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公開番号2025106777
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-16
出願番号2024059016
出願日2024-04-01
発明の名称リサイクル熱可塑性ポリエステルエラストマー及びその製造方法
出願人新光合成纎維股分有限公司
代理人個人,個人
主分類C08J 11/24 20060101AFI20250709BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、優れた色相及び良好な物性を有するリサイクル熱可塑性エラストマー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ポリオールが配位したチタン化合物触媒を使用して、アルコール分解及びエステル交換の一段階反応でリサイクルポリエステルを得た後、ポリオールポリマーと反応させることでリサイクル熱可塑性エラストマーを得る方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(a)第1のポリオールが配位したチタン化合物触媒を使用して、第1のポリエステルのアルコール分解及び第2のポリオールのエステル交換を一段階反応で行うステップと、
(b)前記アルコール分解及び前記エステル交換の一段階反応で得られた第2のポリエステルを回収するステップと、
を含む、リサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第1のポリオールと前記チタン化合物触媒との配位比は、約1:1~約3:1である、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項3】
前記第1のポリオールは、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール及びマンニトールからなる群より選ばれる、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項4】
前記第1のポリオールが配位した前記チタン化合物触媒は、アルカリ金属塩を添加して反応させることによって製造される、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項5】
前記第1のポリオールが配位した前記チタン化合物触媒は、エタノール/水系中で反応を経て製造される、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項6】
前記第1のポリオールが配位した前記チタン化合物触媒は、約0°C~約100°Cの反応温度で反応を経て製造される、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項7】
前記第1のポリオールが配位した前記チタン化合物触媒は、約2時間~約8時間の反応時間で製造される、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項8】
前記第1のポリオールが配位した前記チタン化合物触媒の添加量は、約0.01~約1mmolである、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項9】
前記第1のポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレン-2,6’-ナフタレート(PEN)、ポリエチレン-1,2-ビス(2-クロロフェノキシ)エタン-4,4’-ジカルボキシレートからなる群より選ばれる、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
【請求項10】
前記第2のポリオールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールからなる群より選ばれる、請求項1に記載のリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた色相及び良好な物性を有するリサイクル熱可塑性ポリエステルエラストマー及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
リサイクル熱可塑性エラストマー(rTPEE)は、リサイクルポリエステルとポリオールを反応させることで製造される。反応原料としてモノマーから形成されるポリエステルと比較して、リサイクルポリエステルを原料とする場合、そのリサイクルの技術的な限界から性能が低下する。回収された製品は、ローエンド分野でしか使用できず、何度もリサイクルすることができない。
【0003】
現在、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate、以下、「PET」という)のリサイクルは、物理的リサイクルと化学的リサイクルとの2つの方法がある。物理的リサイクル方法は、主に廃ポリエステルとその製品を直接混合・造粒し、再生樹脂をスライスして使用する方法である。しかし、再生樹脂スライスの品質変動が大きいため、一般的に従来の短繊維製品しか製造できず、ハイエンド製品のニーズに対応できない。化学的方法は、加水分解、メタノールアルコール分解、エチレングリコールアルコール分解、1,4-ブタンジオールアルコール分解、マイクロ波法等がある。しかし、リサイクルコストと技術的要件が高いため、リサイクル廃エステルはリサイクル熱可塑性エラストマーの製造に一般的に使用されていない。
【0004】
中国特許公開106113319Aには、処理されたポリエステル廃棄物をエチレングリコールでアルコール分解、エステル化、縮重合の幾つかのステップを経て濾過しリサイクルポリエステルを得る方法が開示されている。米国特許公開20070225474A1には、エチレングリコールとメタノールの使用によりポリエチレンテレフタレート(PET)をテレフタル酸(Purified Terephthalic Acid、PTA)に解重合する方法が開示され、PETをモノマー原料として使用する方法は、プロセスが複雑であり、多量の有機溶媒とエネルギーを消費するため、商業化することが困難である。欧州特許1437377B1には、1,4-ブタンジオール(1,4-Butanediol、BDO)を使用して、200~260℃の高温でPETを中間体であるビス-2-ヒドロキシブチルテレフタレート(Bis-2-Hydroxybutyl Terephthalate、BHBT)に解重合し、次いでポリオールポリマー原料を添加してリサイクル熱可塑性エラストマー(rTPEE)に重合する方法が開示され、PETをPTAモノマーに解重合してから使用する従来の方法と比較して、より省エネルギーであるが、少なくとも解重合とエステル化を含む二段階ステップが必要であるため、プロセスが複雑である。
【0005】
従来技術に開示されているリサイクル熱可塑性エラストマーの製造は、いずれも、米国特許7795320号に記載されているように、PETを解重合した後、重合前にエステル交換反応(即ち、二槽反応)を行う必要がある。しかし、この製造方法は二段階で行われ、効率的かつ経済的でない。中国特許公開102675113Aには、良好な解重合効果を得るために、一般的な解重合触媒である酢酸亜鉛をリサイクルポリエステルに対して0.5~1.5重量%添加することが開示されている。しかし、中国特許公開101531773A号及び特許107652423B号に記載されているように、この触媒の添加量が多いため、亜鉛イオンが系内に残留し、重合中の副反応が大きく、ポリマーの分子鎖の成長が制限され、リサイクルポリエステルの品質が低下する。米国特許公開20110178265A1には、解重合工程で使用されるチタン触媒は少量であるが、エステル交換重合反応中の激しい副反応により、エステル粒子生成物は黄変しやすい問題があることが開示されている。一方、中国特許公開102164985Aには、エステル化反応における触媒は一般的に水にさらされると不安定であるため、マンニトール修飾チタン触媒をエステル化重合反応に使用する場合、黄変を低減することができるが、その用途は依然としてエステル化反応に限定されることが開示されている。
【0006】
リサイクルポリエステルのアルコール分解とポリオールのエステル化との工程は二段階に分ける必要があり、反応槽交換のエネルギー損失が非常に大きく、二種類の反応における触媒に要求される特性が同じではないため、触媒の残留が生じ、最終製品の黄化度や物性が要求を満たさない傾向がある。したがって、二種類の反応系の触媒を同時に適用してリサイクル可塑性エラストマーを製造する簡単な方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、解重合及びエステル交換の両用触媒系を使用してリサイクル熱可塑性エラストマーを製造する方法、及び、その触媒を使用して製造された熱可塑性エラストマーを提供する。これによって、反応槽を交換する際のエネルギー損失を直接的に低減することができる。また、触媒の副反応が少なく、触媒を除去する必要がないため、一段階で直接的に完了することができる。さらに、この触媒を使用することで、より優れた色相と物性を有するリサイクル熱可塑性エラストマーを製造することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる一実施形態は、
(a)第1のポリオールが配位したチタン化合物触媒を使用して、第1のポリエステルのアルコール分解及び第2のポリオールのエステル交換を一段階反応で行うステップと、
(b)アルコール分解及びエステル交換の一段階反応で得られた第2のポリエステルを回収するステップと、
を含む、リサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法を提供する。
【0009】
本発明に係わるリサイクル熱可塑性エラストマーの製造方法は、(c)約20重量%~約80重量%のポリオールポリマーを添加して反応させることによって、リサイクル熱可塑性エラストマーを得るステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、優れた色相及び良好な物性を有するリサイクル熱可塑性エラストマー及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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