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公開番号2025135470
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-18
出願番号2024033340
出願日2024-03-05
発明の名称旅客上家の耐震補強構造
出願人東海旅客鉄道株式会社,株式会社日建設計,株式会社免制震ディバイス
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類E04H 9/02 20060101AFI20250910BHJP(建築物)
要約【課題】架構がレール材で構成された旅客上家の柱弱軸方向の耐震性の補強を効果的かつ簡易に行うことができる旅客上家の耐震補強構造を提供する。
【解決手段】本発明が適用される旅客上家1は、鉄道用のレール材Rで構成され、基礎に立設され、互いに間隔を隔てて線路RWと平行に配置された複数の柱2と、複数の柱2の隣り合う各2つの間に接合され、屋根5が載置された複数の梁3を有する。柱2は、その弱軸方向が線路RWと平行になるように配置されている。耐震補強構造は、柱2の脚部を補強するために、脚部を取り囲むように設けられた鋼製のカバー材12と、柱2の脚部とカバー材12の間に充填され、硬化した充填材13、を有する柱脚ブラケット11を備える。また、柱脚ブラケット11と柱頭ブラケット21の間に粘性ダンパVDを備える。
【選択図】図5


特許請求の範囲【請求項1】
鉄道用のレール材で構成され、基礎に立設されるとともに、互いに間隔を隔てて線路と平行に配置された複数の柱と、当該複数の柱の隣り合う各2つの間に接合され、屋根が載置された複数の梁と、を有し、線路に隣接する旅客上家の耐震性を補強するための旅客上家の耐震補強構造であって、
前記柱は、その弱軸方向が前記線路と平行になるように配置されており、
前記柱の脚部を補強するために、当該脚部を取り囲むように設けられた鋼製のカバー材と、前記柱の脚部と前記カバー材の間に充填され、硬化した充填材と、を有する柱脚ブラケットを備えることを特徴とする旅客上家の耐震補強構造。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記柱の上部に柱頭ブラケットが、及び/又は前記梁に梁ブラケットが設けられ、
前記柱脚ブラケットと前記柱頭ブラケットの間、及び/又は前記柱頭ブラケットと前記梁ブラケットの間に設けられ、粘性減衰効果により振動を抑制する粘性ダンパをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の旅客上家の耐震補強構造。
【請求項3】
前記柱頭ブラケット及び前記梁ブラケットはそれぞれ、前記柱の上部又は前記梁を取り囲むように設けられた鋼製のカバー材と、前記柱の上部又は前記梁と前記カバー材との間に充填され、硬化した充填材と、を有することを特徴とする、請求項2に記載の旅客上家の耐震補強構造。
【請求項4】
前記粘性ダンパは、前記柱脚ブラケットと前記柱頭ブラケットの間の相対変位、又は前記柱頭ブラケットと前記梁ブラケットの間の相対変位が伝達されることによって回転するボールねじと、互いに径方向に対向し、前記ボールねじによって相対的に回転駆動される内筒及び外筒と、前記内筒と前記外筒の間に充填された粘性体と、を有することを特徴とする、請求項2に記載の旅客上家の耐震補強構造。
【請求項5】
前記梁は、レール材で構成され、前記2つの柱の間に延び、接合された上弦材及び下弦材と、当該上弦材と当該下弦材の間に、前記上弦材の長さ方向に互いに間隔を隔てて配置され、前記上弦材及び前記下弦材に接合された複数の鉛直材とによって構成され、前記柱の頂部側の曲げ変形を戻すことが可能な桁梁構造を有し、
前記柱頭ブラケットは、前記柱の上下方向の中央部に配置され、
前記粘性ダンパは、前記柱脚ブラケットと前記柱頭ブラケットの間に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の旅客上家の耐震補強構造。
【請求項6】
前記梁は、前記レール材によって構成され、前記柱の頂部側の曲げ変形を戻すことが不能な構造を有し、
前記柱頭ブラケットは、前記柱の頂部に配置され、
前記粘性ダンパは、前記柱脚ブラケットと前記柱頭ブラケットの間に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の旅客上家の耐震補強構造。
【請求項7】
前記旅客上家が高架橋の上に設置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の旅客上家の耐震補強構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、特に鉄道建築物における旅客上家の耐震性を補強するための旅客上家の耐震補強構造に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
2011年に発生した東日本大震災では、鉄道建築物の旅客上家が被害を受けており、旅客上家の架構の柱が破断した事例が確認されている。このような鉄道建築物の旅客上家として、「古レール」と呼ばれる、かつて線路に敷設されていたレール材(古レール材)によって架構が構成された旅客上家(以下、「古レール造上家」という)が知られており、日本全国に存在している。古レール造上家の多くは、昭和30~40年代に設計・建築されたものであり、東日本大震災後に定められた耐震基準を満たしていないため、耐震補強が必要になっている。
【0003】
旅客上家を補強する従来の耐震補強構造として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この旅客上家の架構は、H形鋼で構成され、複数の柱と、複数の柱に接合された複数の梁を有しており、柱は、その弱軸方向が線路と平行になるように配置されている。この耐震補強構造では、柱と弱軸方向に延びる梁とによって構成される構面内において、柱と梁の間に、接続部材を介して粘性ダンパが設けられている。この接続部材は、柱のウェブ又はフランジに接合され、ボルトで緊結されている。この構成により、旅客上家に柱弱軸方向の振動が入力されると、粘性ダンパの粘性減衰効果によって、柱弱軸方向の振動が抑制される。また、柱の脚部には、例えば鋼製のカバープレートが溶接などで取り付けられており、カバープレートは、その主面が柱弱軸方向に直交するように配置されている。この構成により、柱脚部の弱軸方向の曲げ剛性が増加するとともに、反曲点位置が柱のより上側に移動し、見掛けの曲げ耐力が増加することによって、耐震性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-016605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の耐震補強構造は、H形鋼で構成された旅客上家を対象としており、以下の理由から、古レール材で構成された古レール造上家に良好に適用できないおそれがある。例えば、古レール材は、靱性及び強度に優れるものの、炭素含有量が高いため、熱処理や溶接加工を施すと脆性破壊しやすくなるという特性を有する。このため、従来の耐震補強構造のカバープレートを、古レール造上家の柱脚に溶接を用いて取り付けることは、回避することが好ましい。
【0006】
また、古レール材は、H形鋼と異なり、不規則な断面形状(偏断面形状)を有するため、粘性ダンパを設けるための接続部材を、柱や梁にボルトなどで取り付けることは容易でない。さらに、古レール造上家は、地震時に柱の曲げ変形が卓越する特性を有するため、従来の耐震補強構造のように、水平方向の相対変位が生じる柱・梁間に粘性ダンパを配置しても、粘性ダンパの大きな変位が得られず、その粘性減衰効果を良好に発揮できないという問題もある。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、架構がレール材で構成された旅客上家の柱弱軸方向の耐震性の補強を、効果的かつ簡易に行うことができる旅客上家の耐震補強構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、鉄道用のレール材で構成され、基礎に立設されるとともに、互いに間隔を隔てて線路と平行に配置された複数の柱と、複数の柱の隣り合う各2つの間に接合され、屋根が載置された複数の梁と、を有し、線路に隣接する旅客上家の耐震性を補強するための旅客上家の耐震補強構造であって、柱は、その弱軸方向が前記線路と平行になるように配置されており、柱の脚部を補強するために、脚部を取り囲むように設けられた鋼製のカバー材と、柱の脚部とカバー材の間に充填され、硬化した充填材と、を有する柱脚ブラケットを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明が適用される旅客上家は、鉄道用のレール材で構成された複数の柱及び複数の梁(架構)を有し、線路に隣接して設けられている。複数の柱は、基礎に立設され、互いに間隔を隔てて線路と平行に配置され、複数の梁は、複数の柱の隣り合う各2つの間に接合され、屋根が載置されている。各柱は、その弱軸方向が線路と平行になるように配置されている。本発明の耐震補強構造によれば、柱の脚部に、その補強のための柱脚ブラケットが設けられており、柱脚ブラケットは、脚部を取り囲むように設けられた鋼製のカバー材と、柱脚部とカバー材の間に充填され、硬化した充填材を有する。
【0010】
以上のように、柱脚ブラケットが、柱脚部を取り囲む鋼製のカバー材と、柱脚部とカバー材の間に充填された充填材によって構成されるので、柱脚ブラケットを偏断面形状を有するレール材から成る柱に、脆性破壊を生じやすくする溶接を用いることなく、容易に取り付けることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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