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公開番号
2025102646
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2024177222
出願日
2024-10-09
発明の名称
肝障害抑制用組成物
出願人
雪印メグミルク株式会社
代理人
弁理士法人 もえぎ特許事務所
主分類
A23L
33/135 20160101AFI20250701BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】本発明は、安定性及び安全性に優れた肝障害抑制用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、該肝障害抑制用組成物を含有する肝障害抑制用飲食品、肝障害抑制用栄養組成物、肝障害抑制用飼料又は肝障害抑制用医薬品を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、乳酸菌の菌体、培養物、菌体処理物及び培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする肝障害抑制用組成物を提供する。乳酸菌としては、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)、レンチラクトバチルス・ケフィリ(Lentilactobacillus kefiri)又はラクトコッカス・ラウデンシス(Lactococcus laudensis)が挙げられる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
乳酸菌の菌体、培養物、菌体処理物及び培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする肝障害抑制用組成物。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記乳酸菌がロイコノストック(Leuconostoc)属、レンチラクトバチルス(Lentilactobacillus)属及びラクトコッカス(Lactococcus)属からなる群より選択される属に属する少なくとも1種の乳酸菌である、請求項1に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項3】
前記ロイコノストック属に属する乳酸菌が、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)である、請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項4】
前記ロイコノストック属に属する乳酸菌が、ロイコノストック・ラクティスSBT2561株(NITE P-02990)である請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項5】
前記レンチラクトバチルス属に属する乳酸菌が、レンチラクトバチルス・ケフィリ(Lentilactobacillus kefiri)である、請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項6】
前記レンチラクトバチルス属に属する乳酸菌が、レンチラクトバチルス・ケフィリSBT2022株(NITE P-04023)である請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項7】
前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌が、ラクトコッカス・ラウデンシス(Lactococcus laudensis)である、請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項8】
前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌が、ラクトコッカス・ラウデンシスSBT11178株(NITE P-03333)である、請求項2に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項9】
前記肝障害抑制が、細胞障害指標の低減であることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
【請求項10】
前記肝障害抑制が、酸化ストレスの低減であることを特徴とする、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳酸菌の菌体、培養物、菌体処理物及び培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする肝障害抑制用組成物、肝障害抑制用飲食品、肝障害抑制用栄養組成物、肝障害抑制用飼料又は肝障害抑制用医薬品に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
肝障害とは、薬剤、アルコール、過栄養などに起因して、肝細胞が障害されて機能異常を起こした状態であり、障害された細胞から漏出した肝障害指標の血中量によって検出されている。日本の成人では肝障害指標の血中量が高い人が、男性全体では約25%、女性全体では約10%存在すると報告されている(非特許文献1)。肝障害が進展すると、一部の人は肝硬変や肝がんといった疾病に至り、最終的には死亡という転帰をとるため、肝障害の抑制は国民健康上の重要な課題の一つである。
【0003】
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が過剰に沈着し、肝障害をきたす疾患の総称である。特に、アルコールに起因しない脂肪肝は、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease、以下単にNAFLDということがある)と呼ばれ、放置すると非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis、以下単にNASHということがある)、肝硬変、肝臓癌へと進行することが知られている。また、NAFLDは、メタボリックシンドロームの肝臓での表現型であると考えられている。メタボリックシンドロームは、内臓肥満の蓄積に加え、脂質代謝異常・高血圧・高血糖のうち2つ以上当てはまる状態を指し、肝障害を含め、様々な疾患を引き起こすことが知られている。
【0004】
生体内の全ての細胞では代謝など酸素を消費する過程において活性酸素種(reactive oxygen species、以下単にROSということがある)が常に生成されている。通常ではカタラーゼ(catalase)、スーパーオキシドディスムターゼ(Superoxidedismutase、以下単にSODということがある)、ヘムオキシゲナーゼ(Hemeoxygenase、以下単にHO-1ということがある)等の抗酸化酵素やグルタチオン等の抗酸化物質による抗酸化防御機構によってROSは除去されている。一方、薬剤、アルコール、過栄養などによりROSの産生が抗酸化機構を上回った酸化ストレス状態では、除去しきれなかったROSが脂質やタンパク質、DNA等の生体高分子と反応し細胞障害を惹起する(非特許文献1)。
【0005】
肝障害をきたす疾患の一つであるNAFLDの病態機序として、2hit仮説が提唱されている。これは肝臓に脂肪が蓄積して(1st hit)外界からの刺激に対する感受性が上昇したところに酸化ストレス等の細胞障害の惹起が加わり(2nd hit)、肝細胞が障害されるという仮説である(非特許文献3)。したがって、酸化ストレスの軽減、脂肪酸の合成抑制やβ酸化促進によって脂肪酸の蓄積を阻害することで肝障害を抑制することができる。
【0006】
ところで、乳酸菌およびビフィズス菌は、古来より発酵食品の製造に使用される細菌であるが、近年の研究で様々な健康機能の増進に寄与することが明らかとなりつつある。
特許文献1は、乳酸菌の菌体破壊物を有効成分として含有する脂質代謝改善剤、及び乳酸菌を破壊する工程を含むことを特徴とする乳酸菌代謝改善作用を増強する方法に関して開示している。その脂質代謝改善効果として、総コレステロール、LDL-コレステロール、中性脂肪、動脈硬化指数、内臓脂肪の低減、並びに/あるいはHDL-コレステロール及び/又はアディポネクチンの上昇を挙げているが、肝機能障害、酸化ストレス抑制効果については何ら記載されていなかった。また、乳酸菌として多数の属及び多数の種が挙げられ、その中にロイコノストック・ラクティス種も含まれているが、実施例で脂質代謝改善作用が確認されているのはラクトバチルス・アミロボラス種のみである。さらにまた、前記脂質代謝改善剤は、ラクトバチルス・アミロボラスの乳酸菌菌体を殺菌した後に破砕した菌体破砕物を有効成分としており、死菌体には効果が無かったことが確認されており、生菌体については検討もされていない。
特許文献2は、乳酸菌と酵母で共棲発酵してなる発酵エキスに含まれるメラノイジンを有効成分とするNAFLD及び/又はNASHの治療薬について開示している。NAFLD及び/又はNASHの治療薬として、乳酸菌ロイコノストック・ラクティスと酵母の共棲発酵液からフィルターを使用して菌体を除去し、さらにメタノール溶出して得られたメライノイジンを有効成分としており、単独の菌体や培養物等によるNAFLD及び/又はNASHの改善効果については何ら記載されていなかった。
特許文献3は、レンチラクトバチルス・ケフィリ(旧分類:ラクトバチルス・ケフィリ)の乳発酵物又はその処理物を有効成分として含有することを特徴とする新規抗酸化組成物を開示している。その抗酸化用組成物は、レンチラクトバチルス・ケフィリを有効成分としているが、実施例ではレンチラクトバチルス・ケフィリに加え、複数の菌を含む複合微生物をスターターとして発酵させた発酵培養物の加熱処理物を使用しており、レンチラクトバチルス・ケフィリ単独あるいは生菌体での酸化ストレス低減効果は不明であった。
なお、何れの特許文献にもラクトコッカス・ラウデンシスに関する記載はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2011/155518号パンフレット
特開2013-133313号公報
特開2021-147380号公報
【非特許文献】
【0008】
Dharifi-Rad et al.、frontiers、2020、11
平成30年国民栄養・健康調査
Conde de la Rosa et al.、livers、2022、2:283-314
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、安定性及び安全性に優れた肝障害抑制用組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、該肝障害抑制用組成物を含有する肝障害抑制用飲食品、肝障害抑制用栄養組成物、肝障害抑制用飼料又は肝障害抑制用医薬品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意検討を進めたところ、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)、レンチラクトバチルス・ケフィリ(Lentilactobacillus kefiri)、又はラクトコッカス・ラウデンシス(Lactococcus laudensis) に属する乳酸菌の菌体及び/又は培養物等に、細胞の酸化ストレスを軽減し、肝障害の抑制をもたらすことを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の様態を含むものである。
(1)
乳酸菌の菌体、培養物、菌体処理物及び培養上清からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする肝障害抑制用組成物。
(2)
前記乳酸菌がロイコノストック(Leuconostoc)属、レンチラクトバチルス(Lentilactobacillus)属及びラクトコッカス(Lactococcus)属からなる群より選択される属に属する少なくとも1種の乳酸菌である、(1)に記載の肝障害抑制用組成物。
(3)
前記ロイコノストック属に属する乳酸菌が、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)である、(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(4)
前記ロイコノストック属に属する乳酸菌が、ロイコノストック・ラクティスSBT2561株(NITE P-02990)である(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(5)
前記レンチラクトバチルス属に属する乳酸菌が、レンチラクトバチルス・ケフィリ(Lentilactobacillus kefiri)である、(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(6)
前記レンチラクトバチルス属に属する乳酸菌が、レンチラクトバチルス・ケフィリSBT2022株(NITE P-04023)である(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(7)
前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌が、ラクトコッカス・ラウデンシス(Lactococcus laudensis)である、(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(8)
前記ラクトコッカス属に属する乳酸菌が、ラクトコッカス・ラウデンシスSBT11178株(NITE P-03333)である、(2)に記載の肝障害抑制用組成物。
(9)
前記肝障害抑制が、細胞障害指標の低減であることを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(10)
前記肝障害抑制が、酸化ストレスの低減であることを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(11)
前記肝障害抑制が、過酸化物の蓄積を抑制することを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(12)
前記肝障害抑制が、抗酸化関連酵素の遺伝子発現の亢進、抗酸化関連酵素活性の亢進、及び抗酸化物質の量の増加からなる群より選択される少なくとも1つであることを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(13)
抗酸化物質がグルタチオンである、(12)に記載の肝障害抑制用組成物。
(14)
前記肝障害抑制が、肝細胞への脂質の蓄積を抑制することを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(15)
前記肝障害抑制が、脂質合成関連遺伝子の発現を抑制することを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(16)
前記肝障害抑制が、脂質酸化関連遺伝子の発現を亢進することを特徴とする、(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物。
(17)
上記(1)~(8)のいずれか一項に記載の肝障害抑制用組成物を含むことを特徴とする肝障害抑制用飲食品、肝障害抑制用栄養組成物、肝障害抑制用飼料又は肝障害抑制用医薬品。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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