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公開番号2025154900
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058166
出願日2024-03-29
発明の名称磁性材ターゲット及び磁性材ターゲット組立品
出願人JX金属株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20251002BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】スパッタ製膜時のパーティクルの発生が良好に抑制されたCoを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲット及び磁性材ターゲット組立品を提供する。
【解決手段】Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、酸化物と、を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、酸化物はBの酸化物を含み、観察視野面積11569μm2当たりの、3.0μm2超の面積を有する酸化物の個数が60個以下である、磁性材ターゲット。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、3.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が60個以下である、磁性材ターゲット。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、2.5μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が100個以下である、磁性材ターゲット。
【請求項3】
Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、2.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が150個以下である、磁性材ターゲット。
【請求項4】
Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が400個以下である、磁性材ターゲット。
【請求項5】
1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数を、0.5μm
2
超~1.0μm
2
以下の面積を有する前記酸化物の個数で割った値が0.70以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性材ターゲット。
【請求項6】
0.5μm
2
超~1.0μm
2
以下の面積を有する前記酸化物の個数を、1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数で割った値が1.5以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性材ターゲット。
【請求項7】
前記酸化物が更にAl、Si、Ba、Be、Ca、Ce、Cr、Co、Dy、Er、Eu、Ga、Gd、Ho、Li、Mg、Mn、Nb、Nd、Pr、Sc、Sm、Sr、Ta、Tb、Ti、V、Y、Zn、Zrから選択される元素の酸化物をいずれか一種以上含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性材ターゲット。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか一項に記載の磁性材ターゲットと、
前記磁性材ターゲットに接合されたバッキングプレートと、
を備えた、磁性材ターゲット組立品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は磁性材ターゲット及び磁性材ターゲット組立品に関するものであり、主に、HDDの膜の製造向けの磁性材ターゲットに関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
垂直磁気記録方式を採用するハードディスクドライブ(HDD)を構成する層には、例えば、強磁性金属であるCo、Fe、Niをベースとした材料が用いられており、記録層には、Coを主成分とするCo-Cr系、Co-Pt系、Co-Cr-Pt系などの強磁性合金と非磁性の無機材料からなる複合材料が多く用いられている。このようなハードディスクドライブなどの磁気記録媒体の薄膜は、生産性の高さから、上記の材料を成分とする磁性材ターゲットをスパッタリングして作製されることが多い。
【0003】
磁性材ターゲットの製造は、一般に、まず、原材料の粉末を粉砕し混合して得られた混合物を、ホットプレスすることにより焼結体を得る。この後、焼結体の密度向上のために、HIP(Hot Isostatic Pressing:熱間等方圧加圧)加工を施すことがある。このようにして得られた焼結体を旋盤により加工し、所定の形状のターゲットを製造している(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6445126号公報
特許第6332869号公報
特許第6958819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、HDDの記録層としてCoを主成分とする強磁性合金と非磁性の無機材料からなる複合材料が有用であり、HDDのメディアメーカーによってスパッタ製膜されて、磁性粒子が酸化物粒界で隔てられたグラニュラー構造の薄膜となる。そして、近年、Coを主成分とする磁性粒子として用いる垂直磁気記録方式のメディアでは、添加酸化物中でBの酸化物の割合が増加するトレンドにある。
【0006】
Coを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲットのスパッタ製膜時での問題点の一つに、粗大な酸化物からのアーキング発生がある。アーキングからパーティクルが生じ、これが基板に付着した場合、媒体の歩留りが低下する。このため、Coを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲットの製造において、これまで母合金相中に、酸化物が微細分散したターゲットを製造することが重要であった。一方、Bの酸化物は、Coを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲットの製造において添加される酸化物種の中では低融点の材料であり、近年、Bの酸化物の添加量が増加傾向にある。このため、従来技術では酸化物が微細分散したターゲットを作製することが難しくなっており、スパッタ製膜時にパーティクルが発生しやすくなっている。
【0007】
そこで、本発明の実施形態は、スパッタ製膜時のパーティクルの発生が良好に抑制されたCoを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲット及び磁性材ターゲット組立品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下のように特定される本発明によって解決される。
(1)Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、3.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が60個以下である、磁性材ターゲット。
(2)Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、2.5μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が100個以下である、磁性材ターゲット。
(3)Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、2.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が150個以下である、磁性材ターゲット。
(4)Pt、Cr、Ru、B、及び、Tiのうちいずれか一種以上と、
酸化物と、
を含み、残部がCo及び選択的に含む不純物であり、
Co、Pt、Cr、Ru、及び、Tiの濃度の合計が50at%以上であり、
Bの濃度が9at%以上であり、Oの濃度が13.5at%以上であり、
前記酸化物はBの酸化物を含み、
観察視野面積11569μm
2
当たりの、1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数が400個以下である、磁性材ターゲット。
(5)1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数を、0.5μm
2
超~1.0μm
2
以下の面積を有する前記酸化物の個数で割った値が0.70以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の磁性材ターゲット。
(6)0.5μm
2
超~1.0μm
2
以下の面積を有する前記酸化物の個数を、1.0μm
2
超の面積を有する前記酸化物の個数で割った値が1.5以上である、(1)~(5)のいずれかに記載の磁性材ターゲット。
(7)前記酸化物が更にAl、Si、Ba、Be、Ca、Ce、Cr、Co、Dy、Er、Eu、Ga、Gd、Ho、Li、Mg、Mn、Nb、Nd、Pr、Sc、Sm、Sr、Ta、Tb、Ti、V、Y、Zn、Zrから選択される元素の酸化物をいずれか一種以上含有する、前記(1)~(6)のいずれかに記載の磁性材ターゲット。
(8)前記(1)~(7)のいずれかに記載の磁性材ターゲットと、
前記磁性材ターゲットに接合されたバッキングプレートと、
を備えた、磁性材ターゲット組立品。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によれば、スパッタ製膜時のパーティクルの発生が良好に抑制されたCoを主成分とし、酸化物を含んだ磁性材ターゲット及び磁性材ターゲット組立品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ImageJを用いた画像解析における、二値化処理された画像と元画像との例を示す。
ImageJを用いた二値化処理の設定条件のスクリーンショットである。
実施例1のSEM画像である。
実施例2のSEM画像である。
実施例3のSEM画像である。
実施例4のSEM画像である。
比較例1のSEM画像である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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