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公開番号2025160474
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-22
出願番号2025130743,2024017824
出願日2025-08-05,2018-07-11
発明の名称ヒトCD137に結合するアゴニスト性抗体およびその使用
出願人コンパス セラピューティクス リミテッド ライアビリティ カンパニー
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C07K 16/28 20060101AFI20251015BHJP(有機化学)
要約【課題】CD137のエピトープに結合し、CD137をアゴナイズする化合物(例えば抗体またはその抗原結合断片)、および癌の一つまたは複数の症状の治療または改善のための方法における当該化合物の使用を提供すること。
【解決手段】一部の態様において、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合する単離モノク
ローナル抗体またはその抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、約40nM~約100nMのアフィニティ(KD)でヒトCD137に結合する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年7月11日に出願された米国仮特許出願第62/531,259号;2017年7月11日に出願された米国仮特許出願第62/531,190号;2017年10月4日に出願された米国仮特許出
願第62/568,231号;2017年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/577,257号;および2017年10月26日に出願された米国仮特許出願第62/577,259号の利益を主張するものである。これら参照出願の全内容が、本参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、免疫システムが腫瘍の形成と進行に対する重要な障壁としての効果を有することを示唆する証拠が増加している。抗腫瘍の能力がある、または抗腫瘍の活性がある自然発生型のT細胞が癌患者中に存在するという主旨は、腫瘍分野において免疫療法的アプロー
チの開発に合理性を与えるものである。例えばT細胞、マクロファージおよびナチュラル
キラー細胞などの免疫細胞は抗腫瘍活性を呈することができ、悪性腫瘍の発生と増殖を効率的に制御することができる。腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原は、悪性腫瘍を認識し、排除する免疫細胞を誘導することができる(Chen & Mellman, (2013) Immunity 39(1):1-10)。腫瘍特異的な免疫応答が存在するにもかかわらず、悪性腫瘍は様々な免疫調
節機構を介して免疫攻撃を逃れ、または回避することが多く、その結果として腫瘍の発生と進行の制御に失敗する(Motz & Coukos, (2013) Immunity 39(1):61-730)。実際に癌出現の顕著な特徴はこれら免疫調節機構の利己的利用と、抗腫瘍免疫応答の無効化であり、これによって腫瘍は免疫による殺傷を回避し、逃避する(Hanahan and Weinberg (2011) Cell 144(5):646-674)。
【0003】
癌免疫療法の新たなアプローチにはこれら免疫の回避および逃避の機構を妨げ、内因性免疫系を誘導して腫瘍を拒絶させることが含まれる。CD137(あるいは「tumor necrosis
factor receptor superfamily member 9」(TNFRSF9)、4-1BBおよび「induced by lymphocyte activation」(ILA)としても知られている)は、腫瘍壊死因子スーパーファミリーに属する膜貫通型共刺激性受容体タンパク質である。CD137は、TCR活性化で誘導されるT細胞共刺激性受容体である(Nam et al., (2005) Curr Cancer Drug Targets 5:357-363; Watts et al., (2005) Annu Rev Immunol 23:23-68)。活性化CD4+T細胞およびCD8+T細胞上での発現に加えて、CD137はCD4+CD25+制御性T細胞、活性化
ナチュラルキラー(NK)T細胞およびNK-T細胞、単球、好中球ならびに樹状細胞上にも発
現される。
【0004】
生理学的条件下では、CD137は、B細胞、単球、マクロファージおよび樹状細胞を含む抗原提示細胞上に存在するアゴニスト性膜分子であるCD137リガンド(CD137L)にライゲー
ションされる(Watts et al., (2005) Annu Rev Immunol 23:23-68)。リガンドとの相互作用によって、CD137はTCR誘導型T細胞増殖の増加、サイトカイン産生、機能的成
熟およびCD8+T細胞生存の長期化をもたらす。免疫系に腫瘍を攻撃させることにおける、
様々なアゴニスト(例えばアゴニスト性抗体、組み換えCD137Lタンパク質およびCD137特
異的アプタマー)を使用したCD137共刺激の潜在的能力は、多くのモデルにおいて報告さ
れている(Dharmadhikari et al., (2016) Oncoimmunology 5(4):e1113367および当
該文献中の参照文献)。アゴニスト性CD137抗体の臨床評価に関する最近の報告(ウレルマブ(Urelumab)、BMS-663513; Bristol-Myers Squibb社)では、ヒト対象において、抗
体投与量と相関する重度の肝毒性(高トランスアミナーゼ血症)の兆候を含む治療関連有害事象が観察されたことが報告されている(Segal et al., (2016) Clin Cancer Res 23(8):1929-1936)。対照的に、別のアゴニスト性CD137抗体(ウトミルマブ(Utomilumab)、PF-05082566; Pfizer社)が、抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ(pembrolizumab))との併用で検証されたところ、いずれの用量規定毒性も生じさせなかったが、抗PD-1抗体の単独療法と同等の結果を示した(Tolcher, A. et al., (2017) Clin Cancer Res
23(18): 5349-5357)。これらの結果から、CD137アゴニストを用いた治療に適した癌を含む様々な疾患および状態を有する患者に関し、ヒトCD137に結合し、安全で有効な治療
剤の開発に充分な特徴を呈する新規アゴニスト性抗体に対するアンメットニーズが継続して存在しているということが強調される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Chen & Mellman, (2013) Immunity 39(1):1-10
Motz & Coukos, (2013) Immunity 39(1):61-730
Hanahan and Weinberg (2011) Cell 144(5):646-674
Nam et al., (2005) Curr Cancer Drug Targets 5:357-363
Watts et al., (2005) Annu Rev Immunol 23:23-68
Dharmadhikari et al., (2016) Oncoimmunology 5(4):e1113367
Segal et al., (2016) Clin Cancer Res 23(8):1929-1936
Tolcher, A. et al., (2017) Clin Cancer Res 23(18): 5349-5357
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は少なくとも部分的に、動物において防御的抗腫瘍免疫を呈する新規アゴニスト性抗CD137抗体の開発に基づくものである。特に本明細書に記載される抗体は、多様な腫
瘍型に有効であり、幅広い用量範囲にわたり有効である。さらに実施例に例示されるように、本明細書に記載される抗体は、非常に大きな腫瘍対し、治療的に有効である。例えば本明細書に記載されるアゴニスト性抗CD137抗体を用いて腫瘍担持マウスを治療すること
により、1,800mm
3
もの大きさの腫瘍の完全退縮がもたらされた。図15に記載されるように、こうしたマウスの治療によって、防御的免疫も生じていた。観察された有効性と一致して、腫瘍微小環境において例えば制御性T細胞および消耗T細胞群の減少を伴う免疫細胞浸潤の増加などのポジティブな免疫表現型の変化があった(例えば図22A~22Dを参照のこと)。
【0007】
上述のように、CD137のアゴニズムは、ヒトにおいて、肝毒性関連死を含む特定の有害
事象と関連している(例えばSegal et al. (2017) Clin Cancer Res
23(8)
: 1929-1935を参照のこと)。動物モデルにおいても、アゴニスト性抗CD137抗体(例えば3H3抗体)を用いた治療から生じた同様の毒性が観察されている(例えば、Bartkowiak et al. (2018) Clin Cancer Res
24(5)
:1138-1151を参照のこと)。しかし本明細書に記
載されるアゴニスト性抗CD137抗体は、例えば肝酵素(例えばアラニンアミノトランスフ
ェラーゼ(ALT))の血漿レベルおよび免疫細胞浸潤などにより決定した場合には、肝臓
に対する作用は最小限である。例えば当該抗体で治療されたマウスにおいて、肝臓内または脾臓内で免疫細胞浸潤が増加した証拠はない。ゆえに本明細書に記載される抗体は、有効性が高いだけではなく、CD137アゴニズムと関連する特定の毒性も削減させる。
【0008】
本開示はいずれの特定の学説または作用機序に限定されるものではないが、本明細書に記載される抗体の優れた治療特性および毒性削減特性は、当該抗体のアフィニティおよび結合する新規エピトープのうちの一つまたは両方から部分的には誘導されたものであると考えられる。すなわち本明細書に記載される複数の抗体は、他のアゴニスト性抗CD137抗体とは明白に異なる共通の新規エピトープを共有している。そして実施例に例示されるように、本明細書に記載される抗体とエピトープが会合することで、異なるCD137エピト
ープに結合するアゴニスト性抗体と比較し、例えば制御性T細胞増殖、CD8
+
T細胞およびマクロファージによるサイトカイン産生ならびに細胞内シグナル伝達に対する効果などの異なるインビトロ活性が生じる。さらに抗体のアフィニティ範囲(スイートスポット)が、抗腫瘍活性に対して特に最適なものとなることが示されている。例えば中間のアフィニティを有する抗体は、より高い、またはより低いアフィニティを有する抗体と比較して、大きな腫瘍に対する有効性が高いことが示されている。
【0009】
前述のことを考慮すると、一部の態様において、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合
する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、約40nM~約100nMのアフィニティ(K
D
)でヒトCD137に結合する。一部の態様において、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合する単離モノクローナル抗体ま
たはその抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、約30nM~100nM(例えば約30nM~約110nM)のアフィニティ(K
D
)でヒトCD137に結合する。一部の
態様では、ヒトCD137に対する抗CD137抗体のアフィニティは、マウスCD137に対するmAb10のアフィニティよりも少なくとも2倍(例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9または10倍)高い。一部の態様では、抗CD137抗体のアフィニティは、500、450、400、350、300、250、200、250、200、175、150、125、110または100nM以下である。一部の態様では、ヒトCD137に対する抗CD137抗体のアフィニティは、マウスCD137に対するmAb10のアフィニティ
よりも少なくとも2倍(例えば少なくとも3、4、5、6、7、8、9または10倍)高いが、500
、450、400、350、300、250、200、250、200、175、150、125、110または100nM以下であ
る。
【0010】
一部の態様では、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合する単離モノクローナル抗体ま
たはその抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、配列番号3のアミノ酸111~132の一つまたは複数(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25個すべて)を含むヒトCD137上のエピトープに結合する。一部の態様において、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、配列番号3のアミノ酸111~132内のエピトープに結合する。一部の
態様において、本開示は、ヒトCD137に特異的に結合する単離モノクローナル抗体または
その抗原結合部分を提供するものであり、当該抗体または抗原結合部分は、配列番号3の
アミノ酸111~132のすべてまたは一部に結合する。一部の態様において、エピトープは、配列番号3のK114に結合する。一部の態様において、エピトープは、配列番号3のE111、T113およびK114残基を含む。一部の態様において、エピトープは、配列番号3のE111、T113
、K114、N126およびI132残基を含む。一部の態様において、エピトープは、配列番号3のE111、T113、K114およびP135残基を含む。一部の態様において、エピトープは、配列番号3のE111、T113、K114、N126、I132およびP135残基を含む。一部の態様において、抗体またはその抗原結合部分は、約30nM~約100nM(例えば約30nM~約110nM)のアフィニティでヒトCD137に結合する。
(【0011】以降は省略されています)

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