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公開番号2025162382
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-27
出願番号2024065649
出願日2024-04-15
発明の名称樹脂シート及びその製造方法
出願人三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類B32B 27/12 20060101AFI20251020BHJP(積層体)
要約【課題】薄肉でも高い強度と優れた透明性を高いレベルで両立させた樹脂シート。
【解決手段】ガラス繊維シート(A)およびポリカーボネート樹脂層(B)を有する樹脂シートであって、ポリカーボネート樹脂層(B)が、ポリカーボネート樹脂(B1)と、テレフタル酸残基、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含むポリエステル樹脂(B2)、またはテレフタル酸残基及びスピログリコール残基を含むポリエステル樹脂(B3)を含むポリカーボネート樹脂組成物(B4)からなり、ポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率が1.545~1.580、ガラス繊維シート(A)のガラス繊維(A1)の屈折率が1.550~1.580、ガラス繊維(A1)とポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率の差が0.008以下であり、樹脂シート中のガラス繊維(A)の量が40~90質量%であることを特徴とする樹脂シート。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ガラス繊維シート(A)およびポリカーボネート樹脂層(B)を有する樹脂シートであって、
ポリカーボネート樹脂層(B)が、ポリカーボネート樹脂(B1)と、テレフタル酸残基、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含むポリエステル樹脂(B2)、またはテレフタル酸残基及びスピログリコール残基を含むポリエステル樹脂(B3)を含むポリカーボネート樹脂組成物(B4)からなり、
ポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率が1.545~1.580であり、
ガラス繊維シート(A)のガラス繊維(A1)の屈折率が1.550~1.580であり、
ガラス繊維(A1)とポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率の差が0.008以下であり、
樹脂シート中のガラス繊維(A)の量が40~90質量%であることを特徴とする樹脂シート。
続きを表示(約 520 文字)【請求項2】
ガラス繊維シート(A)の厚みが0.005~1.30mmである請求項1に記載の樹脂シート。
【請求項3】
ガラス繊維シート(A)がポリカーボネート樹脂組成物(B4)を含侵している請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項4】
請求項1または2に記載の樹脂シートを複数枚加熱圧着してなる樹脂積層シート。
【請求項5】
請求項1または2に記載の樹脂シートを備えた車両内外装部品。
【請求項6】
請求項1または2に記載の樹脂シートを備えたモバイル機器または電気・電子機器の筐体。
【請求項7】
ガラス繊維(A1)の屈折率が1.550~1.580であるガラス繊維シート(A)の両面に、ポリカーボネート樹脂(B1)と、テレフタル酸残基、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含むポリエステル樹脂(B2)、またはテレフタル酸残基、及びスピログリコール残基を含むポリエステル樹脂(B3)を含むポリカーボネート樹脂組成物を加熱圧着する工程を含むことを特徴とする樹脂シートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂シート及びその製造方法に関し、詳しくは、ガラス繊維シートとポリカーボネート樹脂層を有し、強度と透明性に優れた樹脂シートおよびこれを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐衝撃性、透明性等に優れた樹脂として、多くの分野で幅広く用いられている。そして、寸法安定性や剛性を補うために、ガラス繊維等を充填したガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、寸法安定性、剛性(曲げ強度)、耐熱性等に優れることから、カメラ、OA機器、通信機器、精密機器、電気電子部品、自動車部品、一般機械部品等の産業分野で使用されている。
しかし、ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、ガラス繊維とポリカーボネート樹脂との屈折率の差に起因して透明性が大きく低下するという欠点がある。
【0003】
特許文献1には、脂肪族ジヒドロキシ化合物に由来する脂肪族カーボネート繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂に、特定のガラス組成のガラス繊維を組み合わせることで、ポリカーボネート樹脂の屈折率とガラス繊維の屈折率との差を小さくして、透明性を改善したポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。しかし、特許文献1のポリカーボネート樹脂組成物では、ポリカーボネート樹脂として特定のものを用いる必要があり、ポリカーボネート樹脂が限定されるという欠点がある。
【0004】
特許文献2には、透明性、衝撃強度、表面硬度に優れる熱可塑性樹脂組成物として、ポリカーボネート樹脂と、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂と、リン系酸化防止剤とを所定の割合で含むものが記載されているが、特許文献2には、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂の配合で表面硬度が向上することが示されているのみであり、ガラス繊維の配合についての記載はなく、ポリ(1,4-シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)コポリエステル樹脂がガラス繊維を配合することによるポリカーボネート樹脂の透明性の低下を改善する効果を奏することを示唆する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6131264号公報
特開2016-216556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年は、特に電気電子機器、通信機器等では、軽量薄肉化が急速に進行しており、薄肉でも高い強度を有する材料が強く希求されつつあるが、透明性と強度の両方を高いレベルで満足するガラス繊維-ポリカーボネート樹脂材料は未だ開発されていない。
本発明は、透明性と強度の両方を高いレベルで満足するガラス繊維-ポリカーボネート樹脂材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に特定のポリエステル樹脂を配合したポリカーボネート樹脂組成物からなるポリカーボネート樹脂層と、特定のガラス繊維シートを有する樹脂シートが、透明性と強度の両方を高いレベルで達成することを見出した。
【0008】
本発明は、以下の樹脂シート、樹脂積層シート、車両内外装部品、モバイル機器または電気・電子機器の筐体、および樹脂シートの製造方法に関する。
【0009】
[1]ガラス繊維シート(A)およびポリカーボネート樹脂層(B)を有する樹脂シートであって、
ポリカーボネート樹脂層(B)が、ポリカーボネート樹脂(B1)と、テレフタル酸残基、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含むポリエステル樹脂(B2)、またはテレフタル酸残基及びスピログリコール残基を含むポリエステル樹脂(B3)を含むポリカーボネート樹脂組成物(B4)からなり、
ポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率が1.545~1.580であり、
ガラス繊維シート(A)のガラス繊維(A1)の屈折率が1.550~1.580であり、ガラス繊維(A1)とポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率の差が0.008以下であり、樹脂シート中のガラス繊維(A)の量が40~90質量%であることを特徴とする樹脂シート。
[2]ガラス繊維シート(A)の厚みが0.005~1.30mmである上記1に記載の樹脂シート。
[3]ガラス繊維シート(A)がポリカーボネート樹脂組成物(B4)を含侵している上記1または2に記載の樹脂シート。
[4]上記1~3のいずれかに記載の樹脂シートを複数枚加熱圧着してなる樹脂積層シート。
[5]上記1~3のいずれかに記載の樹脂シートを備えた車両内外装部品。
[6]上記1~3のいずれかに記載の樹脂シートを備えたモバイル機器または電気・電子機器の筐体。
[7]ガラス繊維(A1)の屈折率が1.550~1.580であるガラス繊維シート(A)の両面に、ポリカーボネート樹脂(B1)と、テレフタル酸残基、1,4-シクロヘキサンジメタノール残基、及び2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール残基を含むポリエステル樹脂(B2)、またはテレフタル酸残基、及びスピログリコール残基を含むポリエステル樹脂(B3)を含むポリカーボネート樹脂組成物(B4)を加熱圧着する工程を含むことを特徴とする樹脂シートの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、薄肉でも高い強度と優れた透明性を高いレベル両立させたガラス繊維強化樹脂シートを提供することができる。
ポリカーボネート樹脂は、ガラスよりも屈折率が大きく、ポリカーボネート樹脂にガラス繊維を組み合わせると、両者の屈折率差に起因して透明性が大きく低下するが、本発明では、ポリカーボネート樹脂(B1)に屈折率の小さいポリエステル樹脂(B2)またはポリエステル樹脂(B3)を配合したポリカーボネート樹脂組成物(B4)を使用し、ガラス繊維(A1)とポリカーボネート樹脂組成物(B4)の屈折率の差を0.008以下とすることにより、透明性を顕著に改善し、薄肉でも高い強度(剛性)を有するガラス繊維強化樹脂シートとすることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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