TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025155353
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-14
出願番号
2024059154
出願日
2024-04-01
発明の名称
電解システムの制御方法及び電解システム
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25B
15/00 20060101AFI20251006BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】製品としての水素の品質が低下してしまうことを抑制しつつ、陽極及び陰極を保護する。
【解決手段】電解システムは、陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を備える電解槽と、電解槽の電解液の電気分解が進む通電方向に陽極及び陰極に電流を供給可能な整流器とを含む。電解システムの制御方法は、電解システムの運転停止中、通電方向に陽極及び陰極に保護電流を整流器によって供給することと、電解システムの運転停止中、陰極室に水素ガスを供給し、陽極室に酸素ガスを供給することとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を備える電解槽と、前記電解槽の電解液の電気分解が進む通電方向に前記陽極及び前記陰極に電流を供給可能な整流器とを含む電解システムの制御方法であって、
前記電解システムの運転停止中、前記通電方向に前記陽極及び前記陰極に保護電流を前記整流器によって供給することと、
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給し、前記陽極室に酸素ガスを供給することと、を含む、電解システムの制御方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記電解システムは、前記電解槽の電解液の電気分解によって発生した水素ガスを貯留する水素タンクをさらに備え、
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給することは、前記水素タンクに貯留された水素ガスを前記陰極室に供給することを含む、請求項1に記載の電解システムの制御方法。
【請求項3】
前記電解システムは、前記電解槽の電解液の電気分解によって発生した酸素ガスを貯留する酸素タンクをさらに備え、
前記電解システムの運転停止中、前記陽極室に酸素ガスを供給することは、前記酸素タンクに貯留された酸素ガスを前記陽極室に供給することを含む、請求項1に記載の電解システムの制御方法。
【請求項4】
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給することは、
前記陰極室における水素ガスの水素中酸素濃度を検出することと、
検出した水素ガスの水素中酸素濃度が第1閾値を超えるか否かを判定することと、
前記検出した水素ガスの水素中酸素濃度が第1閾値を超えると判定した場合、前記陰極室に水素ガスが供給されるように制御することと、を含む、請求項1に記載の電解システムの制御方法。
【請求項5】
前記陰極室に水素ガスを供給した後、前記陰極室の気圧を調整することをさらに含む、請求項4に記載の電解システムの制御方法。
【請求項6】
前記電解システムの運転停止中、前記陽極室に酸素ガスを供給することは、
前記陽極室における酸素ガスの酸素中水素濃度を検出することと、
検出した酸素ガスの酸素中水素濃度が第2閾値を超えるか否かを判定することと、
前記検出した酸素ガスの酸素中水素濃度が第2閾値を超えると判定した場合、前記陽極室に酸素ガスが供給されるように制御することと、を含む、請求項1に記載の電解システムの制御方法。
【請求項7】
前記陽極室に酸素ガスを供給した後、前記陽極室の気圧を調整することをさらに含む、請求項6に記載の電解システムの制御方法。
【請求項8】
電解システムであって、
陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を備える電解槽と、
前記電解槽の電解液の電気分解が進む通電方向に前記陽極及び前記陰極に電流を供給可能な整流器と、
前記電解システムの運転停止中、前記通電方向に前記陽極及び前記陰極に保護電流が前記整流器によって供給されるように制御する制御装置と、を含み、
前記制御装置は、前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスが供給され、前記陽極室に酸素ガスが供給されるように制御する、電解システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、電解システムの制御方法及び電解システムに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会を実現させるために、風力又は太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電が盛んに行われている。また、このような再生可能エネルギーを利用した発電の電力によって水を電気分解し、水素及び酸素を製造する電解システムが注目されている。商業用の電解システムでは、水素及び酸素を製造する際、数千から数万アンペアの電流を流している。
【0003】
ここで、再生可能エネルギーを利用した発電は、再生エネルギーが常に変動することにより、停止する場合がある。例えば、太陽光を利用した太陽光発電は、夜間に停止する。また、風力を利用した風力発電は、強風時に停止する。このように再生可能エネルギーを利用した発電が停止すると、電解システムの運転を停止させることが求められる。しかしながら、電解システムの運転を停止させると、電解システムの陽極及び陰極に逆電流が生じることがある。このような逆電流が生じると、陽極及び陰極が劣化する虞がある。
【0004】
そこで、電解システムの運転停止中、陽極及び陰極に保護電流を供給して陽極及び陰極の電位を理論分解電圧以上に維持することにより、陽極及び陰極に逆電流を生じさせない方法が知られている。例えば、特許文献1には、電気分解を停止するのに先立ち、電気分解が停止しない範囲で電流密度を0A/cm
2
超かつ電気分解の工程における電流密度未満の範囲にまで低下させる水素ガスの製造方法が記載されている。さらに、特許文献1に記載の水素ガスの製造方法では、少なくとも水素発生極にガスを導入しながら電流密度を1秒以上保持し、電流密度を電気分解が起こらない値にまで下げることによって電気分解を停止させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開2022/210578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1には、水素発生極に導入するガスが窒素及び希ガスからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが記載されている。窒素ガス等を水素発生極に導入すると、製品としての水素の濃度が低下してしまい、製品としての水素の品質が低下してしまう場合がある。
【0007】
かかる点に鑑みてなされた本開示の目的は、製品としての水素の品質が低下してしまうことを抑制しつつ、陽極及び陰極を保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本開示は、以下の通りである。
[1]
陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を備える電解槽と、前記電解槽の電解液の電気分解が進む通電方向に前記陽極及び前記陰極に電流を供給可能な整流器とを含む電解システムの制御方法であって、
前記電解システムの運転停止中、前記通電方向に前記陽極及び前記陰極に保護電流を前記整流器によって供給することと、
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給し、前記陽極室に酸素ガスを供給することと、を含む、電解システムの制御方法。
[2]
前記電解システムは、前記電解槽の電解液の電気分解によって発生した水素ガスを貯留する水素タンクをさらに備え、
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給することは、前記水素タンクに貯留された水素ガスを前記陰極室に供給することを含む、[1]に記載の電解システムの制御方法。
[3]
前記電解システムは、前記電解槽の電解液の電気分解によって発生した酸素ガスを貯留する酸素タンクをさらに備え、
前記電解システムの運転停止中、前記陽極室に酸素ガスを供給することは、前記酸素タンクに貯留された酸素ガスを前記陽極室に供給することを含む、[1]又は[2]に記載の電解システムの制御方法。
[4]
前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスを供給することは、
前記陰極室における水素ガスの水素中酸素濃度を検出することと、
検出した水素ガスの水素中酸素濃度が第1閾値を超えるか否かを判定することと、
前記検出した水素ガスの水素中酸素濃度が第1閾値を超えると判定した場合、前記陰極室に水素ガスが供給されるように制御することと、を含む、[1]から[3]までの何れか1つに記載の電解システムの制御方法。
[5]
前記陰極室に水素ガスを供給した後、前記陰極室の気圧を調整することをさらに含む、[1]から[4]までの何れか1つに記載の電解システムの制御方法。
[6]
前記電解システムの運転停止中、前記陽極室に酸素ガスを供給することは、
前記陽極室における酸素ガスの酸素中水素濃度を検出することと、
検出した酸素ガスの酸素中水素濃度が第2閾値を超えるか否かを判定することと、
前記検出した酸素ガスの酸素中水素濃度が第2閾値を超えると判定した場合、前記陽極室に酸素ガスが供給されるように制御することと、を含む、[1]から[5]までの何れか1つに記載の電解システムの制御方法。
[7]
前記陽極室に酸素ガスを供給した後、前記陽極室の気圧を調整することをさらに含む、[1]から[6]までの何れか1つに記載の電解システムの制御方法。
[8]
陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を備える電解槽と、
前記電解槽の電解液の電気分解が進む通電方向に前記陽極及び前記陰極に電流を供給可能な整流器と、
前記電解システムの運転停止中、前記通電方向に前記陽極及び前記陰極に保護電流が前記整流器によって供給されるように制御する制御装置と、を含み、
前記制御装置は、前記電解システムの運転停止中、前記陰極室に水素ガスが供給され、前記陽極室に酸素ガスが供給されるように制御する、電解システム。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、製品としての水素の品質が低下してしまうことを抑制しつつ、陽極及び陰極を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の一実施形態に係る電解システムの構成を示すブロック図である。
図1に示す電解槽の側面図である。
図2に示す電解槽の斜視図である。
図2に示す電解槽の平面図である。
本開示の一実施形態に係る電解システムの制御方法の手順例を示すフローチャートである。
シミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
旭化成株式会社
成形体
1か月前
旭化成株式会社
成形体
1か月前
旭化成株式会社
発光素子
10日前
旭化成株式会社
検査装置
1か月前
旭化成株式会社
フィルム
21日前
旭化成株式会社
フィルム
21日前
旭化成株式会社
顆粒及び錠剤
1か月前
旭化成株式会社
紫外線照射装置
1か月前
旭化成株式会社
燃料電池用成形品
28日前
旭化成株式会社
表面保護フィルム
24日前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物
9日前
旭化成株式会社
ポリアミド組成物
9日前
旭化成株式会社
積層体及び光学部材
1か月前
旭化成株式会社
電解装置の運転方法
17日前
旭化成株式会社
分析方法及び分析装置
24日前
旭化成株式会社
分析方法及び分析装置
24日前
旭化成株式会社
水添共役ジエン系重合体
29日前
旭化成株式会社
光照射成形体の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
組成物及びカプセル製剤
28日前
旭化成株式会社
酸性植物ミルク含有飲料
29日前
旭化成株式会社
粉末ポリアミドの製造方法
29日前
旭化成株式会社
ポリカーボネートジオール
2日前
旭化成株式会社
ポリオレフィン系多層フィルム
1か月前
旭化成株式会社
プラスチックレンズの製造方法
23日前
旭化成株式会社
ポリエチレン樹脂及びフィルム
1か月前
旭化成株式会社
生体電極用導電布及びその用途
29日前
旭化成株式会社
プラスチックレンズの製造方法
23日前
旭化成株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
イソシアネート化合物の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及び成形品
今日
旭化成株式会社
水素製造システム及び水素製造方法
1か月前
旭化成株式会社
ポリカーボネートポリオール組成物
24日前
旭化成株式会社
セルロース複合体及びその製造方法
1か月前
旭化成株式会社
解析装置、システムおよびプログラム
1か月前
旭化成株式会社
感光性樹脂積層体、及びその製造方法
24日前
旭化成株式会社
生体電極体及び生体情報計測デバイス
1か月前
続きを見る
他の特許を見る