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公開番号2025106085
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-11
出願番号2025045515,2021514127
出願日2025-03-19,2019-09-13
発明の名称ドコサヘキサエン酸に富む微生物オイル
出願人フェルメンタル
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A23D 9/02 20060101AFI20250704BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】天然にPUFAに富み、その組成が産生微生物の脂溶性物質にできる限り近く、処理中に生成される不純物が最小であるオイル、および該オイルを含む食品を提供する。
【解決手段】ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む微生物オイルであって、脂質の総質量に対して少なくとも80%のトリグリセリドと、脂質の総質量に対して60%超のDHAとを含み、かつ、飽和脂肪酸含有量が脂質の総質量に対して25%未満であることを特徴とする、微生物オイルを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ドコサヘキサエン酸(DHA)を含む微生物オイルであって、当該微生物オイルが、脂質の総質量に対して少なくとも80%のトリグリセリドと、脂質の総質量に対して60%超のDHAとを含み、かつ、飽和脂肪酸含有量が脂質の総質量に対して25%未満であることを特徴とする、微生物オイル。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
少なくとも65%のDHAを含むことを特徴とする、請求項1に記載の微生物オイル。
【請求項3】
ドコサペンタエン酸(DPA)を含み、かつ、DHAとDPAとの組み合わせ含有量が脂質の総質量に対して少なくとも70%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の微生物オイル。
【請求項4】
少なくとも70%のDHAを含むことを特徴とする、請求項1に記載の微生物オイル。
【請求項5】
DHAとDPAとの組み合わせ含有量が脂質の総質量に対して少なくとも80%であることを特徴とする、請求項4に記載の微生物オイル。
【請求項6】
DHA/DPA比率が少なくとも4であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の微生物オイル。
【請求項7】
飽和脂肪酸含有量が脂質の総質量に対して15%未満であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の微生物オイル。
【請求項8】
室温における粘度が50Pa・s以下であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の微生物オイル。
【請求項9】
粘度が30Pa・s未満であることを特徴とする、請求項7に記載の微生物オイル。
【請求項10】
他のオイルと混合された、請求項1~9のいずれか一項に記載の微生物オイルを含むことを特徴とする、希釈された微生物オイル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドコサヘキサエン酸(DHA、C22:6n3)に富む微生物オイルであって、脂質の総質量に対して60%超のDHAおよび脂質の総質量に対して少なくとも80%のトリグリセリドを含有する微生物オイルに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
DHAを含むオイルは様々な源から得られ、最もよく知られている源は、魚、オキアミおよび微細藻類などの微生物である。多くの株の微生物が、PUFA、特に、ω3やω6の表記でも表される、ドコサヘキサエン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)を産生することが知られている。これらのPUFAは工業、特にヒトまたは動物用の食品、または化粧品において広く用いられており、これらの工業生産は長年にわたり改良が続けられてきた(WO1997/037032、WO2001/054510、WO2013/136028、WO2015/004402、US2017/016036、US2017/335356)。工業生産に適した株の選択基準は、高バイオマス生産性と、脂質における顕著なトリグリセリド(TG)蓄積と、高いPUFA含有量である。今日では、多くの公知の工業用の株がこれら3つの基準を満たし、脂質中で35%台、ベストケースでは50%のPUFA含有量を有する。
【0003】
しかしながら、高PUFA含有量の濃縮オイルに対する要求、すなわち同等量のPUFAのために必要な単位用量の数を減らすことを可能とする濃縮オイルカプセルなどの濃縮製品の供給に対する要求がある。高PUFA含有量(例えば55%超のDHA)のオイルを得るために、PUFAを添加してオイルを富化することができ(US2014/323569)、および/または、エタノールなどの溶媒の使用を伴ってトリグリセリドをエチルエステルに変換する方法によってオイルが濃縮される。エチルエステルは人工的な化学形態であり、自然界には存在しない。エチルエステルの形態での脂肪酸のバイオアベイラビリティは、トリグリセリドの形態での脂肪酸のバイオアベイラビリティよりはるかに低い(Ghasemifardら、2014)。また、上記の方法は粗製オイルに含まれるビタミンおよび抗酸化物質を除去してしまう。その結果、濃縮オイルは酸化に対しより弱いものとなる。
【0004】
バイオアベイラビリティを改善するために、エチルエステルをトリグリセリドに戻すことも可能である(「再形成された」トリグリセリド)。オイルの経時的安定性を向上させるために抗酸化物質を添加することもできる。しかしながら、この濃縮オイルは天然のオイルとはむしろ異なり、すなわちいくつかの変性プロセスを経て、その組成:脂肪酸プロファイル、ビタミン、色素および他の抗酸化分子は変化し、PUFAから天然の保護を奪う結果となっている。しかしながら、PUFAは、シス結合からトランス結合へ変化し得る敏感な分子、特に温度に敏感な分子である(Tsuzuki W、2012)。トリグリセリドの再形成は不完全であり、このようにして処理されたオイルは、依然として様々な割合でエチルエステルを含有するため、未処理のオイルと相違することに留意すべきである。エステル交換(エチルエステルをトリグリセリドに変換すること)の間に放出されるエタノールは、一般的に蒸発によって除去される。それにもかかわらず、微量のエタノールは濃縮オイル中に残存する。
【0005】
オイル処理プロセスの最小化が望まれる他の理由は、モノクロロプロパンジオール(2-MCPD、3-MCPD)およびグリシドールおよびこれらの誘導体(2-MCPD、3-MCPD、グリシドールの脂肪酸エステル)などの不純物の形成である。これら不純物の存在は、特に魚油の精製および脱臭工程後に検出されてきた(MiyazakiおよびKoyama、2017)。現時点では、濃縮プロセスが不純物の形成に及ぼす影響に関する利用可能な情報はほとんどない。しかしながら、エチルエステルからのトリグリセリドの再形成は、不純物の前駆体化合物であるジグリセリドの増加につながり得る。グリシドール(およびグリシドールエステル)のレベルは、食品におけるその含有量を制限する(EU)2018/290/EC規制の対象である:制限濃度が500μg/kgとされる幼児および乳児用の食品の調製を目的とする食用油を除き、食用油における濃度は1000μg/kgを超えてはならない。幼児および乳児用の製剤では、最大レベルはさらに低い:粉剤中75μg/kgであり、液剤中10μg/kgである。このレベルは、2019年にさらに下げられるであろう(散在中は50μg/kgおよび液剤中は6μg/kg)。最大MCPD濃度の評価は、オイルおよび幼児用食品について現在進行中である。現時点では、規制は植物性タンパク加水分解物および醤油のみに関する(制限:20μg/kg)。
【0006】
したがって、天然にPUFAに富み、その組成が産生微生物の脂溶性物質にできる限り近く、処理中に生成される不純物が最小であるオイルを得ることは重要である。これは、オイルをとりわけ食品製品にDHAを組み込むことに適したものとする。その非常に低い3-MCPDおよびグリシドール含有量と、その高DHA含有量が組み合わされ、幼児および乳児を目的とした食品の調製に理想的なものとされる。
【0007】
さらに、これら濃縮オイルは、一般的に、高価で環境に害のある処理プロセスによって得られる。
【0008】
他の公知の解決手段は、PUFA産生の代謝経路の促進を求めて遺伝子組み換え微生物(Hamiltonら、2016)、またはより多くのDHAを産生すると考えられる変異体(WO2017/09804)を作製することにある。しかしながら、技術的解決手段の選択肢は、得られるオイルの用途によって、とりわけヒト用食品において限られている(Fedorova-Dahms I.ら、2011)。
【0009】
抽出方法以外の処理を必要とすることなく、天然にPUFAが濃縮されたオイル、すなわち微生物によって産生され、PUFAが基本的にトリグリセリドの形態であるオイルに対する要求が存在する。より詳しくは、高PUFA含有量および低飽和脂肪酸含有量のオイルに対する要求が存在する。オイルの品質に対する問いに加えて、低飽和脂肪酸含有量に対する関心は、より低粘度で、工業レベルでより使い易く、特に取り扱いにあたって要求されるエネルギーがより少ないオイルに向けられている。
【0010】
本発明は、脂質の総質量に対して少なくとも60%のDHAを含む、高DHA含有量のオイルによって、上記の要求を満たす。このオイルは、エチルエステルおよび微量の溶媒(エタノールまたはメタノール)の双方を含まず、(現在市場に流通する60%超のDHAを含むオイルと比べて)低減された量の3-MCPDおよびグリシドールを含む。
【発明の概要】
(【0011】以降は省略されています)

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