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公開番号2025115820
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024010482
出願日2024-01-26
発明の名称成形体および高周波通信機器
出願人三井化学株式会社
代理人個人
主分類C08F 32/00 20060101AFI20250731BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた耐熱性を備え、伝送損失が小さく、かつ、適用される周波数によっても誘電正接が変化しにくい成形体、および当該成形体を備える高周波通信機器を提供する。
【解決手段】環状オレフィン系重合体を含む成形体であって、前記環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が、110.0℃以上であり、前記環状オレフィン系重合体の結晶化度が1%以上である、成形体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
環状オレフィン系重合体を含む成形体であって、
前記環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が、110.0℃以上であり、
下記の<X線回折測定条件>により求められる前記環状オレフィン系重合体の結晶化度が1%以上である、成形体。
<X線回折測定条件>
環状オレフィン系重合体1.5gを5tの荷重で熱プレス成形した厚さ0.5mmのプレスシートを広角X線回折測定し、結晶に由来するピークの面積である結晶由来ピーク面積と、非晶に由来するハローの面積である非晶ハロー由来面積とから、以下の式を用いて算出する。
結晶化度(%)=結晶由来ピーク面積/(結晶由来ピーク面積+非晶由来ハロー面積)×100
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記環状オレフィン系重合体が、
以下一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の構造単位(A)と、
以下一般式(II)で表される環状オレフィンモノマー由来の構造単位(B)と、
を有する、請求項1に記載の成形体。
TIFF
2025115820000016.tif
49
153
(前記一般式(I)において、R
300
は水素原子または炭素原子数1~29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。)
TIFF
2025115820000017.tif
63
153
(前記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
【請求項3】
前記環状オレフィン系重合体中の構造単位の合計量を100mol%としたとき、
前記構造単位(A)の含有量が35mol%以上65mol%以下であり、
前記構造単位(B)の含有量が35mol%以上65mol%以下である、請求項2に記載の成形体。
【請求項4】
前記環状オレフィン系重合体の融点が、150.0℃以上450.0℃以下である、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項5】
前記環状オレフィン系重合体が135℃のデカリンに不溶である、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項6】
絶縁体として用いることが可能な、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項7】
高周波通信機器に用いることが可能な、請求項1または2に記載の成形体。
【請求項8】
請求項1または2に記載の成形体を備える、高周波通信機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、環状オレフィン系重合体を含む成形体、および当該成形体を備える高周波通信機器に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
環状オレフィン系重合体は、透明性に優れ、かつ高い屈折率を有することから、従来レンズや光学部材に広く適用されている。
また、環状オレフィン系重合体は誘電率および誘電正接のいずれも低く、優れた電気特性を有することも知られている。このことから、環状オレフィン系重合体をコネクタやアンテナなどの通信機器用部材に適用する試みもなされている。
【0003】
このような環状オレフィン系重合体に関する技術として、例えば、特許文献1および2に記載の技術が挙げられる。
【0004】
特許文献1には、環状オレフィン成分を共重合体成分として含む(A)環状オレフィン系樹脂を60質量部以上90質量部以下、(B)エラストマー成分を10質量部以上40質量部以下、含む高周波用電子部品用材料であって、前記(B)エラストマー成分における、よう素価法(JIS K 6235準拠)にて測定した不飽和二重結合部の含有量が、4×10
-4
mol/g以上23×10
-4
mol/g以下であり、前記高周波用電子部品用材料からなる成形体における、空洞共振法で摂動法を用いて測定したl~10GHzにおける誘電損失(tanδ)が、13×10
-4
以下である高周波用電子部品用材料が記載されている。
【0005】
特許文献2には、非晶性環状オレフィン系樹脂と、ロジン酸金属塩と、脂肪酸エステル又は脂肪酸アミドと、脂肪酸金属塩と、を含有する透明樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2007/129694号
特開2009-209298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年では、通信速度の高速化に伴い、通信機器に用いられる周波数帯域がより高周波寄りになってきている。特に10GHz以上の周波数を含む周波数帯域での通信を行うための機器においては、当該機器に用いられる材料の耐熱性に加え、比誘電率、誘電正接などの電気特性に対する要求が厳しくなっている。その一方で、通信機器のコストに対する要求も厳しいものとなっていることから、より少ない部品数、材料数で通信機器を製造できることも求められている。
しかしながら現状では、高周波数帯域では優れた電気特性を示すもののそれ以外の周波数帯域では電気特性に改良の余地がある材料と、高周波数帯域以外の周波数帯域では優れるものの高周波数帯域では電気特性に改良の余地がある材料とを組み合わせることで電気特性に対する要求をクリアしており、適用される周波数によらずに優れた電気特性を有し、かつ充分な耐熱性を備える通信機器用材料は存在しなかった。
【0008】
本発明は、優れた耐熱性を備え、伝送損失が小さく、かつ、適用される周波数によっても誘電正接が変化しにくい成形体、および当該成形体を備える高周波通信機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下に示す成形体および高周波通信機器が提供される。
【0010】
[1]
環状オレフィン系重合体を含む成形体であって、
上記環状オレフィン系重合体のガラス転移温度が、110.0℃以上であり、
下記の<X線回折測定条件>により求められる上記環状オレフィン系重合体の結晶化度が1%以上である、成形体。
<X線回折測定条件>
環状オレフィン系重合体1.5gを5tの荷重で熱プレス成形した厚さ0.5mmのプレスシートを広角X線回折測定し、結晶に由来するピークの面積である結晶由来ピーク面積と、非晶に由来するハローの面積である非晶ハロー由来面積とから、以下の式を用いて算出する。
結晶化度(%)=結晶由来ピーク面積/(結晶由来ピーク面積+非晶由来ハロー面積)×100
[2]
上記環状オレフィン系重合体が、
以下一般式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の構造単位(A)と、
以下一般式(II)で表される環状オレフィンモノマー由来の構造単位(B)と、
を有する、上記[1]に記載の成形体。
TIFF
2025115820000001.tif
49
153
(上記一般式(I)において、R
300
は水素原子または炭素原子数1~29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。)
TIFF
2025115820000002.tif
63
153
(上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。)
[3]
上記環状オレフィン系重合体中の構造単位の合計量を100mol%としたとき、
上記構造単位(A)の含有量が35mol%以上65mol%以下であり、
上記構造単位(B)の含有量が35mol%以上65mol%以下である、上記[2]に記載の成形体。
[4]
上記環状オレフィン系重合体の融点が、150.0℃以上450.0℃以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の成形体。
[5]
上記環状オレフィン系重合体が135℃のデカリンに不溶である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の成形体。
[6]
絶縁体として用いることが可能な、上記[1]~[5]のいずれかに記載の成形体。
[7]
高周波通信機器に用いることが可能な、上記[1]~[6]のいずれかに記載の成形体。
[8]
上記[1]~[7]のいずれかに記載の成形体を備える、高周波通信機器。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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