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公開番号2025148729
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-08
出願番号2024048996
出願日2024-03-26
発明の名称窒化ケイ素粉末、樹脂組成物、および窒化ケイ素粉末の製造方法
出願人株式会社MARUWA
代理人弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
主分類C01B 21/068 20060101AFI20251001BHJP(無機化学)
要約【課題】より改善した流動性を有する窒化ケイ素粉末を提供する。
【解決手段】窒化ケイ素粉末は、β分率が80%以上である窒化ケイ素粉末であって、粒子の凝集体の最大内接円相当径Dが25μm以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
β分率が80%以上である窒化ケイ素粉末であって、粒子の凝集体の最大内接円相当径Dが25μm以下であることを特徴とする窒化ケイ素粉末。
続きを表示(約 990 文字)【請求項2】
前記凝集体の最大内接円相当径Dが10~20μmであることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項3】
一次粒子の平均凹凸度が1.3以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項4】
前記β分率が98%以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項5】
一次粒子の平均投影面積円相当径DAが2~15μmであることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項6】
前記凝集体の最大内接円相当径Dと一次粒子の平均投影面積円相当径DAとの比D/DAが4以下であることを特徴とする請求項5に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項7】
150重量部の前記窒化ケイ素粉末と、50重量部の25℃の動粘度30cStのシリコーンオイルとを混合した混合物の25℃における粘度が、5Pa・S以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ケイ素粉末。
【請求項8】
β分率が80%以上である窒化ケイ素粉末であって、150重量部の前記窒化ケイ素粉末と、50重量部の25℃の動粘度30cStのシリコーンオイルとを混合した混合物の25℃における粘度が、5Pa・S以下であることを特徴とする窒化ケイ素粉末。
【請求項9】
熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂中に請求項1から8のいずれか一項に記載の窒化ケイ素粉末が分散されて成ることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項10】
β分率が80%以上である窒化ケイ素粉末を製造する方法であって、
90~98mol%のSiO

粉末および2~10mol%のCa化合物粉末を含む原料と、所定量のカーボン粉末と、所定量の分散剤が溶解された溶液とを容器に投入する工程と、
前記容器に投入された材料を湿式混合して、ペースト状混合体を作製する工程と、
前記ペースト状混合体を乾燥させた後、解砕して混合粉末を作製する工程と、
還元窒化法によって前記混合粉末を窒化する工程と、
還元窒化処理された前記混合粉末から前記カーボン粉末を除去する工程と、を含むことを特徴とする方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化ケイ素粉末、樹脂組成物、および窒化ケイ素粉末を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器や半導体デバイスの高密度化、高出力化に伴い、パワーモジュールの発熱密度が増加している。パワーモジュールの温度上昇は、素子の動作不良を引き起こしたり、回路基板の損傷を引き起こしたりする要因となる。このような電子機器や半導体デバイスに使用される樹脂組成物(例えば、基板、シート、スペーサなど)や、グリース、接着剤、塗料などの電子材料中に、優れた熱伝導性材料である窒化ケイ素粉末がフィラーとして混ぜ込まれることで、放熱性能を向上させることができる。ここで、窒化ケイ素には、異なる結晶相を有するα型窒化ケイ素(α-Si



)およびβ型窒化ケイ素(β-Si



)の2種類が存在する。α型窒化ケイ素は、高温(1500~1700℃の焼結温度付近)で不可逆的にβ型窒化ケイ素に相変態する性質を有する。β型窒化ケイ素結晶粒は、c軸方向に伸長した柱状結晶粒であり、α型窒化ケイ素結晶粒と比べて、より高い熱伝導性を有することが知られている。よって、窒化ケイ素粉末が、放熱材用途のフィラーに使用される場合、β型窒化ケイ素結晶粒の比率が大きい方がより好ましいとされる。一方で、フィラーに要求される材料特性として、充填性および混錬性がある。フィラーの充填性が高いほど、樹脂等の材料に高濃度で粉末を混ぜ込むことができる。また、フィラーの混錬性が高いほど、フィラーを材料に対してより高濃度で混合し易くなる。そして、フィラーの材料特性を改善する種々の取り組みが成されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、放熱性能の向上を目的として、絶縁部材を構成する樹脂等へ添加される窒化ケイ素フィラーを開示する。特許文献1によれば、窒化ケイ素フィラーが、粒子径が5μm以上200μm以下の凝結粒子を50体積%以上含んでいる場合、粒子径が5μm未満の粒子や、200μmよりも大きい粒子の比率が低下するため、分散性を高めることができる。さらに、樹脂等と混合して得られる樹脂複合物の表面の荒れや、機械的強度の低下を防ぐことができ、熱伝導性を高めることができる。この窒化ケイ素フィラーは、以下の各工程を有する製造方法により好ましく製造することができる。製造方法は、(a)ケイ素、または、ケイ素と窒化ケイ素との混合物、を耐熱性容器に充填する工程と、(b)1気圧以上の窒素を含む非酸化性雰囲気中で自己燃焼反応により窒化ケイ素の凝結塊を作製する工程と、(c)窒化ケイ素の凝結塊を粉砕する工程と、を含む。ケイ素の自己燃焼反応(窒化燃焼反応)は、1900℃以上の高温で進行するため、その反応過程で窒化ケイ素粒子の成長が十分に進み、生成物として結晶面が発達した柱状の形状を有するβ相窒化ケイ素粒子が絡み合った構造を持つ凝結塊を得ることができる。あるいは、自己燃焼法を用いた窒化ケイ素フィラーの製造方法の代わりに、直接窒化法を用いて、ケイ素粉末の顆粒体や成形体を窒素中1400℃付近で窒化させ、さらに高温での熱処理によりβ相柱状粒子を発達させ、その凝結塊を粉砕することにより得ることもできる。こうして得られた窒化ケイ素フィラーは、該窒化ケイ素フィラーと、樹脂組成物とを含む樹脂複合物とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-81205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の燃焼合成法や直接窒化法によって合成された窒化ケイ素粉末は、窒化処理後に窒化ケイ素の凝結塊が生成し、それを粉砕処理することによって得られたものである。このような凝結塊の粉砕処理は、窒化ケイ素粉末中に粗大な凝集体や、歪な形状の粒子を増加させ、その結果、窒化ケイ素粉末の流動性が低下する。この窒化ケイ素粉末の流動性の低下により、窒化ケイ素粉末を混ぜ込んだ流体の粘度が上昇し、フィラーの流体への充填量や混練性が制限される。このような充填性および/または混練性の制限は、窒化ケイ素粉末を混練した樹脂組成物の放熱性能の向上を妨げるものである。そこで、本発明の発明者らは、より改善した流動性を有する窒化ケイ素粉末を得ることを課題とした。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、その目的は、より改善した流動性を有する窒化ケイ素粉末、当該窒化ケイ素粉末を混練した樹脂組成物、および、当該窒化ケイ素粉末の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(項1)
本発明の一形態の窒化ケイ素粉末は、β分率が80%以上である窒化ケイ素粉末であって、粒子の凝集体の最大内接円相当径Dが25μm以下であることを特徴とする。
【0008】
(項2)
本発明のさらなる形態の窒化ケイ素粉末は、より好適には項1の窒化ケイ素粉末において、前記凝集体の最大内接円相当径Dが10~20μmであることを特徴とする。
【0009】
(項3)
本発明のさらなる形態の窒化ケイ素粉末は、より好適には項1または2の窒化ケイ素粉末において、一次粒子の平均凹凸度が1.3以下であることを特徴とする。
【0010】
(項4)
本発明のさらなる形態の窒化ケイ素粉末は、より好適には項1~3のいずれか一項の窒化ケイ素粉末において、前記β分率が98%以上であることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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