特許ウォッチ

公開番号2025096543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2025066010,2021121257
出願日2025-04-14,2021-07-26
発明の名称消火器具及び消火器具収納装置
出願人ホーチキ株式会社
代理人個人,個人
主分類A62C 8/06 20060101AFI20250619BHJP(人命救助;消防)
要約【課題】利用者が簡単且つより確実に火元を覆うようにシート体を被せて火災を消火する。
【解決手段】消火器具収納装置は、中空部を有する軸部材70を中軸として棒状に巻かれた状態を非展開状態とするシート体12を非展開状態かつ起立した状態で保持するホルダー74と、ホルダー74の底部から起立し軸部材70の中空部に嵌め込まれる支持ポール84と、シート体12の上部に着脱自在に装着されるキャップ76と、消火器24を配置する消火器ホルダー78と、消火器ホース25及び消火剤供給ホース26がホースホルダー82に巻かれた状態で配置されるポール80を備える。
【選択図】図11
特許請求の範囲【請求項１】
通常時には棒状に巻かれた非展開状態であり、消火時には前記非展開状態から転動することにより展開して火元を覆うシート体を少なくとも備えた消火器具を収納しておく消火器具収納装置であって、
前記シート体を前記非展開状態かつ起立した状態で保持するシート体ホルダー部を備えたことを特徴とする消火器具収納装置。
続きを表示（約 1,200 文字）【請求項２】
請求項１記載の消火器具収納装置であって、
中空部を有する軸部材を中軸として棒状に巻かれた状態を前記非展開状態とする前記シート体を備えた前記消火器具を収納対象とし、
更に、前記ホルダー部の底部から起立し、前記軸部材の中空部に嵌め込まれるシート体支持部を備えたことを特徴とする消火器具収納装置。
【請求項３】
請求項２記載の消火器具収納装置であって、
前記シート体支持部の高さは、起立した状態の前記シート体の高さよりも低い高さとしたことを特徴とする消火器具収納装置。
【請求項４】
請求項１乃至３の何れかに記載の消火器具収納装置であって、
更に、前記シート体ホルダー部に保持された前記シート体の上部に着脱自在に装着されるキャップ部を備えたことを特徴とする消火器具収納装置。
【請求項５】
請求項１乃至４の何れかに記載の消火器具収納装置であって、
前記シート体に加え、前記シート体へ消火剤を供給する消火剤配管と、前記消火剤配管を介して前記消火剤を前記シート体へ供給する消火剤供給器具を備えた前記消火器具を収納対象とし、
更に、
前記消火剤供給器具を配置する消火剤供給器具ホルダー部と、
前記消火剤配管が巻かれた状態で配置される消火剤配管ホルダー部と、
を備え、
前記シート体ホルダー部、前記消火剤供給器具ホルダー部及び前記消火配管ホルダーの各々は台座の上に独立して設けられたことを特徴とする消火器具収納装置。
【請求項６】
火元を覆うことができる一面を有するシート体と、
前記シート体に設けられた消火剤流通経路と、
前記シート体の一面又は両面に前記消火剤流通経路に対応して設けられ、前記消火剤流通経路に供給された消火剤を前記シート体の一面又は両面から放出する放出口と、
一端側が前記消火剤流通経路に接続され、前記消火剤流通経路へ前記消火剤を供給する消火剤配管と、
前記消火剤配管の他端側が接続され、前記消火剤を前記消火剤配管へ供給する消火剤供給器具と、
前記シート体、前記消火剤配管及び前記消火剤供給器具を収納しておく収納部と、
を備え、
前記放出口が前記シート体の一面に設けられた場合は当該一面を火元側に向け、前記放出口が前記シート体の両面に設けられた場合は前記一面又は他面を火元側に向けて前記シート体で当該火元を覆い、前記消火剤供給器具で所定の操作が行われた場合に、前記消火剤供給器具から前記消火剤配管を介して前記消火剤流通経路へ供給された前記消火剤を前記放出口から放出して消火し、
前記シート体は、
通常時には軸部材を中軸にして棒状に巻かれた非展開状態かつ起立した状態で前記収納部に収納され、
消火時には前記収納部から取り出して前記非展開状態から前記火元側へ向けて転動することにより展開して当該火元を覆うことを特徴とする消火器具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、火元をシート体で覆うことで火災を消火する消火器具及び消火器具収納装置に関する。
続きを表示（約 1,600 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、個人住宅や集合住宅等では、消火器具として消火器が設置されている。また、火元を覆うことで火災を消火する消火剤を封入した消火シートが知られている（特許文献１、２）。
【０００３】
しかしながら、消火器にあっては、操作者が消火器の取り扱いに不慣れである等、的確に消火器のホースを火元に向けて消火剤を放出することが難しく、また放出された消火剤が火元よりも広範囲に飛散していくことで十分な消火効率が得られず、また飛散した消火剤により周囲の物が汚れたり傷んだりする二次被害が生じる可能性がある。
【０００４】
また、従来の消火シートは、可溶性のシート（フィルム）に消火剤（粉末消火剤や消火液等）が封入され、火元を覆うように被せられたときに火災による熱を受けてシートが溶けることで封入された消火剤が放出して火災を消火する。しかし、消火シートに封入されている消火剤は比較的少量であることから、充分な消火効果を得られない場合が想定される。また、燻焼火災のように炎が出ていない場合には、十分に火元から熱を受けることができず、シートが溶けて消火剤を放出するまでに時間がかかり、初期消火に役立たない可能性が残る。
【０００５】
この問題を解決するため、本願出願人にあっては、火元を覆うシート体に消火剤流通経路を備え、シート体の一面（火元を覆うように被せたときの火元側の面）に消火剤を放出する複数の放出口を消火剤流通経路に対応させて配置し、シート体に消火剤供給ホースにより消火器を接続した消火器具を提案している（特許文献３）。
【０００６】
このようなシート体を用いた消火器具によれば、火災の消火時に、利用者がシート体の一面を下にして火元を覆うようにシート体を被せた後に、消火器を開栓操作してシート体の一面に配置された放出口から消火剤を面放出させることで、シート体で覆った火元に対して火災の種類に依存せず、時間を要することなく、かつ効率良く消火剤を放出し、消火剤による冷却効果とシート体で火元を覆ったことによるシート体外部からの酸素供給の遮断（窒息）効果との相乗効果が得られ、より確実に火災を消火することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特開昭５４－１２５８９８号公報
特開平１０－２０１８７１号公報
国際公開第２０２１－１００７６６号公報
実願昭５２－０６５３７０号（実開昭５３－１６６５９８号）のマイクロフィルム
韓国登録特許第１０－２１７１３５８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
ところで、従来のシート体を用いた消火器具にあっては、通常時にはシート体は消火対象エリアに非展開状態で配置されており、火災発生時には利用者がシート体を手に取り、シート体を展開させた上で火元を覆うように被せる必要がある。非展開状態とは、例えば収納箱に収納された状態、スタンドに掛けられた状態、更には少ない配置スペースで済むように手提げ鞄を呈するように折り畳まれた状態等のことである。
【０００９】
しかしながら、従来のシート体を用いた消火器具にあっては、非展開状態のシート体を大きく広げて展開させた後に、シート体を火元に上から覆うように被せる操作を必要とし、火災による緊急事態で消火を急ぐ状況下では、シート体を展開させ火元を覆うように被せる操作に焦ってしまい、適切に火元を覆うようにシート体を被せることができない場合が想定される。
【００１０】
そのため、従来のシート体には外周縁に重りが配置され、利用者が投げ網のように投げることでシート体を展開できるようにして利用者によるシート体の展開操作を助けた上で、火元を覆うようにシート体を被せることを可能としている。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許