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公開番号
2025101371
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-07
出願番号
2023218182
出願日
2023-12-25
発明の名称
軟磁性鉄合金板、該鉄合金板の製造方法、該鉄合金板を用いた鉄心および回転電機
出願人
株式会社日立製作所
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250630BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】電磁純鉄板よりも高いBsを示すことができ、かつパーメンジュールよりも低コスト化が可能な軟磁性鉄合金板、該軟磁性鉄合金板の製造方法、該軟磁性鉄合金板を用いた鉄心および回転電機を提供する。
【解決手段】本発明に係る軟磁性鉄合金板は、5~30原子%のCoと、0.5~10原子%のNと、0.02原子%以上2.1原子%未満のCとを含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、フェライト相を主相とし、正方晶構造の窒化鉄マルテンサイト相を含み、前記軟磁性鉄合金板を横断面観察したときに、平均直径0.15μm以下かつ数密度1/100μm
2
以下で空孔が内在していることを特徴とする。
【選択図】図4B
特許請求の範囲
【請求項1】
軟磁性鉄合金板であって、
5原子%以上30原子%以下のCoと、0.5原子%以上10原子%以下のNと、0.02原子%以上2.1原子%未満のCとを含み、残部がFeおよび不純物からなる化学組成を有し、
フェライト相を主相とし、正方晶構造の窒化鉄マルテンサイト相を含み、
前記軟磁性鉄合金板を横断面観察したときに、平均直径0.15μm以下かつ数密度1/100μm
2
以下で空孔が内在していることを特徴とする軟磁性鉄合金板。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の軟磁性鉄合金板において、
前記軟磁性鉄合金板の厚さが、0.01 mm以上1 mm以下であることを特徴とする軟磁性鉄合金板。
【請求項3】
請求項1に記載の軟磁性鉄合金板において、
前記軟磁性鉄合金板の飽和磁束密度が、2.2 T以上であることを特徴とする軟磁性鉄合金板。
【請求項4】
請求項2に記載の軟磁性鉄合金板において、
前記軟磁性鉄合金板の飽和磁束密度が、2.2 T以上であることを特徴とする軟磁性鉄合金板。
【請求項5】
請求項1に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法であって、
鉄を主成分とし、1原子%以上30原子%以下のCoと、0.02原子%以上2.1原子%未満のCとを含有する軟磁性材料からなり、厚さが0.01 mm以上1 mmの出発材料を用意する出発材料用意工程と、
前記出発材料に対してアンモニアガス雰囲気中で500℃以上700℃未満の温度に加熱して前記出発材料に0.5原子%以上10原子%以下のNを侵入拡散させて浸窒鉄合金板を得る中温浸窒処理工程と、
前記浸窒鉄合金板に対して900℃/min以上の加熱速度で950℃以上1400℃以下の温度まで急速昇温し、6000℃/min以上の冷却速度で100℃以下まで急速冷却して焼入鉄合金板を得る急速加熱焼入れ処理工程と、
前記焼入鉄合金板に対してオーステナイト相をマルテンサイト組織に変態させるためのサブゼロ処理工程と、
を有することを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法において、
前記急速加熱焼入れ処理工程は、700℃以上の滞在時間が2分間以内であることを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法において、
前記急速加熱焼入れ処理工程は、昇温後の保持時間が20秒間以内であることを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
【請求項8】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法において、
90℃以上200℃以下に加熱する焼戻し処理を行う焼戻し処理工程を更に有することを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
【請求項9】
請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法において、
前記浸窒鉄合金板に対してオーステナイト相をマルテンサイト組織に変態させるためのサブゼロ処理工程を更に有することを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の軟磁性鉄合金板の製造方法において、
90℃以上200℃以下に加熱する焼戻し処理を行う焼戻し処理工程を更に有することを特徴とする軟磁性鉄合金板の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性材料の技術に関し、特に、電磁純鉄板よりも飽和磁束密度が高い軟磁性鉄合金板、該鉄合金板の製造方法、該鉄合金板を用いた鉄心および回転電機に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
電磁純鉄板や電磁鋼板(例えば、厚さ0.01~3 mm)は、複数枚を積層成形することで電気機械装置(例えば、回転電機や変圧器)の鉄心として広く利用されている。鉄心では、電気エネルギーと磁気エネルギーとの変換効率が高いことが重要であり、高い磁束密度および低い鉄損が重要になる。磁束密度を高めるには軟磁性材料の飽和磁束密度Bsが高いことが望ましく、Bsが高い鉄系材料としてFe-Co(鉄-コバルト)系合金材料やFe-N(鉄-窒素)系マルテンサイト材料が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2021-102799)には、軟磁性の鋼板であって、1.2原子%以下の炭素および9原子%以下の窒素を含み、前記炭素および前記窒素の合計濃度が0.01原子%以上10原子%以下であり、前記窒素の濃度が前記炭素の濃度よりも高く、残部が鉄および不可避不純物からなり、α相(フェライト相)、α’相(Fe
8
N相)、α”相(Fe
16
N
2
相)およびγ相(オーステナイト相)から構成され、前記α相が主相であり、前記α”相の体積率が10%以上であり、前記γ相の体積率が5%以下であることを特徴とする軟磁性鋼板、が開示されている。
【0004】
特許文献1によると、純鉄よりも飽和磁束密度が高い鉄-窒素系マルテンサイトの軟磁性鋼板を提供することができる、とされている。また、当該軟磁性鋼板を用いることにより、純鉄を用いた鉄心よりも電気エネルギーと磁気エネルギーとの変換効率を高めた鉄心および回転電機を提供することができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-102799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在商用化されている軟磁性材料の中で、最も高いBsを有する材料としてパーメンジュール(49Fe-49Co-2V 質量%=50Fe-48Co-2V 原子%)がよく知られている。ただし、Coの材料コストは、市況による変動はあるが、Feの材料コストの100~200倍高いことから、パーメンジュールは非常に高コストの材料であるという弱点がある。言い換えると、Fe-Co系合金材料においては、Co含有率を下げればその分だけ材料コストを下げることができる。
【0007】
しかしながら、Fe-Co系合金材料は、Co含有率を下げるとBsも下がってしまう残念さがある。そこで、Co含有率の減少によるBsの低下分をFe-N系マルテンサイト相の生成で補うことが考えられるが、Fe-Co系合金材料は、窒素原子が侵入・拡散しにくく、Fe-N系マルテンサイト相の生成が難しいとされている。言い換えると、Fe-Co系合金材料におけるFe-N系マルテンサイト相の生成方法は確立されていない。
【0008】
一方、近年、地球環境保護の観点から、鉄心を利用する電気機械装置の適用分野が拡大傾向にあり、それに伴って該電気機械装置に対する高出力化、高効率化および小型化の要求が非常に強まっている。高出力化や小型化の要求に応えるには、鉄心のBs向上は重要な因子となる。また、当然のことながら、鉄心のコスト低減は工業製品として最重要な課題のうちの一つである。
【0009】
したがって、本発明の第一義の目的は、電磁純鉄板よりも高いBsを示すことができ、かつパーメンジュールよりも低コスト化が可能な軟磁性鉄合金板およびその製造方法を提供することにある。また、第二義の目的は、当該軟磁性鉄合金板を用いた鉄心および回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(I)本発明の一態様は、軟磁性鉄合金板であって、
5原子%以上30原子%以下のCo(コバルト)と、0.5原子%以上10原子%以下のN(窒素)と、0.02原子%以上2.1原子%未満のC(炭素)とを含み、残部がFe(鉄)および不純物からなる化学組成を有し、
フェライト相を主相とし、正方晶構造の窒化鉄マルテンサイト相(α’-Fe
8
N相および/またはα”-Fe
16
N
2
相)を含み、
前記軟磁性鉄合金板を横断面観察したときに、平均直径0.15μm以下かつ数密度1/100μm
2
以下で空孔が内在していることを特徴とする軟磁性鉄合金板、を提供するものである。
(【0011】以降は省略されています)
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