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公開番号2025143138
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-01
出願番号2024042908
出願日2024-03-18
発明の名称ポリマーアロイ、その製造方法、および成形品
出願人株式会社ENEOSマテリアル
代理人個人,個人
主分類C08L 101/12 20060101AFI20250924BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品が得られるポリマーアロイの提供。
【解決手段】本発明によるポリマーアロイは、液晶ポリマーと、非液晶ポリマーとを含む、ポリマーアロイであって、前記ポリマーアロイが、海-島-湖の3層に分離したモルフォロジーを有し、前記島の最大面積が300μm2以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
液晶ポリマーと、
非液晶ポリマーと、
を含む、ポリマーアロイであって、
前記ポリマーアロイが、海-島-湖の3層に分離したモルフォロジーを有し、
前記島の最大面積が300μm

以下である、ポリマーアロイ。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記液晶ポリマーが、末端に反応性基を有し、
前記非液晶ポリマーが、前記液晶ポリマーの末端の反応性基と反応し得る反応性基を有する、請求項1に記載のポリマーアロイ。
【請求項3】
前記液晶ポリマーと前記非液晶ポリマーの反応生成物をさらに含む、請求項2に記載のポリマーアロイ。
【請求項4】
前記島の平均面積が10μm

以下である、請求項1に記載のポリマーアロイ。
【請求項5】
前記島の最大面積が100μm

以下である、請求項1に記載のポリマーアロイ。
【請求項6】
前記モルフォロジーにおいて、海と湖が前記液晶ポリマーで構成され、島が非液晶ポリマーで構成される、請求項1に記載のポリマーアロイ。
【請求項7】
前記液晶ポリマーの末端の反応性基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、アセチル基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリマーアロイ。
【請求項8】
前記液晶ポリマーが、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を含む、請求項1に記載のポリマーアロイ。
【請求項9】
前記非液晶ポリマーの反応性基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、アセチル基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリマーアロイ。
【請求項10】
前記非液晶ポリマーが、芳香族モノマー由来の構成単位を有する、請求項1に記載のポリマーアロイ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーアロイおよびその製造方法に関し、より詳細には、誘電特性に優れたポリマーアロイおよびその製造方法に関する。また、本発明は、該ポリマーアロイを含む成形品に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、液晶ポリマーは成形性、耐熱性、および機械特性に優れているため、液晶ポリマーを使用して製造した成形品(例えば、射出成形品)は、各種電子部品に用いられている。
【0003】
近年では、液晶ポリマーと、非液晶ポリマー等の他の樹脂とを混合して、様々な物性を向上させる試みが行われている。例えば、特許文献1では、熱変形温度が160~280℃、液晶開始温度が330℃以下、溶融粘度が10,000ポイズ以下の異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル(A)99~1重量%と、ポリアリレンオキサイド(B)1~99重量%からなる耐熱性樹脂組成物が提案されている。
【0004】
しかし、液晶ポリマーに非液晶ポリマーを混合すると、液晶ポリマーと非液晶ポリマーが非相溶であるためにマクロ相分離し、大面積の脆弱な異種界面を生じてしまい、種々の物性が液晶ポリマー単体よりも低下するという問題があった。このような問題を解決するために、液晶ポリマーおよび非液晶ポリマーに、第3成分を添加した樹脂組成物が提案されている。例えば、特許文献2では、(A)ポリフェニレンエーテル系樹脂1~70重量部と、(B)液晶ポリエステル30~99重量部とからなる樹脂成分100重量部に対して、(C)イソシアネート基を含有する有機化合物0.01~10重量部を配合することにより得られる樹脂組成物が提案されている。また、特許文献3では、(A)ポリフェニレンエーテルおよび(B)液晶ポリエステルからなり、(A)成分が分散相を形成し、(B)成分が連続相を形成する樹脂組成物において、(C)金属化合物または(D)シラン化合物をさらに添加することが提案されている。さらに、特許文献4では(A)ポリフェニレンエーテルおよび(B)液晶ポリエステルを含み、(A)成分が分散相を形成し、(B)成分が連続相を形成する樹脂組成物が開示されている。(A)成分および(B)成分に、(C)スチレン系化合物と他の化合物の共重合体を添加剤として加えて混錬することで、機械的強度と耐熱性のバランスに優れ、さらに難燃性を向上させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平2-97555号公報
特開2002-38003号公報
特開2007-182480号公報
特開2009-030044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物では、液晶ポリエステルの熱変形温度、液晶開始温度、および溶融粘度が特定の条件を満足する必要があるため、ポリマーアロイの設計上の制約が生じたり、また、物性の向上(特にアイゾット衝撃強度の向上)には不十分であった。
また、特許文献2~4に記載の樹脂組成物では、液晶ポリマーおよび非液晶ポリマーに、第3成分を添加する必要があるため、ポリマーアロイの設計上の制約が生じたり、また、物性の向上(特にアイゾット衝撃強度の向上)には不十分であった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品が得られるポリマーアロイおよびその製造方法を提供することである。また、本発明の更なる目的は、曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、液晶ポリマーと非液晶ポリマーとを含み、海-島-湖の3層に分離したモルフォロジーを有するポリマーアロイにおいて、ポリマーアロイの断面の島の最大面積を調節することによって、曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品が得られることを知見した。
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 液晶ポリマーと、
非液晶ポリマーと、
を含む、ポリマーアロイであって、
前記ポリマーアロイが、海-島-湖の3層に分離したモルフォロジーを有し、
前記島の最大面積が300μm

以下である、ポリマーアロイ。
[2] 前記液晶ポリマーが、末端に反応性基を有し、
前記非液晶ポリマーが、前記液晶ポリマーの末端の反応性基と反応し得る反応性基を有する、[1]に記載のポリマーアロイ。
[3] 前記液晶ポリマーと前記非液晶ポリマーの反応生成物をさらに含む、[2]に記載のポリマーアロイ。
[4] 前記島の平均面積が10μm

以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[5] 前記島の最大面積が100μm

以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[6] 前記モルフォロジーにおいて、海と湖が前記液晶ポリマーで構成され、島が非液晶ポリマーで構成される、[1]~[5]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[7] 前記液晶ポリマーの末端の反応性基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、アセチル基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[2]に記載のポリマーアロイ。
[8] 前記液晶ポリマーが、ヒドロキシカルボン酸に由来する構成単位を含む、[1]~[7]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[9] 前記非液晶ポリマーの反応性基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミド基、アセチル基およびアミノ基からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[2]に記載のポリマーアロイ。
[10] 前記非液晶ポリマーが、芳香族モノマー由来の構成単位を有する、[1]~[9]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[11] 前記非液晶性ポリマーの繰り返し結合にエーテル基を含む、[1]~[10]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[12] 前記非液晶ポリマーが、ポリフェニレンエーテルを含む、[11]に記載のポリマーアロイ。
[13] 前記非液晶ポリマーが、ポリマー末端にヒドロキシ基を有するポリフェニレンエーテルを含む、[12]に記載のポリマーアロイ。
[14] 前記非液晶ポリマーの配合量が、前記液晶ポリマー100質量部に対して1質量部以上40質量部以下である、[1]~[13]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[15] 前記反応生成物が、前記液晶ポリマーの原料モノマーと前記非液晶ポリマーとの重合反応により得られる、[3]に記載のポリマーアロイ。
[16] 前記ポリマーアロイのアイゾット衝撃強度が、40kJ/m

である、[1]~[15]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[17] 前記ポリマーアロイの300℃以上、380℃以下における、せん断速度100s
-1
で測定した溶融粘度が、1Pa・s以上である、[1]~[16]のいずれかに記載のポリマーアロイ。
[18] [1]~[17]のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法であって、
前記液晶ポリマーの原料モノマーの重合反応系中に前記非液晶ポリマーを導入して、ポリマーアロイを得る重合工程
を含む、ポリマーアロイの製造方法。
[19] 前記重合工程で得られたポリマーアロイを混錬する工程であって、海-島-湖の3層に分離したモルフォロジーにおいて島の最大面積が300μm

以下となるまで微分散化する混錬工程
をさらに含む、[18]に記載のポリマーアロイの製造方法。
[20] 前記島の平均面積が10μm

以下である、[18]または[19]に記載のポリマーアロイの製造方法。
[21] 前記島の最大面積が100μm

以下である、[18]~[20]のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法。
[22] 前記モルフォロジーにおいて、海と湖が前記液晶ポリマーで構成され、島が非液晶ポリマーで構成される、[19]に記載のポリマーアロイの製造方法。
[23] [1]~[17]のいずれかに記載のポリマーアロイを含む、成形品。
[24] [23]に記載の成形品を備える、電気電子部品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品が得られるポリマーアロイおよびその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、曲げ弾性率、曲げ強度、および曲げ伸びを液晶ポリマー単体と同程度に維持しながら、アイゾット衝撃強度が液晶ポリマー単体よりも優れた成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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