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公開番号
2025154955
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024058267
出願日
2024-03-29
発明の名称
軽量繊維層及びその形成方法
出願人
太平洋マテリアル株式会社
代理人
主分類
B28B
1/32 20060101AFI20251002BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約
【課題】、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない技術(軽量繊維層及び軽量繊維層の形成方法)を提供すること。
【手段】珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した第1層の繊維層の表面を、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層の繊維層で、前記第1層の表面が見えないように全て覆うことにより、上記課題を解決できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分とする第1層と、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする軽量繊維層。
続きを表示(約 330 文字)
【請求項2】
前記第2層を形成する結合材スラリーが、セメント、ポリマーからなる有機質結合材から選ばれる1種又は2種以上の結合材と水を主成分とするスラリーである請求項1記載の軽量繊維層。
【請求項3】
前記第2層の絶乾嵩密度が0.12~1.0g/cm
3
且つ厚さ5~60mmである請求項1又は2に記載の軽量繊維層。
【請求項4】
珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層を形成し、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層により、前記第1層の表面を被覆することを特徴とする軽量繊維層の形成方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量繊維層に関する。特に、結合材スラリーと軽量繊維とを主成分とする2以上の層が積層した層からなり、表面の色斑(色むら)が目視で分からない軽量繊維層に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
耐火性、防火性、吸音性および/または断熱性などを付与する目的で、構造物表面等の下地にロックウール等の繊維層を設けることが行われている。当該繊維層の形成には、一般的には、粒状繊維(直径数mm~数cmの繊維塊)と、セメントや珪酸アルカリ等の無機質結合材や酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、合成ゴム等のポリマーからなる有機質結合材と水を主成分とする結合材スラリーを用いた吹付工法が用いられることが多い。この吹付工法は半乾式工法と呼ばれており、ロックウール粒状綿とセメントスラリー(セメントと水からなる結合材スラリー)を用いた半乾式工法は、ロックウール粒状繊維がロックウール吹付機(岩綿吹付機)や解綿機等と呼ばれている装置に投入され、内蔵されている回転式カッタ等の解綿部により細粒化され(細かく粒状(直径数mm~数cm程度の繊維塊)にされ)、ロータリフィーダ等の定量供給装置により定量的に圧送経路内に送り出され、ブロワ(送風機)によりホース内を圧送され、吹付ノズルに供給される。セメントはミキサで水と混合されてセメントスラリーとされた後、スラリーポンプにより搬送パイプ(セメントスラリー圧送用ホース)を通って粒状繊維吹付ノズルに配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルに供給される。そのセメントスラリーは、粒状繊維吹付ノズルの周縁に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射されるか、或いは粒状繊維吹付ノズルの中心軸付近に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射され、ロックウールと合流・混合し、ロックウールとセメント水和物(セメントスラリーの固化物)からなる繊維層が形成される(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
セメントは安価で優れた無機質結合材であるが、原料の石灰岩を高温で分解し更に二酸化珪素原料、酸化アルミニウム原料、酸化鉄原料等と高温で反応させ製造するため、製造時に温室効果ガスの代表である二酸化炭素を多く発生させてしまう。このため、セメントを主成分としない珪酸アルカリと水を含む無機質結合材(結合材スラリー)が提案され、この無機質結合材とロックウール粒状綿からなる無機質軽量被覆材(軽量繊維層)が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
ロックウール粒状繊維は白色又は白色に極めて近い色をしており、特許文献1の実施例で示されている無機質結合材(珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリー)及び無機質軽量被覆材も白色又は白色に極めて近い色(以下、合わせて単に「白色」という。)をしている。
【0004】
ところで、住宅や店舗等の建物の内装等に繊維層を用いることを考えた場合等においては、形成される白色の繊維層と異なる色合いを求められることが考えられる。その場合、形成された繊維層の表面を、白色の繊維層と異なる色合いの結合材スラリーからなる層(結合材スラリーの固化物からなる層)で被覆することで解決すると発明者らは考えた。そこで、発明者らが実験でロックウール粒状繊維とセメントを主成分としない珪酸アルカリ(珪酸ナトリウム)と水を含む結合材スラリーからなる繊維層表面に黒又は灰色の結合材スラリーを塗布して確かめたところ、黒又は灰色の結合材スラリー層(結合材の固化物からなる層)の表面に白色に見える結晶が析出し、表面が斑となってしまった。この結晶は、分析したところ炭酸ナトリウム水和物の結晶であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-070546号公報
特開2020-159093号公報
特開2022-031022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない技術を提供することを目的とする。
本発明は、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層を提供することを目的とする。更に、天井面等に当該軽量繊維層を適用したときに剥落し難い軽量繊維層を提供することを目的とする。
また、本発明は、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層の形成方法を提供することを目的とする。更に、天井面等に当該軽量繊維層を形成したときに剥落し難い軽量繊維層の形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した第1層の繊維層の表面を、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層の繊維層で、前記第1層の表面が見えないように全て覆うことで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)~(3)で表す軽量繊維層、及び(4)で表す軽量繊維層の形成方法である。
(1)珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分とする第1層と、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする軽量繊維層。
(2)前記第2層を形成する結合材スラリーが、セメント、ポリマーからなる有機質結合材から選ばれる1種又は2種以上の結合材と水を主成分とするスラリーである上記(1)の軽量繊維層。
(3)前記第2層の絶乾嵩密度が0.12~1.0g/cm
3
且つ厚さ5~60mmである上記(1)又は(2)の軽量繊維層。
(4)珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第1層を形成し、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層により、前記第1層の表面を被覆することを特徴とする軽量繊維層の形成方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層が得られる。また、本発明によれば、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じず且つ天井面等に当該軽量繊維層を適用したときに剥落し難い軽量繊維層が得られる。
また、本発明によれば、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じない軽量繊維層の形成方法が得られる。
また、本発明によれば、結合材スラリーと粒状繊維を主成分として形成した繊維層(第1層)の表面を、第1層の形成で用いた結合材スラリーと異なる色合いの(色差のある)結合材スラリーを用いて第2層で被覆したときに表面に色むらが生じず且つ天井面等に当該軽量繊維層を適用したときに剥落し難い軽量繊維層の形成方法が得られる。
本発明によれば、軽量繊維層の表面が斑とならずに色むらが生じずに、軽量繊維層の表面を所望の色とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、半乾式ロックウール吹付け方法に用いる吹付け装置の一例を示す概略図である。
図2は、実施例における試験No.15の供試体の吹付け直後と材齢28日後の表面の写真である。
図3は、実施例における試験No.16の供試体の吹付け直後と材齢28日後の表面の写真である。
図4は、実施例における試験No.17の供試体の吹付け直後と材齢28日後の表面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の軽量繊維層は、珪酸アルカリと水を含有する結合材スラリーと粒状繊維とを主成分とする第1層と、含有する固形分に含まれるアルカリ量がNa
2
O換算で5%以下である結合材スラリーと粒状繊維を主成分とする第2層とを具備し、前記第1層の表面を当該第2層が覆っていることを特徴とする。ここで、軽量とは、絶乾嵩密度が1.0g/cm
3
以下とする。ここで、絶乾嵩密度は、形成した繊維層から内径80mmのロックウール専用切り抜き器で円柱状に切り抜く等して得た繊維層の供試体の外寸から供試体の体積(V)を求め、当該供試体を乾燥機に入れ恒量になるまで105℃で乾燥させ、乾燥後の供試体の質量(M)から次式(1)により嵩密度(ρ)を求め絶乾嵩密度とする。
ρ=M/V ・・・・・ (1)
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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