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公開番号2025108597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2025067311,2024536442
出願日2025-04-16,2023-11-27
発明の名称Al接続材
出願人日鉄ケミカル&マテリアル株式会社,日鉄マイクロメタル株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類C22C 21/02 20060101AFI20250715BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】製造時に内部クラックの発生を抑制し得ると共に、優れた温度サイクル信頼性を呈するAl接続材を提供する。
【解決手段】Siを3.0質量%以上12.0質量%以下含有し、かつ、Sr、Na、Eu、Caのいずれか一種以上を総計で5質量ppm以上800質量ppm以下含有する、Al接続材。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Siを3.0質量%以上12.0質量%以下含有し、かつ
Sr、Na、Eu、Caのいずれか一種以上を総計で5質量ppm以上800質量ppm以下含有する、Al接続材。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
該Al接続材のL断面(中心軸を含む中心軸方向の断面)におけるSi相の結晶方位を測定したとき、中心軸方向に対して角度差が15°以下である<111>結晶方位と<110>結晶方位の方位比率の総計が20%以上70%以下である、請求項1に記載のAl接続材。
【請求項3】
L断面におけるSi相の平均径が0.8μm以上4μm以下である、請求項1に記載のAl接続材。
【請求項4】
さらにTi、B、Zrのいずれか一種以上を総計で10質量ppm以上500質量ppm以下含有する、請求項1に記載のAl接続材。
【請求項5】
さらにNi、Y、Yb、Scのいずれか一種以上を総計で5質量ppm以上500質量ppm以下含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のAl接続材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、Al接続材に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
半導体装置では、半導体チップ上に形成された電極と、リードフレームや基板上の電極との間をボンディングワイヤ(線材)やボンディングリボン(条材)によって接続している。パワー半導体装置においては主にアルミニウム(Al)を材質とするボンディングワイヤやボンディングリボンが用いられている。Alボンディングワイヤの線径は主に100μm~600μmの範囲であり、Alボンディングリボンでは主に幅が100μm~3000μmの範囲、厚さが50μm~600μmの範囲である。ここで、AlボンディングワイヤやAlボンディングリボンを総称して、Al接続材ともいう。
【0003】
パワー半導体装置においては、半導体チップの材料としてシリコン(Si)が、また、半導体チップ上に形成された電極の材料としてAl-Si合金やAl-Cu合金が用いられることが多い。またAl接続材を用いたパワー半導体装置は、エアコンや太陽光発電システムなどの大電力機器、車載用の半導体装置として用いられることが多い。
【0004】
Al接続材の接合方法について、半導体チップ上の電極との1st接合と、リードフレームや基板上の電極との2nd接合とがあり、いずれもウェッジ接合が用いられている。ウェッジ接合とは、金属製の治具(ツール)を介してAl接続材に超音波振動と荷重を印加し、Al接続材と電極材料の表面酸化膜を破壊して新生面を露出させ、固相拡散接合を行う方法である。この接続方法は、接続材を溶融しないで固相状態で接続することが特徴であり、接続材を溶融する溶接技術とは異なる接合技術である。
【0005】
次世代パワー半導体装置においては、汎用パワー半導体装置に比べて長時間にわたって安定的に動作することが要求される。パワー半導体装置は電流のオン、オフを繰り返して動作する。Al接続材を通してSi製の半導体チップに電流が供給されると1st接合部の温度は上昇する。一方、電流の供給が停止されると1st接合部の温度は低下する。このようにしてパワー半導体の動作時には1st接合部が昇温、降温を繰り返す。そうすると1st接合部にはAl接続材と半導体チップとの熱膨張差に起因する熱応力が繰り返し負荷される。高純度のAlのみからなる接続材を用いた場合、熱応力によりAl接続材が比較的短時間で破壊し、次世代パワー半導体装置に求められる性能を満足することは困難であった。したがって、次世代パワー半導体では、1st接合部の昇温、降温にともなう接合部寿命(以下、「温度サイクル信頼性」ともいう。)の向上が要求される。
【0006】
温度サイクル信頼性の要求に対して、機械的強度向上に主眼をおいたAl接続材が提案されている。Al接続材の機械的特性を向上させる方法として、Alに特定の元素を添加する手法が提案されている。
【0007】
特許文献1には、少なくともマグネシウム(Mg)及びシリコン(Si)を含有し、且つMg及びSiの含有量の合計が0.03質量%以上0.3質量%以下であるAl合金からなるボンディングワイヤが開示されている。本特許文献には、MgやSiの固溶強化による高強度化の効果や析出したマグネシウムシリサイド(Mg

Si)によるき裂進展抑制効果により、70℃から120℃の温度範囲での冷温度サイクル試験における1st接合部の接合強度の低下が遅れることが開示されている。
【0008】
特許文献2には、鉄(Fe)を0.01~0.2質量%、シリコン(Si)を1~20質量ppm含有し、残部が純度99.997質量%以上のAlである合金からなり、Feの固溶量が0.01~0.06%であり、Feの析出量がFe固溶量の7倍以下であり、かつ、平均結晶粒子径が6~12μmの微細組織であることを特徴とするボンディングワイヤが開示されている。本特許文献には、FeとAlの金属間化合物粒子をAl中に均一に分散させてマトリックスの機械的強度を向上させ、さらに再結晶粒を微細化することによって、-50℃から200℃の温度範囲での熱衝撃試験における1st接合部の接合強度の低下が抑制できることが開示されている。
【0009】
特許文献3には、シリコン(Si)を0.1~5質量%含み、残部がAl及び不純物からなるAl-Si合金を溶融して、これを噴出急冷して細線に成形してなるボンディングワイヤが開示されている。本特許文献には、溶融したAl-Si合金を急冷してSiを微細かつ均一に分散させることで、機械的強度が向上することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2014-131010号公報
特開2014-129578号公報
特開昭59-57440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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