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公開番号
2025163800
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-30
出願番号
2024067328
出願日
2024-04-18
発明の名称
表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法、学習システム、品質評価システム、及び、品質評価方法
出願人
株式会社ジェイテクト
代理人
弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
主分類
G06T
7/00 20170101AFI20251023BHJP(計算;計数)
要約
【課題】浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる部材の表面炭素濃度を推定する精度を高め、品質評価の精度を高める。
【解決手段】品質評価に用いられる学習モデルの製造方法は、表面炭素濃度及び鍛造温度が確認されている対象領域の顕微鏡画像を取得する工程と、鍛造温度が、予め決められた複数の温度範囲の内、第1の温度範囲に含まれる対象部材の前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、を生成する工程と、明側画像に含まれる複数のオブジェクトの明側特徴量と、暗側画像に含まれる複数のオブジェクトの暗側特徴量と、を求める工程と、明側特徴量及び暗側特徴量と、対象部材の表面炭素濃度と、を教師データとして用いて学習モデルを生成する工程と、を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる部材の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法であって、
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなり表面炭素濃度および鍛造温度が確認されている対象部材の表面から所定深さの対象領域の顕微鏡画像が取得される画像取得工程と、
前記鍛造温度が、予め決められた複数の温度範囲の内、第1の温度範囲に含まれる対象部材の前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、前記対象部材の組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、前記対象部材の組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、が生成される画像処理工程と、
前記明側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの明側特徴量と、前記暗側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの暗側特徴量とが求められる特徴量算出工程と、
前記明側特徴量及び前記暗側特徴量と、前記対象部材の前記表面炭素濃度とを教師データとして用いて、前記明側特徴量及び前記暗側特徴量から、前記表面炭素濃度を出力する学習モデルが生成されモデル生成工程と、
を含む、表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
続きを表示(約 2,900 文字)
【請求項2】
前記画像処理工程において、
前記グレースケール画像の各画素のうち、明度が第一閾値以下の画素は前記暗いオブジェクトを構成する要素とされ、明度が前記第一閾値よりも大きな第二閾値を超える画素は明るいオブジェクトを構成する要素とされ、
前記グレースケール画像から、前記第一閾値以下の画素は黒であってその他の領域は白となる前記暗側画像と、前記第二閾値を超える領域は白であってその他の領域は黒となる前記明側画像と、がそれぞれ生成される、
請求項1に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項3】
前記グレースケール画像から明度のヒストグラムが生成され、
前記ヒストグラムにおいて暗い側からの累積比率が第一設定値となる明度が、前記第一閾値として設定され、
前記ヒストグラムにおいて明るい側からの累積比率が第二設定値となる明度が、前記第二閾値として設定される、
請求項2に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項4】
前記特徴量算出工程において、
異なる二つの前記明側特徴量同士の相関が強い場合に、当該明側特徴量のうちの一方が削減される削減処理、
又は、
複数の前記明側特徴量について主成分分析を行うことで当該明側特徴量のうちの一部が削減され削減処理
が行われる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項5】
前記画像処理工程において、
前記グレースケール画像から明度のヒストグラムが生成され、当該ヒストグラムの均一化処理を行い、
当該均一化処理を行ったグレースケール画像から、前記暗側画像と前記明側画像とがそれぞれ生成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項6】
前記画像取得工程において、
前記対象領域を複数の区画に分けて、当該区画それぞれの一部が重複するようにして撮影することで複数の区画画像が取得され、
前記区画画像に含まれる特徴部分を基準として、複数の当該区画画像を繋げることで前記対象領域の一つの顕微鏡画像が取得される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項7】
前記画像処理工程は、
前記グレースケール画像をコピーしたコピー画像が生成され、
前記グレースケール画像と前記コピー画像とのうちの一方に対して画像をぼかす処理を行って背景画像が生成され、
前記背景画像を用いて、前記グレースケール画像と前記コピー画像とのうちの他方からノイズを除去したグレースケール画像が生成され、
当該ノイズを除去したグレースケール画像から、前記明側画像と前記暗側画像とが生成される、
請求項6に記載の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法。
【請求項8】
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる部材の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルを機械学習により製造するための学習システムであって、
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなり表面炭素濃度および鍛造温度が確認されている対象部材の表面から所定深さの対象領域の顕微鏡画像が取得される画像取得装置と、
前記鍛造温度が、予め決められた複数の温度範囲の内、第1の温度範囲に含まれる対象部材の前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、前記対象部材の組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、前記対象部材の組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、が生成される画像処理部と、
前記明側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの明側特徴量と、前記暗側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの暗側特徴量とが求められる特徴量算出部と、
前記明側特徴量及び前記暗側特徴量と、前記対象部材の前記表面炭素濃度とを教師データとして用いて、前記明側特徴量及び前記暗側特徴量から、前記表面炭素濃度が出力されるように学習モデルを学習させる学習部と、
を含む、学習システム。
【請求項9】
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる評価対象部材の表面炭素濃度推定を行う品質評価システムであって、
鍛造温度が確認されている前記評価対象部材の表面から所定深さの対象領域の顕微鏡画像を取得する画像取得装置と、
前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、前記評価対象部材の組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、前記評価対象部材の組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、が生成される画像処理部と、
前記明側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの明側特徴量と、前記暗側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの暗側特徴量とが求められる特徴量算出部と、
前記明側特徴量及び前記暗側特徴量をデータセットとして用いて、請求項8に記載の学習システムで学習させて得られた学習モデルの内、前記鍛造温度を、前記第1の温度範囲に含む顕微鏡画像に基づき製造された学習モデルにより、前記評価対象部材の表面炭素濃度が出力される評価演算部と、
を備える品質評価システム。
【請求項10】
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる評価対象部材の表面炭素濃度推定を行う品質評価方法であって、
鍛造温度が確認されている前記評価対象部材の表面から所定深さの対象領域の顕微鏡画像を取得する画像取得工程と、
前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、前記評価対象部材の組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、前記評価対象部材の組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、が生成される画像処理工程と、
前記明側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの明側特徴量と、前記暗側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの暗側特徴量とが求められる特徴量算出工程と、
前記明側特徴量及び前記暗側特徴量をデータセットとして用いて、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法で生成された学習モデルの内、前記鍛造温度を、前記第1の温度範囲に含む対象部材の顕微鏡画像に基づき製造された学習モデルにより、前記評価対象部材の前記表面炭素濃度が出力される評価演算工程と、
を含む、品質評価方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸炭処理又は浸炭窒化処理した鋼からなる部材の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルを製造する方法、その製造のための学習システム、前記学習モデルを用いて行う品質評価システム、及び、品質評価方法に関する。
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【背景技術】
【0002】
炭素鋼又は合金鋼からなる部材の耐摩耗性及び耐疲労性を向上させることを目的として、浸炭処理又は浸炭窒化処理等の熱処理が行われる。熱処理を行った鋼からなる部材の品質に大きな影響を及ぼす因子として、表面炭素濃度が挙げられる。そこで、表面炭素濃度に基づいて、熱処理した部材の品質評価が行われることがある。
【0003】
表面炭素濃度の測定には、例えば、電子線マイクロアナライザ(以下、「EPMA」((Electron Probe Micro Analyzer)と称する。)が用いられる。特許文献1には、EPMAにより表面炭素を測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2021-508001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表面炭素濃度の測定のために、例えばEPMAが用いられる。しかし、真空中で測定が行われ、測定のための装置コスト及び装置の維持費が高額となる。また、測定時間が長くなる、サンプル作成および測定に技術を要するという課題がある。
【0006】
これの測定に合わせて金属組織の観察が顕微鏡を用いて行われることがある。金属組織を観察するためには表面を、腐食させて観察面とするために金属組織を強調する腐食液により腐食させる。
【0007】
前記のような方法により測定された、表面炭素濃度に基づいて、浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる部材の表面炭素濃度推定が行われる。今後、さらに表面炭素濃度の精度を高めることが望まれている。
【0008】
そこで、本開示の発明では、表面炭素濃度を推定する精度をさらに高め、簡便に品質評価の精度をさらに高めることが可能となる新たな技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本開示の発明は、浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなる部材の表面炭素濃度推定に用いられる学習モデルの製造方法であって、
浸炭処理又は浸炭窒化処理した炭素鋼又は合金鋼からなり表面炭素濃度および鍛造温度が確認されている対象部材の表面から所定深さの対象領域の顕微鏡画像が取得される画像取得工程と、
前記鍛造温度が、予め決められた複数の温度範囲の内、第1の温度範囲に含まれる対象部材の前記顕微鏡画像に基づくグレースケール画像から、前記対象部材の組織の粒が明るいオブジェクトとして示されその他が暗い領域として示される明側画像と、前記対象部材の組織の粒が暗いオブジェクトとして示されその他が明るい領域として示される暗側画像と、が生成される画像処理工程と、
前記明側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの明側特徴量と、前記暗側画像に含まれる複数の前記オブジェクトの暗側特徴量とが求められる特徴量算出工程と、
前記明側特徴量及び前記暗側特徴量と、前記対象部材の前記表面炭素濃度とを教師データとして用いて、前記明側特徴量及び前記暗側特徴量から、前記表面炭素濃度を出力する学習モデルが生成されるモデル生成工程と、
を含む。
【0010】
この製造方法によれば、対象部材の鍛造温度が属する温度範囲別の明部特徴量及び暗部特徴量を説明変数とし、表面炭素濃度を目的変数とする鍛造温度が属する温度範囲別の学習モデルが得られる。明側特徴量のみではなく、また、暗側特徴量のみではなく、明側特徴量と暗側特徴量との双方が教師データとして用いられて学習モデルが製造される。このようにして鍛造温度が属する温度範囲別に製造された学習モデルが用いられることで、表面炭素濃度を推定する精度がさらに高まり、その結果、簡便に品質評価の精度をさらに高めることが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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