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公開番号
2025105263
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-10
出願番号
2023223701
出願日
2023-12-28
発明の名称
ウロキナーゼとウロキナーゼ受容体の相互作用阻害剤
出願人
株式会社 資生堂
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61K
31/4166 20060101AFI20250703BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】プラスミン作用の抑制により生じる様々な生理作用に着目し、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用を抑制する薬剤を提供することを目的とする。
【解決手段】ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用を抑制する薬剤として、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を提供する。1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩は、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用の抑制を介して、プラスミン作用を抑制し、炎症抑制、細胞外マトリクスの分解防止、癌の浸潤抑制など様々な生理作用を発揮する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の:
以下の式:
JPEG
2025105263000003.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、
R
1
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH
2
-又は-N(R
2
)-で示される基であり、
R
2
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物を含む、ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用阻害剤。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記相互作用阻害剤が、プラスミン活性化を抑制する、請求項1に記載の相互作用阻害剤。
【請求項3】
前記プラスミン活性化の抑制が、マトリクスメタロプロテイナーゼの発現を含み、前記相互作用阻害剤が、マトリクスプロテイナーゼの発現を抑制する、請求項2に記載の相互作用阻害剤。
【請求項4】
前記マトリクスプロテイナーゼが、MMP3又はMMP9である、請求項3に記載の相互作用阻害剤。
【請求項5】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の式:
JPEG
2025105263000004.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、
R
1
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH
2
-又は-N(R
2
)-で示される基であり、
R
2
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物を含む、マトリクスプロテイナーゼの活性化抑制剤。
【請求項6】
前記マトリクスプロテイナーゼが、MMP3又はMMP9である、請求項5に記載の活性化抑制剤。
【請求項7】
1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩であって、以下の式:
JPEG
2025105263000005.jpg
37
39
(式中、
nは、1~3の整数であり、
R
1
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基であり、
Xは、-CH
2
-又は-N(R
2
)-で示される基であり、
R
2
は、水素原子、又は水酸基で置換されてもよい炭素数1~6の炭化水素基である)
で表される化合物を含む、プラスミン生成抑制剤であって、ウロキナーゼによるプラスミン生成を抑制する、前記プラスミン生成抑制剤。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用を阻害し、ウロキナーゼが関わる作用を抑制し、生理機能を発揮させる技術に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ウロキナーゼは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)と呼ばれるセリンプロテアーゼの一種である。ウロキナーゼは、尿から発見された物質であり、単離されて血栓溶解剤として、冠動脈血栓や脳血栓症の治療に利用されている。ウロキナーゼは、尿の他、血液、細胞外マトリクスに存在し、基質であるプラスミノーゲンに対し作用して、プラスミンを生成する。プラスミンは様々な生理活性を有するセリンプロテアーゼであり、血栓溶解、マトリクスメタロプロテイナーゼの活性化等に関与する。
【0003】
血中や組織液中に含まれるウロキナーゼは、細胞膜表面に存在するウロキナーゼ受容体(uPAR)と相互作用する。ウロキナーゼ受容体は特に、線維芽細胞、血管平滑筋細胞、白血球や骨髄細胞などの細胞に発現している。ウロキナーゼ受容体は、相同性の高い3つの領域(D1、D2、D3)と、グルコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーとを有しており、GPIアンカーを介して細胞膜に係留されている。ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとが相互作用することにより、ウロキナーゼにより生成されるプラスミンがウロキナーゼ受容体を発現する細胞周囲に限局して作用すると考えられる。癌細胞はウロキナーゼ受容体を発現しており、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼが相互作用することで癌細胞周囲にプラスミンが生じる。プラスミンの作用の一つである細胞外マトリクスの分解が、癌の浸潤、転移及び増殖に関与すると考えられている。ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用を抑制することで、癌細胞の浸潤を抑制する治療法の開発が試みられている(非特許文献1:ACS Chem. Biol. 2011. 6. 11. 1232-1243、非特許文献2:Front. Pharmacol. (2015) 6:154)。また、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼの相互作用を解析し、タンパク質間の形状を模倣することで相互作用を抑制可能な化合物の開発が行われている(非特許文献3:Chem Med. Chem Vol.12, Issue 21, P.1794-1809)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-010164号公報
【非特許文献】
【0005】
ACS Chem. Biol. (2011) 6. 11. 1232-1243
Front. Pharmacol. (2015) 6:154
Chem Med. Chem Vol.12, Issue 21, P.1794-1809
Journal of Translational Medicine(2022) volume 20, Article number: 135
Drug Discovery Today(2021) Volume 26, Issue 4, April, Pages 1076-1085
Current Pharmaceutical Design, (2011) Volume 17, Number 19, pp. 1874-1889 (16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プラスミン作用の抑制により生じる様々な生理作用に着目し、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用を抑制する化合物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが、ウロキナーゼ受容体とウロキナーゼとの相互作用を抑制する薬剤についてスクリーニングを行ったところ、 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩が ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用を用量依存的に阻害することを見出し、本発明に至った。
そこで本発明は以下に関する:
[1-1] 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を含む、ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用阻害剤。
[1-2]ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用阻害剤の製造のための 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩の使用。
[1-3]ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用の阻害を必要とする対象に対して、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を投与することを含む、ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用の阻害方法。
[1-4]ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用の阻害を介して、プラスミン作用関連疾患及び状態の予防、治療又は改善において使用するための1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩。
[2-1] 前記相互作用阻害剤が、プラスミン活性化を抑制する、項目1-1に記載の相互作用阻害剤。
[2-2] 前記相互作用阻害剤が、プラスミン活性化を抑制する、項目1-2に記載の使用。
[2-3] 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を投与することにより、プラスミン活性化を抑制する項目1-3に記載の方法。
[2-4]ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用の阻害により、プラスミン活性化を抑制することを介して、プラスミン作用関連疾患及び状態を予防、治療又は改善する、項目1-4に記載の1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩。
[3] 前記プラスミン活性化の抑制が、マトリクスメタロプロテイナーゼの活性化を含み、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩が、マトリクスプロテイナーゼの発現を抑制する、項目1-1~1-4に記載の発明。
[4] 前記マトリクスプロテイナーゼが、MMP3又はMMP9である、項目4に記載の発明。
[5-1] 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を含む、マトリクスプロテイナーゼの活性化抑制剤。
[5-2]マトリクスプロテイナーゼの活性化抑制剤の製造のための 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩の使用。
[5-3]マトリクスプロテイナーゼの活性化の抑制を必要とする対象に対して、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を投与することを含む、マトリクスプロテイナーゼの活性化の抑制方法。
[5-4]マトリクスプロテイナーゼの活性化の抑制を介して、プラスミン作用関連疾患及び状態の予防、治療又は改善において使用するための1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩。
[6] 前記マトリクスプロテイナーゼが、MMP3又はMMP9である、項目5-1~5-4に記載の発明。
[7-1] 1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を含む、プラスミン生成抑制剤であって、ウロキナーゼによるプラスミン生成を抑制する、前記プラスミン生成抑制剤。
[7-2]ウロキナーゼによるプラスミン生成を抑制することにより、プラスミン生成抑制剤の製造のための1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩の使用。
[7-3]プラスミン生成の抑制を必要とする対象に対して、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を投与することを含み、ウロキナーゼによるプラスミン生成を抑制することにより、プラスミン生成が抑制される方法。
[7-4]ウロキナーゼによるプラスミン生成の抑制を介して、プラスミン作用関連疾患及び状態の予防、治療又は改善において使用するための1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩。
【発明の効果】
【0008】
ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用を阻害することができる。これにより、プラスミン作用に基づく生理作用を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、プラスミンによるマトリクスメタロプロテイナーゼの活性化、及びマトリクスメタロプロテイナーゼによる相互活性化の関係を示す図である。
図2は、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)により、濃度依存的にウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用が阻害されることを示すグラフである(A:相互作用率、B:阻害率)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1の態様は、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩を含む、ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用阻害剤に関する。ウロキナーゼ(uPA)とウロキナーゼ受容体(uPAR)の相互作用を阻害することにより、プラスミノーゲンからプラスミンへの活性化を抑制することができる。これにより、プラスミン作用の下流の生理作用の一部又は全部を抑制することができる。
プラスミン作用としては、以下の:
マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)活性化;
血栓溶解;
サイトカイン・ケモカインの発現促進及び活性化;
が挙げられる(非特許文献4:Journal of Translational Medicine volume 20, Article number: 135 (2022)、非特許文献5:Drug Discovery Today Volume 26, Issue 4, April 2021, Pages 1076-1085、非特許文献6:Current Pharmaceutical Design, Volume 17, Number 19, 2011, pp. 1874-1889 (16))。1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリジノン(HEI)又はその誘導体、或いはそれらの塩は、これらのプラスミン作用のうちの少なくとも1つ又はその組み合わせの作用を抑制することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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