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公開番号2025156369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025118784,2023571551
出願日2025-07-15,2022-05-18
発明の名称排気ガスタービンのタービンホイールのバランス調整を行うための方法及びバランス調整されたタービンホイール
出願人アクセラロン スウィツァーランド リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F01D 5/10 20060101AFI20251002BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】改善された排気ガスタービンのタービンホイールのバランス調整方法、及び対応するバランス調整されたタービンホイールを提供すること。
【解決手段】排気ガスタービンのタービンホイール(10)のバランス調整を行うための方法、及びバランス調整されたタービンホイール(10)が説明される。排気ガスタービンのタービンホイールは、流体流れ領域に背を向けるハブ後壁(15)を有し、材料の除去によって形成されたくぼみ(13)とマーキングビード(16)とを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
排気ガスタービンのタービンホイール(10)のバランス調整を行うための方法であって、前記タービンホイール(10)は、回転軸(11)の周りで回転可能であり、ハブ(12)と、前記ハブ(12)に取り付けられ、流体流れ領域(14)に配置された複数のタービンブレードとを有し、前記ハブは、流体流れ領域(14)に背を向けて、前記回転軸(11)の周りで同心円状に延在するマーキングビード(16)を備えるハブ後壁(15)を有し、
前記マーキングビード(16)に隣接する質量除去位置で、前記タービンホイール(10)に対して楕円様の材料除去ツールを移動させるステップと、
前記材料除去ツールによって、前記マーキングビード(16)に隣接する前記ハブ後壁(15)のハブ材料を除去し、前記マーキングビード(16)をそのまま残すことによって、前記タービンホイール(10)のバランス調整を行うために、前記回転軸(11)に対して非対称な質量除去くぼみ(13)を前記ハブ後壁(15)に作り出すステップと、
を含む、方法。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記材料除去ツールは、楕円様の研削ヘッドを備えた研削ツール、好ましくは球状研削ヘッドを備えた球状研削ツールである、請求項1に記載の排気ガスタービンのためのタービンホイール(10)を作り出すための方法。
【請求項3】
前記質量除去くぼみ(13)は、前記回転軸(11)の周りで円周方向の環状セグメントに沿って作られている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記タービンホイールのアンバランスを決定するステップと、
前記決定されたアンバランスに応じて、前記質量除去くぼみ(13)の材料除去プロファイルを設定するステップと、
前記設定された材料除去プロファイルで前記質量除去くぼみ(13)を作り出すステップと、
をさらに含む請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
除去なしハブ試験幾何形状を規定するステップと、
前記規定された除去なしハブ試験幾何形状から、前記除去なしハブ試験幾何形状の前記ハブ後壁からの最大除去量を差し引いた最大除去ハブ試験幾何形状を使用して、第1のハブ品質パラメータを計算するステップと、
好ましくは、前記除去なしハブ試験幾何形状と前記最大除去ハブ試験幾何形状との間でハブ試験幾何形状を反復的に変更することにより、前記第1のハブ品質パラメータを用いて計算されたハブ最適化変数の最適化によって前記ハブ幾何形状を最適化するステップと、
をさらに含み、
前記ハブ後壁(15)におけるハブ材料の除去は、前記最大除去量によって制限される、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記ハブ品質パラメータは、機械的応力、機械的サイクル最適化変数、サイクル疲労指標から選択される少なくとも1つのパラメータを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ハブ試験幾何形状からハブ後壁材料を除去することなく、前記規定されたハブ試験幾何形状を用いて、第2のハブ品質パラメータを計算するステップと、
好ましくは、除去なしハブ試験幾何形状と最大除去ハブ試験幾何形状との間でハブ試験幾何形状を反復的に変更することで、前記第1及び第2のハブ品質パラメータを用いて計算されたハブ最適化変数の最適化により前記ハブ幾何形状を最適化するステップと、
をさらに含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
排気ガスタービンのためのタービンホイール(10)であって、前記タービンホイール(10)は、回転軸(11)の周りで回転可能であり、
・ハブ(12)と、
・前記ハブ(12)に取り付けられ、流体流れ領域(14)に配置された複数のタービンブレードであって、前記ハブは、前記流体流れ領域(14)に背を向けるハブ後壁(15)を有する、タービンブレードと、
を有し、
前記タービンホイール(10)のバランス調整を行うために、前記回転軸(11)に対して非対称な質量除去くぼみ(13)が前記ハブ後壁(15)に設けられており、
前記質量除去くぼみ(13)は、断面輪郭が楕円セグメントの形を有する、ハブ後壁(15)の凹状のくぼみとして構成されており、
前記質量除去くぼみ(13)の前記断面輪郭は、前記回転軸(11)を含む断面平面(Z-Z)に規定されており、
前記ハブ後壁(15)は、前記回転軸(11)に対して同心円状に延在するマーキングビード(16)をさらに有し、
前記マーキングビード(16)及び前記質量除去くぼみ(13)は、半径方向に重なることなく互いに隣接している、排気ガスタービンのためのタービンホイール(10)。
【請求項9】
前記質量除去くぼみ(13)は、
(a)前記質量除去くぼみ(13)の前記断面輪郭が、円形セグメントの形状を有する、
(b)前記質量除去くぼみ(13)の前記断面輪郭が、0.03*Fより大きい最小曲率半径を有し、Fは前記タービンホイール(10)の後壁の直径である、
(c)前記質量除去くぼみ(13)の前記断面輪郭が、条件((B*B)/H)/F≧0.03を満たし、Hは質量除去くぼみ(13)の楕円断面輪郭の半長軸であり、Bは質量除去くぼみ(13)の楕円断面輪郭の半短軸であり、Fはタービンホイール(10)の後壁の直径である、
(d)前記質量除去くぼみ(13)が、前記ハブ後壁(15)の半径方向外側の半分に少なくとも部分的に配置されている、
(e)前記質量除去くぼみ(13)が、材料除去ツール、好ましくは研削ツールによって作り出される、
(f)前記質量除去くぼみ(13)が、前記回転軸の周りで円周方向に延在する環状セグメントに沿って延びている、
(g)前記質量除去くぼみ(13)が、連続線として、一連の連続線の部分として、又は一連の個別のスポットくぼみとして延びている、
のうちの少なくとも1つの特性を有する、請求項8に記載のタービンホイール。
【請求項10】
前記マーキングビード(16)は、
(i)前記マーキングビード(16)が、前記断面平面で隆起して凸状である、
(ii)前記マーキングビード(16)が、前記回転軸(11)に対して回転対称である、
(iii)前記マーキングビード(16)が、不等式E≦(F-G)/2及び/又はG/F>0.5に従って配置されており、Aは、前記質量除去くぼみ(13)の半径方向内端から前記質量除去くぼみ(13)の半径方向外端までの前記質量除去くぼみ(13)の半径方向範囲であり、Dは、前記質量除去くぼみ(13)からの前記マーキングビード(16)の前記頂点の半径方向距離であり、E=A+Dは、前記質量除去くぼみ(13)の半径方向外側の境界からの前記マーキングビード(16)の前記頂点の半径方向距離であり、Fは、前記タービンホイール(10)の直径であり、Gは、前記マーキングビード(16)の前記頂点によって規定される円の直径である、
(iv)前記マーキングビード(16)が、前記質量除去くぼみ(13)の半径方向内側に配置されている、
のうちの少なくとも1つの特性を有する、請求項8又は9に記載のタービンホイール(10)。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、排気ガスタービンのタービンホイールのハブ後壁に、規定された形状及び位置の質量除去領域を形成することによって、排気ガスタービンのタービンホイールのバランス調整を行う方法、及び排気ガスタービン用のバランス調整されたタービンホイールに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
排気ガスタービンは、排気ガスに含まれるエネルギーを利用するために使用される。排気ガス流からエネルギーを抽出するために、排気ガスタービンのタービンホイールが使用され、タービンホイールは、排気ガス流中に配置され、流体-機械的に最適化された形状を有する。ここでは、タービンホイールは、シャフト上に配置され、結果として回転軸の周りで回転可能になるように取り付けられている。
【0003】
排気ガスタービンのタービンホイールの高い回転速度及び排気ガス流路でのその位置により、タービンホイールは、高い熱的及び機械的負荷を受ける排気ガスタービンの構成要素である。とりわけ、排気ガスタービンのタービンホイール内の機械的負荷は大きく、その大部分は高い回転速度及びこれに伴う遠心力に起因する。タービンホイールの外周上の質量分布の偏差は、タービンホイールの真円度を乱し、潜在的に追加負荷を発生させる可能性があり、ここでは重要な役割を果たす。従って、アンバランスとして知られる、外周上に偏在する質量は、排気ガスタービンのタービンホイールの構造的対策及び後続の機械加工の両方によって積極的に対処される。
【0004】
従来技術では、排気ガスタービンのタービンホイールのアンバランスを低減するために、通常、ハブ後壁にバランス調整リムが設けられている。バランス調整リムは、ハブ後壁の円周方向に延在する凸状ビードの形態をとる。バランス調整プロセスの間、バランス調整リムは定められた方法で除去することができ、その結果、排気ガスタービンのタービンホイールの円周方向における質量の均等な分散配置を達成することができる。ここでは、平面研削プロセスを用いてバランス調整リムを除去することが知られている。
【0005】
しかしながら、バランス調整プロセスのために設けられるバランス調整リムには、多くの欠点がある。この欠点には、限定されるものではないが、排気ガスタービンのタービンホイールに追加の構成要素(従って質量)を設ける、設計する、及び計算すること、製造プロセスで必要とされる追加の機械加工プロセス、及び排気ガスタービンのタービンホイールの内部荷重分散及び応力に対する悪影響が含まれる。高速で回転する排気ガスタービンのタービンホイールに質量を付加すると、付加的な遠心力、及びバランス調整リムの不利な特性が生じ、排気ガスタービンのタービンホイール内の機械的応力に有害である。従って、バランス調整リムは、サイクル能力、ここでは特に、低サイクル能力とも呼ばれる低サイクル疲労に関するサイクル能力へも悪影響を及ぼす。
【0006】
上記の記述に鑑みて、上記の欠点を少なくとも部分的に低減することができる排気ガスタービンのタービンホイールのバランス調整方法、及び対応するバランス調整されたタービンホイールが必要とされている。米国特許出願公開第2020/392848号には、ラグを有するハブ、シャフト連結部を有するリアディスク、回転軸、及び排気ガス流路を画定するようにハブから延びるブレードを備えた排気ガスターボ過給機ホイールが記載されている。また、米国特許第8936439号には、シャフトの周りに配置され、その上にセパレータが配置されたリア側と、セパレータとシャフトとの間に配置された内側アンダーカットと、セパレータとリア側に割り当てられた外周との間に配置された外側アンダーカットとを有するタービンホイールが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
米国特許出願公開第2020/392848号
米国特許第8936439号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に記載のタービンホイールのバランス調整を行う方法によって達成される。この目的はさらに、請求項8に記載のタービンホイール、及び請求項12に記載の排気ガスタービンによって達成される。さらなる実施形態、修正及び改良は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から生じる。
【0009】
本発明の1つの態様によれば、排気ガスタービンのためのタービンホイールのバランス調整を行うための方法が提供される。タービンホイールは、回転軸の周りで回転可能であり、ハブと、ハブに取り付けられ、流体流れ領域に配置された複数のタービンブレードとを有する。ハブは、流体流れ領域から背を向けて、回転軸の周りで同心円状に延在するマーキングビードを備えるハブ後壁を有する。本方法は、
マーキングビードに隣接する質量除去位置で、タービンホイールに対して楕円様の材料除去ツールを移動させるステップと、
材料除去ツールによって、マーキングビードに隣接するハブ後壁のハブ材料を除去し、マーキングビードをそのまま残すことによって、タービンホイールをバランス調整するために、回転軸に対して非対称な質量除去くぼみをハブ後壁に作り出すステップと、
を含む。
【0010】
本発明の1つの態様によれば、排気ガスタービンのためのタービンホイールが提供され、タービンホイールは、回転軸の周りで回転可能であり、ハブと、ハブに取り付けられ、流体流れ領域に配置された複数のタービンブレードとを有し、ハブは、流体流れ領域に背を向けるハブ後壁を有する。回転軸に対して非対称な質量除去くぼみは、タービンホイールのバランス調整を行うためにハブ後壁に設けられている。質量除去くぼみは、楕円セグメントの形の断面輪郭を有するハブ後壁の凹状のくぼみとして構成され、断面輪郭は、回転軸を含む断面平面Z-Zに規定されている。ハブ後壁は、回転軸に対して同心円状に延在するマーキングビードをさらに有し、マーキングビード及び質量除去くぼみは、半径方向に重なることなく互いに隣接している。
(【0011】以降は省略されています)

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