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公開番号2025118049
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024013126
出願日2024-01-31
発明の名称エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 210/18 20060101AFI20250805BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】EBTをはじめとするエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の高強度を維持したまま、その耐寒性、ロール加工性を改良する。
【解決手段】エチレン[A]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位とを有し、1-ブテンに由来する構造単位を含み、且つ、モル比〔[A1]/[A2]〕が40/60~90/10であり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が5.0~7.0dl/gである等が規定されたエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)およびその製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン[A]に由来する構造単位と、少なくとも1種類の炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、少なくとも1種類の非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位とを有し、前記の炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位が、1-ブテンに由来する構造単位を含み、且つ、下記の要件(1)、要件(2)を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(1)
エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位とのモル比〔[A1]/[A2]〕が、40/60~90/10である。
要件(2)
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が5.0~7.0dl/gである。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
さらに、下記の要件(3)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(3)
非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位の含有量が、0.1~6.0モル%である(ただし、[A1]、[A2]および[A3]の構造単位の合計を100モル%とする。)
【請求項3】
さらに、下記の要件(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(4)
下記の式(i)で表されるB値が、1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A1]、炭素数4~20の α-オレフィン[A2]、および非共役ポリエン[A3]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A1]-炭素数4~20のα-オレフィン[A2]ダイアッド連鎖分率を示す。
【請求項4】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)100質量部に対して、油展量が50~150質量部である、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
【請求項5】
前記の非共役ポリエン[A3]が下記の部分構造式(I)および(II)からなる群から選ばれる部分構造を合計で1分子中に1つのみ含む、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
TIFF
2025118049000009.tif
25
170
【請求項6】
前記の非共役ポリエン[A3]が5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)である、請求項5に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
【請求項7】
JIS K6251に準拠して測定される引張強度が5MPa以上である、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
【請求項8】
JIS K6262に準拠して、-30℃の雰囲気で、圧縮量25%、24時間保持した後、解放後の永久歪量(%)が98%以下である、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
【請求項9】
ガラス転移温度(Tg)が-55℃以下である、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
【請求項10】
下記の一般式(1)で表される架橋メタロセン化合物(t)、
ならびに、
有機金属化合物(u-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(u-2)、および、上記の架橋メタロセン化合物(t)と反応してイオン対を形成する化合物(u-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種類の化合物(u)
を含有するオレフィン重合触媒の存在下に、エチレン、1-ブテン(或いは、1-ブテンと共に、更に炭素数5~20のα-オレフィン)、或いは更に炭素数5~20のα-オレフィン、および非共役ポリエンを共重合する、請求項1に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)の製造方法。
TIFF
2025118049000010.tif
64
169
一般式(1)のR
1
からR
14
上記の一般式(1)において、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
、R
11
、R
12
、R
13
およびR
14
はそれぞれ独立に水素原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基またはケイ素含有基であり、R
1
からR
4
までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R
5
からR
12
までの置換基のうち、任意の2つの置換基は互いに結合して環を形成していてもよく、R
13
とR
14
とは互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(1)のY
一般式(1)において、Yは炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子である。
一般式(1)のM、Q、j
一般式(1)において、Mは、第4族遷移金属である。
Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、jが2以上の整数であるとき、Qは同一または異なる組み合わせで選ばれる。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPR)およびエチレン・プロピレン・ジエン共 重合体ゴム(EPDM)などのエチレン・α-オレフィンゴムは、その分子構造の主鎖に不飽和結合を有しないため、汎用の共役ジエンゴムと比べ、耐熱老化性、耐候性、耐オゾン性に優れ、自動車用部品、電線用材料、電気・電子部品、建築土木資材、工業材部品等の用途に広く用いられている。
【0003】
その中でも、エチレン・1-ブテン・ENB共重合体(以下、EBTと略記する)は、耐寒性、ロール加工性に優れるが用途によっては強度が不足するケースがあり、その高強度化が求められている。
【0004】
高強度化とする方策として、EBTを高分子量化することがあり、極限粘度[η]が高い(すなわち高分子量化された)EBTは既に提案されている(特許文献1)。
特許文献1において具体的に示されているEBTの極限粘度[η]は7.60~8.41であり、このような極限粘度とすることで、高強度化は達成することができるが、ロール加工性が十分とは言えず、その改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/122415号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、EBTをはじめとするエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体の高強度を維持したまま、その耐寒性、ロール加工性を改良することを目的に検討した結果、特的の極限粘度のEBTをはじめとするエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体がその目的を達成することができることを見出し、本発明に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の項[1]~[14]のいずれかの態様を含むものである。
[1]
エチレン[A]に由来する構造単位と、少なくとも1種類の炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、少なくとも1種類の非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位とを有し、前記の炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位が、1-ブテンに由来する構造単位を含み、且つ、下記の要件(1)、要件(2)を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(1)
エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位とのモル比〔[A1]/[A2]〕が、40/60~90/10である。
要件(2)
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が5.0~7.0dl/gである。
【0008】
[2]
さらに、下記の要件(3)および要件(4)を満たすことを特徴とする上記の[1]に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(3)
非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位の含有量が、0.1~6.0モル%である(ただし、[A1]、[A2]および[A3]の構造単位の合計を100モル%とする。)
【0009】
[3]
さらに、下記の要件(4)を満たすことを特徴とする上記の[1]または[2]に記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
要件(4)
下記の式(i)で表されるB値が、1.20以上である。
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕・・(i)
ここで[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A1]、炭素数4~20の α-オレフィン[A2]、および非共役ポリエン[A3]のモル分率を示し、[EX]はエチレン[A1]-炭素数4~20のα-オレフィン[A2]ダイアッド連鎖分率を示す。
【0010】
[4]
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)100質量部に対して、油展量が50~150質量部である、上記の[1]~[3]のいずれかに記載のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(P)。
(【0011】以降は省略されています)

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