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公開番号2025144517
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-02
出願番号2024217146
出願日2024-12-12
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22B 1/20 20060101AFI20250925BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】原料層の上層での熱不足を抑制し、焼結原料にバイオマス炭を配合することによる焼結鉱の成品歩留の低下を抑制することのできる焼結鉱の製造方法を提供する。
【解決手段】鉄原料とバイオマス炭とバイオマス炭以外の炭材とを配合して焼結原料を製造する原料配合工程(ステップS1)と、焼結原料を焼結機のパレット上に供給して原料層を形成する原料層形成工程(ステップS2)と、原料層の表面に点火して焼結原料を焼結する焼結工程(ステップS3)を有する焼結鉱の製造方法であって、原料配合工程(ステップS1)では、発熱量換算でバイオマス炭の配合率を変えた少なくとも2種類の焼結原料を製造し、原料層形成工程(ステップS2)では、バイオマス炭の配合率が他方の焼結原料よりも低い一方の焼結原料によって原料層の上層を形成し、他方の焼結原料によって原料層の下層を形成する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鉄原料と、バイオマス炭と、前記バイオマス炭以外の炭材とを配合すると共に造粒して焼結原料を製造する原料配合工程と、前記焼結原料を焼結機のパレット上に供給して原料層を形成する原料層形成工程と、前記原料層の表面に点火して前記焼結原料を焼結する焼結工程を有する焼結鉱の製造方法であって、
前記原料配合工程では、発熱量換算で前記バイオマス炭の配合率を変えた少なくとも2種類の焼結原料を製造し、
前記原料層形成工程では、2種類の前記焼結原料のうち、前記バイオマス炭の配合率が発熱量換算で他方の焼結原料よりも低い一方の焼結原料によって前記原料層の上層を形成し、前記他方の焼結原料によって前記原料層の厚さ方向で前記上層よりも下側の下層を形成する焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記原料層形成工程で形成した前記上層における前記バイオマス炭の発熱量と前記炭材の発熱量との合計発熱量は、前記下層における前記バイオマス炭の発熱量と前記炭材の発熱量との合計発熱量よりも大きい請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
前記原料層形成工程では、前記原料層の表面から前記原料層の厚さの3分の1よりも下側に前記下層を形成する請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記原料配合工程で前記焼結原料に配合する前記炭材は、揮発分が3%未満の化石燃料由来の炭素材料であり、前記バイオマス炭は、揮発分が3%以上である請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記原料配合工程で前記焼結原料に配合する前記炭材は、揮発分が3%未満の化石燃料由来の炭素材料であり、前記バイオマス炭は、揮発分が3%以上である請求項3に記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鉱石焼結プロセスとは、鉄鉱石とフラックス、および、固体燃料としての炭素材料を混合した焼結原料を焼結機内において、炭素材料の燃焼熱を用いて焼き固めるプロセスである。一般的に炭素材料としては粉コークスが使用されるが、粉コークスの原料炭の価格変動やコークス製造設備のトラブル等へのリスク分散として粉コークス以外の無煙炭等が使用される場合がある。鉄鉱石焼結プロセスでは、上述した焼結原料を焼結機のパレット上に供給して原料層を形成し、原料層の表面(上面)に点火して炭素材料を燃焼させてその燃焼熱によって焼結原料を焼き固めると共に、原料層の下面側から空気を吸引する。そのため、一般的に、原料層の上面から原料層内に引き込まれる空気の影響によって原料層の上層では、原料層の下層と比較して熱不足となる可能性がある。
【0003】
一方、近年の環境保全への意識の高まりを受け、環境に対する負荷を低減するために、炭素材料の多様化が進んでいる。環境負荷低減のための炭素材料の多様化においては、バイオマス由来の炭素材料(以下、バイオマス炭と記す。)が着目されている。バイオマスはその原料となる植物が成長するまでの間に炭酸ガスを吸収する。そのため、バイオマスを用いた燃料はカーボンニュートラルの考え方からバイオマスの分、炭酸ガスの排出量は無いものとしてカウントすることができる。これにより、通常、粉コークスを使用する鉄鉱石焼結プロセスにおいてもバイオマス炭の使用が検討されている。また、バイオマス炭は粉コークスと比較して揮発分(VM)の割合が大きいという特徴を有している。バイオマス炭の着火時においては、揮発分から発火する。そのため、揮発分の割合が大きいことは、バイオマス炭の燃焼性の向上に寄与し、低い温度であってもバイオマス炭の燃焼速度は高くなる。
【0004】
特許文献1には、バイオマス炭を使用した焼結鉱の製造方法が開示されている。その製造方法では、焼結機で使用する焼結原料にバイオマス由来の固体炭材としてアブラ椰子核殻炭を混合する。焼結機のパレット上に原料層を形成するときに、原料層の上層にアブラ椰子核殻炭以外の固体炭材を偏析させ、原料層の下層にアブラ椰子核殻炭を偏析させる。これはアブラ椰子核殻炭の粒度を調整することによって行う。原料層の下層にアブラ椰子核殻炭を偏析させることによって、原料層の下層での燃焼性を向上し、炭酸ガス排出量を抑制することができる、とされている。
【0005】
特許文献2には、バイオマス炭の一種であるヤシ核殻炭の製造方法が開示されている。また、特許文献2には、焼結鉱製造用の燃料としてヤシ核殻炭を使用する際に、焼結機の充填層の下層にヤシ核殻炭を偏析させることのできるヤシ核殻炭の粒度、および、ヤシ核殻炭の粒度を調整する方法が開示されている。
【0006】
特許文献3には、凝結材として粉コークスや無煙炭からなる低燃焼性炭材と、低燃焼性炭材よりも燃焼開始温度が低いバイオマス炭からなる高燃焼性炭材とを併用する焼結鉱の製造方法が開示されている。また、特許文献3には、焼結原料造粒物を製造する造粒工程の後半において、高燃焼性炭材を添付することによって、焼結原料造粒物の表層に高燃焼性炭材を付着させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第5786795号公報
特許第6167851号公報
特開2022―33594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
焼結機では、原料層の上面に着火後、原料層の下面側から空気を吸引する。そのため、原料層の下層にアブラ椰子核殻炭を偏析させると、アブラ椰子核殻炭の燃焼熱の一部は、焼結原料の焼結に使われることなく焼結機の外部に排出されてしまい焼結鉱の成品歩留が低下してしまう。また、原料層の上層では、上述したように、一般的に熱不足が生じる可能性がある。特許文献1には、原料層の上層での熱不足を抑制し、焼結原料にバイオマス炭を混合することによる焼結鉱の成品歩留の低下を抑制する適切な炭素材料の配置、および、バイオマス炭の偏析条件については何ら開示されていない。これらの点で改良の余地がある。
【0009】
特許文献2には、上述したように、ヤシ核殻炭を原料層の下層に偏析させることが開示されている。しかしながら、特許文献2には、特許文献1と同様に、ヤシ核殻炭と、通常の炭材つまり粉コークスなどとを併用した場合における適切な原料配置、ヤシ核殻炭の偏析条件は開示されていない。そのため、特許文献1と同様に、原料層の上層での熱不足を抑制し、焼結原料にバイオマス炭を混合することによる焼結鉱の成品歩留の低下を抑制する点で改良の余地がある。
【0010】
特許文献3では、バイオマス炭からなる高燃焼性炭材の揮発分の影響については検討されていない。また、低燃焼性炭材と高燃焼性炭材とを併用する場合における適切な炭素材料の配置、および、バイオマス炭の偏析条件については何ら開示されていない。そのため、特許文献1と同様に、原料層の上層での熱不足を抑制し、焼結原料にバイオマス炭を混合することによる焼結鉱の成品歩留の低下を抑制する点で改良の余地がある。
(【0011】以降は省略されています)

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