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公開番号
2025139060
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-26
出願番号
2024037784
出願日
2024-03-12
発明の名称
樹脂ビーズ、樹脂ビーズの製造方法、及び樹脂ビーズを用いた製品
出願人
大日精化工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08J
3/14 20060101AFI20250918BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】優れた触感及び肌への伸びを有するとともに、ヘイズ値が高く、いわゆる「ぼかし効果」に優れた化粧料等の各種製品を提供可能な、石油由来の合成系素材からなる樹脂粒子と代替可能な樹脂ビーズを提供する。
【解決手段】キトサン類で形成されたコアビーズを表面処理剤で表面処理して得られる樹脂ビーズである。平均最大径が1~17μm、式(1)で定義されるアスペクト比(A)が1.5~30、式(2)で定義されるアスペクト比の標準偏差率(CV)が20%以下、式(3)で定義される両凹円盤度(B)が0~0.30、シリコーン樹脂中に樹脂ビーズを分散させて形成した全光線透過率90%以上のフィルムのヘイズ値が50~100%である。
A=D/h ・・・(1)
CV=S/D ・・・(2)
B=(h-t)/D ・・・(3)
(D:平均最大径(μm)、h:平均最大厚さ(μm)、S:標準偏差、t:平均最小厚さ(μm))
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
キトサン及びキトサン塩の少なくともいずれかのキトサン類で形成されたコアビーズを表面処理剤で表面処理して得られる樹脂ビーズであって、
平均最大径が1~17μmであり、
下記式(1)で定義されるアスペクト比が1.5~30であり、
下記式(2)で定義されるアスペクト比の標準偏差率が20%以下であり、
下記式(3)で定義される両凹円盤度が0~0.30であり、
シリコーン樹脂中に前記樹脂ビーズを分散させて形成した全光線透過率90%以上のフィルムのヘイズ値が、50~100%である樹脂ビーズ。
A=D/h ・・・(1)
A:アスペクト比
D:平均最大径(μm)
h:平均最大厚さ(μm)
CV=S/D ・・・(2)
CV:アスペクト比の標準偏差率(%)
S:標準偏差
D:平均最大径(μm)
B=(h-t)/D ・・・(3)
B:両凹円盤度
h:平均最大厚さ(μm)
t:平均最小厚さ(μm)
D:平均最大径(μm)
続きを表示(約 720 文字)
【請求項2】
前記表面処理剤が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エステル基、及びアミド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する請求項1に記載の樹脂ビーズ。
【請求項3】
前記表面処理剤が、脂肪酸である請求項1に記載の樹脂ビーズ。
【請求項4】
前記キトサン塩が、キトサン硫酸塩である請求項1に記載の樹脂ビーズ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂ビーズの製造方法であって、
キトサン、硫酸、及び極性溶媒を含有する反応液を流動させながら100℃以下に昇温させて前記キトサンを溶解させた後、前記反応液を流動させながら降温させて前記コアビーズを析出させる工程と、
前記コアビーズを前記表面処理剤で湿式法により表面処理する工程と、
を有する樹脂ビーズの製造方法。
【請求項6】
前記コアビーズ100質量部を前記表面処理剤0.1~30質量部で表面処理する請求項5に記載の樹脂ビーズの製造方法。
【請求項7】
前記キトサンの量(Y)に対する、前記硫酸の量(X)のモル比(X/Y)が、2.7以上である請求項5に記載の樹脂ビーズの製造方法。
【請求項8】
前記キトサンを溶解させた前記反応液を、昇温させた状態で8時間以下保持する請求項5に記載の樹脂ビーズの製造方法。
【請求項9】
樹脂ビーズを含有する、化粧料、外皮用薬、塗料、成形体、フィルム、コーティング剤、及び樹脂組成物のいずれかの製品であって、
前記樹脂ビーズが、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂ビーズである製品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂ビーズ、樹脂ビーズの製造方法、及び樹脂ビーズを用いた製品に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂ビーズは、その球状特性から、艶消し剤、滑り剤、及びブロッキング防止剤等の様々な分野で用いられている。さらに、メーキャップ用の化粧料の伸展性等の特性を向上させるべく、樹脂ビーズ等の種々の樹脂粉体(樹脂粒子)が用いられている。しかし、近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染等の問題などから、化粧料に配合される樹脂ビーズの構成材料が、石油由来の合成系素材から天然系素材へと移行しつつある。
【0003】
天然系素材からなる樹脂粉末や樹脂粒子としては、例えば、キトサンを機械的に低温湿式粉砕して得られる、化粧品等に配合される不定形薄片状のキトサン粉末が提案されている(特許文献1)。また、脂肪酸類を添加したセルロース系物質を機械的に粉砕処理して得られる、化粧品等に配合される扁平なセルロース粒子が提案されている(特許文献2)。
【0004】
しかし、特許文献1及び2で提案されたキトサン粉末やセルロース粒子は、化粧料に配合しても肌に対する伸びがさほど良好であるとはいえず、粉浮きしたり、ざらつきを感じたりしやすいものであった。このため、市場で要求される「しっとりとした触感」を示す材料には、必ずしも適当なものであるとはいえなかった。
【0005】
一方、化粧料に要求される触感等を改良すべく、その中央部が緩やかに凹んだ両凹円盤状の構造を有する、キトサン類を主成分とする樹脂で形成された樹脂ビーズが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-86102号公報
特許第3787598号公報
特開2023-35552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献3で提案された樹脂ビーズを用いて得られる化粧料であっても、触感及び肌への伸び等の特性についてはさらなる改良の余地があるとともに、そのヘイズ値は必ずしも高いとはいえなかった。このため、ファンデーション等の化粧料の原料として用いた場合に、シワやくすみ等を目立たなくする、いわゆる「ぼかし効果」が必ずしも十分であるとはいえなかった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、優れた触感及び肌への伸びを有するとともに、ヘイズ値が高く、いわゆる「ぼかし効果(ソフトフォーカス効果)」に優れた化粧料等の各種製品を提供可能な、石油由来の合成系素材からなる樹脂粒子と代替可能な樹脂ビーズ、及びそれを用いた化粧料等の各種製品を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、優れた触感及び肌への伸びを有するとともに、ヘイズ値が高く、いわゆる「ぼかし効果」に優れた化粧料等の各種製品を提供可能な、石油由来の合成系素材からなる樹脂粒子と代替可能な樹脂ビーズの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂ビーズが提供される。
[1]キトサン及びキトサン塩の少なくともいずれかのキトサン類で形成されたコアビーズを表面処理剤で表面処理して得られる樹脂ビーズであって、平均最大径が1~17μmであり、下記式(1)で定義されるアスペクト比が1.5~30であり、下記式(2)で定義されるアスペクト比の標準偏差率が20%以下であり、下記式(3)で定義される両凹円盤度が0~0.30であり、シリコーン樹脂中に前記樹脂ビーズを分散させて形成した全光線透過率90%以上のフィルムのヘイズ値が、50~100%である樹脂ビーズ。
A=D/h ・・・(1)
A:アスペクト比
D:平均最大径(μm)
h:平均最大厚さ(μm)
CV=S/D ・・・(2)
CV:アスペクト比の標準偏差率(%)
S:標準偏差
D:平均最大径(μm)
B=(h-t)/D ・・・(3)
B:両凹円盤度
h:平均最大厚さ(μm)
t:平均最小厚さ(μm)
D:平均最大径(μm)
[2]前記表面処理剤が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、エステル基、及びアミド基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する前記[1]に記載の樹脂ビーズ。
[3]前記表面処理剤が、脂肪酸である前記[1]に記載の樹脂ビーズ。
[4]前記キトサン塩が、キトサン硫酸塩である前記[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂ビーズ。
【0010】
また、本発明によれば、以下に示す樹脂ビーズの製造方法が提供される。
[5]前記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂ビーズの製造方法であって、キトサン、硫酸、及び極性溶媒を含有する反応液を流動させながら100℃以下に昇温させて前記キトサンを溶解させた後、前記反応液を流動させながら降温させて前記コアビーズを析出させる工程と、前記コアビーズを前記表面処理剤で湿式法により表面処理する工程と、を有する樹脂ビーズの製造方法。
[6]前記コアビーズ100質量部を前記表面処理剤0.1~30質量部で表面処理する前記[5]に記載の樹脂ビーズの製造方法。
[7]前記キトサンの量(Y)に対する、前記硫酸の量(X)のモル比(X/Y)が、2.7以上である前記[5]又は[6]に記載の樹脂ビーズの製造方法。
[8]前記キトサンを溶解させた前記反応液を、昇温させた状態で8時間以下保持する前記[5]~[7]のいずれかに記載の樹脂ビーズの製造方法。
[9]樹脂ビーズを含有する、化粧料、外皮用薬、塗料、成形体、フィルム、コーティング剤、及び樹脂組成物のいずれかの製品であって、前記樹脂ビーズが、前記[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂ビーズである製品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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