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公開番号2025136460
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024035057
出願日2024-03-07
発明の名称回転体および回転体の制御方法
出願人大陽日酸株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類F16C 32/04 20060101AFI20250911BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】磁気軸受全体の電力損失を抑え、より大きなスラスト負荷を制御することができる回転体を提供する。
【解決手段】軸方向O回りに回転可能な主軸4と、主軸4に設けられ主軸4のスラスト負荷Pを受ける複数のスラスト部と、複数のスラスト部のうち1つの第1スラスト部(スラストディスク7)を軸方向Oの両側から挟持して支持する一対の第1磁気軸受81、82と、複数のスラスト部のうち他の第2スラスト部(インペラ6B)に設けられる第2磁気軸受83と、を備える。第1磁気軸受81、82は、スラスト負荷Pを低減するように能動的にスラストディスク7に対する吸引力を調整可能である。第2磁気軸受83は、スラスト負荷Pの一部を低減するように付加的にインペラ6Bに対する吸引力を調整可能である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向回りに回転可能な回転軸と、
前記回転軸に設けられ前記回転軸のスラスト負荷を受ける複数のスラスト部と、
前記複数のスラスト部のうち1つの第1スラスト部を前記軸方向の両側から挟持して支持する一対の第1磁気軸受と、
前記複数のスラスト部のうち他の第2スラスト部に設けられる第2磁気軸受と、を備え、
前記第1磁気軸受は、前記スラスト負荷を低減するように能動的に前記第1スラスト部に対する吸引力を調整可能であり、
前記第2磁気軸受は、前記スラスト負荷の一部を低減するように付加的に前記第2スラスト部に対する吸引力を調整可能である回転体。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記第2磁気軸受は、前記第1磁気軸受の電流値をフィードバックすることにより制御される、請求項1に記載の回転体。
【請求項3】
前記第2磁気軸受の電流値は、前記一対の第1磁気軸受及び前記第2磁気軸受の電力損失が前記一対の第1磁気軸受の電力損失よりも小さくなるように制御される、請求項2に記載の回転体。
【請求項4】
前記一対の第1磁気軸受のそれぞれに電流値が分散するように制御される、請求項3に記載の回転体。
【請求項5】
前記一対の第1磁気軸受のうち前記第1スラスト部のスラスト負荷を低減する方向に吸引する一方の負荷側磁気軸受の電流値を他方の反負荷側磁気軸受よりも大きくしつつ、前記第2磁気軸受で吸引力を追加する、請求項4に記載の回転体。
【請求項6】
前記第2磁気軸受の吸引力を、前記第2スラスト部における前記スラスト負荷を低減する方向側に作用させる、請求項1に記載の回転体。
【請求項7】
前記第2磁気軸受の吸引力を、前記回転軸の軸端部に作用させる、請求項1に記載の回転体。
【請求項8】
前記第1スラスト部は、前記回転軸から径方向外側に延出するスラストディスクであり、
前記第2スラスト部は、前記回転軸から径方向外側に延出するインペラである、請求項1に記載の回転体。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回転体の制御方法であって、
前記一対の第1磁気軸受のうち一方の負荷側磁気軸受の第1電流値が、他方の反負荷側磁気軸受の第2電流値よりも大きくなるように制御する工程と、
前記第2磁気軸受において前記第1電流値と前記第2電流値との差である第3電流値になるように制御する工程と、
を有する回転体の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体および回転体の制御方法に関するものである。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ターボ圧縮機、遠心式ポンプ、膨張タービンなどの回転体では、主軸にインペラが固定され流体を圧縮、膨張させている。その際、インペラの正面と背面の圧力差により軸方向の力であるスラスト負荷が生じる。スラスト負荷はスラスト軸受で受け取れられており、高速回転する回転機の軸受には用途に応じて油軸受、気体軸受、磁気軸受などが用いられている。
【0003】
油軸受は、気体軸受や磁気軸受に対して大きなスラスト負荷に対応できる。ただし、静圧軸受や磁気軸受に比べると粘度が高く摩擦損失が大きくなるため、発熱や回転機の効率低下が問題となることがある。また、油を供給する付帯設備による大型化や、定期メンテナンスによりランニングコスト上昇などの課題もある。さらには油を嫌う装置には採用できないこともある。気体軸受は、空気などの気体を軸受へ供給して気体の圧力で軸を支持する静圧軸受や軸と軸受の隙間の変化による圧力差を利用して軸を支持する動圧軸受などがある。気体による支持であるため摩擦損失は小さく高回転まで適用できるが、軸受の負荷能力は小さく大きなスラスト負荷が生じる大きな回転機への適用は難しい。
【0004】
磁気軸受は、電磁石に流す電流や電圧を制御し、その吸引力や反発力で軸を支持することができる。軸と軸受の間には油のような粘度の高い流体は不要であるため気体軸受同様に摩擦損失は少なく、気体軸受より大きなスラスト負荷に対応できる(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1には、スラスト磁気軸受を設けた技術について開示されている。特許文献2には、回転軸の先端に励磁軸を備え、この励磁軸を囲うようにケーシングにコイルを取り付けた構成や、励磁軸に向かい合うようケーシングに反磁性体を取り付けた構成について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-50334号公報
特開2016-17427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スラスト磁気軸受を設けた特許文献1に記載される構造では、油軸受のような大きなスラスト能力を得るには電磁石が大きくするか、制御電流を多く流す(もしくは、制御電圧を高くする)必要がある。この場合、装置の大型化や電力損失による発熱が生じるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2に示すような励磁軸を囲うようにケーシングにコイルを取り付ける構成や、励磁軸に向かい合うよう反磁性体をケーシングに取り付ける構成の場合には、コイルに電流を流すことで励磁軸と反磁性体が反発しスラスト負荷を低減させるが、軸先端に重量物である励磁軸を取り付けることは軸の固有振動数の低下に繋がり、軸を高速回転させることが困難であり、その点で改善の余地があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、磁気軸受全体の電力損失を抑え、より大きなスラスト負荷を制御することができる回転体および回転体の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る回転体は、軸方向回りに回転可能な回転軸と、前記回転軸に設けられ前記回転軸のスラスト負荷を受ける複数のスラスト部と、前記複数のスラスト部のうち1つの第1スラスト部を前記軸方向の両側から挟持して支持する一対の第1磁気軸受と、前記複数のスラスト部のうち他の第2スラスト部に設けられる第2磁気軸受と、を備え、前記第1磁気軸受は、前記スラスト負荷を低減するように能動的に前記第1スラスト部に対する吸引力を調整可能であり、前記第2磁気軸受は、前記スラスト負荷の一部を低減するように付加的に前記第2スラスト部に対する吸引力を調整可能である。
【0010】
このように構成された回転体では、一対の第1磁気軸受によって第1スラスト部に対してスラスト負荷を低減するように吸引力を調整することに加え、第2磁気軸受においてもスラスト負荷の一部を付加的に低減するように第2スラスト部に対する吸引力を調整することができるうえ、より大きな回転軸のスラスト負荷を制御することができる。すなわち、本発明では、一対の第1磁気軸受と第2磁気軸受で適宜な分担比率で分散させて回転軸に作用するスラスト負荷を受けることができる。そのため、各磁気軸受の電流値を調整して電流バランスを変えることができるので、これら磁気軸受全体の電力損失を小さく抑えることができ、エネルギー効率の高い回転体を実現できる。
(【0011】以降は省略されています)

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