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公開番号2025157417
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2025120241,2023114123
出願日2025-07-17,2018-12-28
発明の名称細胞傷害誘導治療剤
出願人中外製薬株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/46 20060101AFI20251007BHJP(有機化学)
要約【課題】DLL3を発現する細胞に対する強い細胞傷害を示す、新規な多重特異性抗原結合分子を提供する。
【解決手段】下記のドメイン:(1)ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメイン、及び(2)T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメインを含み、(1)の第1の抗原結合ドメインが、ヒトDLL3中の特定のアミノ酸配列に定義される領域内のエピトープに結合する、多重特異性抗原結合分子が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記のドメイン:
(1)ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメイン、および
(2)T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメイン
を含み、
(1)の第1の抗原結合ドメインが、ヒトDLL3中の配列番号7に定義される領域内のエピトープに結合する、多重特異性抗原結合分子。
続きを表示(約 8,700 文字)【請求項2】
下記のドメイン:
(1)ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメイン、および
(2)T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメイン
を含み、
(1)の第1の抗原結合ドメインが、以下の(a1)~(a12):
(a1)配列番号27のHVR-H1配列、配列番号28のHVR-H2配列、配列番号29のHVR-H3配列、配列番号30のHVR-L1配列、配列番号31のHVR-L2配列、および配列番号32のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a2)配列番号33のHVR-H1配列、配列番号34のHVR-H2配列、配列番号35のHVR-H3配列、配列番号36のHVR-L1配列、配列番号37のHVR-L2配列、および配列番号38のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a3)配列番号39のHVR-H1配列、配列番号40のHVR-H2配列、配列番号41のHVR-H3配列、配列番号42のHVR-L1配列、配列番号43のHVR-L2配列、および配列番号44のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a4)配列番号45のHVR-H1配列、配列番号46のHVR-H2配列、配列番号47のHVR-H3配列、配列番号48のHVR-L1配列、配列番号49のHVR-L2配列、および配列番号50のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a5)配列番号51のHVR-H1配列、配列番号52のHVR-H2配列、配列番号53のHVR-H3配列、配列番号54のHVR-L1配列、配列番号55のHVR-L2配列、および配列番号56のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a6)配列番号27のHVR-H1配列、配列番号75のHVR-H2配列、配列番号29のHVR-H3配列、配列番号30のHVR-L1配列、配列番号31のHVR-L2配列、および配列番号32のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a7)配列番号27のHVR-H1配列、配列番号76のHVR-H2配列、配列番号29のHVR-H3配列、配列番号30のHVR-L1配列、配列番号31のHVR-L2配列、および配列番号32のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a8)配列番号77のHVR-H1配列、配列番号78のHVR-H2配列、配列番号79のHVR-H3配列、配列番号36のHVR-L1配列、配列番号37のHVR-L2配列、および配列番号38のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a9)配列番号77のHVR-H1配列、配列番号78のHVR-H2配列、配列番号80のHVR-H3配列、配列番号36のHVR-L1配列、配列番号37のHVR-L2配列、および配列番号38のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a10)配列番号77のHVR-H1配列、配列番号78のHVR-H2配列、配列番号80のHVR-H3配列、配列番号36のHVR-L1配列、配列番号37のHVR-L2配列、および配列番号81のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(a11)(a1)~(a10)から選択される抗体可変断片のいずれかの同じエピトープに結合する抗体可変断片;
(a12)(a1)~(a10)から選択される抗体可変断片のいずれかの結合と競合する抗体可変断片
のいずれか1つを含む、多重特異性抗原結合分子。
【請求項3】
下記のドメイン:
(1)ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメイン、および
(2)T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメイン
を含み、
(1)の第1の抗原結合ドメインが、以下の(b1)~(b21):
(b1)配列番号15に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号15に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号15に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号16に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号16に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号16に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b2)配列番号25に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号25に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号25に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号26に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号26に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号26に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b3)配列番号19に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号19に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号19に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号20に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号20に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号20に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b4)配列番号23に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号23に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号23に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号24に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号24に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号24に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b5)配列番号11に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号11に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号11に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号12に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号12に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号12に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b6)配列番号13に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号13に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号13に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号14に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号14に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号14に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b7)配列番号17に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号17に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号17に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列
、配列番号18に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号18に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号18に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b8)配列番号21に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号21に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号21に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号22に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号22に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号22に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b9)配列番号85に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号85に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号85に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号93に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号93に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号93に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b10)配列番号63に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号63に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号63に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号72に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号72に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号72に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b11)配列番号64に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号64に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号64に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号72に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号72に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号72に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b12)配列番号65に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号65に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号65に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号72に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号72に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号72に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b13)配列番号66に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号66に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号66に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b14)配列番号67に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号67に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号67に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列
、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b15)配列番号67に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号67に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号67に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号74に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号74に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号74に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b16)配列番号68に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号68に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号68に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b17)配列番号69に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号69に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号69に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b18)配列番号70に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号70に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号70に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b19)配列番号71に含まれるHVR-H1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H1配列、配列番号71に含まれるHVR-H2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H2配列、配列番号71に含まれるHVR-H3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-H3配列、配列番号73に含まれるHVR-L1領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L1配列、配列番号73に含まれるHVR-L2領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L2配列、および配列番号73に含まれるHVR-L3領域のアミノ酸配列と同一のHVR-L3配列を含む抗体可変断片;
(b20)(b1)~(b19)から選択される抗体可変断片のいずれか1つの同じエピトープに結合する抗体可変断片;
(b21)(b1)~(b19)から選択される抗体可変断片のいずれか1つの結合と競合する抗体可変断片
のいずれか1つを含む、多重特異性抗原結合分子。
【請求項4】
下記のドメイン:
(1)ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメイン、および
(2)T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメイン
を含み、
(1)の第1の抗原結合ドメインが、以下の(c1)~(c22):
(c1)配列番号15のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号16のアミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域;
(c2)配列番号25のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号26のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c3)配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号20のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c4)配列番号23のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c5)配列番号11のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号12のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c6)配列番号13のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号14のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c7)配列番号17のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号18のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c8)配列番号21のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c9)配列番号85のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号93のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c10)配列番号63のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c11)配列番号64のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c12)配列番号65のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c13)配列番号66のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号73のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c14)配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号73のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c15)配列番号67のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号74のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c16)配列番号68のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号72のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c17)配列番号69のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号73のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c18)配列番号70のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号73のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c19)配列番号71のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号73のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域;
(c20)(c1)~(c19)の重鎖可変領域のいずれか1つに対して80%を超える同一性を有する重鎖可変領域と、(c1)~(c19)の軽鎖可変領域のいずれか1つに対して80%を超える同一性を有する軽鎖可変領域;
(c21)(c1)~(c19)の重鎖可変領域のいずれか1つに対して90%を超える同一性を有する重鎖可変領域と、(c1)~(c19)の軽鎖可変領域のいずれか1つに対して90%を超える同一性を有する軽鎖可変領域;
(c22)(c1)~(c19)の重鎖可変領域のいずれか1つに対して95%を超える同一性を有する重鎖可変領域と、(c1)~(c19)の軽鎖可変領域のいずれか1つに対して95%を超える同一性を有する軽鎖可変領域
から選択される重鎖可変領域と軽鎖可変領域との組合せのいずれか1つを含む、多重特異性抗原結合分子。
【請求項5】
細胞傷害活性を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分
子。
【請求項6】
細胞傷害活性がT細胞依存性細胞傷害活性である、請求項5に記載の多重特異性抗原結合分子。
【請求項7】
(2)における第2の抗原結合ドメインがCD3イプシロン鎖に結合する、請求項1から6のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
【請求項8】
(2)における第2の抗原結合ドメインがT細胞受容体に結合する、請求項1から6のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
【請求項9】
第1の抗原結合ドメインもしくは第2の抗原結合ドメインが抗体可変断片であるか、または第1と第2の抗原結合ドメインの両方が抗体可変断片である、請求項1から8のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
【請求項10】
(3)Fcガンマ受容体に対する結合活性が低下したFc領域を含む第3のドメイン
をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の多重特異性抗原結合分子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトDLL3に結合する第1の抗原結合ドメインを含む第1のドメインと、T細胞受容体複合体に結合する第2の抗原結合ドメインを含む第2のドメインとを含む多重特異性抗原結合分子、および、その使用などに関する。本発明はまた、ヒトDLL3に結合する抗原結合ドメインを含む新規な単一特異性抗原結合分子、および、その使用などに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
がんは、世界の主な死因の1つである。ある特定の癌腫を除いて、腫瘍は、それらが発見されたときには手術不能であることが多い。従来のがん処置としては、放射線療法、化学療法、および免疫療法が挙げられる。これらの処置は、十分に有効ではないことが多く、最終的には、処置後にがんの再発または転移が生じる。腫瘍特異性の欠如は、最大効能を制限する因子の1つである;したがって、より腫瘍特異的な分子標的療法が、がん処置における追加の実行可能な選択肢になってきている。
【0003】
抗体は、血漿中での安定性が高く、副作用が少ないため、医薬品として注目されている。複数の治療用抗体の中でも、一部の型の抗体は、抗腫瘍応答を発揮するにはエフェクター細胞を必要とする。抗体依存性細胞傷害(ADCC)は、抗体のFc領域の、NK細胞およびマクロファージ上に存在するFc受容体への結合によって、エフェクター細胞が、抗体が結合した細胞に対して示す細胞傷害である。現在まで、抗腫瘍効能を発揮するためにADCCを誘導することができる複数の治療用抗体が、がんを処置するための医薬品として開発されている(非特許文献1)。従来の治療用抗体を使用して腫瘍特異的に発現された抗原を標的とする療法は、優れた抗腫瘍活性を示すが、そのような抗体の投与は、いつも満足のいく成果をもたらすわけではなかった。
【0004】
NK細胞またはマクロファージをエフェクター細胞として動員することによってADCCを採用する抗体に加えて、T細胞をエフェクター細胞として動員することによって細胞傷害性を採用するT細胞動員(T cell-recruiting)抗体(TR抗体)も1980年代から知られている(非特許文献2~4)。TR抗体は、T細胞上のT細胞受容体複合体を形成するサブユニットのいずれか1つ、特に、CD3イプシロン鎖と、がん細胞上の抗原とを認識し、これらに結合する二重特異性抗体である。いくつかのTR抗体が、現在開発中である。EpCAMに対するTR抗体であるカツマキソマブ(Catumaxomab)は、悪性腹水の処置についてEUで承認されている。さらに、「二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE)」と呼ばれる型のTR抗体が、強力な抗腫瘍活性を示すことが最近見出された(非特許文献5および非特許文献6)。CD19に対するBiTE分子であるブリナツモマブ(Blinatumomab)は、2014年に初めてFDAの承認を受けた。ブリナツモマブは、リツキシマブ(Rituximab)と比較して、in vitroでCD19/CD20陽性がん細胞に対するはるかに強い細胞傷害活性を示し、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導することが証明された(非特許文献7)。
【0005】
しかしながら、三官能性抗体ががん抗原非依存的様式で、T細胞と、NK細胞またはマクロファージなどの細胞との両方に同時に結合する結果、これらの細胞上で発現される受容体が架橋され、がん抗原非依存的様式で様々なサイトカインの発現が誘導されることが知られている。三官能性抗体の全身投与は、そのようなサイトカイン発現の誘導の結果として、サイトカインストームのような副作用を引き起こすと考えられる。実際、第I相臨床試験において、5マイクログラム(μg)/全身という非常に低い用量が、非小細胞肺
がんを有する患者に対するカツマキソマブの全身投与に関する最大耐量であり、それより高い用量の投与は、様々な重篤な副作用を引き起こすことが報告されている(非特許文献8)。そのような低い用量で投与した場合、カツマキソマブは、有効血中レベルには決して到達できない。すなわち、そのような低用量でカツマキソマブを投与することによっては、期待される抗腫瘍効果を達成することはできない。
【0006】
一方、カツマキソマブと違って、BiTEは、Fcガンマ受容体結合部位を持たないため、がん抗原非依存的様式で、T細胞と、NK細胞およびマクロファージなどの細胞に発現される受容体を架橋しない。かくして、BiTEは、カツマキソマブが投与される場合に観察されるがん抗原非依存的サイトカイン誘導を引き起こさないことが実証されている。しかしながら、BiTEは、Fc領域を欠く低分子量の改変抗体分子であるため、問題は、治療用抗体として従来使用されるIgG型の抗体よりも、患者への投与後のその血中半減期が著しく短いということである。事実、in vivoで投与されたBiTEの血中半減期は、約数時間であると報告されている(非特許文献9および非特許文献10)。ブリナツモマブの臨床試験においては、それはミニポンプを使用した連続静脈内輸注によって投与される。この投与法は、患者にとって極端に不便であるだけでなく、デバイスの故障などによる医療事故のリスクも潜在する。かくして、そのような投与法は望ましいとは言えない。
【0007】
デルタ様タンパク質3(DLL3)は、Notchリガンドファミリーのメンバーに属するI型膜タンパク質である。DLL3は、正常な体節形成およびパターニングにとって必要である。DLL3における変異は、常染色体劣性脊椎肋骨異骨症患者において肋骨欠損または脊椎分離症を引き起こす(非特許文献11および非特許文献12)。染色体上のDLL3遺伝子の増幅および膵がん細胞株中でのこの遺伝子の発現の増加(非特許文献13)および一部のグリオーマ症例におけるDLL3発現の増加(非特許文献14)を報告する以前の研究が存在する。さらに、DLL3は、ADCC増強抗体、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)、およびBiTE-Fc形式を使用するT細胞エンゲージング二重特異性分子を使用した、SCLCに加え、グリオーマを診断および処置する方法において以前に提案されている(特許文献1、特許文献2および特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2011/093097
WO2013/126746
WO2017/021349
【非特許文献】
【0009】
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、T細胞をDLL3発現細胞に近接させ、DLL3を発現するがん細胞に対するT細胞の細胞傷害性を使用することによってがん処置を可能にする多重特異性抗原結合分子、多重特異性抗原結合分子の生産方法、およびがん細胞傷害を誘導するための活性成分としてそのような多重特異性抗原結合分子を含む治療剤を提供することである。本発明の別の目的は、活性成分として上記の抗原結合分子の1つを含む、様々ながんの処置または予防における使用のための医薬組成物、および該医薬組成物を使用する治療方法を提供することである。本発明の別の目的は、ヒトDLL3結合活性を有する新規な単一特異性抗原結合分子、活性成分としてそのような単一特異性抗原結合分子を含む治療剤、およびそのような治療剤を使用する治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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