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公開番号2025151156
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024052432
出願日2024-03-27
発明の名称正浸透膜エレメント及び多孔質膜の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B01D 63/10 20060101AFI20251002BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】正浸透膜の厚みが薄くても、高い透過流束と、低い塩逆拡散係数とを有する正浸透膜エレメントが提供される。
【解決手段】本開示の正浸透膜エレメントは、複数の膜リーフと、前記複数の膜リーフが巻き付けられた管と、を備える。前記膜リーフは、第1開口から第2開口に向けて屈曲した少なくとも1つの内部流路を有する。前記管は、前記第1開口に連通する第1貫通孔と、前記第2開口に連通する第2貫通孔と、内部空間を遮断する少なくとも1つの遮断壁と、を有する。前記膜リーフは、正浸透膜を有する。前記正浸透膜は、ポリエーテルケトン系重合体層と、前記ポリエーテルケトン系重合体層の少なくとも一方の主面に積層された基材層と、を含む。前記ポリエーテルケトン系重合体層は、スルホン酸基又はその塩を有するポリエーテルケトン系重合体からなる。前記ポリエーテルケトン系重合体層の厚さは、0.1μm~5μmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
複数の膜リーフと、
前記複数の膜リーフが巻き付けられた管と、
を備え、
前記膜リーフが、第1開口から第2開口に向けて屈曲した少なくとも1つの内部流路を有し、
前記管が、
前記第1開口に連通する少なくとも1つの第1貫通孔と、
前記第2開口に連通する少なくとも1つの第2貫通孔と、
前記内部流路ごとに前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に配置され、内部空間を遮断する少なくとも1つの遮断壁と、を有し、
前記膜リーフが、正浸透膜を有し、
前記正浸透膜が、
ポリエーテルケトン系重合体層と、
前記ポリエーテルケトン系重合体層の少なくとも一方の主面に積層された基材層と、
を含み、
前記ポリエーテルケトン系重合体層が、スルホン酸基又はその塩を有するポリエーテルケトン系重合体からなり、
前記ポリエーテルケトン系重合体層の厚さが、0.1μm~5μmである、正浸透膜エレメント。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記ポリエーテルケトン系重合体が、下記式(A)で表される構造単位又は下記式(B)で表される構造単位を有する、請求項1に記載の正浸透膜エレメント。
JPEG
2025151156000012.jpg
80
164
[式(A)および式(B)において、


~R
10
は、それぞれ独立して、H、Cl、F、CF

又はC


2m+1
(mは1~10の整数を示す。)である。R

~R
10
は、それぞれ芳香環に2つ以上存在してもよい。1つの芳香環にC


2m+1
が2つ以上存在する場合には、それぞれのC


2m+1
は互いに同一であっても異なっていてもよい。A

~A

は、それぞれ独立して、直接結合、-CH

-、-C(CH



-、-C(CF



-、-O-または-CO-である。A

~A

の少なくとも1つは、-CO-である。X

~X

は、それぞれ独立して、H、Cl、F、CF

、スルホン酸基又はスルホン酸基の塩であり、X

~X

の少なくとも1つはスルホン酸基又はスルホン酸基の塩である。X

~X

は、それぞれ芳香環に2つ以上存在してもよく、1つの芳香環にスルホン酸基が2つ以上存在する場合には、各スルホン酸基は互いに同一であっても異なっていてもよい。i,j,kおよびlは、それぞれ独立して、0または1を示す。]
【請求項3】
前記ポリエーテルケトン系重合体が、下記式(AB1)または下記式(AB2)で表される構造単位を有する重合体である、請求項2に記載の正浸透膜エレメント。
JPEG
2025151156000013.jpg
56
161
(式(AB1)中、n及びmは、mol基準の共重合比率を示し、m/nは、2/8~8/2である。
式(AB2)中、p及びqは、mol基準の共重合比率を示し、q/pは、2/8~8/2である。)
【請求項4】
前記ポリエーテルケトン系重合体層が、積層体である、請求項2又は請求項3に記載の正浸透膜エレメント。
【請求項5】
前記ポリエーテルケトン系重合体層が、第1層と、前記第1層の少なくとも一方の主面に積層された第2層と、を含み、
前記第1層が、式(AB1)で表される構造単位を有する重合体を含み、
前記第2層が、式(AB2)で表される構造単位を有する重合体を含む、請求項3に記載の正浸透膜エレメント。
【請求項6】
式(AB1)中のnが、28mol%~45mol%であり、
式(AB2)中のpが、45mol%~55mol%である、請求項5に記載の正浸透膜エレメント。
【請求項7】
前記基材層が、不織布、又は織布を含む、請求項1に記載の正浸透膜エレメント。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の正浸透膜エレメントと、前記正浸透膜エレメントが内部に装填された圧力容器と、を備える、正浸透膜モジュール。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、多孔質膜及び多孔質膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
半透膜は、液体混合物又は気体混合物から所定の成分を選択的に分離するために有用である。半透膜は、高純度水の製造、又は溶液中からの特定の溶質の分離に好適に用いられる。半透膜を利用した膜分離法として、逆浸透法及び正浸透法が知られている。
【0003】
逆浸透法では、逆浸透膜は高圧に曝される。したがって、逆浸透膜としては、高強度を得るために、複合半透膜が主に用いられている。複合半透膜は、多孔質支持体(例えば、不織布)、多孔質ポリマー層(例えば、ポリスルホン層)、及び半透膜がこの順に積層してなる。
【0004】
正浸透法は、正浸透膜によって隔てられた溶質濃度の異なる水溶液間に生じる浸透圧を駆動力として、低塩濃度のフィード溶液側(例えば、淡水)から高塩濃度のドロー溶液側(例えば、海水)へと水が移動する。このため、正浸透法では、逆浸透法のような浸透圧に打ち勝つための高圧付与や膜強度は必要とされない。そのため、正浸透法では、省エネルギー性に優れる、浸透膜の構成をシンプルにできる等の利点が期待される。
【0005】
特許文献1は、スパイラル型正浸透膜エレメント(以下、「正浸透膜エレメント」ともいう)を開示している。当該スパイラル型正浸透膜エレメントは、膜リーフと、中心管と、複数の遮断壁と、を備える。前記膜リーフは、第1開口から第2開口に向かって屈曲した複数の内部流路が並列に設けられている。前記中心管には、前記膜リーフが巻きつけられている。前記中心管は、一端に流入口、他端に流出口を有する。前記中心管は、前記第1開口に連通する供給孔及び前記第2開口に連通する回収孔が形成されている。前記複数の遮断壁は、前記複数の内部流路のそれぞれに対して、前記供給孔と前記回収孔との間に位置するように前記中心管内に設けられている。前記複数の遮断壁のうち、前記流出口に最も近い位置にある末端遮断壁は前記中心管の内部を遮断しており、前記末端遮断壁以外の少なくとも1つの遮断壁には貫通穴が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014-23985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の正浸透膜エレメントの正浸透膜の厚みは、比較的厚く、通常10μm程度である。小スペースで透過水量をさらに向上させるためには、正浸透膜の厚みが薄くても(例えば、厚み:1.5μm以下)、高い透過流束と、低い塩逆拡散係数とを有する正浸透膜エレメントが求められている。
【0008】
本開示の実施形態は、上記に鑑みてなされたものであり、正浸透膜の厚みが薄くても、高い透過流束と、低い塩逆拡散係数とを有する正浸透膜エレメント及び正浸透モジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>第1態様の正浸透膜エレメントは、
複数の膜リーフと、
前記複数の膜リーフが巻き付けられた管と、
を備え、
前記膜リーフが、第1開口から第2開口に向けて屈曲した少なくとも1つの内部流路を有し、
前記管が、
前記第1開口に連通する少なくとも1つの第1貫通孔と、
前記第2開口に連通する少なくとも1つの第2貫通孔と、
前記内部流路ごとに前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間に配置され、内部空間を遮断する少なくとも1つの遮断壁と、を有し、
前記膜リーフが、正浸透膜を有し、
前記正浸透膜が、
ポリエーテルケトン系重合体層と、
前記ポリエーテルケトン系重合体層の少なくとも一方の主面に積層された基材層と、
を含み、
前記ポリエーテルケトン系重合体層が、スルホン酸基又はその塩を有するポリエーテルケトン系重合体からなり、
前記ポリエーテルケトン系重合体層の厚さが、0.1μm~5μmである、正浸透膜エレメントである。
【0010】
ポリエーテルケトン系重合体は、一般的に、低い塩逆拡散性係数と、低い透過流束と、を有する。第1態様では、ポリエーテルケトン系重合体層の厚さが、0.1μm~5μmである。その結果、第1態様の正浸透膜エレメントは、正浸透膜の厚みが薄くても、高い透過流束と、低い塩逆拡散係数とを有する。
(【0011】以降は省略されています)

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