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公開番号
2025151531
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053014
出願日
2024-03-28
発明の名称
リンゴガイ類の検出方法
出願人
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
代理人
弁理士法人平木国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6851 20180101AFI20251002BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】環境DNAから高い検出率でリンゴガイ類を検出する。
【解決手段】特定の塩基配列を有する第1のプライマー、別の特定の塩基配列を有する第2のプライマー、及びさらに別の塩基配列を有するプローブを用いて、試料中の環境DNAを増幅・検出する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有するプローブ:
(c1)配列番号3で表される塩基配列;
(c2)配列番号3で表される塩基配列上の配列番号4で表される塩基配列を含む連続する10塩基長以上の塩基配列;
(c3)配列番号3で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列であって、配列番号4で表される塩基配列部分には欠失、若しくは付加が存在しない塩基配列;
(c4)(c1)~(c3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって配列番号4で表される塩基配列部分には変異を有しない塩基配列;
を用いて、試料中の核酸を増幅する工程、を含む、
リンゴガイ類の検出方法。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記試料が、淡水環境又は土壌環境から採取された試料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記核酸が、環境DNAである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プローブが、塩基配列の5’末端側及び3’末端側に蛍光物質及びクエンチャー物質をそれぞれ備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有するプローブ:
(c1)配列番号3で表される塩基配列;
(c2)配列番号3で表される塩基配列上の配列番号4で表される塩基配列を含む連続する10塩基長以上の塩基配列;
(c3)配列番号3で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列であって、配列番号4で表される塩基配列部分には欠失、若しくは付加が存在しない塩基配列;
(c4)(c1)~(c3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって配列番号4で表される塩基配列部分には変異を有しない塩基配列;
を含む、リンゴガイ類を検出するための試薬又はキット。
【請求項6】
リアルタイムPCR用である、請求項5に記載の試薬又はキット。
【請求項7】
以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
からなる、リンゴガイ類を検出するためのプライマーセット。
【請求項8】
以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有する、リンゴガイ類を検出するためのプローブ:
(c1)配列番号3で表される塩基配列;
(c2)配列番号3で表される塩基配列上の配列番号4で表される塩基配列を含む連続する10塩基長以上の塩基配列;
(c3)配列番号3で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列であって、配列番号4で表される塩基配列部分には欠失、若しくは付加が存在しない塩基配列;
(c4)(c1)~(c3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって配列番号4で表される塩基配列部分には変異を有しない塩基配列。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境DNAを用いてリンゴガイ類を検出する方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
スクミリンゴガイは、南米原産の淡水性巻貝の一種で、わが国には食用を目的とした養殖用として持ち込まれた後、環境中で野生化した侵略的外来種である。水田に生息して田植え後の若いイネを食害するため、害虫として防除の対象となっている。わが国には、スクミリンゴガイと非常によく似た形態を有する近縁種のラプラタリンゴガイも侵入しており、各地でスクミリンゴガイと交雑している。スクミリンゴガイとラプラタリンゴガイは、その外観や生態等からは容易には区別できない。
【0003】
環境中のスクミリンゴガイ等のリンゴガイ類の存在の有無は、通常は、ピンク色の卵塊が周辺に存在するか否かで判定される。しかし、生息密度が低い場合には、卵塊の観測は、必ずしも確実な判定方法ではなかった。
【0004】
環境DNAとは、海、川、湖沼等の水環境、土壌、大気等の環境中に存在する生物由来のDNAの総称である。環境DNAの分析により、その環境中に存在する生物、特に水生生物の種類等を推定する技術が知られている。非特許文献1には、環境DNAから、スクミリンゴガイ及びラプラタリンゴガイのチトクローム酸化酵素1(COI)遺伝子を検出する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
P. Banerjee, et al., Hydrobiologia (2022), 849: 4241-4257
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に記載の方法では、環境DNAからのスクミリンゴガイ、ラプラタリンゴガイの検出率は50~70%であった。非特許文献1に記載の方法は、スクミリンゴガイとラプラタリンゴガイを区別することを目的としている。しかし、リンゴガイ類の防除を考える上で、これらを在来種と区別しながら検出することには意義はあるものの、これらのリンゴガイ間を区別することについては、両種が交雑することもあり、その意義が大きいとはいえない。そのため、スクミリンゴガイ、ラプラタリンゴガイおよびこれらの2種の交雑個体を区別なく高感度に検出することが求められている。
【0007】
本発明は、環境DNAから高い検出率でリンゴガイ類を検出可能な方法、及び該方法に使用するための試薬又はキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、以下の発明を提供する。
[1]以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有するプローブ:
(c1)配列番号3で表される塩基配列;
(c2)配列番号3で表される塩基配列上の配列番号4で表される塩基配列を含む連続する10塩基長以上の塩基配列;
(c3)配列番号3で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列であって、配列番号4で表される塩基配列部分には欠失、若しくは付加が存在しない塩基配列;
(c4)(c1)~(c3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって配列番号4で表される塩基配列部分には変異を有しない塩基配列;
を用いて、試料中の核酸を増幅する工程、を含む、
リンゴガイ類の検出方法。
[2]前記試料が、淡水環境又は土壌環境から採取された試料である、[1]に記載の方法。
[3]前記核酸が、環境DNAである、[1]又は[2]のいずれかに記載の方法。
[4]前記プローブが、塩基配列の5’末端側及び3’末端側に蛍光物質及びクエンチャー物質をそれぞれ備える、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有するプローブ:
(c1)配列番号3で表される塩基配列;
(c2)配列番号3で表される塩基配列上の配列番号4で表される塩基配列を含む連続する10塩基長以上の塩基配列;
(c3)配列番号3で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列であって、配列番号4で表される塩基配列部分には欠失、若しくは付加が存在しない塩基配列;
(c4)(c1)~(c3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列であって配列番号4で表される塩基配列部分には変異を有しない塩基配列;
を含む、リンゴガイ類を検出するための試薬又はキット。
[6]リアルタイムPCR用である、[5]に記載の試薬又はキット。
[7]以下の(a1)~(a4)のいずれかの塩基配列を有する第1のプライマー:
(a1)配列番号1で表される塩基配列;
(a2)配列番号1で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(a3)配列番号1で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(a4)(a1)~(a3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
及び、以下の(b1)~(b4)のいずれかの塩基配列を有する第2のプライマー:
(b1)配列番号2で表される塩基配列;
(b2)配列番号2で表される塩基配列上の連続する10塩基長以上の塩基配列;
(b3)配列番号2で表される塩基配列において、1~9塩基が欠失、置換若しくは付加された塩基配列;
(b4)(b1)~(b3)のいずれかの塩基配列と80%以上の配列同一性を有する塩基配列;
からなる、リンゴガイ類を検出するためのプライマーセット。
[8]以下の(c1)~(c4)から選択される塩基配列を有する、リンゴガイ類を検出するためのプローブ:
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、環境DNAから、高い検出率でリンゴガイ類を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
スクミリンゴガイのチトクローム酸化酵素1(COI)遺伝子の塩基配列上のプライマー、プローブの一例の設計位置を示す模式図である。ラプラタリンゴガイについては、354~420位に対応する塩基配列のうち、不一致の塩基のみを表示する。他の淡水性巻貝については、382~407位に対応する塩基配列のうち、不一致の塩基のみを表示する。
環境DNAの採取、検出の手順の一例を示すフロー図である。
各種淡水性巻貝の組織及び飼育水由来のDNA溶液の定量PCRの結果を示すグラフである。縦軸に蛍光強度、横軸にPCRサイクル数を示す。図3Aは組織由来のDNA溶液、図3Bは飼育水由来のDNA溶液の定量PCRの結果を示す。
環境A及び環境Bから採取した環境DNAの定量PCRの結果を示すグラフである。縦軸に蛍光強度、横軸にPCRサイクル数を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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