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公開番号2025095954
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023212357
出願日2023-12-15
発明の名称水性コーティング剤、及び、車両用天井表皮部材
出願人日華化学株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C09D 167/00 20060101AFI20250619BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】接着性と柔軟性とを両立した水性コーティング剤を開示する。
【解決手段】本開示の水性コーティング剤は、ポリエステル共重合体を含む。前記ポリエステル共重合体は、多価カルボン酸残基と多価アルコール残基とを含む。前記多価カルボン酸残基は、テレフタル酸残基と金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基とを含む。前記多価アルコール残基は、数平均分子量800以上6000以下のポリエチレングリコール残基を含む。前記ポリエステル共重合体に含まれる前記多価カルボン酸残基に占める前記テレフタル酸残基の平均割合は、73質量%以上99質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル共重合体を含む水性コーティング剤であって、
前記ポリエステル共重合体が、多価カルボン酸残基と多価アルコール残基とを含み、
前記多価カルボン酸残基が、テレフタル酸残基と金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基とを含み、
前記多価アルコール残基が、数平均分子量800以上6000以下のポリエチレングリコール残基を含み、
前記ポリエステル共重合体に含まれる前記多価カルボン酸残基に占める前記テレフタル酸残基の平均割合が、73質量%以上99質量%以下である、
水性コーティング剤。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
請求項1に記載の水性コーティング剤であって、
前記ポリエステル共重合体が、5000以上50000以下の重量平均分子量を有する、
水性コーティング剤。
【請求項3】
請求項1に記載の水性コーティング剤であって、
20℃において5000mPa・s以上50000mPa・s以下の粘度を有する、
水性コーティング剤。
【請求項4】
ポリエステル編物とポリエステル不織布とを有する車両用天井表皮部材であって、
前記ポリエステル編物と前記ポリエステル不織布とが、請求項1~3のいずれか1項に記載の水性コーティング剤に含まれる前記ポリエステル共重合体を介して積層されている、
車両用天井表皮部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、水性コーティング剤、及び、車両用天井表皮部材を開示する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
環境配慮の観点から、モノマテリアル化による環境配慮型パッケージ(材料)によるリサイクル適性向上の要望が高い。車両用天井材は、基材と表皮材とを備え、これら材料が積層された状態で一体に成型される。通常、表皮材はポリエステル織物にほつれ防止目的のアクリル樹脂等のバックコーティング材、弾性付与目的のポリウレタン樹脂の発泡材(軟質ポリウレタンフォーム)、そして裏布として天然及び合繊のスパンレース等の不織布が積層されている。表皮材は、使用される材料が異なるため、リサイクル適性がなく、廃棄されているのが現状である。
【0003】
特許文献1には、リサイクルポリエステルに由来するテレフタル酸残基と、前記テレフタル酸残基以外の多価カルボン酸残基とを有する水系ポリエステル樹脂であって、前記多価カルボン酸残基が、金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基と、前記テレフタル酸残基及び前記金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基以外の他の多価カルボン酸残基とを含み、前記水系ポリエステル樹脂が含む全多価カルボン酸残基に対して、前記テレフタル酸残基の割合が20質量%以上72質量%以下であり、前記金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基の割合が5質量%以上32質量%以下であり、酸価が10mgKOH/g以下である水系ポリエステル樹脂が開示されている。当該水系ポリエステル樹脂は接着性に優れるものの、基材の柔軟性を損ねてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-158851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、接着性と柔軟性とを両立した水性コーティング剤、及び、当該水性コーティング剤を利用して構成された車両用天井表皮部材を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
<態様1>
ポリエステル共重合体を含む水性コーティング剤であって、
前記ポリエステル共重合体が、多価カルボン酸残基と多価アルコール残基とを含み、
前記多価カルボン酸残基が、テレフタル酸残基と金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基とを含み、
前記多価アルコール残基が、数平均分子量800以上6000以下のポリエチレングリコール残基を含み、
前記ポリエステル共重合体に含まれる前記多価カルボン酸残基に占める前記テレフタル酸残基の平均割合が、73質量%以上99質量%以下である、
水性コーティング剤。
<態様2>
態様1の水性コーティング剤であって、
前記ポリエステル共重合体が、5000以上50000以下の重量平均分子量を有する、
水性コーティング剤。
<態様3>
態様1又は2の水性コーティング剤であって、
20℃において5000mPa・s以上50000mPa・s以下の粘度を有する、
水性コーティング剤。
<態様4>
ポリエステル編物とポリエステル不織布とを有する車両用天井表皮部材であって、
前記ポリエステル編物と前記ポリエステル不織布とが、態様1~3のいずれかの水性コーティング剤に含まれる前記ポリエステル共重合体を介して積層されている、
車両用天井表皮部材。
【発明の効果】
【0007】
本開示の水性コーティング剤は、接着性と柔軟性との双方に優れる。本開示の水性コーティング剤を用いて車両用天井表皮部材を構成した場合、当該部材の軽量化とモノマテリアル化とが容易となる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態に係る水性コーティング剤、及び、車両用天井表皮部材について説明するが、本開示の技術は、この形態に限定されるものではない。
【0009】
1.水性コーティング剤
一実施形態に係る水性コーティング剤は、ポリエステル共重合体を含む。ここで、前記ポリエステル共重合体は、多価カルボン酸残基と多価アルコール残基とを含む。前記多価カルボン酸残基は、テレフタル酸残基と金属スルホネート基含有多価カルボン酸残基とを含む。前記多価アルコール残基は、数平均分子量800以上6000以下のポリエチレングリコール残基を含む。前記ポリエステル共重合体に含まれる前記多価カルボン酸残基に占める前記テレフタル酸残基の平均割合は、73質量%以上99質量%以下である。
【0010】
1.1 ポリエステル共重合体
一実施形態に係るポリエステル共重合体は、多価カルボン酸残基(A)と多価アルコール残基(B)とを含む。また、当該ポリエステル共重合体は、多価カルボン酸残基(A)及び多価アルコール残基(B)以外のその他の成分に由来する残基(C)を有していてもよい。ポリエステル共重合体は、1種のみであってもよく、2種以上が組み合わされたものであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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