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公開番号2025117660
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012507
出願日2024-01-31
発明の名称吸着材の乾燥判定方法
出願人東京電力ホールディングス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G21F 9/12 20060101AFI20250805BHJP(核物理;核工学)
要約【課題】被判定対象となる吸着塔の乾燥終了の判定を効率的且つ正確に行え、乾燥終了の判定の時間を短縮できる吸着材の乾燥判定方法。
【解決手段】予め、乾燥終了時における前記吸着容器の外壁温度の時間当たりの温度変化を示す容器外壁温度の傾きと、前記吸着容器の外周に配置されるヒータのヒータ温度または前記外壁温度から前記吸着容器の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた温度差ΔTと、の関係のグラフから相関曲線を作成する工程と、被判定対象となる前記吸着塔の乾燥時において、前記ヒータのヒータ温度または前記外壁温度から、前記吸着塔の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた乾燥時の温度差ΔTを算出する工程と、算出された前記乾燥時の温度差ΔTおよび乾燥時における前記容器外壁温度の傾きの関係と、前記相関曲線とを比較して乾燥終了の判定を行う工程と、を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる際の吸着材の乾燥判定方法であって、
予め、乾燥終了時における吸着容器の外壁温度の時間当たりの温度変化を示す容器外壁温度の傾きと、前記吸着容器の外周に配置されるヒータのヒータ温度または前記外壁温度から前記吸着容器の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた温度差ΔTと、の関係のグラフから相関曲線を作成する工程と、
被判定対象となる前記吸着塔の乾燥時において、前記ヒータのヒータ温度または前記外壁温度から、前記吸着塔の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた乾燥時の温度差ΔTを算出する工程と、
算出された前記乾燥時の温度差ΔTおよび乾燥時における前記容器外壁温度の傾きの関係と、前記相関曲線とを比較して乾燥終了の判定を行う工程と、
を有する、吸着材の乾燥判定方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
予め作成した前記温度差ΔTと前記容器外壁温度の傾きとの前記グラフにおいて、被判定対象の温度差ΔTおよび前記容器外壁温度の傾きにより特定される値が、前記相関曲線に一致したとき、または前記相関曲線の近傍を含む所定範囲にあるとき、を前記乾燥終了の判定基準とする、請求項1に記載の吸着材の乾燥判定方法。
【請求項3】
前記ヒータは、前記吸着塔の周面及び下面に設けられる、請求項1に記載の吸着材の乾燥判定方法。
【請求項4】
前記吸着塔は、前記吸着材が充填される内側容器と、前記内側容器の外側に空気層を介在させて配置され、外部への線量を遮蔽する外側容器と、を有し、
前記吸着塔の外壁温度は、前記内側容器の外面または前記外側容器の内面に設置される温度計によって計測される、請求項1に記載の吸着材の乾燥判定方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃炉作業の廃棄物である汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる際の吸着材の乾燥判定方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、原子力施設等に設けられている原子炉の廃炉作業では、放射性物質を含む汚染水や除染廃液(以下まとめて汚染水という)が廃棄物(一次廃棄物)として排出される。汚染水の放射性物質を除去(低減)する処理方法としては、例えば特許文献1に開示されているような内部に吸着材を収容した吸着塔を用いることが挙げられる。
【0003】
汚染水の放射性物質の除去処理に用いられた吸着塔は二次廃棄物として処理される。吸着塔の下部には、排水口として機能する出口ヘッダが設けられている。エアブロー等の手段によって吸着塔内の下方に押し込まれた処理水は、大部分が出口ヘッダから吸着塔外に排出される。しかしながら、このような手法であると出口ヘッダより下方の処理水が吸着塔の内部に残留してしまう。このように処理水が残留した状態のまま長期間が経過すると、吸着塔に腐食が発生し、そこから残留している処理水が漏洩する可能性がある。このため、吸着塔内に残留している処理水(残水)を除去する対応として、汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる方法が採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5236835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の吸着塔内で吸着材を乾燥させる方法では、以下のような問題があった。
すなわち、乾燥処理の完了の判定基準として吸着材の温度や吸着塔の圧力変化を参照する場合には、吸着塔の内部に新たに温度センサ等の装置を配置する必要があり、設置作業にコストや時間がかかるうえ、放射線量の高い作業になるため作業自体が困難になるという問題があった。
【0006】
また、乾燥処理の完了の判定基準として吸着塔の処理水の蒸発速度を参照する場合には、被判定対象となる実機において蒸発水量が出なくなるまで乾燥すると、判定するまでに非常に多くの時間を要する。乾燥装置の設置数に対して吸着塔の基数は非常に多く設けられていることから、乾燥装置を使用して吸着塔内の吸着材を乾燥させる作業時間を短縮するために、より乾燥処理の完了までの判定を効率よく、かつ正確に行え、さらに判定までの時間の短縮を図ることが求められており、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、被判定対象となる吸着塔の乾燥終了の判定を効率的且つ正確に行え、乾燥終了の判定の時間を短縮することができる吸着材の乾燥判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、汚染水に含まれる放射性物質を吸着する吸着材を吸着塔内で乾燥させる際の吸着材の乾燥判定方法であって、予め、乾燥終了時における吸着容器の外壁温度の時間当たりの温度変化を示す容器外壁温度の傾きと、前記吸着容器の外周に配置されるヒータのヒータ温度または前記外壁温度から前記吸着容器の容器内圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた温度差ΔTと、の関係のグラフから相関曲線を作成する工程と、被判定対象となる前記吸着塔の乾燥時において、前記ヒータのヒータ温度または前記外壁温度から、前記吸着塔の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた乾燥時の前記温度差ΔTを算出する工程と、算出された前記乾燥時の温度差ΔTおよび乾燥時における前記容器外壁温度の傾きの関係と、前記相関曲線とを比較して乾燥終了の判定を行う工程と、を有する、吸着材の乾燥判定方法である。
【0009】
本発明によれば、予め、乾燥終了時における吸着容器の外壁温度を取得して時間当たりの温度変化を示す容器外壁温度の傾きと求め、吸着容器の外周に配置されるヒータのヒータ温度から吸着容器の容器内圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた温度差ΔTを算出し、傾きと温度差ΔTとの関係のグラフから相関曲線を作成することができる。そして、作成された相関曲線を乾燥終了の判定基準とすることができる。そのため、被判定対象となる吸着塔による乾燥時において、ヒータのヒータ温度または外壁温度から、吸着塔の圧力に応じた水の飽和温度を示す蒸発温度を差し引いた乾燥時の温度差ΔTを算出することで、予め作成した上記の相関曲線を使用し、乾燥中の吸着塔における容器外壁温度の傾きと相関曲線とを比較することで乾燥終了を判定することができる。このように、本発明の吸着材の乾燥判定方法によれば、例えば初期容器内の水量が不明な被判定対象となる吸着塔であっても、より確かな乾燥終了の判定を行うことができる。すなわち、被判定対象となる吸着塔の乾燥終了の判定を効率的且つ正確に行え、乾燥終了の判定の時間を短縮することができる。したがって、多数の吸着塔に対して効率よく乾燥作業を完了させることができる。
また、本発明によれば、吸着塔の外壁温度を計測する方法であるので、線量の高い吸着塔の内部に新たに温度計を取り付ける作業が不要となり、作業に困難性がなく効率よく作業を行うことができる。
【0010】
また、本発明は、予め作成した前記温度差ΔTと前記容器外壁温度の傾きとの前記グラフにおいて、被判定対象の温度差ΔTおよび前記容器外壁温度の傾きにより特定される値が、前記相関曲線に一致したとき、または前記相関曲線の近傍を含む所定範囲にあるとき、を前記乾燥終了の判定基準とすることを特徴としている。
(【0011】以降は省略されています)

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