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公開番号2025133727
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2025031830
出願日2025-02-28
発明の名称脱臭材及び脱臭材の製造方法
出願人ユニチカ株式会社
代理人
主分類A61L 9/014 20060101AFI20250904BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】酸臭の除去性能に優れながら、酸臭の除去性能を高める材料を併用することによる低級アルデヒド類の臭気の除去性能の低下を抑制できる、脱臭材を提供する。
【解決手段】アルデヒド除去剤が担持された活性炭(A)とアルデヒド除去剤が担持されていない活性炭(B)とを含む脱臭材であって、活性炭(B)が、全細孔容積(cc/g)に対する細孔径1.0nm以下の細孔容積(cc/g)の割合が0.95以上である、脱臭材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
活性炭（Ａ）と、活性炭（Ｂ）と、アルデヒド除去剤と、を含有する脱臭材であって、
前記活性炭（Ａ）には前記アルデヒド除去剤が担持されており、
前記活性炭（Ｂ）には前記アルデヒド除去剤が担持されておらず、
前記活性炭（Ｂ）が、窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される全細孔容積ＶＢ
Ｔ
（ｃｃ／ｇ）に対する、窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される細孔容積のうち細孔径１．０ｎｍ以下の範囲の細孔容積ＶＢａ（ｃｃ／ｇ）の割合（ＶＢａ／ＶＢ
Ｔ
）が０．９５以上である、脱臭材。
続きを表示（約 650 文字）【請求項２】
前記活性炭（Ａ）の窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される全細孔容積ＶＡ
Ｔ
（ｃｃ／ｇ）と、前記活性炭（Ｂ）の窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される全細孔容積ＶＢ
Ｔ
（ｃｃ／ｇ）との比率（ＶＡ
Ｔ
／ＶＢ
Ｔ
）が２．０以上である、請求項１に記載の脱臭材。
【請求項３】
前記アルデヒド除去材を担持後の前記活性炭（Ａ）の質量と、前記活性炭（Ｂ）の質量との比（アルデヒド除去剤を担持後の活性炭（Ａ）の質量：活性炭（Ｂ）の質量）が７０：３０～９０：１０である、請求項２に記載の脱臭材。
【請求項４】
シート状成形体である、請求項１～３いずれか１項に記載の脱臭材。
【請求項５】
以下の工程（１）～（３）を含む、脱臭材の製造方法。
（１）アルデヒド除去剤が担持された活性炭（Ａ）を準備する工程
（２）窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される全細孔容積ＶＢ
Ｔ
（ｃｃ／ｇ）に対する、窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される細孔容積のうち細孔径１．０ｎｍ以下の範囲の細孔容積ＶＢａ（ｃｃ／ｇ）の割合（ＶＢａ／ＶＢ
Ｔ
）が０．９５以上であり、かつ、アルデヒド除去剤が担持されていない、活性炭（Ｂ）を準備する工程
（３）前記活性炭（Ａ）及び前記活性炭（Ｂ）を混合する工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、脱臭材及び脱臭材の製造方法に関する。
続きを表示（約 2,000 文字）【背景技術】
【０００２】
近年、空気浄化に関する関心が高まっており、室内等において、より悪臭の少ない環境が求められている。また、シックハウス症候群の問題を発端として、住環境における揮発性有機化合物（ＶＯＣ）への対策も求められている。
【０００３】
例えば、自動車などの車室内においては、シートパッド、インストルメント・パネル、ドアトリムなどの内装樹脂部品、塗料、接着剤などからの揮発性有機化合物の悪臭、さらに、排気ガス、燃料臭、タバコ、人体、食品の腐敗物などの多くの悪臭が発生し得る。また、車室内は、住宅に比して空間が狭いため、密閉すると特に悪臭が充満しやすいという問題を有する。
【０００４】
このような住環境における悪臭を除去する脱臭材が知られている。例えば、特許文献１は、活性炭と、前記活性炭に担持された、（Ａ）芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩、又は、（Ｂ）芳香族アミン、該芳香族アミンの硫酸塩、及び硫酸とを含む、脱臭材であって、前記活性炭は、０．６５ｎｍ以上２．０ｎｍ以下の細孔径の細孔容積が０．６ｃｃ／ｇ以上である、脱臭材を開示している。該脱臭材は、アセトアルデヒドなど低級アルデヒド類による臭気の除去性能に優れるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
特開２０１９－１９８６１９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、本発明者等が検討したところ、特許文献１に開示されている脱臭材は、酢酸などの酸臭の除去性能について、さらに向上させる余地があることを知得した。また、特許文献１に開示されている脱臭材に、酢酸などの酸臭の除去性能を高める材料を併用すると、特許文献１に開示されている脱臭材が元々備える低級アルデヒド類による臭気の除去性能が低下する場合があることを知得した。
【０００７】
そこで、本発明は、酢酸などの酸臭の除去性能に優れながら、酢酸などの酸臭の除去性能を高める材料を併用することに起因する、脱臭材の単位質量あたりの低級アルデヒド類による臭気の除去性能の低下、を抑制することができる、脱臭材を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決すべく、本発明者が検討したところ、当初、酸臭の除去性能を優れたものとするには、炭酸カリウム等の無機塩基を担持した活性炭を使用することが有効ではないか、と考えた。そして、低級アルデヒド類による臭気を除去するには、特許文献１に記載のように、芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩等の、アルデヒド除去剤を担持した活性炭を使用することが考えられた。しかしながら、本発明者は、無機塩基を担持した活性炭と、芳香族アミン及び該芳香族アミンの硫酸塩等のアルデヒド除去剤を担持した活性炭と、を併用すると、担持された両者物質が中和反応を引き起こし、酸臭の除去性能及び低級アルデヒド類による臭気の除去性能の両立が困難であることを知得した。
【０００９】
そこで、本発明者は、上記中和反応が起こらないよう無機塩基等が担持されていない活性炭により酸臭の除去性能を付与させることを考えた。しかしながら、本発明者は、無機塩基等が担持されていない活性炭と、アルデヒド除去剤を担持した活性炭とを単に併用するのみでは、アルデヒド除去剤を担持した活性炭のみからなる特許文献１の脱臭材と比較して、脱臭材の単位質量あたりの低級アルデヒド類による臭気の除去性能が低下することを知得した。
【００１０】
そこで、本発明者がさらに検討を重ねたところ、活性炭（Ａ）と、活性炭（Ｂ）と、アルデヒド除去剤と、を含有する脱臭材であって、前記活性炭（Ａ）には前記アルデヒド除去剤が担持されており、前記活性炭（Ｂ）には前記アルデヒド除去剤が担持されておらず、前記活性炭（Ｂ）が、窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される全細孔容積ＶＢ
Ｔ
（ｃｃ／ｇ）に対する、窒素脱着等温線からＱＳＤＦＴ法によって算出される細孔容積のうち細孔径１．０ｎｍ以下の範囲の細孔容積ＶＢａ（ｃｃ／ｇ）の割合（ＶＢａ／ＶＢ
Ｔ
）が０．９５以上である、脱臭材とすることにより、酢酸などの酸臭の除去性能を有しながら、酢酸などの酸臭の除去性能を高める材料を併用することに起因する、脱臭材の単位質量あたりの低級アルデヒド類による臭気の除去性能の低下、を抑制することができることを突き止めた。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
（【００１１】以降は省略されています）

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