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公開番号
2025136709
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024035492
出願日
2024-03-08
発明の名称
金属硫化物の加圧酸化浸出方法
出願人
住友金属鉱山株式会社
代理人
弁理士法人山内特許事務所
主分類
C22B
3/08 20060101AFI20250911BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】金属硫化物の反応性を維持しつつ、高圧空気の生産に要する電力コストを低減できる金属硫化物の加圧酸化浸出方法を提供する。
【解決手段】金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに金属硫化物を含む原料スラリーを供給し、複数の反応室の一部または全部に高圧空気を供給し、金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る加圧酸化浸出工程を有する。金属硫化物の供給量に対する高圧空気の全供給量を3.6~4.1Nm
3
/kgとする。金属硫化物の酸化に寄与しない過剰分の高圧空気を削減することで、金属硫化物の反応性を維持しつつ、高圧空気の生産に要する電力コストを低減できる。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに金属硫化物を含む原料スラリーを供給し、前記複数の反応室の一部または全部に高圧空気を供給し、前記金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る加圧酸化浸出工程を備え、
前記オートクレーブへの前記高圧空気の全供給量を前記金属硫化物の供給量に対して3.6~4.1Nm
3
/kgとする
ことを特徴とする金属硫化物の加圧酸化浸出方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記複数の反応室のうち前記原料スラリーが最初に供給される第1室への前記高圧空気の供給量を前記金属硫化物の供給量に対して1.4~2.2Nm
3
/kgとする
ことを特徴とする請求項1記載の金属硫化物の加圧酸化浸出方法。
【請求項3】
前記複数の反応室のうち前記原料スラリーが最初に供給される第1室の次に配置された第2室への前記高圧空気の供給量を前記金属硫化物の供給量に対して1.4~1.7Nm
3
/kgとする
ことを特徴とする請求項1または2記載の金属硫化物の加圧酸化浸出方法。
【請求項4】
前記オートクレーブ内の気相部の圧力はゲージ圧で1~2MPaGであり、
前記オートクレーブ内のスラリーの温度は140~200℃である
ことを特徴とする請求項1記載の金属硫化物の加圧酸化浸出方法。
【請求項5】
前記金属硫化物はニッケル・コバルト混合硫化物であり、
前記原料スラリーの固形分濃度は200~300g/Lである
ことを特徴とする請求項1記載の金属硫化物の加圧酸化浸出方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属硫化物の加圧酸化浸出方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る方法が知られている。例えば、ニッケル硫化物を含む原料スラリーをオートクレーブに連続供給し、オートクレーブ内のスラリーに高圧空気を吹き込んで加圧酸化浸出する。これにより、硫酸ニッケル水溶液が得られる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-143391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
酸素による金属硫化物の酸化浸出反応は常温では反応速度が非常に遅い。そこで、反応速度を速くするためにオートクレーブを用いて高温・高圧下で酸化浸出を行う。オートクレーブ内を高圧に維持するため、オートクレーブには高圧空気が供給される。高圧空気は酸化剤として反応に寄与することから、オートクレーブには大量の高圧空気を連続的に供給する必要がある。
【0005】
高圧空気は多段式のコンプレッサーで生産される。コンプレッサーは大量の電力を消費し、その電力コストはプラントの操業コストの大きな割合を占める。オートクレーブへの高圧空気の供給量を少なくすれば電力コストを低減できる。しかし、高圧空気の供給量を少なくしすぎると酸化剤が不足し金属硫化物の反応性が悪化する。そこで、金属硫化物の反応性を維持しつつ、オートクレーブへの高圧空気の供給量を削減し、電力コストを低減することが求められている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、金属硫化物の反応性を維持しつつ、高圧空気の生産に要する電力コストを低減できる金属硫化物の加圧酸化浸出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様の金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、直列に配置された複数の反応室を有するオートクレーブに金属硫化物を含む原料スラリーを供給し、前記複数の反応室の一部または全部に高圧空気を供給し、前記金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る加圧酸化浸出工程を備え、前記オートクレーブへの前記高圧空気の全供給量を前記金属硫化物の供給量に対して3.6~4.1Nm
3
/kgとすることを特徴とする。
第2態様の金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、第1態様において、前記複数の反応室のうち前記原料スラリーが最初に供給される第1室への前記高圧空気の供給量を前記金属硫化物の供給量に対して1.4~2.2Nm
3
/kgとすることを特徴とする。
第3態様の金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、第1または第2態様において、前記複数の反応室のうち前記原料スラリーが最初に供給される第1室の次に配置された第2室への前記高圧空気の供給量を前記金属硫化物の供給量に対して1.4~1.7Nm
3
/kgとすることを特徴とする。
第4態様の金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、第1~第3態様のいずれかにおいて、前記オートクレーブ内の気相部の圧力はゲージ圧で1~2MPaGであり、前記オートクレーブ内のスラリーの温度は140~200℃であることを特徴とする。
第5態様の金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、第1~第4態様のいずれかにおいて、前記金属硫化物はニッケル・コバルト混合硫化物であり、前記原料スラリーの固形分濃度は200~300g/Lであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、金属硫化物の酸化に寄与しない過剰分の高圧空気を削減することで、金属硫化物の反応性を維持しつつ、高圧空気の生産に要する電力コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
オートクレーブの縦断面図である。
図(A)は高圧空気の全供給量および浸出液の酸化還元電位の経時変化を示すグラフである。図(B)は高圧空気の全供給量と浸出液の酸化還元電位との関係を示すグラフである。
各反応室への高圧空気の供給量と各反応室の酸素消費率との関係を示すグラフである。
各反応室への高圧空気の供給量と各反応室におけるニッケル浸出率との関係を示すグラフである。
高圧空気の全供給量および各反応室の液温の経時変化を示すグラフである。
第1室および第2室の液温とニッケル浸出速度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の一実施形態に係る金属硫化物の加圧酸化浸出方法は、金属硫化物を加圧酸化浸出して金属硫酸塩水溶液を得る方法である。金属硫化物としてニッケル硫化物、コバルト硫化物、亜鉛硫化物、カドミウム硫化物などを用いることができる。原料としてこれらの金属硫化物のうちの一つを用いてもよいし、複数を用いてもよい。例えば、ニッケル・コバルト混合硫化物を原料として用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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