TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025087972
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-11
出願番号
2023202329
出願日
2023-11-30
発明の名称
金属マグネシウムの製造方法
出願人
北興化学工業株式会社
,
学校法人 関西大学
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
C22B
26/22 20060101AFI20250604BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】塩化マグネシウムを含む化学廃水から、金属マグネシウムを製造する製造方法を提供すること。
【解決手段】マグネシウム塩を含む化学廃水をアルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ金属酸化物等によって処理し、水酸化マグネシウムを析出させ、アルミニウム還元における補助剤となる水酸化カルシウム又は酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの混合物をアルミニウム共存下にて加熱処理する金属マグネシウムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
マグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、アルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ金属酸化物を加え、水酸化マグネシウムを析出させ、
その水酸化マグネシウムを分離し粘土状または粉末状で得、その水酸化マグネシウムにアルミニウムと、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法。
続きを表示(約 930 文字)
【請求項2】
前記粘土状または粉末状の水酸化マグネシウムに、アルミニウムと水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加える量が、それぞれ水酸化マグネシウムに対し60~100モル%であることを特徴とする請求項1に記載する金属マグネシウムの製造方法。
【請求項3】
マグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、アルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ金属酸化物を加え、水酸化マグネシウムを析出させ、
その水酸化マグネシウムを分離し粘土状または粉末状で得、その水酸化マグネシウムに水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加えたものを加熱することによって、酸化マグネシウムと酸化カルシウムの酸化物混合体とし、
得られた酸化物混合体にアルミニウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法。
【請求項4】
前記酸化物混合体の製造時に、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加える量が、水酸化マグネシウムに対し60~100モル%であり、
前記酸化物混合体に加えるアルミニウムの量が、水酸化マグネシウムに対し60~100モル%であることを特徴とする請求項3に記載する金属マグネシウムの製造方法。
【請求項5】
マグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加え、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムの混合体として析出させ、その混合体を分離し粘土状または粉末状で得、当該混合体にアルミニウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の金属マグネシウムの製造方法であって、前記化学廃水に加える水酸化カルシウム又は酸化カルシウムの量が、水酸化マグネシウムに対し60~100モル%であり、前記混合体に加えるアルミニウムの量が、水酸化マグネシウムに対し60~100モル%であり、かつ、前記混合体を分離する際に水で洗浄し、固形分のMgとCaのモル比を100:60~100:80に調整することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネシウム塩を含む化学廃水から金属マグネシウムを製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
金属マグネシウムを製造する代表的な方法としては2通りの方法が知られている。
一つは、ドロマイト鉱石を焼成しマグネシウム酸化物としたものとフェロシリコン(還元剤)を混合しブリケットを製造し、そのブリケットを真空中高温下で加熱還元する方法(熱還元法)が実用化されており(非特許文献1、非特許文献2)、その代表例としてPidgeon法が挙げられる。また、熱還元法で用いる還元剤として、アルミニウムを用い、酸化マグネシウムと混合させたものを高温下で加熱還元することにより金属マグネシウムを製造する方法が開示されている(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。
これらの製造方法はドロマイトを原料とするため、焼成する段階で二酸化炭素が排出され、還元剤にフェロシリコンを使用する場合、フェロシリコンは鉄の存在下でシリカ、砂をコークスで還元することによって製造されるため、大量の二酸化炭素を排出させるなど環境負荷が大きいことが課題である。
【0003】
もう一方の代表的な方法としては、電解還元による金属マグネシウムの製造方法である。この方法は、海水から採取した塩化マグネシウムを無水塩化マグネシウムとし、得られた無水塩化マグネシウムを電気分解することによって金属マグネシウム製造する方法である(特許文献1、非特許文献2、非特許文献6、非特許文献7)。
この海水を活用する電気還元法は、無水塩化マグネシウムの濃縮調製と還元に多大な電力を必要とするため、やはり、環境負荷が高いことが課題となる。
一方で加熱することによって金属マグネシウム製造の原料となる酸化マグネシウムの製造法として、排水等のマグネシウムとカルシウムを含有する硫酸溶液を濃縮等することによって、簡易に効率良く製造する方法が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-181602号公報
国際公開第2013/094530号
【非特許文献】
【0005】
マグネシウム技術便覧、34ページ
一般社団法人日本マグネシウム協会ホームページ「マグネシウムの基礎知識:作り方」http://magnesium.or.jp/property/how-to-make
マグネシウム技術便覧、47ページ
鉄と鋼、92巻、239ページ、2006年
鉄と鋼、93巻、201ページ、2007年
マグネシウム技術便覧、35ページ
日本鉱業会誌、84巻、963号、956ページ、1968年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、グリニャール試薬等のマグネシウム含有試薬が用いられた化学反応後のマグネシウム塩を含む化学廃水から反応過程では二酸化炭素を生成せずに、効率よく熱還元させることによって、不純物の少ない高純度の金属マグネシウムの製造方法を提供することを目的とする。具体的には、マグネシウム塩を含む化学廃水から、簡便に金属マグネシウムの原料となる水酸化マグネシウムを単独、もしくは、水酸化カルシウムと同時に得て、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウム又は酸化カルシウムの混合物にアルミニウムを還元剤として加え、加熱処理することによって高純度の金属マグネシウムを製造する製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するべく、鋭意検討したところ、マグネシウム塩を含む化学廃水をアルカリ金属水酸化物等によって処理し、水酸化マグネシウムを析出させ、アルミニウム還元における補助剤となる水酸化カルシウム又は酸化カルシウムと当該水酸化マグネシウムの混合物をアルミニウム共存下にて加熱処理することによって、反応過程では二酸化炭素を生成せずに、効率よく熱還元させることによって、不純物の少ない高純度の金属マグネシウムとする方法を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
マグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、アルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ金属酸化物を加え、水酸化マグネシウムを析出させ、その水酸化マグネシウムを分離し粘土状または粉末状で得、その水酸化マグネシウムにアルミニウムと、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法に関するものである。
また、マグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、アルカリ金属水酸化物若しくはアルカリ金属酸化物を加え、水酸化マグネシウムを析出させ、その水酸化マグネシウムを分離し粘土状または粉末状で得、その水酸化マグネシウムに水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加えたものを加熱することによって、酸化マグネシウムと酸化カルシウムの酸化物混合体とし、得られた酸化物混合体にアルミニウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法に関するものである。
更にはマグネシウム塩(水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水に、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加え、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムの混合体として析出させ、その混合体を分離し粘土状または粉末状で得、当該混合体にアルミニウムを加えた混合物を減圧下で加熱することを特徴とする金属マグネシウムの製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、グリニャール試薬等のマグネシウム含有試薬が用いられたマグネシウム塩を含む化学廃水から金属マグネシウムを提供することができる。本発明のマグネシウムの製造方法は、反応過程では二酸化炭素を生成せずに、製造時の二酸化炭素排出量が少なく、環境への負荷が小さい。本発明により、マグネシウムの低エネルギーでのリサイクルが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の、化学廃水から金属マグネシウムを製造する方法について詳細に説明する。
【0010】
・第1の製造方法
本発明の第1の製造方法は、粘土状または粉末状の水酸化マグネシウムにアルミニウムと、水酸化カルシウム又は酸化カルシウムを加えた混合物を減圧下で加熱することにより、金属マグネシウムを得る方法である。
マグネシウム塩(以下、水酸化マグネシウムを除く。)を含む化学廃水から、粘土状又は粉末状の水酸化マグネシウムを得るための工程について、以下に記載する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
個人
銅鉄合金の製造
2か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
6か月前
宏幸株式会社
金属回収方法
6か月前
JX金属株式会社
鉛の回収方法
23日前
JX金属株式会社
鉛の回収方法
23日前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
5か月前
古河電気工業株式会社
銅線
18日前
三菱マテリアル株式会社
切削工具
24日前
株式会社クボタ
比重分離装置
7か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
7か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
7か月前
株式会社神戸製鋼所
銅合金板
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
株式会社神戸製鋼所
ボルト用鋼
18日前
日本製鉄株式会社
線材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
6か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
6か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
6か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
7か月前
住友金属鉱山株式会社
金属の抽出方法
22日前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
株式会社神戸製鋼所
浸炭窒化鋼材
18日前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
2か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼部品
24日前
大同メタル工業株式会社
摺動材料
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼部品
24日前
大同特殊鋼株式会社
放熱材料
15日前
住友金属鉱山株式会社
銅の製造方法
3か月前
日本製鉄株式会社
鉄道車輪
5か月前
続きを見る
他の特許を見る