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公開番号2025095001
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-26
出願番号2023210750
出願日2023-12-14
発明の名称聴覚検査システム
出願人公立大学法人奈良県立医科大学,リオン株式会社
代理人個人,個人
主分類A61B 5/12 20060101AFI20250619BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】耳科手術中に聴力検査を実施可能とする技術の提供。
【解決手段】聴覚検査システム1においては、軟骨伝導振動子10が音信号送信部40から送られてくる刺激音信号に応じた振動を耳軟骨に与えて聴覚刺激音を提示し、これに同期して電極20から送られてくる脳波信号を解析部60が解析する。軟骨伝導振動子10は、その振動部が殺菌等の処理が可能なケースに密封されているため、殺菌等の処理を施せば、再建対象部位の再建後、すなわち耳科手術中にも患者の耳にこれを装着して誘発反応検査を行うことができ、再建により望ましい効果が得られたかを手術中に確認することができる。また、聴覚検査システム1は、再建対象部位の再建前後における誘発反応検査の結果を比較して聴力が相対的に改善したか否かを評価するものであり、聴力閾値を正確に求める必要はないため、厳格な校正や管理を要するオージオメータ等の機器よりも簡単に取り扱うことができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
聴性誘発反応を利用して検査を行う聴覚検査システムであって、
所定の刺激音に対応する刺激音信号を出力する音信号出力部と、
微生物への対処を含む所定の処理が可能なケースに密封されており、患者の耳に装着されて、前記刺激音信号に応じた振動を耳軟骨に与える軟骨伝導振動子と、
患者から検出される脳波を電気信号に変換して出力する電極と、
前記電気信号に基づいて前記刺激音に対する患者の反応の有無を判定する解析部と
を備えた聴覚検査システム。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
請求項1に記載の聴覚検査システムにおいて、
前記解析部は、
前記電気信号に基づいて患者の聴力を解析し、耳の再建対象部位の再建前に行われた検査における解析結果と再建後に行われた検査における解析結果とを比較して、前記再建対象部位の再建前後において聴力が相対的にどの程度変化したかを分析することを特徴とする聴覚検査システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の聴覚検査システムにおいて、
前記軟骨伝導振動子は、
耳に所定の範囲内の力で取り付けられる構造を有していることを特徴とする聴覚検査システム。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の聴覚検査システムにおいて、
前記軟骨伝導振動子は、
耳に所定の範囲内の力で押し付けられることを特徴とする聴覚検査システム。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の聴覚検査システムにおいて、
前記電極から前記電気信号を受信する脳波信号受信部をさらに備え、
前記軟骨伝導振動子と前記音信号出力部との間の通信、及び、前記電極と前記脳波信号受信部との間の通信のうち、少なくとも一方は無線でなされることを特徴とする聴覚検査システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の聴覚検査システムにおいて、
前記音信号出力部は、
第1機器に実装されており、
前記解析部は、
前記第1機器とは別の第2機器に実装されていることを特徴とする聴覚検査システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耳科手術により聴力が改善したか否かを手術の完了前に確認可能な聴覚検査システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
中耳炎や真珠腫等により耳小骨に異常がある場合や、耳硬化症への対処としてアブミ骨手術を行う場合には、耳小骨連鎖部の再建手術が行われる。耳小骨連鎖部の再建手術は、医師の経験と推測に基づいて行われるのが一般的であり、再建する場所、大きさ、素材の有効性の是非は、現状では、手術完了後に聴力検査を行ってその結果を見ないと判断することができない。そのため、手術完了後に行った聴力検査の結果が思わしくなければ、改めて手術を行わなければならず、患者にとっても医師にとっても負担が大きい。
【0003】
ここで、脳外科手術においては、従来、手術に際して挿入型イヤホン及び電極を患者に装着し、手術中にイヤホンから刺激音を発して、電極から得られる患者の脳波が刺激音に反応していることを確認しながら、反応が低下しないように、すなわち聴神経等を損傷しないように手術が行われている(例えば、非特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
深谷 卓ら著,「後頭蓋窩手術におけるABR・CAPの意義と限界」,Audiology Japan,Vol.33,No.5,pp.405-406,1990年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脳外科手術においては、耳を触る必要がないため、上述したように手術中にイヤホンを挿入しておきイヤホンから提示される刺激音に対する患者の反応をみることができる。しかしながら、耳科手術においては、耳を触らなければ手術ができないため、挿入型イヤホンや気導受話器を装着したままにすることは不可能である。また、骨導振動子は、頭蓋骨に振動を与えることで蝸牛を直接揺らして音を伝えるものであって、その振動は再建した耳小骨連鎖部を経由しないため、耳小骨連鎖部の再建による効果を確認することはできない。
【0006】
そもそも、手術中に何かを装着しようとすれば、その状況に応じた滅菌、殺菌や消毒等の処理が必須となるが、そのためには、装着物がそうした処理を行いうる構造をなしており、かつ、処理後にすぐ使用できる方法でなければならない。例えば、酸化エチレンガス(EOG)を用いたEOG滅菌は、EOGそのものが人体に対して毒性がある上に、滅菌後の残留ガスの除去も必要であるため、滅菌後すぐに使用することは困難である。このように、耳科手術中に患者の聴覚反応を得ようとすると様々な困難が伴うが、患者や医師の負担を軽減するには、耳科手術中に患者の聴覚反応を得られるようにし、改めて手術を行うことなく1回の手術で聴力を改善できるようにすることが望ましい。
【0007】
そこで、本発明は、耳科手術中に聴力検査を実施可能とする技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は以下の聴覚検査システムを採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
すなわち、本発明の聴覚検査システムは、聴性誘発反応を利用して検査を行う聴覚検査システムであって、所定の刺激音に対応する刺激音信号を出力する音信号出力部と、微生物への対処を含む所定の処理(微生物に対処するための処理や、人体に害のある物質の付着に対処するための処理)が可能なケースに密封されており、患者の耳に装着されて、刺激音信号に応じた振動を耳軟骨に与える軟骨伝導振動子と、患者から検出される脳波を電気信号に変換して出力する電極と、電気信号に基づいて刺激音に対する患者の反応の有無を判定する解析部とを備えている。
【0010】
この態様の聴覚検査システムにおいては、軟骨伝導振動子がケースに密封されており、このケースは殺菌等の処理が可能であるため、手術室で求められる清潔レベルに応じた処理を施せば、手術中(再建対象部位の再建後)に患者の耳に装着することができる。したがって、この態様の聴覚検査システムによれば、手術中に患者の聴力を検査することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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