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公開番号2025147966
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024048501
出願日2024-03-25
発明の名称高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置
出願人大陽日酸株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C21B 7/00 20060101AFI20250930BHJP(鉄冶金)
要約【課題】高炉シャフト部における鉄鉱石の還元反応に適した組成及び温度の還元ガスの製造が可能であり、製造の際にカーボン源の使用量を削減可能な、高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。
【解決手段】製造装置は、炭化水素を含む原料ガスを、酸素含有ガスで部分燃焼させて原料ガスを改質した改質ガスを排出するバーナと、バーナの先端と連通し、改質ガスが導入される第1空間と、第1空間の二次側に位置し、改質ガスと、一酸化炭素を含む希釈ガスとを混合して還元ガスを得る第2空間と、原料ガス供給経路と、酸素含有ガス供給経路と、改質ガス供給経路と、希釈ガス供給経路と、を備え、第2空間は、改質ガス供給経路が接続される改質ガス導入口と、希釈ガス供給経路が接続される希釈ガス導入口と、第2空間から還元ガスを導出する還元ガス導出口と、を有し、第2空間において、改質ガス導入口と還元ガス導出口との間に、希釈ガス導入口が位置する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置であって、
少なくとも炭化水素を含む原料ガスを、少なくとも酸素を含む酸素含有ガスで部分燃焼させて、前記原料ガスを改質した改質ガスを排出するバーナと、
前記バーナの先端と連通し、前記改質ガスが導入される第1空間と、
前記第1空間の二次側に位置し、前記改質ガスと、少なくとも一酸化炭素を含む希釈ガスとを混合して前記還元ガスを得る、第2空間と、
前記バーナに前記原料ガスを供給する、原料ガス供給経路と、
前記バーナに前記酸素含有ガスを供給する、酸素含有ガス供給経路と、
前記第1空間と前記第2空間との間に位置し、一端が前記第1空間と接続され、他端が前記第2空間と接続される、改質ガス供給経路と、
前記第2空間に前記希釈ガスを供給する、希釈ガス供給経路と、を備え、
前記第2空間は、前記改質ガス供給経路の先端に位置する改質ガス導入口と、前記希釈ガス供給経路の先端に位置する希釈ガス導入口と、前記第2空間から前記還元ガスを導出する還元ガス導出口と、を有し、
前記第2空間において、前記改質ガス導入口と前記還元ガス導出口との間に、1以上の前記希釈ガス導入口が位置する、高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記原料ガス供給経路、前記酸素含有ガス供給経路、および前記希釈ガス供給経路のうち、少なくとも1以上の経路に、当該経路内のガスの温度を調節する温度調節装置を有する、請求項1に記載の高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。
【請求項3】
軸方向に延在する筒状の空間を内側に有する改質炉と、
前記空間内に位置し、軸方向と垂直方向に延在する隔壁と、を備え、
前記隔壁は、前記空間を軸方向に並ぶ2つの空間に区画し、
前記改質炉の軸方向の一端側に前記バーナが接続され、他端側に前記還元ガス導出口が設けられており、
前記バーナが接続された側の空間が、前記第1空間であり、
前記還元ガス導出口が設けられた側の空間が、前記第2空間である、請求項1に記載の高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。
【請求項4】
前記隔壁が、前記軸方向に厚さを有する板状の部材であり、
前記隔壁は、前記板状の部材を前記軸方向に貫通する、1以上の貫通孔を有し、
前記貫通孔が、前記改質ガス供給経路である、請求項3に記載の高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。
【請求項5】
前記第2空間の周方向外側に、1以上の前記希釈ガス導入口が周方向に間隔を空けて配置されており、
前記希釈ガス導入口は、前記第2空間において、周方向外側から中心軸方向に向かう方向にそれぞれ調整されている、請求項3に記載の高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉シャフト部に供給する還元ガスの製造装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
高炉製鉄において、発生するCO

を削減するため、高炉シャフト部に水素ガスを供給して鉄鉱石を還元し、銑鉄を製造することで、還元材及び燃料として高炉で使用されるコークス、微粉炭などのカーボン源の使用量を削減する技術が報告されている。当該技術では、すでに供給可能な限界量の微粉炭が高炉羽口から吹き込まれており、これに追加して水素ガス(還元ガス)を供給した場合、効率的な高炉操業が困難となる。このため、追加の還元ガスを供給する場合、残存酸素が少なく、かつ、熱的に余裕のある高炉シャフト部から供給することが有利とされている。
【0003】
高炉内における鉄鉱石の還元反応は、主にCOガスが酸化鉄(鉄鉱石)を還元して金属鉄を生成するものであり、この反応は発熱反応である。また、鉄鉱石の加熱や、カーボン源による鉄鉱石の還元(吸熱反応)のために要する熱量は、高炉羽口から供給されるガスの顕熱や、コークスあるいは微粉炭を高炉羽口から吹き込まれる空気(酸素富化空気)によって高炉内で燃焼させる燃焼熱によって得られる。
【0004】
これに対して、水素ガスによる酸化鉄の還元は、吸熱反応である。このため、高炉羽口からガスを供給することなく、高炉シャフト部から水素ガスのみを供給して高炉内で鉄鉱石の還元を全て行うことは、熱的に不可能である。したがって、高炉シャフト部から高炉内への水素ガスの供給量は、高炉羽口からのガスの供給量に対して十分に小さい値に制限される。
【0005】
このように、高炉シャフト部から高炉内に少量の水素ガスを直接供給する場合、高炉内に吹き込まれた水素ガスは、炉壁近傍の領域のみを通過するため、水素ガスによる鉄鉱石の還元はこの領域でしか生じない。
【0006】
一方、高炉内の炉壁近傍の領域において水素濃度が過剰になると、水素ガスによる鉄鉱石の還元によって炉内のガス温度が急激に低下して還元に必要な温度を維持できなる。このため、炉壁近傍の領域での水素ガス濃度を適正に保つために、高炉内に供給可能な水素ガスの供給量は、上述した上限よりもさらに小さい値しか許容されない。このように、水素ガスの供給量の制約から、高炉内での水素ガスによる還元の比率を十分に高く設定できないという課題がある。
【0007】
上記課題に対して、特許文献1には、高炉シャフト部へ供給する水素ガスの製造装置および方法が記載されている。特許文献1に開示された技術では、反応器内において、酸素ガスを用いた部分酸化によってコークス炉ガス(COG)を改質し、水素ガスを富化した改質ガスを生成した後、同じ反応器内にCO含有ガスを供給して上記改質ガスと混合することで、水素濃度15~35%(wet)、温度800~1000℃に調整する。
【0008】
また、特許文献2には、コークス炉ガス(COG)と酸素ガスとを部分酸素改質装置に供給して改質することにより、800~1000℃の改質ガスを高炉シャフト部へ供給する装置および方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6395516号公報
特許第6395493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述した特許文献1に開示された技術では、同じ反応器において、コークス炉ガス(COG)の改質と、改質ガスとCO含有ガスとの混合を行うため、コークス炉ガス(COG)の改質過程においてCO含有ガスが混合して改質が不十分となる(具体的には、COGに含まれる炭化水素(主にCH

)の残存濃度が高くなる)という課題がある。また、コークス炉ガス(COG)を改質するために十分な反応温度が得られず、高炉シャフト部に供給する還元ガスに求められる組成、温度に調整することが困難である。
(【0011】以降は省略されています)

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