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公開番号2025132383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-10
出願番号2024029901
出願日2024-02-29
発明の名称コークス炉の煉瓦組積構造
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C10B 29/02 20060101AFI20250903BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】煉瓦の亀裂や欠けが生じることによって燃焼室と炭化室とが連通するのを抑制し、これにより、炭化室で乾留中の石炭から発生するガスが燃焼室に流入するのを防止して不完全燃焼が生じるのを抑制する。
【解決手段】炭化室と燃焼室とを仕切るロイファー壁を構成するロイファー壁煉瓦、燃焼室と燃焼室とを仕切るビンダー壁を構成するビンター壁煉瓦、及び燃焼室の炉長方向端部の窯口に配されるフロント煉瓦から構成され、これらを複数段積み重ねたコークス炉の煉瓦組積構造であって、ロイファー壁煉瓦及びビンダー壁煉瓦は、所定の第1の煉瓦からなる構成を有し、フロント煉瓦は、所定の第2の煉瓦からなる構成を有するか、又は第1の煉瓦と第2の煉瓦とからなる構成を有し、所定の段における第2の煉瓦とこれに隣接する第1の煉瓦との間の垂直目地と、他の段における垂直目地とのずれ幅が、段の高さの16.9%以上21.5%以下であるコークス炉の煉瓦組積構造を用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭化室と燃焼室とを仕切るロイファー壁を構成するロイファー壁煉瓦、燃焼室と燃焼室とを仕切るビンダー壁を構成するビンター壁煉瓦、及び燃焼室の炉長方向端部の窯口に配されるフロント煉瓦から構成され、これらを複数段積み重ねたコークス炉の煉瓦組積構造であって、
前記ロイファー壁煉瓦及び前記ビンダー壁煉瓦は、第1の煉瓦からなる構成を有し、
前記フロント煉瓦は、第2の煉瓦からなる構成を有するか、又は第1の煉瓦と第2の煉瓦とからなる構成を有し、
前記第1の煉瓦は、当該煉瓦の周辺の温度が400℃から600℃に上昇するときの、温度が200℃上昇する際の当該煉瓦の線膨張係数の変化量が、0.09%以上0.15%以下であり、600℃から800℃に上昇するときの、温度が200℃上昇する最の当該煉瓦の線膨張係数の変化量が0.05%以上0.11%以下であり、かつ、800℃から1200℃に上昇するときの、温度が200℃上昇する際の当該煉瓦の線膨張係数の変化量が、0.05%以下である煉瓦であり、
前記第2の煉瓦は、当該煉瓦の周辺の温度が400℃から1200℃に上昇するときの、温度が200℃上昇する際の当該煉瓦の線膨張係数の変化量が、0.10%以上0.15%以下である煉瓦であり、
所定の段における前記第2の煉瓦とこれに隣接する前記第1の煉瓦との間の垂直目地と、他の段における前記垂直目地とのずれ幅が、前記段の高さの16.9%以上21.5%以下であるコークス炉の煉瓦組積構造。
続きを表示(約 85 文字)【請求項2】
前記第1の煉瓦は、珪石煉瓦からなり、前記第2の煉瓦は、シャモット質又は高アルミナ質の煉瓦からなる請求項1に記載のコークス炉の煉瓦組積構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、コークス炉の煉瓦組積構造に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
コークス炉は、原料の石炭を装入する炭化室と、燃料ガスを空気で燃焼させる燃焼室とが交互に炉幅方向に複数配列した炉団と称される構造を有する。そして、炭化室と燃焼室間の炉壁を介して間接的に、燃焼室からの燃焼熱を炭化室に供給する、すなわち伝熱の形で熱を供給することにより、炭化室内に装入された石炭を加熱・乾留してコークスを製造する。
この炭化室と燃焼室とは、主にロイファー壁によって仕切られる。また、燃焼室は炉長方向に複数の部屋に分けられており、この部屋(燃焼室)と隣の部屋(燃焼室)とは、主にビンター壁によって仕切られる。このロイファー壁は、ロイファー壁煉瓦から構成され、また、ビンター壁は、ビンター壁煉瓦から構成されており、このロイファー壁煉瓦やビンター壁煉瓦には、珪石煉瓦が用いられる場合が多い。
また、炭化室両端部には炉蓋が配されこの両端を窯口部と称する。前記窯口部の壁部は、フロント煉瓦から構成され、このフロント煉瓦は、主にシャモット質や高アルミナ質の煉瓦が用いられる場合が多い。また、珪石煉瓦が用いられるタイプもある。
そして、コークス炉は、これらの煉瓦が複数段積み重ねられた煉瓦組積構造を有する。
【0003】
コークス炉は、前記炉団の燃焼室での燃焼により加熱されるが、前記窯口部では、炉蓋を外す際に冷却が生じる。このため、前記窯口部では、炉蓋の脱着により、フロント煉瓦及びその付近の加熱・冷却が繰り返されることとなる。このとき、フロント煉瓦及びその付近の煉瓦は複数種の煉瓦が用いられているため、それらの煉瓦における温度変化による線膨張率の変化の差から、膨張・収縮による亀裂や欠け等が生じやすい。特に、この垂直目地は、複数段にわたって連続していると、加熱・冷却による膨張・収縮や隣接する煉瓦との衝突等により、この連続した垂直目地の部分で亀裂や欠け等が集中的に生じ易く、燃焼室と炭化室とが連通して穴が生じる恐れがある。
【0004】
前記煉瓦組積構造を構成する珪石煉瓦は、800℃を超える高温状態(特に900℃~1200℃)においては、温度の上昇や低下に伴う線膨張率の変化はほとんど0に近く、安定しているが、800℃を下回ると温度の低下に伴う線膨張率が発生していく。一方、前記窯口部を構成するシャモット質や高アルミナ質の煉瓦は、どの温度域であっても、温度の上昇や低下に伴い線膨張率が発生していく。
このため、窯口部のフロント煉瓦を構成するシャモット質や高アルミナ質の煉瓦と、炉内を構成する珪石煉瓦との境界における垂直方向の目地(垂直目地)に、両煉瓦の温度変化による線膨張率の変化の差に伴い、乖離方向の力や衝突方向の力が生じることとなり、その結果、亀裂や欠けが生じたり、場合によっては、穴が生じたりするおそれがある。
【0005】
燃焼室と炭化室とが連通して穴が生じると、炭化室で乾留中の石炭から発生するガスが燃焼室に流入し、燃焼室での良好な燃焼を阻害して、不完全燃焼が生じることとなる。
これに対し、燃焼室に供給するエアー量やガス量を調整して完全燃焼させることが考えられるが、穴が生じていない燃焼室に供給されるエアー量やガス量も同時に調整されるため、こちらの燃焼が不完全燃焼となってしまうおそれがある。不完全燃焼が生じると、煙突から黒煙が発生するおそれがあり、環境的にも好ましくない。
このため、亀裂等が生じた箇所にセミドライスプレー補修やテルミット反応のセラミック溶射補修を行うことにより亀裂等を補修し、燃焼室と炭化室との連通を防ぐ対処が行われている。
【0006】
また、特許文献1に示すような特殊形状の煉瓦を用いることにより、燃焼室、炭化室の気密性を保持することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-154188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、コークス炉に用いられる一般的な煉瓦だけでなく、特殊形状の煉瓦を用いるため、その準備が必要となり、効率性に劣る傾向がある。また、スプレー補修や溶射補修による補修は、煉瓦の亀裂等の発生を抑制するものではなく、根本的な解決とはいい難い。
【0009】
この発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、煉瓦の亀裂や欠けが生じることによって燃焼室と炭化室とが連通するのを抑制し、これにより、炭化室で乾留中の石炭から発生するガスが燃焼室に流入するのを防止して不完全燃焼が生じるのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の第2の煉瓦と第1の煉瓦の間の垂直目地の各段におけるずれ幅を、所定の範囲内とすることにより、煉瓦の亀裂や欠け等が生じにくくなるのを見出し、この発明に至った。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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