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公開番号2025155939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-14
出願番号2025029515
出願日2025-02-26
発明の名称スパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造
出願人株式会社奥村組,昭和コンクリート工業株式会社
代理人弁理士法人翔和国際特許事務所
主分類E01D 19/12 20060101AFI20251002BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】スパイラル鉄筋を用いて継手部を形成する際に、必要な強度を確保できるように補強可能な継手部が、容易に得られるようにすると共に、コンクリートを打設する際の施工性を向上できる接手部の配筋構造を提供する。
【解決手段】単位スパイラル鉄筋11の仮想の基面Pに配置された3辺部分11a,11b,11cを、交互に配筋された継手鉄筋21の間隔部分に配設すると共に、斜め連結筋11dを、継手鉄筋21の上部鉄筋21aと交差するように配設し、且つ仮想の基面Pに配置された3辺部分11a,11b,11cを、間隔部分の両側の継手鉄筋21のいずれか一方に、近接又は接触させて片寄せた状態で、スパイラル鉄筋10と継手鉄筋21とを結束線12を用いて結束することによって、継手部22のコンクリート打設空間に、当該スパイラル鉄筋10が取り付けられている。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
隣接する一対のコンクリート版の間の継手部のコンクリート打設空間に設けられる、スパイラル鉄筋を用いた配筋構造であって、
前記スパイラル鉄筋は、一本の鉄筋を曲折加工することによって、矩形状の正面形状を有する複数の単位スパイラル鉄筋が、スパイラルの軸方向に所定のピッチで連続するスパイラル形状を備えていると共に、連続する各々の前記単位スパイラル鉄筋は、矩形状の正面形状の左右一対の短辺部分及び一方の長辺部分が、仮想の基準面に配置されると共に、他方の長辺部分が、これらの3辺部分が配置される仮想の基準面に対して、上面視して10~35度で傾いた方向に延設する斜め連結筋となっていることで、上面視してZ形状が連続するZスパイラル形状を有しており、
前記継手部のコンクリート打設空間において対向する両側のコンクリート版の端面から各々突出して、上部鉄筋及び下部鉄筋を含む2段配筋となっている継手鉄筋が、一方の前記コンクリート版の端面から突出する前記継手鉄筋と、他方の前記コンクリート版の端面から突出する前記継手鉄筋とが、前記継手部の長さ方向に千鳥状に交互に配設された状態で配筋されており、
前記仮想の基準面に配置された前記スパイラル鉄筋の前記3辺部分を、交互に配筋され
た前記継手鉄筋の間隔部分に配設すると共に、前記斜め連結筋を、前記継手鉄筋の前記上部鉄筋と交差するように配設し、且つ前記仮想の基準面に配置された前記3辺部分を、前記間隔部分の両側の前記継手鉄筋のいずれか一方に、近接又は接触させて片寄せた状態で、前記スパイラル鉄筋と前記継手鉄筋とを連結することによって、前記継手部のコンクリート打設空間に前記スパイラル鉄筋が取り付けられているスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記仮想の基面が、スパイラルの軸方向に対して垂直な面となっており、前記継手鉄筋の前記上部鉄筋及び前記下部鉄筋が、前記コンクリート版の端面に対して、上面視して垂直な方向に突出している請求項1記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
【請求項3】
隣接する一対のコンクリート版の間の前記継手部が、隣接して設置された一対のプレキャストPC床版の間に形成された継手部となっている請求項1又は2記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
【請求項4】
前記仮想の基面に配置された前記3辺部分が、交互に配筋された前記継手鉄筋の間隔部分に、一つ置きに配設されるようになっている請求項1又は2記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
【請求項5】
前記継手鉄筋は、前記上部鉄筋の端部と前記下部鉄筋の端部とが、円弧状部分を介して連結されている、ループ鉄筋となっている請求項1又は2記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
【請求項6】
前記斜め連結筋の元端及び先端を、互い違いに交互に突出している隣接する前記継手鉄筋の各々の元端側、又は各々の先端側に結束することによって、前記スパイラル鉄筋が、位置決めされた状態で取り付けられている請求項1又は2記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。
【請求項7】
前記スパイラル鉄筋と前記継手鉄筋とが、結束線を用いて結束することにより連結されている請求項1又は2記載のスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スパイラル鉄筋を用いた接手部の配筋構造に関し、特に、隣接する一対のコンクリート版の間の継手部のコンクリート打設空間に設けられる、スパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、例えば既設の道路橋のコンクリート床版の老朽化対策として、床版の取替えによる大規模な更新工事が多く発注されている。またコンクリート床版の取替えによる改修工事には、施工手間の軽減と工事期間の短縮のために、矩形状の平面形状を有するプレキャストコンクリート製のプレキャストPC床版を用いるのが一般的である。プレキャストPC床版を用いた例えば既設の道路橋の改修工事では、道路橋の橋脚は、地上から垂直に伸びる柱部と、柱部から左右に張り出した張出し梁部とを有していると共に、隣接する橋脚の張出し梁部の間には、橋軸方向に架設されて複数の橋桁が設置されており、道路の本体部分となるプレキャストPC床版は、橋軸方向と垂直な方向に所定の間隔をおいて設置された、複数の橋桁に支持させるようにして、これらの橋桁と好ましくは垂直に交差する方向に長辺部分を配置すると共に、橋軸方向に複数連設させた状態で設置されることになる。
【0003】
また、複数の橋桁に支持させて、橋軸方向に複数連設させた状態で設置されたプレキャストPC床版は、橋軸方向に隣接する各一対のプレキャストPC床版の間の長辺部分に沿った継手部に、鉄筋を配筋すると共にコンクリートを打設して、一体化されることになる。
【0004】
このため、従来の一般的な継手部の構造として、設置したプレキャストPC床版の長辺部分に沿った端面部分から、継手鉄筋として好ましく複数のループ状の継手筋(ループ継
手筋)を突出させておき、これらのループ継手筋を、隣接する一対のプレキャストPC床
版の間の継手部において互い違いになるように配置すると共に、互い違いに配置されたループ継手筋における、継手部の長さ方向から見て重なっている環状部分の内側に、これらのループ継手筋を連結する直線状の長尺の連結主筋を、長辺部分に沿った継手部の長さ方向に挿入して、所定の位置に配筋した後に、継手部にコンクリートを打設することによって形成される継手部の構造が採用されている。
【0005】
一方、上述の従来の一般的な継手部の構造では、互い違いに配置された好ましくはループ継手筋が重なる環状部分の内側に、長尺の主筋を挿入する作業や、挿入した長尺の主筋を環状部分の所定の位置に配筋する作業には、橋桁の側面に特別の張出し足場を設けおき、張出し足場から直線状の長尺の鉄筋棒を持って環状部分の内側に挿入したり、橋桁の位置に設けた鉄筋の挿入口から鉄筋棒を挿入したり、環状部分の内側に挿通した鉄筋棒を持ち上げた状態で所定の位置に結束したりするのに、多くの手間を要することから、このような作業を不要とする技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1のプレキャスト床版の継手部構造によれば、隣接する一対のプレキャストPC床版の間で互い違いになるように配設された継手鉄筋として、好ましくはループ状鉄筋の各々の間隔部分に嵌め込むようにして、螺旋鉄筋(スパイラル鉄筋)を、上方から落し込んで継手部を施工することによって、ループ状鉄筋を連結する直線状の長尺の連結主筋を、互い違いに配置されたループ継手筋が重なる環状部分の外側に、予め先行して配筋しておくことを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-49621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のプレキャスト床版の継手部構造では、螺旋鉄筋(スパイラル鉄筋)は、中心軸に対する螺旋の角度が一定となっていると共に、当該スパイラル鉄筋を軸方向(長さ方向)外側から視た際に、円形の正面形状を有していることから、継手部に配筋する際の現場での位置決めに手間がかかると共に、当該スパイラル鉄筋によるコンクリートの拘束効果が及ぶ範囲は、互い違いに配置された、継手鉄筋として例えばループ継手筋が重なる好ましくは環状部分の内側の円形領域に制限されることになるため、ループ継手筋が重なる例えば環状部分の外側に配筋される直線状の連結主筋は、省略することができなくなっている。また、スパイラル鉄筋を用いてプレキャスト床版の継手部を形成する際に、必要な強度を確保できるように補強可能な継手部の配筋構造が、容易に得られるようにすることが望ましい。特に、継手部においては継手鉄筋及びスパイラル鉄筋によって、鉄筋が錯綜することになるため、コンクリートを打設する際の施工性を考慮することが望ましい。
【0009】
本発明は、隣接する一対の好ましくはプレキャストPC床版によるコンクリート版の間の継手部に、スムーズに位置決めして配筋することを可能にすると共に、コンクリートの拘束効果が及ぶ範囲を広げることで、継手鉄筋を互いに連結する直線状の連結主筋を省略することを可能にするスパイラル鉄筋を用いて、プレキャスト床版の継手部を形成する際に、必要な強度を確保できるように補強可能な継手部の配筋構造を、容易に得られるようにすると共に、コンクリートを打設する際の施工性を向上させることのできるスパイラル鉄筋を用いた接手部の配筋構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、隣接する一対のコンクリート版の間の継手部のコンクリート打設空間に設けられる、スパイラル鉄筋を用いた配筋構造であって、前記スパイラル鉄筋は、一本の鉄筋を曲折加工することによって、矩形状の正面形状を有する複数の単位スパイラル鉄筋が、スパイラルの軸方向に所定のピッチで連続するスパイラル形状を備えていると共に、連続する各々の前記単位スパイラル鉄筋は、矩形状の正面形状の左右一対の短辺部分及び一方の長辺部分が、仮想の基準面に配置されると共に、他方の長辺部分が、これらの3辺部分が配置される仮想の基準面に対して、上面視して10~35度で傾いた方向に延設する斜め連結筋となっていることで、上面視してZ形状が連続するZスパイラル形状を有しており、前記継手部のコンクリート打設空間において対向する両側のコンクリート版の端面から各々突出して、上部鉄筋及び下部鉄筋を含む2段配筋となっている継手鉄筋が、一方の前記コンクリート版の端面から突出する前記継手鉄筋と、他方の前記コンクリート版の端面から突出する前記継手鉄筋とが、前記継手部の長さ方向に千鳥状に交互に配設された状態で配筋されており、前記仮想の基準面に配置された前記スパイラル鉄筋の前記3辺部分を、交互に配筋された前記継手鉄筋の間隔部分に配設すると共に、前記斜め連結筋を、前記継手鉄筋の前記上部鉄筋と交差するように配設し、且つ前記仮想の基準面に配置された前記3辺部分を、前記間隔部分の両側の前記継手鉄筋のいずれか一方に、近接又は接触させて片寄せた状態で、前記スパイラル鉄筋と前記継手鉄筋とを連結することによって、前記継手部のコンクリート打設空間に前記スパイラル鉄筋が取り付けられているスパイラル鉄筋を用いた継手部の配筋構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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