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公開番号2025129796
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-05
出願番号2024026686
出願日2024-02-26
発明の名称構造体、量子ビット、量子演算装置、構造体の製造方法及び量子ビットの製造方法
出願人富士通株式会社
代理人個人,個人
主分類C30B 29/46 20060101AFI20250829BHJP(結晶成長)
要約【課題】ヒンジヘリカルチャネルを安定して発現させることができる構造体、量子ビット、量子演算装置、構造体の製造方法及び量子ビットの製造方法を提供する。
【解決手段】構造体の製造方法は、面方位が(0001)面である主面に、[-12-10]方向を長手方向とするエッジを備えた凸部が形成された六方晶の基板を準備する工程と、前記基板の上に第1ファンデルワールス層状物質を含むs波超伝導体層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、前記s波超伝導体層の上に第2ファンデルワールス層状物質を含む遷移金属ダイカルコゲナイド層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、を有する。構造体は、例えば量子コンピューティングに使用できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
面方位が(0001)面である主面に、[-12-10]方向を長手方向とするエッジを備えた凸部が形成された六方晶の基板を準備する工程と、
前記基板の上に第1ファンデルワールス層状物質を含むs波超伝導体層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記s波超伝導体層の上に第2ファンデルワールス層状物質を含む遷移金属ダイカルコゲナイド層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
を有することを特徴とする構造体の製造方法。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層は、前記s波超伝導体層の上に積層された複数の遷移金属ダイカルコゲナイドを含む高次トポロジカル絶縁体層であることを特徴とする請求項1に記載の構造体の製造方法。
【請求項3】
前記第2ファンデルワールス層状物質は、WTe

を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
【請求項4】
前記第1ファンデルワールス層状物質は、NbSe

、NbS

、TaSe

又はTaS

を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の製造方法。
【請求項5】
面方位が(0001)面である主面に、[-12-10]方向を長手方向とする第1エッジを備えた第1凸部が形成された六方晶の基板を準備する工程と、
前記基板の上に第1ファンデルワールス層状物質を含むs波超伝導体層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記s波超伝導体層の上に第2ファンデルワールス層状物質を含む遷移金属ダイカルコゲナイド層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層の上に前記第1エッジの第1部分を覆う第1強磁性体層を形成する工程と、
を有することを特徴とする量子ビットの製造方法。
【請求項6】
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層は、前記s波超伝導体層の上に積層された複数の遷移金属ダイカルコゲナイドを含む高次トポロジカル絶縁体層であることを特徴とする請求項5に記載の量子ビットの製造方法。
【請求項7】
前記第2ファンデルワールス層状物質は、WTe

を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の量子ビットの製造方法。
【請求項8】
前記第1ファンデルワールス層状物質は、NbSe

、NbS

、TaSe

又はTaS

を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の量子ビットの製造方法。
【請求項9】
前記基板に、[-12-10]方向を長手方向とする第2エッジを備えた第2凸部が前記第1凸部から離れて形成されており、
前記第1強磁性体層は、前記第2エッジの第2部分を更に覆うように形成され、
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層の上に、前記第1エッジの前記第1部分から離れた第3部分を覆う第2強磁性体層を形成する工程と、
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層の上に、前記第1エッジの前記第1部分及び前記第3部分から離れた第4部分と、前記第2エッジの前記第2部分から離れた第5部分とを覆う第3強磁性体層を形成する工程と、
を有し、
前記第2強磁性体層は、前記第1エッジに沿う方向において、前記第1強磁性体層と前記第3強磁性体層との間にある請求項5又は6に記載の量子ビットの製造方法。
【請求項10】
面方位が(0001)面である第1主面に、[-12-10]方向を長手方向とする第1エッジを備えた第1凸部が形成された六方晶の基板と、
前記基板上に設けられ、面方位が(001)面である第2主面に、[010]方向を長手方向とする第3エッジを有する第1ファンデルワールス層状物質を含むs波超伝導体層と、
前記s波超伝導体層の上に設けられ、面方位が(001)面である第3主面に、[010]方向を長手方向とする第4エッジを有する第2ファンデルワールス層状物質を含む遷移金属ダイカルコゲナイド層と、
前記遷移金属ダイカルコゲナイド層の上に設けられ、前記第1エッジの第1部分を覆う第1強磁性体層と、
を有することを特徴とする量子ビット。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、構造体、量子ビット、量子演算装置、構造体の製造方法及び量子ビットの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
マヨラナ粒子を用いた量子演算装置についての研究が行われている。マヨラナ粒子を発生させる構造として、二次元トポロジカル絶縁体とs波超伝導体とを組み合わせた構造が提案されている。二次元トポロジカル絶縁体としては、遷移金属ダイカルコゲナイドの層状物質であるWTe

の単層膜が用いられている。また、WTe

の多層膜からなる高次トポロジカル絶縁体層についての研究も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平9-74232号公報
国際公開第2022/137421号
米国特許出願公開第2021/0388488号明細書
米国特許出願公開第2020/0098990号明細書
【非特許文献】
【0004】
N. Read and D. Green, Phys. Rev. B 61, 10267 (2000)
V. Mourik et al., Science 336, 25 (2012)
J. Alicea, Rep. Prog. Phys. 75, 076501 (2012)
S. Wu et al., Science 359, 76 (2018)
Y.-B. Choi et al., Nat. Mater 19, 974 (2020)
L. A. Walsh et al., 2D Mater. 4, 025044 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまで理論に基づく提案はされているものの、マヨラナ粒子を発生させるためのヒンジヘリカルチャネルを安定して発現させることが望まれている。
【0006】
本開示の目的は、ヒンジヘリカルチャネルを安定して発現させることができる構造体、量子ビット、量子演算装置、構造体の製造方法及び量子ビットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一形態によれば、面方位が(0001)面である主面に、[-12-10]方向を長手方向とするエッジを備えた凸部が形成された六方晶の基板を準備する工程と、前記基板の上に第1ファンデルワールス層状物質を含むs波超伝導体層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、前記s波超伝導体層の上に第2ファンデルワールス層状物質を含む遷移金属ダイカルコゲナイド層をエピタキシャル成長によって形成する工程と、を有する構造体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ヒンジヘリカルチャネルを安定して発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、第1実施形態に係る構造体を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態に係る構造体を示す断面図である。
図3は、第1実施形態に含まれる基板を示す斜視図である。
図4は、第1実施形態に含まれる基板を示す断面図である。
図5は、第1実施形態に係る構造体の製造方法を示す断面図である。
図6は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その1)である。
図7は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その2)である。
図8は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その3)である。
図9は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その4)である。
図10は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その5)である。
図11は、RHEEDによる観察の結果を示す図(その6)である。
図12は、基板、s波超伝導体層及び遷移金属ダイカルコゲナイド層の原子配列を示す模式図(その1)である。
図13は、基板、s波超伝導体層及び遷移金属ダイカルコゲナイド層の原子配列を示す模式図(その2)である。
図14は、第2実施形態に係る量子ビットを示す上面図である。
図15は、第2実施形態に係る量子ビットを示す断面図(その1)である。
図16は、第2実施形態に係る量子ビットを示す断面図(その2)である。
図17は、第2実施形態に係る量子ビットを示す断面図(その3)である。
図18は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す上面図(その1)である。
図19は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す上面図(その2)である。
図20は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す上面図(その3)である。
図21は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その1)である。
図22は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その2)である。
図23は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その3)である。
図24は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その4)である。
図25は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その5)である。
図26は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その6)である。
図27は、第2実施形態に係る量子ビットの製造方法を示す断面図(その7)である。
図28は、第3実施形態に係る量子演算装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。本開示での結晶学的記載においては、個別方位を[]、個別面を()でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、"-"(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本開示では数字の前に負の符号を付している。本開示においては、X1-X2方向、Y1-Y2方向、Z1-Z2方向を相互に直交する方向とする。X1-X2方向及びY1-Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1-Y2方向及びZ1-Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1-Z2方向及びX1-X2方向を含む面をZX面と記載する。なお、便宜上、Z1-Z2方向を上下方向とし、Z1側を上側、Z2側を下側とする。また、平面視とは、Z1側から対象物を視ることをいい、平面形状とは、対象物をZ1側から視た形状のことをいう。
(【0011】以降は省略されています)

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