TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025150252
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051046
出願日2024-03-27
発明の名称半導体光素子、および半導体光素子の製造方法
出願人住友電気工業株式会社
代理人個人
主分類H01S 5/02 20060101AFI20251002BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことが可能な半導体光素子および半導体光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】シリコン層を有する基板と、III-V族化合物半導体で形成され、前記基板の前記シリコン層に接合された半導体素子と、を具備し、前記シリコン層に溝が設けられ、前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である半導体光素子。
【選択図】 図1B

特許請求の範囲【請求項1】
シリコン層を有する基板と、
III-V族化合物半導体で形成され、前記基板の前記シリコン層に接合された半導体素子と、を具備し、
前記シリコン層に溝が設けられ、
前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、
1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である半導体光素子。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記シリコン層は複数の前記溝を有し、
前記複数の溝のそれぞれは1つの前記連通口を有する請求項1に記載の半導体光素子。
【請求項3】
前記シリコン層は導波路を有し、
前記シリコン層のうち、前記導波路を基準に片側を第1部分とし、前記第1部分とは反対の部分を第2部分とし、
前記第1部分および前記第2部分のそれぞれに、少なくとも1つの前記溝が設けられている請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項4】
前記基板と前記半導体素子との接合界面のいずれの位置からも、50μm以内の範囲に前記溝が存在する請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項5】
前記溝の平面形状はU字型、はしご型または格子形状である請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項6】
前記半導体素子が前記シリコン層に接触している請求項1または請求項2に記載の半導体光素子。
【請求項7】
親水化接合によって、III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を、基板のシリコン層に接合する工程と、
前記接合された半導体素子にウェットエッチングを行う工程と、を有し、
前記シリコン層は溝を有し、
前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、
1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である半導体光素子の製造方法。
【請求項8】
前記ウェットエッチングを行う工程の前に、マスクを形成する工程を有し、
前記溝のうち前記接合された半導体素子の外の部分に前記マスクが埋め込まれ、
前記連通口は前記マスクでふさがれ、
前記ウェットエッチングを行う工程において、前記半導体素子のうち前記マスクから露出する部分をウェットエッチングする請求項7に記載の半導体光素子の製造方法。
【請求項9】
前記接合する工程の後、前記基板と前記半導体素子との接合界面のいずれの位置からも、50μm以内の範囲に前記溝が存在する請求項7または請求項8に記載の半導体光素子の製造方法。
【請求項10】
前記接合する工程は、室温よりも高い温度および大気圧よりも低い気圧において行われる請求項7または請求項8に記載の半導体光素子の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は半導体光素子、および半導体光素子の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
化合物半導体で形成され光学利得を有する半導体素子を、導波路を形成したSOI(Silicon On Insulator)基板(シリコンフォトニクス)などの基板に接合することで、ハイブリッド型の半導体光素子を形成することができる。接合の工程で親水化接合を行うと、水が発生する。接合界面で水分が気化すると、気泡が発生し、接合が不良となってしまう。基板に水を逃がすための溝を設ける技術が開発されている(例えば非特許文献1および非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Yiding Lin et al.“Geometry and Thermal Stress Analysis of In-plane Outgassing Channels in Al2O3-Intermediated InP(Die)-to-Si(Wafer) Bonding” ECS Journal of Solid State Science and Technology,5(2) P117-P123(2016)
Jiajie Lin et al.“Wafer-scale heterogeneous integration InP on trenched Si with a bubble-free interface” APL Materials 8,051110(2020)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接合された半導体素子をウェットエッチングなどで加工する。脱水のための溝からエッチャントが侵入し、接合界面から半導体素子がエッチングされる恐れがある。半導体素子の剥離、性能の低下などが発生することがある。そこで、接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことが可能な半導体光素子および半導体光素子の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る半導体光素子は、シリコン層を有する基板と、III-V族化合物半導体で形成され、前記基板の前記シリコン層に接合された半導体素子と、を具備し、前記シリコン層に溝が設けられ、前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことが可能な半導体光素子および半導体光素子の製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1Aは第1実施形態に係る半導体光素子を例示する平面図である。
図1Bは基板を例示する平面図である。
図2Aは半導体光素子を例示する断面図である。
図2Bは基板を例示する断面図である。
図2Cは基板を例示する断面図である。
図2Dは基板を例示する断面図である。
図3Aは半導体光素子の製造方法を例示する模式図である。
図3Bは半導体光素子の製造方法を例示する模式図である。
図4Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図4Bは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図4Cは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図4Dは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図5Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図5Bは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図5Cは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図5Dは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図6Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図6Bは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図6Cは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図6Dは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図7Aは半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図7Bは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図7Cは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図7Dは半導体光素子の製造方法を例示する断面図である。
図8Aは比較例1に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図8Bは図8Aの線D-Dに沿った断面を例示する断面図である。
図9Aは第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図9Bは基板を例示する平面図である。
図10Aは第3実施形態に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図10Bは基板を例示する平面図である。
図11は比較例2に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図12Aは第4実施形態に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
図12Bは基板を例示する平面図である。
図13は第5実施形態に係る半導体光素子の製造方法を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0009】
本開示の一形態は、(1)シリコン層を有する基板と、III-V族化合物半導体で形成され、前記基板の前記シリコン層に接合された半導体素子と、を具備し、前記シリコン層に溝が設けられ、前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である半導体光素子である。連通口の個数が1個であるため、溝にエッチャントが侵入しにくい。接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことが可能である。
(2)上記(1)において、前記シリコン層は複数の前記溝を有し、前記複数の溝のそれぞれは1つの前記連通口を有してもよい。複数の溝を通じて、接合界面から水分を排出することができる。複数の溝が有する連通口の個数は1個であるため、エッチャントが入りにくい。接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことができる。
(3)上記(1)または(2)において、前記シリコン層は導波路を有し、前記シリコン層のうち、前記導波路を基準に片側を第1部分とし、前記第1部分とは反対の部分を第2部分とし、前記第1部分および前記第2部分のそれぞれに、少なくとも1つの前記溝が設けられてもよい。第1部分および第2部分の両方において、水分を排出し、かつエッチャントの侵入を防ぐことができる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記基板と前記半導体素子との接合界面のいずれの位置からも、50μm以内の範囲に前記溝が存在してもよい。溝までの距離が近いため、水分が溝まで到達し、排出されやすい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記溝の平面形状はU字型、はしご型または格子形状でもよい。接合界面の広い範囲に溝が配置されるため、水分が溝から排出されやすい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記半導体素子が前記シリコン層に接触してもよい。半導体光素子の性能が向上する。接合界面で発生する水分を溝から排出することで、接合界面で気泡が発生しにくくなる。
(7)親水化接合によって、III-V族化合物半導体で形成された半導体素子を、基板のシリコン層に接合する工程と、前記接合された半導体素子にウェットエッチングを行う工程と、を有し、前記シリコン層は溝を有し、前記溝は、前記接合された半導体素子と重なる位置から前記接合された半導体素子の外まで延伸し、前記溝のうち前記接合された半導体素子と重なる部分と、前記接合された半導体素子の外の部分とを連通する連通口を有し、1つの前記溝が有する前記連通口の個数は1個である半導体光素子の製造方法である。連通口の個数が1個であるため、溝にエッチャントが侵入しにくい。接合界面からの半導体素子のエッチングを防ぐことが可能である。親水化接合によって発生する水分を、溝から排出することができる。
(8)上記(7)において、前記ウェットエッチングを行う工程の前に、マスクを形成する工程を有し、前記溝のうち前記接合された半導体素子の外の部分に前記マスクが埋め込まれ、前記連通口は前記マスクでふさがれ、前記ウェットエッチングを行う工程において、前記半導体素子のうち前記マスクから露出する部分をウェットエッチングしてもよい。マスクに穴などが発生する恐れがある。1つの溝が有する連通口の個数が1つであるため、連通口からエッチャントが侵入しにくい。接合界面側からの半導体素子のエッチングを防ぐことができる。
(9)上記(7)または(8)において、前記接合する工程の後、前記基板と前記半導体素子との接合界面のいずれの位置からも、50μm以内の範囲に前記溝が存在してもよい。溝までの距離が近いため、水分が溝まで到達し、排出されやすい。
(10)上記(7)から(9)のいずれかにおいて、前記接合する工程は、室温よりも高い温度および大気圧よりも低い気圧において行われてもよい。温度を高くすることで、水分が発生する。気圧を低くすることで、水分が接合界面の外へと吸引され、排出されやすくなる。
【0010】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る半導体光素子および半導体光素子の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

東レ株式会社
多孔質炭素シート
1か月前
個人
フレキシブル電気化学素子
4日前
日本発條株式会社
積層体
15日前
キヤノン株式会社
電子機器
1か月前
エイブリック株式会社
半導体装置
1か月前
エイブリック株式会社
半導体装置
1か月前
ローム株式会社
半導体装置
13日前
個人
防雪防塵カバー
15日前
株式会社ユーシン
操作装置
4日前
ローム株式会社
半導体装置
1か月前
ローム株式会社
半導体装置
11日前
ローム株式会社
半導体装置
13日前
ローム株式会社
半導体装置
13日前
ローム株式会社
半導体装置
6日前
株式会社ティラド
面接触型熱交換器
26日前
株式会社ホロン
冷陰極電子源
11日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
4日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
15日前
株式会社GSユアサ
蓄電装置
11日前
個人
半導体パッケージ用ガラス基板
14日前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
4日前
オムロン株式会社
電磁継電器
5日前
太陽誘電株式会社
全固体電池
11日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
27日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
27日前
東レ株式会社
ガス拡散層の製造方法
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電設備
4日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
13日前
トヨタ自動車株式会社
蓄電装置
4日前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
15日前
トヨタ自動車株式会社
二次電池
15日前
TDK株式会社
電子部品
11日前
トヨタ自動車株式会社
バッテリ
5日前
サクサ株式会社
電池の固定構造
4日前
株式会社ヨコオ
コネクタ
1か月前
日本特殊陶業株式会社
保持装置
11日前
続きを見る