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公開番号2025147613
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-07
出願番号2024047949
出願日2024-03-25
発明の名称ニッケル粉末の製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B22F 9/24 20060101AFI20250930BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】 湿式法で合成しても結晶子径が大きなニッケル粉末を製造することのできる、ニッケル粉末の製造方法を提供する。
【解決手段】 水溶性ニッケル塩、錯化剤、水、及び還元剤を含む反応液に、マイクロ波を照射して前記反応液を加熱することにより、ニッケル粒子を析出させる晶析工程を備え、前記晶析工程は、前記マイクロ波の照射により昇温速度が50℃/分以上の条件で前記反応液を150℃以上300℃以下に昇温させる昇温段階と、その後前記反応液の温度を150℃以上300℃以下に保持する温度保持段階を含み、前記晶析工程により、前記ニッケル粒子が構成するニッケル粉末の結晶子径が前記ニッケル粉末の数平均粒子径に対して25%以上となるニッケル粉末を析出させる、ニッケル粉末の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
水溶性ニッケル塩、錯化剤、水、及び還元剤を含む反応液に、マイクロ波を照射して前記反応液を加熱することにより、ニッケル粒子を析出させる晶析工程を備え、
前記晶析工程は、前記マイクロ波の照射により昇温速度が50℃/分以上の条件で前記反応液を150℃以上300℃以下に昇温させる昇温段階と、その後前記反応液の温度を150℃以上300℃以下に保持する温度保持段階を含み、
前記晶析工程により、前記ニッケル粒子が構成するニッケル粉末の結晶子径が前記ニッケル粉末の数平均粒子径に対して25%以上となるニッケル粉末を析出させる、ニッケル粉末の製造方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記水溶性ニッケル塩が塩化物、硫酸塩、及び酢酸塩から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
【請求項3】
前記錯化剤がアンモニアである、請求項1または請求項2に記載のニッケル粉末の製造方法。
【請求項4】
前記還元剤がヒドラジンである、請求項1または請求項3に記載のニッケル粉末の製造方法。
【請求項5】
前記水溶性ニッケル塩、前記錯化剤、前記水、及び前記還元剤を含む反応液を調整する混合工程を含む、請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。
【請求項6】
前記温度保持段階は、前記反応液の温度を45秒以上10分以下保持する、請求項1に記載のニッケル粉末の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックコンデンサの電極材料をはじめとする電極を形成する導電性ペーストに用いるニッケル粉末の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
ニッケル粉末は、電子回路のコンデンサの材料として、特に、積層セラミックコンデンサ(MLCC:MultiLayer Ceramic Capacitor)や多層セラミック基板などの積層セラミック部品の内部電極などを構成する厚膜導電体の材料として利用されている。
【0003】
近年、積層セラミックコンデンサの大容量化が進み、積層セラミックコンデンサの内部電極の形成に用いられる内部電極ペーストの使用量も大幅に増加している。このため、厚膜導電体を構成する内部電極ペースト用の金属粉末として、高価なパラジウムなどの貴金属の使用に代替して、主としてニッケルなどの安価な卑金属が使用されている。
【0004】
積層セラミックコンデンサを製造する工程では、例えばニッケル粉末、エチルセルロースなどのバインダ樹脂、ターピネオールなどの有機溶剤を混練した内部電極ペーストを、誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷する。内部電極ペーストが印刷および乾燥された誘電体グリーンシートは、内部電極ペースト印刷層と誘電体グリーンシートとが交互に重なるように積層され圧着されて、積層体が得られる。
【0005】
この積層体を、所定の大きさにカットし、次に、バインダ樹脂を加熱処理により除去し(脱バインダ処理)、さらに、この積層体を1300℃程度の高温で焼成することにより、セラミック成形体が得られる。
【0006】
そして、得られたセラミック成形体に外部電極が取り付けられ、積層セラミックコンデンサが得られる。内部電極となる内部電極ペースト中の金属粉末として、ニッケルなどの卑金属が使用されていることから、積層体の脱バインダ処理は、これらの卑金属が酸化しないように、不活性雰囲気などの酸素濃度がきわめて低い雰囲気下にて行われる。
【0007】
積層セラミックコンデンサの小型化および大容量化に伴い、内部電極や誘電体はともに薄層化が進められている。これに伴って、内部電極ペーストに使用されるニッケル粉末の粒径も微細化が進行し、数平均粒子径0.5μm以下のニッケル粉末が必要とされ、特に数平均粒子径0.3μm以下のニッケル粉末の使用が主流となっている。
【0008】
ニッケル粉末の製造方法には、大別すると、気相法と湿式法がある。気相法としては、例えば、特許文献1に記載されている塩化ニッケル蒸気を水素により還元してニッケル粉末を作製する方法や、特許文献2に記載されているニッケル金属をプラズマ中で蒸気化してニッケル粉末を作製する方法がある。また、湿式法としては、例えば、特許文献3に記載されている、ニッケル塩溶液に還元剤を添加してニッケル粉末を作製する方法がある。
【0009】
気相法は、1000℃程度以上の高温プロセスのため、結晶子径が大きいことから焼成時の収縮が、誘電体グリーンシートを構成するセラミック粒子の焼成時の収縮に近い温度で開始されるので好ましい。しかし、気相法で合成する粉末は、得られるニッケル粉末の粒度分布が広くなるという問題がある。上述の通り、内部電極の薄層化においては、粗大粒子を含まず、比較的粒度分布の狭い数平均粒子径0.5μm以下のニッケル粉末が必要とされる。そのため、気相法でこのようなニッケル粉末を得るためには、高価な分級装置を導入してニッケル粉末を分級する分級処理が、後工程として追加で必須となる。
【0010】
さらに、気相法では、数平均粒子径が0.2μm以下のニッケル粉末を用いる場合に、分級処理による粗大粒子の除去自体が困難になるため、今後の内部電極の一層の薄層化に対応できない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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