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公開番号2025148237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024228993
出願日2024-12-25
発明の名称細胞外小胞の生産方法及び生産効率を高める方法
出願人学校法人 関西大学
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類C12N 1/00 20060101AFI20250930BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】細胞外小胞の生産効率を高める方法を提供すること。
【解決手段】乳酸菌と酵母を共培養する工程を含む、細胞外小胞を生産する方法、により解決する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
乳酸菌と酵母を共培養する工程を含む、細胞外小胞を生産する方法。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
乳酸菌と酵母を共培養する工程を含む、細胞外小胞の生産効率を高める方法。
【請求項3】
細胞外小胞を単離する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記乳酸菌がLactiplantibacillus属、Leuconostoc属、Latilactobacillus属、及びLevilactobacillus属の乳酸菌からなる群から選択される一種以上である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記乳酸菌がLactiplantibacillus plantarumである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
乳酸菌及び酵母の菌体濃度比が1:1~1:1000である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
乳酸菌の対数増殖期の後半から定常期の間に細胞外小胞を回収する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
乳酸菌と酵母を共培養して得られた、細胞外小胞含有培養物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
細胞外小胞の生産方法に関する技術が開示される。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
細胞外小胞(EVs)とは、“細胞から放出される核を持たない(複製できない)脂質二重膜で囲まれた粒子”であると、国際細胞外小胞学会(International Society for Extracellular Vesicles;ISEV)により定義されている。細胞外小胞は産生機構の違いから(1)後期エンドソーム内側から出芽するエクソソーム(直径50~150nm)、(2)細胞膜が外側へ出芽して分離することによって生成されるマイクロベシクル(直径100~1000nm)、(3)細胞のアポトーシスに伴い生じるアポトーシス小胞(直径5μm)に大別される。細胞外小胞は、様々なタンパク質、核酸や脂質分子、シグナル分子等を内包しており、分泌された後受容細胞に取り込まれ、細胞間のシグナル伝達に関与する。
【0003】
動物細胞に加え、様々な細菌や真菌も、細胞外小胞を分泌することが知られている。細菌由来であって、細胞膜が外側へ出芽して分離することによって生成される、直径が20-400nm程度の細胞外小胞はメンブランベシクル(membrane vesicle:MV)とも呼ばれる。MVは糖タンパク質やリポ多糖(LPS)、ペプチドグリカン(PG)といった細菌の細胞外皮由来の成分を含有し、内部にはDNAやRNAといった核酸、タンパク質、シグナル物質や病原因子が含まれる。MVは細胞間のコミュニケーションやバイオフィルム形成に関与する他、宿主免疫調節活性も有することが知られている(非特許文献1~4)。
【0004】
細胞外小胞は血液中で安定であり、臓器特異的な送達も可能である等の観点から、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の担体としての応用が期待されている。また、MVは、免疫調節機能を有することから、効率的なワクチン開発のシーズとしての利用も期待されている他、ヨーグルトなどの発酵食品にMVが含まれることも分かってきており、機能解析が望まれる。しかし、細胞外小胞の分泌制御機構や、効率の良い生産方法は全容が明らかになっておらず、人為的な生産制御は難しい(特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2022-529456号公報
特開2023-111728号公報
【非特許文献】
【0006】
Mashburn et al., Nature, 437, pages422-425 (2005)
Senpuku et al., Molecules. 2019 Aug 28;24(17):3131
Kurata et al., Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2023, Vol. 87, No. 1, 119-128
Gill et al., FEMS Microbiol Rev 43: 273-303
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
細胞外小胞の生産効率を高める方法を提供することが一つの課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、乳酸菌と酵母を共培養することで、それぞれの菌を純粋培養したときと比較し、細胞外小胞の生産量が増加することを見出した。斯かる知見に更なる研究と検討を重ね、下記に代表される手段が提供される。
項1.
乳酸菌と酵母を共培養する工程を含む、細胞外小胞を生産する方法。
項2.
乳酸菌と酵母を共培養する工程を含む、細胞外小胞の生産効率を高める方法。
項3.
細胞外小胞を単離する工程を含む、項1に記載の方法。
項4.
前記乳酸菌がLactiplantibacillus属、Leuconostoc属、Latilactobacillus属、及びLevilactobacillus属の乳酸菌からなる群から選択される一種以上である、項1~3のいずれか一項に記載の方法。
項5.
前記乳酸菌がLactiplantibacillus plantarumである、項1~4のいずれか一項に記載の方法。
項6.
乳酸菌及び酵母の菌体濃度比が1:1~1:1000である、項1~5のいずれか一項に記載の方法。
項7.
乳酸菌の対数増殖期の後半から定常期の間に細胞外小胞を回収する工程をさらに含む、項1~6のいずれか一項に記載の方法。
項8.
乳酸菌と酵母を共培養して得られた、細胞外小胞含有培養物。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態において、細胞外小胞を効率的に生産する手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
乳酸菌及び酵母のそれぞれの純粋培養時及び共培養時におけるEV生産量を示す。8826、12006、及び15891はそれぞれ、乳酸菌Lactiplantibacillus plantarum NCIMB 8826株、Lactiplantibacillus plantarum NBRC 12006株、及びLactiplantibacillus plantarum subsp. plantarum NBRC 15891株を示す。
乳酸菌及び酵母をそれぞれ純粋培養及び共培養した際の菌体濃度を示す。
乳酸菌及び酵母のそれぞれの純粋培養時及び共培養時におけるEV生産量の経時変化を示す。
乳酸菌及び酵母の共培養時に得られたEVを電子顕微鏡で撮影した写真(矢印:EV)を示す。
エタノール添加培地での乳酸菌によるEV生産量、及び乳酸添加培地での酵母によるEV生産量を示す。
実施例1と異なる属の乳酸菌を用いた場合の純粋培養時及び共培養時におけるEV生産量を示す。
実施例1と異なる属又は株の酵母を用いた場合の純粋培養時及び共培養時におけるEV生産量を示す。1018、0482、及び4741はそれぞれ、酵母Saccharomyces cerevisiae RIB 1018株、Kluyveromyces marxianus NBRC 0482株、及びSaccharomyces cerevisiae BY 4741株を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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