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公開番号2025118849
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2025080918,2024047475
出願日2025-05-14,2015-05-29
発明の名称膵臓がんの検出キット又はデバイス及び検出方法
出願人東レ株式会社,国立研究開発法人国立がん研究センター
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C12Q 1/6806 20180101AFI20250805BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】新規な膵臓がん腫瘍マーカーを見出し、そのマーカーに特異的に結合可能な核酸
を用いて膵臓がんを効果的に検出できる方法を提供することを課題とする。
【解決手段】被験体の検体中のmiRNAと特異的に結合可能な核酸を含む、膵臓がん検
出用キット又はデバイス、並びに、該miRNAをin vitroで測定することを含
む膵臓がんを検出する方法。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
膵臓がんマーカーである、miR-4736のポリヌクレオチドと特異的に結合可能な1つ以上の核酸を含む、膵臓がんの検出用キット。
続きを表示(約 7,600 文字)【請求項2】
前記核酸が、下記の(a)~(e)に示すポリヌクレオチド又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド又はその断片である、請求項1に記載のキット:
(a)(1)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(2)(1)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(3)(1)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(b)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(c)(4)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(5)(4)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(6)(4)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(d)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドと高ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項3】
前記キットが、別の膵臓がんマーカーである、miR-6893-5p、miR-6075、miR-6820-5p、miR-4294、miR-6729-5p、miR-4476、miR-6765-3p、miR-6799-5p、miR-4530、miR-7641、miR-4454、miR-615-5p、miR-8073、miR-663a、miR-4634、miR-4450、miR-4792、miR-665、miR-7975、miR-7109-5p、miR-6789-5p、miR-4497、miR-6877-5p、miR-6880-5p、miR-7977、miR-4734、miR-6821-5p、miR-8089、miR-5585-3p、miR-6085、miR-6845-5p、miR-4651、miR-4433-3p、miR-1231、miR-4665-5p、miR-7114-5p、miR-1238-5p、miR-8069、miR-4732-5p、miR-619-5p、miR-3622a-5p、miR-1260a、miR-6741-5p、miR-6781-5p、miR-6125、miR-6805-5p、miR-6132、miR-6872-3p、miR-6875-5p、miR-1908-3p、miR-4433b-3p、miR-5100、miR-6724-5p、miR-7107-5p、miR-6726-5p、miR-3185、miR-4638-5p、miR-1273g-3p、miR-6778-5p、miR-328-5p、miR-3679-3p、miR-1228-3p、miR-6779-5p、miR-4723-5p、miR-6850-5p、miR-760、miR-7704、miR-8072、miR-1913、miR-4656、miR-1260b、miR-7106-5p、miR-6889-5p、miR-6780b-5p、miR-6090、miR-4534、miR-4449、miR-5195-3p、miR-1202、miR-4467、miR-6515-3p、miR-4281、miR-4505、miR-4484、miR-6805-3p、miR-3135b、miR-3162-5p、miR-6768-5p、miR-6721-5p、miR-1227-5p、miR-6722-3p、miR-4286、miR-4746-3p、miR-6727-5p、miR-6816-5p、miR-4741、miR-4508、miR-940、miR-4327、miR-4665-3p、miR-718、miR-1203、miR-663b、miR-4258、miR-4649-5p、miR-4516、miR-3619-3p、miR-6826-5p、miR-6757-5p、miR-3131、miR-1343-3p、miR-6775-5p、miR-6813-5p及びmiR-3940-5p、並びに/又は、miR-125a-3p、miR-204-3p、miR-1469、miR-575、miR-150-3p、miR-423-5p、miR-564、miR-3188、miR-1246、miR-602、miR-1290、miR-16-5p、miR-451a、miR-24-3p、miR-187-5p、miR-1908-5p、miR-371a-5p、miR-550a-5p、miR-4417、miR-4707-5p、miR-7847-3p、miR-2861、miR-4513、miR-7111-5p、miR-6777-5p、miR-7113-3p、miR-4648、miR-3184-5p、miR-4271、miR-6791-5p、miR-642a-3p、miR-7108-5p、miR-128-1-5p、miR-5196-5p、miR-3178、miR-3656、miR-92a-2-5p、miR-6769b-5p、miR-4689、miR-6076、miR-92b-5p、miR-6774-5p、miR-486-3p、miR-6806-5p、miR-6842-5p、miR-6716-5p、miR-557、miR-4673、miR-4674、miR-4442、miR-1915-3p、miR-4687-3p及びmiR-92b-3pからなる群から選択される1つ以上のポリヌクレオチド(ただし、miR-665及びmiR-8072を含むポリヌクレオチドの組み合わせ並びにmiR-4665-5p及びmiR-1469を含むポリヌクレオチドの組み合わせを除く。)と特異的に結合可能な1つ以上の核酸をさらに含む、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
前記核酸が、下記の(f)~(j)に示すポリヌクレオチド又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド又はその断片である、請求項3に記載のキット:
(f)(7)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(8)(7)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(9)(7)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(g)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(h)(10)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(11)(10)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(12)(10)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(i)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドと高ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項5】
膵臓がんマーカーである、miR-4736のポリヌクレオチドと特異的に結合可能な1つ以上の核酸を含む、膵臓がんの検出用デバイス。
【請求項6】
前記核酸が、下記の(a)~(e)に示すポリヌクレオチド又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド又はその断片である、請求項5に記載のデバイス:
(a)(13)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(14)(13)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(15)(13)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(b)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(c)(16)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(17)(16)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(18)(16)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(d)配列番号53で表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、及び
(e)前記(a)~(d)のいずれかのポリヌクレオチドと高ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項7】
前記デバイスが、別の膵臓がんマーカーである、miR-6893-5p、miR-6075、miR-6820-5p、miR-4294、miR-6729-5p、miR-4476、miR-6765-3p、miR-6799-5p、miR-4530、miR-7641、miR-4454、miR-615-5p、miR-8073、miR-663a、miR-4634、miR-4450、miR-4792、miR-665、miR-7975、miR-7109-5p、miR-6789-5p、miR-4497、miR-6877-5p、miR-6880-5p、miR-7977、miR-4734、miR-6821-5p、miR-8089、miR-5585-3p、miR-6085、miR-6845-5p、miR-4651、miR-4433-3p、miR-1231、miR-4665-5p、miR-7114-5p、miR-1238-5p、miR-8069、miR-4732-5p、miR-619-5p、miR-3622a-5p、miR-1260a、miR-6741-5p、miR-6781-5p、miR-6125、miR-6805-5p、miR-6132、miR-6872-3p、miR-6875-5p、miR-1908-3p、miR-4433b-3p、miR-5100、miR-6724-5p、miR-7107-5p、miR-6726-5p、miR-3185、miR-4638-5p、miR-1273g-3p、miR-6778-5p、miR-328-5p、miR-3679-3p、miR-1228-3p、miR-6779-5p、miR-4723-5p、miR-6850-5p、miR-760、miR-7704、miR-8072、miR-1913、miR-4656、miR-1260b、miR-7106-5p、miR-6889-5p、miR-6780b-5p、miR-6090、miR-4534、miR-4449、miR-5195-3p、miR-1202、miR-4467、miR-6515-3p、miR-4281、miR-4505、miR-4484、miR-6805-3p、miR-3135b、miR-3162-5p、miR-6768-5p、miR-6721-5p、miR-1227-5p、miR-6722-3p、miR-4286、miR-4746-3p、miR-6727-5p、miR-6816-5p、miR-4741、miR-4508、miR-940、miR-4327、miR-4665-3p、miR-718、miR-1203、miR-663b、miR-4258、miR-4649-5p、miR-4516、miR-3619-3p、miR-6826-5p、miR-6757-5p、miR-3131、miR-1343-3p、miR-6775-5p、miR-6813-5p及びmiR-3940-5p、並びに/又は、miR-125a-3p、miR-204-3p、miR-1469、miR-575、miR-150-3p、miR-423-5p、miR-564、miR-3188、miR-1246、miR-602、miR-1290、miR-16-5p、miR-451a、miR-24-3p、miR-187-5p、miR-1908-5p、miR-371a-5p、miR-550a-5p、miR-4417、miR-4707-5p、miR-7847-3p、miR-2861、miR-4513、miR-7111-5p、miR-6777-5p、miR-7113-3p、miR-4648、miR-3184-5p、miR-4271、miR-6791-5p、miR-642a-3p、miR-7108-5p、miR-128-1-5p、miR-5196-5p、miR-3178、miR-3656、miR-92a-2-5p、miR-6769b-5p、miR-4689、miR-6076、miR-92b-5p、miR-6774-5p、miR-486-3p、miR-6806-5p、miR-6842-5p、miR-6716-5p、miR-557、miR-4673、miR-4674、miR-4442、miR-1915-3p、miR-4687-3p及びmiR-92b-3pからなる群から選択される1つ以上のポリヌクレオチド(ただし、miR-665及びmiR-8072を含むポリヌクレオチドの組み合わせ並びにmiR-4665-5p及びmiR-1469を含むポリヌクレオチドの組み合わせを除く。)と特異的に結合可能な1つ以上の核酸をさらに含む、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記核酸が、下記の(f)~(j)に示すポリヌクレオチド又はその断片からなる群から選択される少なくとも1つのポリヌクレオチド又はその断片である、請求項7に記載のデバイス:
(f)(19)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(20)(19)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(21)(19)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(g)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(h)(22)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、
(23)(22)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列において1又は2の塩基の欠失、置換、付加又は挿入を含む、ポリヌクレオチド、又は
(24)(22)の前記ポリヌクレオチドの塩基配列と90%以上の%同一性を示すポリヌクレオチド、
(i)配列番号1~6、8~52、54~70、72~104、105~122、349~383、464~473、及び492~494のいずれかで表される塩基配列もしくは当該塩基配列においてuがtである塩基配列に相補的な塩基配列を含むポリヌクレオチド、又は15以上の連続した塩基を含むその断片、及び
(j)前記(f)~(i)のいずれかのポリヌクレオチドと高ストリンジェントな条件でハイブリダイズするポリヌクレオチド。
【請求項9】
前記デバイスが、ハイブリダイゼーション技術による測定のためのデバイスである、請求項5~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ハイブリダイゼーション技術が、核酸アレイ技術である、請求項9に記載のデバイス。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体において膵臓がんへの罹患の有無の検査のために使用される、特定の
miRNAと特異的に結合可能な核酸を含む膵臓がんの検出用キット又はデバイス、及び
当該核酸を用いて当該miRNAの発現量を測定することを含む膵臓がんの検出方法に関
する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
膵臓は、消化液である膵液を分泌し、膵管を経て消化管へ送り込む外分泌腺であるとと
もに、インスリン、グルカゴンなどのホルモンを血液中に分泌する内分泌腺としての機能
も有する。
【0003】
膵臓は胃や十二指腸、小腸、肝臓、胆嚢など多くの臓器に囲まれているためがんの早期
発見が困難なだけでなく、自覚症状を伴わない、進行が非常に早い、他の臓器に転移を起
こすなどの性質を持ち、他のがんに比較してきわめて予後不良ながんである。国立研究開
発法人国立がん研究センターがん対策情報センター(東京、日本国)が開示する2011
年の日本国内における部位別のがん死亡率の統計によると、膵臓がんの死亡数は28,8
29人にのぼり、2003~2005年の部位別5年相対生存率は膵臓がんが最も低く、
男性で7.1%、女性で6.9%である。
【0004】
非特許文献1に記載されているように、膵臓がん治療の基本は進行度によって手術、全
身化学療法、放射線療法あるいはこの組み合わせで行われる。15~20%の膵臓がん患
者が根治可能ということで手術がなされているが、手術を受けなかった患者の大半は局所
で進行しているかあるいは転移していると考えられる。生存期間中央値は局所進行がんで
は8~12ヵ月、転移がんでは3~6ヵ月といわれており他のがんに比較して非常に悪い

【0005】
UICC(Unio Internationalis Contra Cancru
m)による膵臓がんの進行度は膵癌取扱い規約第5版(日本膵臓学会編、金原出版株式会
社、2013年、p55)に定められており、主腫瘍局所進展度、リンパ節転移、遠隔転
移などによってstage 0、IA、IB、IIA、IIB、III、IVa、IVb
に分類される。Stage I―IIIが5年生存例の半数以上を占めており、診断時の
進行度はStage IVaとStage IVbで70%以上を占めている。また、膵
臓がんの発生部位によっても症状が異なり、膵頭部がんであれば、黄疸で発症することが
多いが、膵尾部がんでは殆んど症状がない。このため、膵頭部がんと比較して膵尾部がん
は診断が遅れる傾向がある。
【0006】
非特許文献2に記載されているように、膵臓がんの診断において腹部超音波検査は簡便
で低侵襲な検査として外来診療や検診において非常に有用である。しかし、腫瘍径の小さ
い膵臓がんや膵尾側病変は描出することが困難なことも多い。通常の健康診断での腹部超
音波検査による膵画像の有所見率は約1%で、膵臓がん発見率は約0.06%以下と低い
。また、膵臓がん検出のための腫瘍マーカーには、例えば、糖鎖抗原としてCA19-9
、Span-1、CA50、CA242、Dupan-2、TAG-72、尿中フコース
など、糖鎖以外の抗原としてCEA、POA、TPSなどが知られている。これらの腫瘍
マーカーの使い方としては、その血中濃度が予め設けておいた基準値より高い又は低い場
合にがんが疑われる。例えば非特許文献3に記載されているように、CEAの基準値は5
ng/mL、CA19-9の基準値は37U/mLと設定されており、それ以上の値を示
す場合には、膵臓がんを含むがんが疑われる。しかしながら、腫瘍マーカーの評価は多く
が進行膵臓がんでの検討であり、早期の膵臓がんでは異常値を示さないことが多い。また
、検診で腫瘍マーカーと腹部超音波検査を行っても膵臓がん検出率は低く、膵臓がん発見
のためのこれらの検診の実施は費用対効果の点で問題がある。
【0007】
研究段階ではあるが、特許文献1~4に示されるように、血液をはじめとする生体サン
プル中のマイクロRNA(miRNA)の発現量、又はmiRNAの発現量と他のタンパ
ク質マーカーの発現量とを組み合わせることによって、膵臓がんを判別するという報告が
ある。
【0008】
特許文献1には、血液中のhsa-miR-125a-3pを他の数十個のmiRNA
と組み合わせて膵臓がんを検出する方法が示されている。
【0009】
特許文献2には、血液や組織中のhsa-miR-204-3pの前駆体、hsa-m
iR-423-5pの前駆体、又はhsa-miR-328-5pの前駆体を他の数百個
のmiRNAと組み合わせて膵臓がんを検出する方法が示されている。
【0010】
特許文献3には、血液中のhsa-miR-575、hsa-miR-16-5p、又
はhsa-miR-24-3pを他の数百個のmiRNAと組み合わせて膵臓がんを検出
する方法が示されている。
(【0011】以降は省略されています)

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