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公開番号2025108699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025070819,2021576355
出願日2025-04-22,2020-06-30
発明の名称セルピン産生
出願人ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
代理人個人,個人,個人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20250715BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】セルピンを発現する細菌におけるセルピン産生を増加させるための培地、前記細菌、及び前記細菌を含む組成物を提供する。
【解決手段】ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムにおけるタンパク質産生を増加させるための、フルクトース二糖を0.5~1重量%の濃度で含む、培地、又はフラクトオリゴ糖(FOS)を0.5~1重量%の濃度で含む、培地が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムにおけるセルピンタンパク質産生を増加させるための、フルクトース二糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、又はこれらの組み合わせの使用。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、前記フルクトース二糖、フラクトオリゴ糖(FOS)、又はこれらの組み合わせを0.02~5重量%の濃度で含む培地で培養される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムにおけるセルピンタンパク質レベルを増加させる方法であって、前記方法が、培養培地でビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを増殖させる工程を含み、前記培養培地が、フルクトース二糖、FOS、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、方法。
【請求項4】
前記培養培地が、前記フルクトース二糖、FOS、又はこれらの組み合わせを0.02~5重量%の濃度で含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2169、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2171、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株ATCC BAA-999、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株ATCC 15708、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株DSM 20097、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株NCIMB 8809、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2618(NCC 2705)、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株CNCM I-2170、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム株ATCC 15707(T)、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1若しくは2に記載の使用、又は請求項3若しくは4に記載の方法。
【請求項6】
前記ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムが、ビフィドバクテリウム・ロンガム株CNCM I-2618(NCC 2705)である、請求項1、2若しくは5に記載の使用、又は請求項3、4若しくは5に記載の方法。
【請求項7】
前記フルクトース二糖又はFOSが、サッカロース、ラクツロース、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1、2、5若しくは6のいずれか一項に記載の使用、又は請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記フルクトース二糖又はFOSが、2~10の範囲のDPを有するFOSである、請求項1、2、5若しくは6のいずれか一項に記載の使用、又は請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガムを培養培地で増殖させる方法によって調製され、前記培養培地が、フルクトース二糖、FOS、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする、ビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
【請求項10】
前記培養培地が、前記フルクトース二糖、FOS、又はこれらの組み合わせを0.02~5重量%の濃度で含む、請求項9に記載の方法によって調製されたビフィドバクテリウム・ロンガム亜種ロンガム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルピンを発現する細菌、細菌におけるセルピン産生を増加させるための方法、及びその使用に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【0002】
[背景技術]
グルテン関連障害は、グルテンにより誘導される全ての疾患を含む。これらの疾患としては、数ある病態生理の中でも、セリアック病、及び非セリアックグルテン過敏症が挙げられる。現在、様々なグルテン関連障害の発生率が世界中で上昇しており、セリアック病及び非セリアックグルテン過敏症に関しては特に上昇している。両疾患は、グルテンの摂取によって誘導される。先天性免疫及び適応免疫はいずれもセリアック病に関与し、かつ先天性免疫は非セリアックグルテン過敏症に関与している。
【0003】
生涯に及ぶグルテンフリーの食生活は、セリアック病及び非セリアックグルテン過敏症患者に対する代表的な治療であるが、疾患の腸管外での症状に対してはある程度の限界を有し得る(Sedghizadeh et al.,2002,Oral Surgery,Oral Medicine,Oral Pathology,Oral Radiology,and Endodontology,94(4),474-478)。低レベルでの二次汚染を回避することは困難であり、穀物の生育から製造加工までの食品生産チェーンの全体で発生する可能性があるため、厳密なグルテンフリーの食生活に従うことは非常に難しいことが示されている(Mitchison et al.,1991,Gut,32(3),260-265)。更に、厳格なグルテンフリーの食生活下であっても、毎日最大3gのグルテンを思いがけず摂取している可能性があることが報告されている(Aziz et al.,2014,The American journal of gastroenterology,109(9),1498)。
【0004】
セリアック病は、特に米国及び欧州で広がっており、被検者の約1%が抗体検査で陽性であった(Dube et al.,2005,Gastroenterology,128(4),S57-S67)。セリアック病は、様々な免疫学的要因、遺伝的要因、及び環境的要因の間での複雑な相互作用から生じる複雑な疾患である(Alaedini&Green,2005)。この疾患は、小麦グルテン、並びにライ麦タンパク質及び大麦タンパク質などの関連するその他の穀類タンパク質の消化によって誘導される。セリアック病に関連する症状には、子供の発育遅延、易怒性、及び思春期遅延、並びに不快感、下痢、潜伏便(occult stool)、脂肪便及び鼓腸などの多くの胃腸の症状がある(Dube et al.,2005;Sedghizadeh et al.,2002)。
【0005】
非セリアックグルテン過敏症(非セリアック小麦過敏症とも呼ばれる)は、新しく出現している身体状態である。この状態は、グルテンの摂取によって誘導される腸症状及び/又は腸外症状を引き起こす臨床単位として定義され、食事からグルテン含有食品を除去することで改善される可能性がある(Lundin&Alaedini,2012)。グリアジン(グルテンの主要な細胞毒性抗原)に加えて、グルテン及びグルテン含有穀物(小麦、ライ麦、大麦、及びそれらの誘導体)中に存在する他のタンパク質/ペプチドが症状の出現に関与し得る。非セリアックグルテン過敏症は、一般集団において0.5~13%(平均5%)の有病率を示す、グルテン関連障害の中でも最も一般的な症候群である(Catassi et al.,2013,Nutrients,5(10),3839-3853)。
【0006】
セリンプロテアーゼ阻害剤(セルピン)は、真核生物(Gettins,2002 Chemical reviews,102(12),4751-4804)及び原核生物(Kantyka et al.,Biochimie,92(11),1644-1656)に見られるタンパク質のスーパーファミリーである。
【0007】
近年では、ヒトセリンプロテアーゼ阻害剤が、グルテン関連障害において強く関与していることが示されている。エラフィンは、様々な形態のエラスターゼ及びプロテイナーゼに対し強力な阻害能を示すヒトセリンプロテアーゼ阻害剤である(Ying&Simon,1993,Biochemistry,32(7),1866-1874)。エラフィンは胃腸管の上皮全体で発現し、炎症性腸疾患及びセリアック病を有する患者ではその発現及び誘導は低下している(Baranger,Zani,Labas,Dallet-Choisy,&Moreau,2011;Motta et al.,2012)。近年では、エラフィンはトランスグルタミナーゼ2(TG2)の架橋活性の基質として同定されている(Baranger et al.,2011,PloS one,6(6),e20976;Motta et al.,Science translational medicine,4(158),158ra144-158ra144)。インビトロのデータでは、エラフィンの添加によりトランスグルタミナーゼ2(TG2)が適度に阻害され、したがって、セリアック病における適応免疫反応に考えられ得る誘因の1つである、消化抵抗性の33-merのグリアジンペプチドの脱アミド化が阻害されることが示されている(McCarville et al.2015,Current opinion in pharmacology,25,7-12)。
【0008】
組換えラクトコッカスラクティス(Lactococcus lactis)によって産生されたエラフィンの送達により、グルテン過敏症のマウスモデルにおいて、グルテン誘発性の病状が軽減し、腸の炎症が正常化されることが示されている(Galipeau et al.,2014,The American journal of gastroenterology,109(5),748-756)。しかしながら、この提案された療法は、遺伝子組み換え微生物(GMO)に基づくものであり、消費者によるGMOの受容は非常に低いことから、食品用途に適さない。
【0009】
より最近では、原核生物のセルピンが報告されている。インシリコ分析では、様々なビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)種、特にビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)種の亜種ロンガムの細菌に、セルピン様タンパク質をコードする遺伝子が存在していることが明らかになった。B.ロンガム亜種ロンガム(B.ロンガムと命名)NCC 2705によりコードされたタンパク質は、ヒトセルピンの抗プロテアーゼ活性と類似する抗プロテアーゼ活性を示した(Ivanov et al 2006,Journal of Biological Chemistry,281(25),17246-17252)。
【0010】
B.ロンガムNCC 2705は、2001年1月29日にブダペスト条約によりパスツール研究所に寄託され、寄託番号CNCM I-2618を付されている。
(【0011】以降は省略されています)

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