特許ウォッチ

公開番号2025115448
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-07
出願番号2024009904
出願日2024-01-26
発明の名称発信機
出願人ニッタン株式会社
代理人個人,個人
主分類G08B 17/00 20060101AFI20250731BHJP(信号)
要約【課題】スイッチおよび端子台を内蔵した収納ケースの後部に設けた配線の端部を出し入れするための開口より水滴が浸入しにくくなるようにする。
【解決手段】スイッチおよび端子台を内蔵した収納ケースを有し設置面に取り付けられる発信機本体部と、スイッチを作動させる押しボタンを有する前面パネル部と、を備えた発信機において、前記収納ケースの後端は開口され、該開口に臨みかつ前記収納ケースのいずれか一方の側壁に近い偏位した位置に端子台が配設され、収納ケースの後端には、端子台に対応する部位に窓部を有する裏カバーが前記開口を閉塞するように固着され、裏カバーを覆うように着脱可能に裏蓋が装着され、裏蓋は下端部において裏カバーとの間に端子台に接続される複数の配線を出し入れするための開口を形成するように構成され、窓部の下縁に沿って防水壁が設けられているようにした。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項１】
オン、オフ動作可能なスイッチおよび端子台を内蔵した収納ケースを有し設置面に取り付けられる発信機本体部と、前記スイッチを作動させる押しボタンを有する前面パネル部と、を備えた発信機であって、
前記収納ケースの後端は開口され、該開口に臨みかつ前記収納ケースのいずれか一方の側壁に近い偏位した位置に前記端子台が配設され、
前記収納ケースの後端には、前記端子台に対応する部位に窓部を有する裏カバーが前記開口を閉塞するように固着され、前記裏カバーを覆うように着脱可能に裏蓋が装着され、
前記裏蓋は、下端部において前記裏カバーとの間に前記端子台に接続される複数の配線を出し入れするための開口を形成するように構成され、
前記窓部の下縁に沿って防水壁が設けられていることを特徴とする発信機。
続きを表示（約 340 文字）【請求項２】
前記防水壁は、前記窓部の幅とほぼ同一の幅を有するように形成されており、
前記防水壁の前記一方の側壁と反対側の端部と前記裏カバーの側壁部との間の空間に、前記複数の配線が集約されて挿通されることを特徴とする請求項１に記載の発信機。
【請求項３】
前記防水壁は、前記裏カバーに形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の発信機。
【請求項４】
前記防水壁は、前記収納ケースの側壁内面に形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載の発信機。
【請求項５】
前記裏カバーの下端部には、下方へ向かうほど後方へ傾斜するテーパ部が設けられていることを特徴とする請求項１または２に記載の発信機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、緊急報知用の発信機に関し、例えば建物の壁部に設けられ火災発生時に操作されることで警報を発するための火災報知用の発信機に利用して有効な技術に関する。
続きを表示（約 2,600 文字）【背景技術】
【０００２】
建物内部には火災の発生を知らせるために、火災報知システムが設けられている。火災報知システムは、火災感知器や押しボタン式スイッチを備えた手動の火災報知用の発信機、受信機、火災報知用のベル、表示灯などから構成され、このうち火災報知用の発信機は建物の廊下等の壁面に適切な高さで設置されている。火災発生時には、発見者が火災報知用の発信機の押しボタン式スイッチを強く押すことにより、火災発生を知らせる信号が受信機に伝送されると共に、発信機の近傍に設けられるベルから警報音が発せられて、周囲の人に対し火災発生を知らせることができる。
【０００３】
従来の火災報知用発信機は、室内露出部分を覆う円盤状の前面パネルを発信機本体の前面に備えたものが一般的であり、発信機本体は押しボタン式スイッチと、スイッチがオンしたことを検知して信号を生成し送出する回路基板と、火災受信機の監視員と通話するため送受話器を接続する電話ジャック等を備えている。また、前面パネルは、電話ジャックの前方を覆い必要に応じて開閉することができる開閉扉を備えており、発信機本体が建物の壁面に埋め込むように設置される。また、離れたところからでもまた暗がりであっても発見し易いように、火災報知用発信機の近傍に砲弾状をなす表示灯が設けられていた。
【０００４】
一方、近年、前面が平坦もしくは円盤状をなすフラットタイプの表示灯や、表示灯が一体に構成された火災報知用発信機も実用化されている。表示灯が一体に構成された火災報知用発信機に関する発明としては、例えば特許文献１に記載されているものがある。
特許文献１に記載されている火災報知用発信機は、発信機の前面パネルに電話ジャックの前面を覆う開閉扉が設けられているため、前面に設けられている表示灯と押しボタンや開閉扉の各部品同士の境界が視覚的にはっきりと分かるような形態で構成されている。
一方、近年、建物内部のデザイン性に対する要求が高くなってきており、各部品の境界がはっきりと分かる発信機は、建物の内壁に設置した際に、内装との調和がとれず違和感が生じるという課題がある。
【０００５】
そこで、発信機の前方から電話ジャックを使用可能にする機能を保証しつつ、部品同士の境界を減らして建物の内装との調和をとり違和感を生じにくくした発信機が提案されている。このような発信機に関する発明としては、例えば特許文献２に記載されているものがある。
特許文献２に記載の発信機は、押しボタン式スイッチおよび電話ジャックを内蔵した発信機本体部の収納ケースの前面に、押しボタンおよび放光部を備えた前面パネルをリンク機構によって連結することで、前面パネルが収納ケースの前部の開口を閉塞する第１状態と、収納ケース前部の開口を開放し電話ジャックが前方より操作可能な第２状態とに変換可能に構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０２０－１４４９５１号公報
特開２０２３－６４３９５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
火災報知用発信機においては、収納ケース内部に押しボタン式スイッチや警報信号を生成する回路が内蔵されており、内部の回路に電源を供給したり警報信号および通話の音声信号を出力したりするための配線を接続できるよう、配線の端部を出し入れするための開口をケースに設ける必要がある。一方で、発信機は、屋外に設置された機器収容箱や消火栓箱に設けられることもあるため、外部より水滴が浸入しない構造であることが要求される。なお、防塵・防水試験基準がＩＳＯ、ＪＩＳ等で規格化されており、これらの規格に従って放水試験を行う際にも水しぶきがかかってしまうことがある。
【０００８】
そこで、特許文献２に記載されている発信機においては、収納ケースの後部を裏蓋で覆うとともに、裏蓋の下方に外部からの配線の端部を出し入れするための開口を設けている。このように開口を設ける位置と向きを工夫することにより、外部から収納ケース内に水滴が浸入しにくくすることができる。
しかし、特許文献２に記載されている発信機のように、収納ケースの後部を覆う裏蓋の下部に開口を設けた場合であっても、強風下で降りかかる雨水による水しぶきで、裏蓋の下部の開口より収納ケースに内に水滴が浸入する虞がある。また、防塵・防水試験基準規格の防水等級「３」は、垂直より左右６０°以内からの降雨によって有害な影響を受けないというもので、垂直より左右６０°で放水する試験を行う際に、収納ケースの下部開口に水しぶきがかかる虞がある。そのため、裏蓋の下部に下方を向くように開口を設けても、収納ケースに内に水滴が浸入するのを防止することは困難であることが分かった。
【０００９】
本発明は上記のような課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、押しボタン式スイッチを内蔵し前面側に前面パネルが装着されている収納ケースを備えた発信機において、収納ケースの後部に設けた配線の端部を出し入れするための開口より水滴が浸入しにくくなるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記課題を解決するために、本発明は、
オン、オフ動作可能なスイッチおよび端子台を内蔵した収納ケースを有し設置面に取り付けられる発信機本体部と、前記スイッチを作動させる押しボタンを有する前面パネル部と、を備えた発信機において、
前記収納ケースの後端は開口され、該開口に臨みかつ前記収納ケースのいずれか一方の側壁に近い偏位した位置に前記端子台が配設され、
前記収納ケースの後端には、前記端子台に対応する部位に窓部を有する裏カバーが前記開口を閉塞するように固着され、前記裏カバーを覆うように着脱可能に裏蓋が装着され、
前記裏蓋は、下端部において前記裏カバーとの間に前記端子台に接続される複数の配線を出し入れするための開口を形成するように構成され、
前記窓部の下縁に沿って防水壁が設けられているように構成したものである。
（【００１１】以降は省略されています）

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