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公開番号
2025164846
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-30
出願番号
2025136970,2021567688
出願日
2025-08-20,2020-12-25
発明の名称
GPX4阻害剤に対するがん細胞の感受性を予測する方法
出願人
中外製薬株式会社
代理人
弁理士法人セントクレスト国際特許事務所
主分類
A61K
45/00 20060101AFI20251023BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】 SWI/SNF複合体の機能抑制が生じているがん細胞を特異的に標的とすることが可能な治療戦略の開発、より具体的には、SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されるがん細胞を特異的に標的とする治療戦略の開発。
【解決手段】 GPX4を阻害する化合物を有効成分として含有し、SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞を含むがん治療剤、並びに、がん細胞のGPX4阻害剤に対する感受性を予測する方法であり、がん細胞におけるSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞をGPX4阻害剤に対して感受性があると予測する工程を含む方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
GPX4を阻害する化合物を有効成分として含有し、がん患者由来の試料に含まれるがん細胞においてSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん患者を治療するための治療剤であり、前記GPX4を阻害する化合物が、GPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、がん治療剤。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
GPX4を阻害する化合物を有効成分として含有し、がん患者由来の試料に含まれるがん細胞においてSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん患者に投与するための治療剤であり、前記GPX4を阻害する化合物が、GPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、がん治療剤。
【請求項3】
がん細胞の、GPX4阻害剤に対する感受性を予測する方法であり、
がん細胞におけるSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞を、GPX4阻害剤に対して感受性があると予測する工程、
を含み、前記GPX4阻害剤はGPX4を阻害する化合物を含有する組成物であり、前記GPX4を阻害する化合物はGPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、方法。
【請求項4】
がん患者の、GPX4阻害剤による治療に対する感受性を予測する方法であり、
がん患者由来の試料に含まれるがん細胞においてSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん患者を、GPX4阻害剤による治療に対して感受性があると予測する工程、
を含み、前記GPX4阻害剤はGPX4を阻害する化合物を含有する組成物であり、前記GPX4を阻害する化合物はGPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、方法。
【請求項5】
GPX4阻害剤によるがん治療の対象とするがん患者を選別する方法であり、
がん患者由来の試料に含まれるがん細胞においてSWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん患者を、GPX4阻害剤によるがん治療の対象として選別する工程、
を含み、前記GPX4阻害剤はGPX4を阻害する化合物を含有する組成物であり、前記GPX4を阻害する化合物はGPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、方法。
【請求項6】
SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞の増殖を抑制する方法であり、
ヒトの体内以外において、GPX4阻害剤と、前記SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞とを接触させる工程、
を含み、前記GPX4阻害剤はGPX4を阻害する化合物を含有する組成物であり、前記GPX4を阻害する化合物はGPX4の活性及びGPX4の発現のうちの少なくともいずれかを阻害する化合物である、方法。
【請求項7】
SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されたがん細胞を含むがんの治療に用いる化合物のスクリーニング方法であり、
GPX4を阻害するか否かを指標として化合物を選別する工程、
を含む、方法。
【請求項8】
前記SWI/SNF複合体因子がBAF複合体因子である、請求項1又は2に記載のがん治療剤。
【請求項9】
前記SWI/SNF複合体因子がBAF複合体因子である、請求項3~7のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記SWI/SNF複合体因子が、SMARCA2、SMARCA4、ARID1A、ARID1B、ARID2、及びBCL11Bからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のがん治療剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPX4阻害剤に対するがん細胞の感受性を予測する方法に関する。また本発明は、GPX4阻害剤による治療に対するがん患者の感受性を予測する方法、GPX4阻害剤によるがん治療の対象とするがん患者を選別する方法、がん細胞の増殖を抑制する方法、がんの治療方法、がんの治療に用いる化合物のスクリーニング方法、及びがん治療剤に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ゲノムシークエンス技術の急速な進歩によって、がん細胞における固有の遺伝子変異を含むゲノム情報を解読することが可能となっている。その中で、抗がん剤開発では、EGFR遺伝子変異、BRAF遺伝子変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子等に代表されるような、機能獲得型の遺伝子変異が生じたがん細胞に特異的に、その機能を阻害する阻害剤の創薬がなされている(非特許文献1~3等)。これらの遺伝子変異を有するがん細胞を標的とする、同がん細胞に特異的な治療方法は、がんへの選択性が高く、効果の高い治療方法として期待されている。
【0003】
一方で、ヒトのがん細胞で発見される遺伝子変異には、上記の機能獲得型のみならず、逆に機能欠失型の遺伝子変異も含まれる。機能欠失型の遺伝子変異は、その遺伝子変異特異的な創薬が困難であり、機能獲得型の遺伝子変異を有するがん細胞を標的とする治療とは異なる治療戦略が必要である。
【0004】
SWI/SNF複合体は、12~15個のサブユニット(複合体因子)より構成されるクロマチンリモデリング因子である。近年、多くのヒトがんでSWI/SNF複合体因子の機能欠失型の遺伝子変異や発現抑制といった機能抑制が観察されることが報告されており、腫瘍発生や進行への関与が注目されている。これらの変異によって、ヌクレオソームに格納されたDNAの解離、及び転写因子やヒストン脱アセチル化酵素をはじめとする転写調節因子のDNAへのリクルートといった、SWI/SNF複合体の重要な機能が妨げられると考えられるため、かかる機能抑制とがんの発生や進行との間には重要な関係があると推察され、研究がなされている。
【0005】
例えば、非特許文献4には、非小細胞肺がんにおいて、SWI/SNF複合体因子であるSMARCA4の欠損がCDK4/6阻害剤と合成致死関係にあることが記載されており、非特許文献5には、SMARCA4が欠損した肺がんが、OXPHOS(ミトコンドリアの酸化的リン酸化)阻害剤に対する感受性を増加させたことが記載されており、非特許文献6には、非小細胞肺がんにおけるSMARCA4の遺伝子の変異が、Auroraキナーゼ阻害剤に対する感受性を増加させたことが記載されており、非特許文献7には、同じくSWI/SNF複合体因子であるARID1Aの遺伝子の変異がGSH合成阻害剤と合成致死関係にあることが記載されている。
【0006】
しかしながら、SWI/SNF複合体の機能抑制が生じているがん細胞を特異的に標的とする治療戦略は未だ十分ではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Makoto Maemondoら,NEJM 2010 Jun 24;362(25),p.2380-2388
Paul B.Chapmanら,NEJM 2011 Jun 30;364(26),p.2507-2516
D.Ross Camidgeら,J Thorac Oncol.2019 Jul;14(7),p.1233-1243
Yibo Xueら,Nat.Commun.10:557,2019
Yonathan Lissanu Deribeら,Nat.Med.Vol 24,July 2018,p.1047-1057
Vural Tagalら,Nat.Commun.8:14098,2017
Hideaki Ogiwaraら,2019,Cancer Cell 35,p.177-190
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたものである。本発明は、SWI/SNF複合体の機能抑制が生じているがん細胞を特異的に標的とすることが可能な治療戦略の開発を目的とするものであり、より具体的には、SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されるがん細胞を特異的に標的とする治療戦略の開発を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、SWI/SNF複合体因子の機能抑制が検出されるがん細胞において、GPX4の発現抑制や機能阻害を行うと、当該がん細胞の増殖が顕著に抑制及び/又は細胞死が誘導される一方、SWI/SNF複合体因子の機能抑制が生じていない細胞においては、このような増殖抑制及び/又は細胞死が生じないことを見出した。
【0010】
より具体的に、本発明者らは、ヒトがん細胞株に対する網羅的なノックダウン実験を行い、どのタンパク質の機能抑制をする薬剤がSWI/SNF複合体因子の機能抑制を生じているヒトがん細胞に対する抗腫瘍活性につながるか、鋭意検討した。その結果、SWI/SNF複合体のコアコンポーネントであるSMARCA4の遺伝子に欠損型の変異を有する、及び/又は、SMARCA4タンパク質の発現が検出されないがん細胞株において、GPX4の発現を抑制すると、当該がん細胞の細胞死を誘導し、細胞増殖が顕著に抑制されることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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