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公開番号2025097944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-01
出願番号2024219612
出願日2024-12-16
発明の名称ジカルボン酸および/またはジオール、ポリエステル、並びにそれらの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C07C 27/02 20060101AFI20250624BHJP(有機化学)
要約【課題】
アクリル成分および/またはシリコーン成分を含むポリエステル組成物から、ポリエステルモノマーであるジカルボン酸およびジオールを高収率で回収する。
【解決手段】
アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、180℃以上、350℃以下で水熱分解して得られる、ジカルボン酸および/またはジオール。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、180℃以上、350℃以下で水熱分解して得られる、ジカルボン酸および/またはジオール。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルコールおよびアルカリ成分共存下、135℃超、350℃以下で水熱分解して得られる、ジカルボン酸および/またはジオール。
【請求項3】
ジカルボン酸がテレフタル酸である、請求項1または2に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
【請求項4】
ジオールがエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、および1,4-ブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
【請求項5】
ポリエステル組成物が、アクリル成分および/またはシリコーン成分を含むポリエステルフィルムである、請求項1または2に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールを重合して得られる、ポリエステル。
【請求項7】
請求項6に記載のポリエステルを加工して得られる、繊維、フィルム、または樹脂成形品。
【請求項8】
アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、180℃以上、350℃以下で水熱分解する工程を有する、ジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
【請求項9】
水熱分解する工程より後に、酸晶析を含む工程を有し、酸晶析を含む工程後におけるジカルボン酸中のアクリル成分およびシリコーン成分の合計量が0.1重量%以下である、請求項8に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
【請求項10】
アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルコールおよびアルカリ成分共存下、135℃超、350℃以下で水熱分解する工程を有する、ジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ジカルボン酸および/またはジオール、ポリエステル、並びにそれらの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、海洋プラスチック問題をトリガーに地球環境問題に対する関心が高まり、持続可能な社会の構築が必要であるとの認識が広まってきている。地球環境問題には、地球温暖化をはじめ、資源枯渇、水不足などがあるが、その多くは産業革命以降の化石燃料の使用と工業の急速な発展による、資源消費量と地球温暖化ガス排出量の増大が原因である。そのため、持続可能な社会構築のためには、プラスチックなどの化石資源循環利用、および地球温暖化ガス排出量低減に関する技術がますます重要となる。
【0003】
プラスチック素材であるポリエステルフィルムやポリエステル繊維は、ポリエステル単独では実現できない特性を発現させるために、他種ポリマーが混合されることが多い。例えば、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマーがコーティングされたポリエステルフィルムは、機能性フィルムとして使用されている。また、ポリエステルとアクリル系ポリマーの混紡繊維等は衣服として使用されている。なかでも、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマーが架橋されている場合には、ポリエステルから分離することが難しく、ポリエステルをリサイクルする場合の課題となっていた。
【0004】
特許文献1にポリエチレンテレフタレート単体を解重合する技術、特許文献2にアクリル系ポリマー単体を解重合する技術が開示されている。また、特許文献3にポリエステルとアクリルを含むセルロース繊維の解重合技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-157402号公報
特開2006-206638号公報
米国特許第3801273号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリエステル成分とアクリル成分を含む組成物に対して、特許文献1の技術を応用する場合、事前にアクリル成分を除去した後、ポリエステルのみを解重合することは容易に想像できるが、ポリエステル成分とアクリル成分を同時に解重合することは言及されていなかった。
【0007】
また、特許文献2においては、アクリル成分をポリエステル成分と同時に解重合することで、アクリル成分の分解を促進することは記載されていなかった。
【0008】
特許文献3では、ポリエステル成分とアクリル成分を含むセルロース繊維の解重合技術が記載されているものの、ポリエステル成分、アクリル成分ともに解重合は不十分であった。また、ポリエステルモノマーの回収については言及されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の発明者らは鋭意検討を重ね、アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、特定の温度範囲で水熱分解することにより、事前にアクリル成分やシリコーン成分を除去しなくても、ポリエステルモノマーであるジカルボン酸およびジオールを高収率で回収することができることを見出した。その理由は以下のように推測される。すなわち、アクリル成分やシリコーン成分はアルコールとの親和性が高いため、適切な条件でポリエステルと同時に水熱分解することにより、ポリエステルの水熱分解により生成するジオールが、アクリルやシリコーンの分子鎖の間に侵入するとともに、アルカリ成分がアクリルやシリコーンの分子鎖を切断して、水熱分解を促進して水溶化または低分子量化することで、ポリエステルモノマーのうち、特にジカルボン酸の回収が容易になることにより、ジカルボン酸およびジオールを高収率で回収することができるものと推測される。
【0010】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
(1)アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、180℃以上、350℃以下で水熱分解して得られる、ジカルボン酸および/またはジオール。
(2)アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルコールおよびアルカリ成分共存下、135℃超、350℃以下で水熱分解して得られる、ジカルボン酸および/またはジオール。
(3)ジカルボン酸がテレフタル酸である、上記(1)または(2)に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
(4)ジオールがエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、および1,4-ブタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(1)または(2)に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
(5)ポリエステル組成物が、アクリル成分および/またはシリコーン成分を含むポリエステルフィルムである、上記(1)または(2)に記載のジカルボン酸および/またはジオール。
(6)上記(1)~(5)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールを重合して得られる、ポリエステル。
(7)上記(6)に記載のポリエステルを加工して得られる、繊維、フィルム、または樹脂成形品。
(8)アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルカリ成分共存下、180℃以上、350℃以下で水熱分解する工程を有する、ジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(9)水熱分解する工程より後に、酸晶析を含む工程を有し、酸晶析を含む工程後におけるジカルボン酸中のアクリル成分およびシリコーン成分の合計量が0.1重量%以下である、上記(8)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(10)アクリル成分および/またはシリコーン成分とポリエステル成分とを含むポリエステル組成物を、アルコールおよびアルカリ成分共存下、135℃超、350℃以下で水熱分解する工程を有する、ジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(11)水熱分解する工程より後に、酸晶析を含む工程を有し、酸晶析を含む工程後におけるジカルボン酸中のアクリル成分およびシリコーン成分の合計量が0.1重量%以下である、上記(10)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(12)アクリル成分、シリコーン成分、およびポリエステル成分の合計100重量部に対して、水が100~1000重量部である、上記(8)~(11)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(13)前記水熱分解する工程における水の重量(g)/アルコールの重量(g)が0.1以上、100以下である、上記(10)または(11)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(14)180℃以上、350℃以下における圧力が1.0~30MPaである、上記(8)または(9)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(15)135℃超、350℃以下における圧力が0.3~30MPaである、上記(10)または(11)に記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(16)アクリル成分、シリコーン成分、およびポリエステル成分の合計100重量部に対して、アルカリ成分を25~100重量部共存させる、上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(17)アルカリ成分がアルカリ金属塩、および/またはアルカリ土類金属塩である、上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(18)アルカリ成分がpKa>4.0のアルカリ金属塩、および/またはpKa>4.0のアルカリ土類金属塩である、上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(19)ポリエステル組成物が、ポリエステル成分100重量部に対して、アクリル成分および/またはシリコーン成分を0.1~200重量部含む上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(20)ポリエステル成分がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、およびそれらの共重合体からなる群から選ばれる、上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(21)ポリエステル組成物が、アクリル成分および/またはシリコーン成分を含むポリエステルフィルムである上記(8)~(11)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法。
(22)上記(8)~(21)のいずれかに記載のジカルボン酸および/またはジオールの製造方法によって得られるジカルボン酸および/またはジオールを重合する工程を有する、ポリエステルの製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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