TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025122731
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-22
出願番号2024018337
出願日2024-02-09
発明の名称電力変換装置
出願人サンデン株式会社,独立行政法人国立高等専門学校機構
代理人個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20250815BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】二相変調によりスイッチング損失の低減を図りながら、低速高負荷運転領域における騒音特性も改善することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】制御装置21は、二相変調を実行する指令値演算部30を有する。指令値演算部30は、指令値補正部35を有し、指令値補正部35は、出力パルス幅指令値が中間となる中間相の当該出力パルス幅指令値が、キャリア周期において不感帯に入る場合、当該キャリア周期における中間相の出力パルス幅指令値に乗数N(但し、Nは2以上の整数)を乗算することを基本とする補正を加え、キャリア周期に連続する(N-1)回の他のキャリア周期におけるスイッチングを停止する指令値補正制御を実行する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
各相の上下アームスイッチング素子のスイッチングにより三相交流出力を生成するインバータ回路と、同一相の前記上下アームスイッチング素子が同時にONしないためのデッドタイムを確保する不感帯を設けて前記各相の上下アームスイッチング素子のスイッチングを制御する制御装置を備えた電力変換装置において、
前記制御装置は、
前記各相に印加する電圧を生成するための指令値が最小となる相の前記下アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止し、若しくは、前記指令値が最大となる相の前記上アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止する二相変調を実行する指令値演算部を備え、
該指令値演算部は、指令値補正部を有し、
該指令値補正部は、
前記指令値が中間となる中間相の当該指令値が、キャリア周期において前記不感帯に入る場合、当該キャリア周期における前記中間相の指令値に乗数N(但し、Nは2以上の整数)を乗算することを基本とする補正を加え、前記キャリア周期に連続する(N-1)回の他のキャリア周期におけるスイッチングを停止する指令値補正制御を実行することを特徴とする電力変換装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記指令値演算部は、前記指令値が最小となる相の前記下アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止する二相変調を実行すると共に、
前記指令値補正部は、前記指令値補正制御において、前記不感帯に入る前記中間相の指令値に前記乗数Nを乗算する補正を行い、前記他のキャリア周期における前記指令値をゼロとすることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記指令値演算部は、前記指令値が最大となる相の前記上アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止する二相変調を実行すると共に、
前記指令値補正部は、前記指令値補正制御において、前記不感帯に入る前記中間相の指令値に前記乗数Nを乗算し、且つ、前記指令値の最大値に(N-1)を乗算した値を差し引く補正を行い、前記他のキャリア周期における前記指令値を前記最大値とすることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記指令値演算部は、
前記指令値が最小となる相の前記下アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止する二相変調と、前記指令値が最大となる相の前記上アームスイッチング素子をON状態としてスイッチングを停止する二相変調を切り換えて実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記指令値補正部は、前記乗数Nを変更した前記指令値補正制御を混在させることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記指令値演算部は、
前記各相の印加電圧指令値を演算する相電圧指令演算部と、
前記各相の印加電圧指令値から前記各相の出力パルス幅指令値を演算する線間変調演算部を有し、
該線間変調演算部が、前記二相変調を実行すると共に、
前記指令値補正部は、前記線間変調演算部が演算した前記各相の出力パルス幅指令値に対して前記指令値補正制御を実行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記各相の上下アームスイッチング素子の接続点における印加電圧を前記三相交流出力としてモータに印加することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ回路により三相交流出力を生成する電力変換装置に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来より例えば車両用の電動圧縮機のモータを駆動する電力変換装置は、UVW各相の上下アームスイッチング素子により三相のインバータ回路を構成すると共に、各相のスイッチング素子(IGBT等)をPWM(Pulse Width Modulation)制御し、正弦波に近い電圧波形(三相交流出力)をモータに印加して駆動するものであった。
【0003】
ここで、電動圧縮機の運転範囲を決定する重要なポイントとして、低速高負荷の駆動特性がある。何故ならば、一般的な電動圧縮機は低速高負荷領域の駆動が難しいためである。その最も大きな理由は、低速駆動時では電動圧縮機の冷媒流量が少なくなり、循環する冷媒によって冷却しているスイッチング素子の冷却特性が悪化することと、高負荷条件ではモータ電流が大きくなるため、スイッチング素子の損失も大きくなるからである。
【0004】
即ち、上記各理由によって低速高負荷条件ではスイッチング素子の温度が上昇し易くなり、スイッチング素子の耐熱温度を超えて破壊に至る危険性があるため、運転が難しくなる。このようにモータを駆動するインバータ回路のスイッチング素子の温度は、スイッチング素子の損失に依存するため、スイッチング素子の損失を低減する手法が従来より開発されている。
【0005】
その一つとして、二相変調と称される方式を適用した電力変換装置が知られている。この二相変調方式は、UVWの各相のうちの何れか一相の上下アームスイッチング素子のON/OFF状態を固定し、他の二相の上下アームスイッチング素子のみON/OFF状態を変調させながら制御することにより、三相変調方式よりもスイッチング素子のスイッチング回数を減少させ、スイッチング損失と発熱量を減少させつつ、PWM制御するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
以下、図面を参照しながら係る二相変調について説明する。先ず、図11と図12に一般的な三相変調方式の例を示す。図12は図11の破線四角X3部分を拡大したものであり、各図中cntはキャリア信号(実施例では三角波)、Cu1はU相出力パルス幅指令値(0~1で正規化したカウント指令値)、Cv1はV相出力パルス幅指令値(0~1で正規化したカウント指令値)、Cw1はW相出力パルス幅指令値(0~1で正規化したカウント指令値)、Vu’はインバータ回路からモータに実際に印加されるU相印加電圧Vuを、入力電圧を使って正規化した値(以後、U相出力印加電圧と称する)、Vv’は同じくV相印加電圧Vvを、入力電圧を使って正規化した値(以後、V相出力印加電圧と称する)、Vw’は同じくW相印加電圧Vwを、入力電圧を使って正規化した値(以後、W相出力印加電圧と称する)である。
【0007】
PWMのスイッチング時には、スイッチング素子(IGBT)にスイッチング損失が発生する。スイッチングの損失は、電力変換装置の効率に繋がり、また、スイッチング素子の温度上昇にも繋がる。効率及び温度上昇は共に重要なファクタであり、スイッチング損失を少なくすることが好ましいが、車両用の電動圧縮機は低騒音であることが重要であることから、PWMのスイッチング周波数(キャリア信号の周波数:キャリア周波数)を可聴領域外の20kHz等に高くする場合が多い。そのため、図11や図12のような三相変調方式ではスイッチング素子のスイッチング回数が多くなり、スイッチング損失が増大してしまう。
【0008】
次に、図13~図16は前述した二相変調方式の例を示している。尚、各図中のパラメータは図11、図12と同様の値(但し、二相変調に補正した値)を示している。また、図14は図13の破線四角X4部分を拡大したものであり、図16は図15の破線四角X5部分を拡大したものである。
【0009】
図13と図14はUVW各相の印加電圧指令値Vu
*
、Vv
*
、Vw
*
を正規化した後、カウント値に置き換えた値Cu1’、Cv1’、Cw1’のうち最小となる相(最小相)の値をマイナスとした変調値Cmodを各相に加算し、最小相の出力パルス幅指令値Cu1、又は、Cv1、若しくは、Cw1をゼロとして当該一相(最小相)の下アームスイッチング素子をON状態、上アームスイッチング素子をOFF状態に固定し、PWM動作を休止する変調方式である。これにより、前述した三相変調方式に比してスイッチング素子のスイッチング回数を減らしてスイッチング損失を大幅に低減することができる。以下、これを下付き二相変調と称する。
【0010】
また、図15と図16は上記の値Cu1’、Cv1’、Cw1’のうち最小となる相(最小相)の値とゼロの差と、最大となる相(最大相)の値と出力パルス幅指令値の最大値Cmax(正規化した後は1)との差の絶対値を比較し、前者の方が小さい場合は最小相の値をマイナスとした変調値Cmodを各相に加算し、最小相の出力パルス幅指令値Cu1、又は、Cv1、若しくは、Cw1をゼロとして当該一相(最小相)の下アームスイッチング素子をON状態、上アームスイッチング素子をOFF状態に固定してPWM動作を休止し、後者の方が小さい場合は最大値Cmax(1)から最大相の値をマイナスした値を変調値Cmodとして各相に加算し、最大相の出力パルス幅指令値Cu1、又は、Cv1、若しくは、Cw1を最大値Cmax(1)として当該一相(最大相)の上アームスイッチング素子をON状態、下アームスイッチング素子をOFF状態に固定してPWM動作を休止する変調方式である。これによっても、前述した三相変調方式に比してスイッチング損失を大幅に低減することができる。以下、これを上下付き二相変調と称する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

サンデン株式会社
情報処理装置
23日前
サンデン株式会社
可変容量型圧縮機
23日前
サンデン株式会社
スクロール圧縮機
1か月前
サンデン株式会社
車両用空気調和装置
23日前
サンデン株式会社
車両用空気調和装置
23日前
サンデン株式会社
車両用空気調和装置
23日前
サンデン株式会社
熱マネジメントシステム
23日前
サンデン株式会社
充電制御システム及び配車管理システム
23日前
個人
高圧電気機器の開閉器
3日前
個人
電気を重力で発電装置
16日前
キヤノン電子株式会社
モータ
23日前
キヤノン電子株式会社
モータ
15日前
コーセル株式会社
電源装置
24日前
日星電気株式会社
ケーブル組立体
1か月前
トヨタ自動車株式会社
モータ
15日前
株式会社アイドゥス企画
減反モータ
3日前
個人
二次電池繰返パルス放電器用印刷基板
29日前
株式会社デンソー
電力変換装置
1か月前
トヨタ自動車株式会社
固定子の加熱装置
26日前
矢崎総業株式会社
電源回路
2日前
個人
非対称鏡像力を有する4層PWB電荷搬送体
10日前
日産自動車株式会社
ロータシャフト
10日前
日産自動車株式会社
ロータシャフト
10日前
トヨタ自動車株式会社
ステータの製造装置
16日前
山洋電気株式会社
モータ
29日前
ローム株式会社
モータドライバ回路
10日前
トヨタ自動車株式会社
可変界磁ロータ
18日前
京商株式会社
模型用非接触電力供給システム
3日前
個人
電線盗難防止方法及び電線盗難防止装置
23日前
株式会社アイシン
電力変換装置
15日前
株式会社マキタ
電動作業機
23日前
株式会社明治ゴム化成
ワイヤレス給電用部品
25日前
トヨタ紡織株式会社
ロータの製造装置
24日前
大阪瓦斯株式会社
充放電中継装置
16日前
豊田合成株式会社
車両用非接触充電装置
15日前
ルネサスエレクトロニクス株式会社
半導体装置
15日前
続きを見る