[(3-クロロフェニル)メチル]-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-16-エチル-3-イソプロピル-4,7,19,22,25,30,31-ヘプタメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-34-(ピロリジン-1-カルボニル)-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(30) (3S,9S,18S,21S,25S,28S,34S)-3-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-9-(シクロヘキシルメチル)-28-(シクロペンチルメチル)-21-イソブチル-7,10,13,16,22,26,29-ヘプタメチル-18-[(1S)-1-メチルプロピル]-25-(ピペリジン-1-カルボニル)スピロ[1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-31,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(31) (4R,7S,13S,16S,22S,31S,34S)-22-(シクロヘキシルメチル)-7,13-ジイソブチル-4,8,10,10,14,20,23,26,29-ノナメチル-31-[(1S)-1-メチルプロピル]-16-[2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-1,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.4.0]オクタトリアコンタン-2,6,9,12,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオン、
(32) (5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)-35-(プロパ-2-イン-1-イル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(33)(5S,8S,11S,15R,18S,23aS,25R,29S,35S,37aS)-8,18-ジ((S)-sec-ブチル)-29-(3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-25-エトキシ-36-エチル-11-イソブチル-5,6,12,15,16,19,33-ヘプタメチル-35-(4-メチルベンジル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(34)(5S,8S,11S,15R,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロヘキシル-29-(3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-25,25-ジフルオロ-11-イソブチル-5,6,12,15,16,19,33,36-オクタメチル-35-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロブタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(35)(8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-6,12,16,19,33,36-ヘキサメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(36) (8S,11S,17S,26S,29S,33S,36S)-11-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-36-シクロヘキシル-17-(シクロヘキシルメチル)-29-イソブチル-9,15,18,21,24,30,34,37-オクタメチル-26-[(1S)-1-メチルプロピル]-33-(ピペリジン-1-カルボニル)-8-(4-ピリジルメチル)-6,9,12,15,18,21,24,27,30,34,37-ウンデカザスピロ[4.33]オクタトリアコンタン-7,10,13,16,19,22,25,28,31,35,38-ウンデカオン、
(37) (5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-(シクロペンチルメチル)-18-イソプロピル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(38)(5S,8S,11S,15R,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11,35-ビス(シクロヘキシルメチル)-18-イソプロピル-5,6,12,15,19,33,36-ヘプタメチルドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(39)(5S,8S,11S,15R,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-18-シクロヘキシル-29-(3,5-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,15,16,19,33,36-オクタメチル-35-(4-(トリフルオロメチル)ベンジル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(40) (5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8,18-ジ((S)-sec-ブチル)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(モルホリン-4-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(41)(3S,6S,9S,13S,16S,19S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-31-(シクロヘキシルメチル)-16-シクロペンチル-22-[2-(3,3-ジフルオロアゼチジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-9-イソブチル-N,N,3,4,10,14,17,23,29,32-デカメチル-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキソ-19-(プロポキシメチル)-1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-13-カルボキサミド、
(43)(3S,6S,9S,13S,16S,22S,25S,31S,34S)-25-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-31-(シクロヘキシルメチル)-16-シクロペンチル-22-[(2-フルオロフェニル)メチル]-9-イソブチル-N,N,3,4,10,14,17,23,29,32-デカメチル-6-[(1S)-1-メチルプロピル]-2,5,8,11,15,18,21,24,27,30,33-ウンデカオキソ-スピロ[1,4,7,10,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.2.0]ヘキサトリアコンタン-19,1'-シクロペンタン]-13-カルボキサミド、
(44)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8,18-ジ((S)-sec-ブチル)-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-35-(4-メチルベンジル)-15-(ピロリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(45) (5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-29-(3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-8-(シクロブトキシメチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-11-イソブチル-18-イソプロピル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-15-(ピペリジン-1-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(46) (3S,6S,9S,12S,18S,27S,30S,34S)-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-3,6,9-トリイソブチル-4,7,16,19,22,25,30,31-オクタメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-34-(ピロリジン-1-カルボニル)-12-[2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、
(47)(5S,8S,11S,15S,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8,18-ジ((S)-sec-ブチル)-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,16,19,33,36-ヘプタメチル-35-(4-メチルベンジル)-15-(モルホリン-4-カルボニル)ドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(48) (3S,9S,18S,21S,25S,28S,34S)-3-[2-[3-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-28-シクロヘキシル-9-(シクロヘキシルメチル)-36,36-ジフルオロ-21-イソブチル-7,10,13,16,22,26,29-ヘプタメチル-18-[(1S)-1-メチルプロピル]-25-(ピペリジン-1-カルボニル)スピロ[1,4,7,10,13,16,19,22,26,29,32-ウンデカザビシクロ[32.3.0]ヘプタトリアコンタン-31,1'-シクロペンタン]-2,5,8,11,14,17,20,23,27,30,33-ウンデカオン、
(49)(5S,8S,11S,15R,18S,23aS,29S,35S,37aS)-8-((S)-sec-ブチル)-35-(シクロヘキシルメチル)-18-シクロペンチル-29-(3-フルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェネチル)-11-イソブチル-5,6,12,15,16,19,33,36-オクタメチルドコサヒドロ-2H,4H-スピロ[アゼト[2,1-u]ピロロ[2,1-i][1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31]ウンデカアザシクロテトラトリアコンチン-21,1'-シクロペンタン]-4,7,10,13,17,20,23,28,31,34,37(14H,22H)-ウンデカオン、
(50) (3S,6S,9S,12S,18S,27S,30S,34S)-6-ベンジル-18-[(4-クロロフェニル)メチル]-3,9-ジイソブチル-4,7,16,19,22,25,30,31-オクタメチル-27-[(1S)-1-メチルプロピル]-34-(ピロリジン-1-カルボニル)-12-[2-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル]-1,4,7,10,13,16,19,22,25,28,31-ウンデカザシクロテトラトリアコンタン-2,5,8,11,14,17,20,23,26,29,32-ウンデカオン、

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Kras阻害作用を有する環状ペプチド化合物、環状ペプチド化合物の製造に用いる非天然アミノ酸、およびそれらの製造法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
Rasはsmall GTPasefamilyに属するタンパクで、Kras、Nras、Hrasが知られている。RasはGDPまたはGTPとの結合状態によって不活性化状態または活性化状態が規定されており、GEF(guanine nucleotide exchange factor) によるGDPからGTPへの交換反応によって活性化され、GAP (GTPase-activatingproteins) によるGTPの加水分解反応によって不活性化される(非特許文献1)。活性化されたRasはMAPK経路、PI3K/Akt経路、RAL経路など様々な下流のシグナルを活性化することで、細胞の増殖、生存、分化を誘導し、Rasの恒常活性化はがんの発生や進行に重要な役割を果たす。がんではRasの上流シグナルの活性化、Rasの恒常的活性化、および/またはRasの活性型変異により、Ras-RAF-MEK-ERK経路が活性化していることが知られている(非特許文献2)。これらのRasの活性型変異は数多くのがん種で認められている。Ras変異のホットスポットとしてG12、G13、Q61が知られており、KrasではG12に、NrasではQ61に高頻度に変異が認められる。また、これらの変異は患者の予後に関連していることも知られている(非特許文献3)。
【0003】
タンパク―タンパク相互作用の阻害に代表される、tough targetへのアクセスは、低分子化合物と比較して、中分子化合物(分子量500~2000)の方が優れている可能性がある。また、抗体と比較して、中分子化合物は細胞内に移行できる点でも優れている可能性がある。生理活性をもつ中分子化合物の中でもペプチド医薬品はすでに40種類以上が上市されている価値の高い分子種である(非特許文献4)。これらペプチド医薬品の代表例として、シクロスポリンAやポリミキシンBが挙げられる。これらは、いくつかの非天然アミノ酸を含むペプチドである。非天然アミノ酸とは、天然でmRNA上にコードされていないアミノ酸のことで、天然由来のシクロスポリンAやポリミキシンBにmRNA上にコードされていない非天然アミノ酸が含まれていることは非常に興味深い。
【0004】
天然由来のペプチドが、医薬として有用であることが見出されて以降、薬理活性を有し、かつ、生体に吸収されうるペプチドが注目され、分子量が500~2000程度のものが、盛んに研究されるようになってきた(非特許文献5)。
【0005】
中分子ペプチドが体内動態の改善に寄与しうる膜透過性と代謝安定性の向上のための条件(ドラッグライクネスを満たすために必要な条件)が報告されている(特許文献1)。
【0006】
さらに、中分子ペプチドが体内動態の改善に寄与しうる条件として、環状ペプチドのドラッグライクネスを満たすために必要な条件が明らかにされている(特許文献2)。
【0007】
Rasに結合するペプチドが見いだされていて、X線構造解析により、環状ペプチドとRasとの結合部位が解析されている(非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8)。また、RasとSOSとの結合阻害を示唆する環状ペプチドも見出されている(特許文献3)。また、特定化合物とRasの結合との競合アッセイで、Rasとの結合阻害を示唆した環状ペプチドが見出されている(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
国際公開第2013/100132号
国際公開第2018/225864号
国際公開第2012/122059号
国際公開第2017/181061号
【非特許文献】
【0009】
Nat. Rev. Drug Discov. 2014Nov;13(11):828-851.
Nat. Rev. Drug Discov. 2014Dec;13(12):928-942.
Nat. Rev. Drug Discov. 2016Nov;15(11):771-785.
Future Med. Chem. 2009, 1,1289-1310.
Current Topics in MedicinalChemistry, 2013, Vol. 13, No. 7, 821-836.
Biochem. Biophys. Res. Commun.2017, 484, 605-611.
Bioorg. Med. Chem. Lett. 2017,27, 2757-2761.
ACS Med. Chem. Lett. 2017, 8,732-736.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、Ras変異がんに有効な化合物とその製造に有用な非天然アミノ酸を提供するものである。
特許文献1および特許文献2には、ドラッグライクなペプチドに関する記載はあるが、Ras変異がんを含むがんに対する抗腫瘍効果のあるペプチドについては記載されていない。
特許文献3では、RasとSOSの結合阻害が記載されており、また特許文献4では、Rasと結合する化合物と競合するペプチドが記載されているが、これらの引用文献には、薬理作用、とくに腫瘍細胞に対する作用は示されていない。また、これら引用文献には、ドラッグライクなペプチドは記載されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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