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公開番号
2025123942
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-25
出願番号
2024019746
出願日
2024-02-13
発明の名称
微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置
出願人
三菱ケミカル株式会社
,
学校法人 中央大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
1/12 20060101AFI20250818BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】微細藻類の増殖に必要な全無機炭酸濃度を維持でき、微細藻類の培養液のpHの変動を低減できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置の提供。
【解決手段】一実施形態例において、微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給すること、前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させること、前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定すること、および、前記培養液のpHが7以上のとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を前記培養液のpHに基づいて制御すること、を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定工程と、
前記培養液のpHが7以上のとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を前記培養液のpHに基づいて制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記制御工程では、前記培養液のpHが予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させるように制御する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記制御工程では、前記培養液のpHが予め設定した設定値より低いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を減少させるように制御する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の遊離CO
2
濃度を測定する遊離CO
2
測定工程と、
前記培養液のpHが3以上7未満のとき、前記遊離CO
2
測定工程で取得した遊離CO
2
濃度の測定値を下式1に代入することで計算した全無機炭酸濃度の計算値に基づいて、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
DIC=[CO
2
]×{1+K
1
/10
-a
+K
1
K
2
/(10
-a
)
2
} ・・・式1
式1中、
DICは、前記培養液の全無機炭酸濃度であり、
[CO
2
]は、前記培養液中の遊離CO
2
濃度であり、
aは、前記培養液のpH値であり、
K
1
は、下式2で示す化学反応の酸解離定数であり、
K
2
は、下式3で示す化学反応の酸解離定数である。
CO
2
+H
2
O⇔H
+
+HCO
3
-
・・・式2
HCO
3
-
⇔H
+
+CO
3
2-
・・・式3
【請求項5】
前記制御工程では、前記全無機炭酸濃度が予め設定した設定値より低いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させるように制御する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項6】
前記制御工程では、前記全無機炭酸濃度が予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を減少させるように制御する、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ガス供給工程では、前記二酸化炭素を含むガスが透過する膜を有する膜モジュールを用いる、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記微細藻類が、クロレラ属に属する微細藻類である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
微細藻類を含む培養液が貯留されるバッファータンクと、
前記微細藻類を培養するための培養部と、
前記バッファータンクの前記培養液を前記培養部に供給する供給管と、
前記培養部で培養された前記培養液を前記培養部から前記バッファータンクに排出する排出管と、
前記培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給部と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させるための循環ポンプと、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定計と、
前記培養液のpHが7以上のとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を前記培養液のpHに基づいて制御する制御部と、
を有する、微細藻類の製造装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記培養液のpHが予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させる、請求項9に記載の製造装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)
【背景技術】
【0002】
微細藻類は他の植物に比べて増殖速度が速いこと、また、その細胞全体を利用できることから、近年、CO
2
の固定や有用物質の生産等の分野で注目されている。特に、光エネルギーにより二酸化炭素を固定化することでバイオ燃料に変換できる微細藻類への期待が高まっている。
【0003】
微細藻類の光合成および増殖には二酸化炭素ガスおよびその塩が利用される。そのため、微細藻類の増殖に伴い、二酸化炭素ガス等が消費される。よって、微細藻類の培養液中には、微細藻類の光合成に伴い減少する二酸化炭素ガスを適切に補給することが重要である。例えば、特許文献1では、微細藻類の培養液中への二酸化炭素の溶解率を高めることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2023-68902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1に示すように微細藻類の培養液のpHが7以上のとき、培養液中の二酸化炭素はHCO
3
-
、CO
3
2-
のようなイオンとして存在する。しかし、特許文献1の手法では、培養液中に溶解した遊離CO
2
濃度のみを測定する遊離CO
2
測定計の測定結果に基づいて二酸化炭素ガスの供給量を制御している。そのため、培養液中に存在するHCO
3
-
、CO
3
2-
を含めた全無機炭酸濃度をリアルタイムで監視できない。結果、微細藻類の増殖に必要な全無機炭酸濃度を維持できない。
【0006】
加えて、特許文献1の手法では、微細藻類の増殖に伴う培養液中の遊離CO
2
やHCO
3
-
、CO
3
2-
の消費量と二酸化炭素ガスの供給量のバランスをとることができない。そのため、微細藻類の培養液のpHが変動してしまうことがある。培養液のpH変動は微細藻類の増殖に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
本発明は、微細藻類の増殖に必要な全無機炭酸濃度を維持でき、微細藻類の培養液のpHの変動を低減できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、下記の態様を有する。
[1]微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定工程と、
前記培養液のpHが7以上のとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を前記培養液のpHに基づいて制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
[2]前記制御工程では、前記培養液のpHが予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させるように制御する、[1]に記載の製造方法。
[3]前記制御工程では、前記培養液のpHが予め設定した設定値より低いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を減少させるように制御する、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]微細藻類を含む培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給工程と、
前記培養液が貯留されるバッファータンクと前記微細藻類を培養するための培養部の間で、前記培養液を循環ポンプで循環させる循環工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定工程と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の遊離CO
2
濃度を測定する遊離CO
2
測定工程と、
前記培養液のpHが3以上7未満のとき、前記遊離CO
2
測定工程で取得した遊離CO
2
濃度の測定値を下式1に代入することで計算した全無機炭酸濃度の計算値に基づいて、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を制御する制御工程と、
を有する、微細藻類の製造方法。
DIC=[CO
2
]×{1+K
1
/10
-a
+K
1
K
2
/(10
-a
)
2
} ・・・式1
式1中、
DICは、前記培養液の全無機炭酸濃度であり、
[CO
2
]は、前記培養液中の遊離CO
2
濃度であり、
aは、前記培養液のpH値であり、
K
1
は、下式2で示す化学反応の酸解離定数であり、
K
2
は、下式3で示す化学反応の酸解離定数である。
CO
2
+H
2
O⇔H
+
+HCO
3
-
・・・式2
HCO
3
-
⇔H
+
+CO
3
2-
・・・式3
[5]前記制御工程では、前記全無機炭酸濃度が予め設定した設定値より低いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させるように制御する、[4]に記載の製造方法。
[6]前記制御工程では、前記全無機炭酸濃度が予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を減少させるように制御する、[4]または[5]に記載の製造方法。
[7]前記ガス供給工程では、前記二酸化炭素を含むガスが透過する膜を有する膜モジュールを用いる、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記微細藻類が、クロレラ属に属する微細藻類である、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
【0009】
[9]微細藻類を含む培養液が貯留されるバッファータンクと、
前記微細藻類を培養するための培養部と、
前記バッファータンクの前記培養液を前記培養部に供給する供給管と、
前記培養部で培養された前記培養液を前記培養部から前記バッファータンクに排出する排出管と、
前記培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給部と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させるための循環ポンプと、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定計と、
前記培養液のpHが7以上のとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を前記培養液のpHに基づいて制御する制御部と、
を有する、微細藻類の製造装置。
[10]前記制御部は、前記培養液のpHが予め設定した設定値より高いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を増加させる、[9]に記載の製造装置。
[11]前記制御部は、前記培養液のpHが予め設定した設定値より低いとき、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を減少させる、[9]または[10]に記載の製造装置。
[12]微細藻類を含む培養液が貯留されるバッファータンクと、
前記微細藻類を培養するための培養部と、
前記バッファータンクの前記培養液を前記培養部に供給する供給管と、
前記培養部で培養された前記培養液を前記培養部から前記バッファータンクに排出する排出管と、
前記培養液に二酸化炭素を含むガスを供給するガス供給部と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させるための循環ポンプと、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液のpHを測定するpH測定計と、
前記バッファータンクと前記培養部の間で前記培養液を循環させながら、前記培養液の遊離CO
2
濃度を測定する遊離CO
2
測定計と、
前記培養液のpHが3以上7未満のとき、前記遊離CO
2
測定計で取得した遊離CO
2
濃度の測定値を下式1に代入することで計算した全無機炭酸濃度の計算値に基づいて、前記二酸化炭素を含むガスの供給量を制御する制御部と、
を有する、微細藻類の製造装置。
DIC=[CO
2
]×{1+K
1
/10
-a
+K
1
K
2
/(10
-a
)
2
} ・・・式1
式1中、
DICは、前記培養液の全無機炭酸濃度であり、
[CO
2
]は、前記培養液中の遊離CO
2
濃度であり、
aは、前記培養液のpH値であり、
K
1
は、下式2で示す化学反応の酸解離定数であり、
K
2
は、下式3で示す化学反応の酸解離定数である。
CO
2
+H
2
O⇔H
+
+HCO
3
-
・・・式2
HCO
3
-
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、微細藻類の増殖に必要な全無機炭酸濃度を維持でき、微細藻類の培養液のpHの変動を低減できる、微細藻類の製造方法、微細藻類の製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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