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公開番号2025147706
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048091
出願日2024-03-25
発明の名称セルロース複合体及びその製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 1/02 20060101AFI20250930BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】懸濁安定性に優れ、かつ懸濁安定性に優れ、かつ飲料に添加することによりすっきりとした食感で飲みやすい飲料が得られるセルロース複合体及びその製造方法の提供。
【解決手段】セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース複合体であって、当該セルロース複合体をイオン交換水に分散させてなる1.0質量%濃度の水分散体の25℃における歪み1%時の貯蔵弾性率G’をXとし、前記水分散体の25℃における、せん断速度が63/秒における粘度に対するせん断速度が6.3/秒における粘度の比であるTI値をYとした場合に、前記Xと前記Yが、X≧1.0Pa、Y≧10.0、及びY≧4.5X+1.0の関係を満たす、セルロース複合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース複合体であって、
当該セルロース複合体をイオン交換水に分散させてなる1.0質量%濃度の水分散体の25℃における歪み1%時の貯蔵弾性率G’をX Paとし、
前記水分散体の25℃における、せん断速度が63/秒における粘度に対するせん断速度が6.3/秒における粘度の比であるTI値をYとした場合に、
前記Xと前記Yが下記式(1)~(3)の関係を満たす、セルロース複合体。
式(1)・・X≧1.0
式(2)・・Y≧10.0
式(3)・・Y≧4.5X+1.0
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記水分散体の損失正接tanδが、0.4以下である、請求項1に記載のセルロ-ス複合体。
【請求項3】
前記水分散体の25℃における粘度が、100mPa・s以上である、請求項1に記載のセルロ-ス複合体。
【請求項4】
セルロースが、結晶セルロースである、請求項1に記載のセルロ-ス複合体。
【請求項5】
セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む多糖類と水系媒体とを含む混合物を混練する共処理工程を有し、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウムは、A成分とB成分を、A成分/B成分=55/45~95/5(質量比)で混合したものであり、
前記A成分は、2.0質量%濃度の水溶液の25℃における粘度が100mPa・s以上300mPa・s以下であり、かつ置換度が0.85超1.0未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムであり、
前記B成分は、2.0質量%濃度の水溶液の25℃における粘度が100mPa・s未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムである、
セルロ-ス複合体の製造方法。
【請求項6】
前記混合物中のセルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの含有量比(質量比)が、セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウム=70/30~95/5である、請求項5に記載のセルロ-ス複合体の製造方法。
【請求項7】
前記混合物の固形分が40質量%以上である、請求項5に記載のセルロ-ス複合体の製造方法。
【請求項8】
前記共処理工程において、混練温度が70℃以下である、請求項5に記載のセルロ-ス複合体の製造方法。
【請求項9】
請求項1~4のいずれか一項に記載のセルロース複合体と、水不溶性成分とを含有する、飲料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料に配合した場合に、懸濁安定性が良好であり、かつ飲みやすい飲料が得られるセルロース複合体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
セルロースと多糖類からなるセルロース複合体は、水系溶媒中に分散させると、コロイド状となってネットワーク構造を形成することが知られている。そのため、この特徴を活かして、食品、医薬品、化粧品、塗料、セラミックス、樹脂、触媒、その他工業用品等の分野において、広く用いられており、特に、懸濁安定、乳化安定、組織付与、クラウディー性の付与、白度向上、流動性の改良、研磨剤、食物繊維付与、油脂代替等の目的で使用されている。例えば、飲料中に含まれる水不溶性の微粒子の懸濁安定を目的として、ココア飲料におけるココア粉末や、カルシウム強化牛乳におけるミルクカルシウムや炭酸カルシウム等を懸濁安定させるため、セルロース複合体が用いられている。
【0003】
これまでに、このセルロース複合体が持つ懸濁安定性をより向上させるために、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、特定のメジアン径を有するコロイド状セルロース複合体を特定量含有させたセルロ-ス複合体が、低粘度で長時間高い懸濁安定性を示すこと、コーヒー、ココア、紅茶抽出物等の成分が高濃度に配合された飲料に当該セルロ-ス複合体を配合することにより、低濃度で、長時間懸濁安定性に優れた飲料が得られることが記載されている。また、特許文献2には、タンパク質を多く含有する飲料に、貯蔵弾性率G’と損失正接(tanδ)によって規定される特定のレオロジー特性を有するセルロース複合体を配合することにより、タンパク質の懸濁安定性の改善に加えて、口どけやのど越しも改善できることが記載されている。特許文献3には、セルロース複合体を水に分散させた際の水分散液の損失正接(tanδ)が特定の値以下であるセルロース複合体を、ココア等の水不溶性成分を多く含む飲料に配合することにより、常温25℃のみならず、高温40℃以上での保管後の懸濁安定性を改善できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5734436号公報
特許第6434777号公報
特許第6407412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1~3には、いずれも、懸濁安定性が改善されたセルロース複合体が開示されており、これらのセルロース複合体を食物繊維やタンパク質等の含有量が多い飲料に配合することにより、水不溶性成分の分離、凝集、沈降等を抑制できることは記載されている。しかしながら、充分な懸濁安定性を発揮させるために必要な量のセルロース複合体を配合した場合には、糊状の食感によりのど越しが重くなりやすい。
【0006】
本発明は、懸濁安定性に優れ、かつ飲料に添加することによりすっきりとした食感で飲みやすい飲料が得られるセルロース複合体及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、貯蔵弾性率G’とチキソトロピックインデックス(TI)値が特定の関係を満たすセルロース複合体は、懸濁安定性に優れているのみならず、シュードプラスチック性に優れており、当該セルロース複合体を配合することにより、水不溶性成分の懸濁安定性に優れ、かつすっきりとした食感でのど越しが軽く、飲みやすい飲料が得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース複合体であって、
当該セルロース複合体をイオン交換水に分散させてなる1.0質量%濃度の水分散体の25℃における歪み1%時の貯蔵弾性率G’をX Paとし、
前記水分散体の25℃における、せん断速度が63/秒における粘度に対するせん断速度が6.3/秒における粘度の比であるTI値をYとした場合に、
前記Xと前記Yが下記式(1)~(3)の関係を満たす、セルロース複合体。
式(1)・・X≧1.0Pa
式(2)・・Y≧10.0
式(3)・・Y≧4.5X+1.0
[2] 前記水分散体の損失正接tanδが、0.4以下である、前記[1]のセルロ-ス複合体。
[3] 前記水分散体の25℃における粘度が、100mPa・s以上である、前記[1]又は[2]のセルロ-ス複合体。
[4] セルロースが、結晶セルロースである、前記[1]~[3]のいずれかのセルロ-ス複合体。
[5] セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む多糖類と水系媒体とを含む混合物を混練する共処理工程を有し、
前記カルボキシメチルセルロースナトリウムは、A成分とB成分を、A成分/B成分=55/45~95/5(質量比)で混合したものであり、
前記A成分は、2.0質量%濃度の水溶液の25℃における粘度が100mPa・s以上300mPa・s以下であり、かつ置換度が0.85超1.0未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムであり、
前記B成分は、2.0質量%濃度の水溶液の25℃における粘度が100mPa・s未満であるカルボキシメチルセルロースナトリウムである、
セルロ-ス複合体の製造方法。
[6] 前記混合物中のセルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの含有量比(質量比)が、セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウム=70/30~95/5である、前記[5]のセルロ-ス複合体の製造方法。
[7] 前記混合物の固形分が40質量%以上である、前記[5]又は[6]のセルロ-ス複合体の製造方法。
[8] 前記共処理工程において、混練温度が70℃以下である、前記[5]~[7]のいずれかのセルロ-ス複合体の製造方法。
[9] 前記[1]~[4]のいずれかのセルロース複合体と、水不溶性成分とを含有する、飲料。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、懸濁安定性とシュードプラスチック性に優れたセルロース複合体を提供できる。当該セルロース複合体を水不溶性成分を含む飲料に配合することにより、懸濁安定性に優れ、かつすっきりとした食感でのど越しが軽く、飲みやすい飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について、以下具体的に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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